AKGの上位イヤホン「Nシリーズ」に中堅モデルが登場

高コスパな2Wayハイブリッド型イヤホン「N30」が登場! AKG初のデュアルダイナミック型イヤホンも

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ハーマンインターナショナルは、AKGブランドのコンシューマー向けイヤホンの上位モデル「Nシリーズ」の新製品として、ドライバーに2Wayハイブリッド型を採用した「N30」と、デュアルダイナミック型仕様の「N25」を2017 年2月24日より発売する。いずれもハイレゾロゴを取得したカナル型イヤホンで、Nシリーズではこれまでなかった2〜3万円台のミッドレンジをカバーする製品だ。

Nシリーズに新たに加わったカナル型イヤホン「N30」

Nシリーズに新たに加わったカナル型イヤホン「N30」

AKGのNシリーズは、スマートフォン用のマイク付きリモコンを備えた機能性と、通勤時や通学時でも気軽に楽しめるデザイン性に加えて、プロミュージシャンやオーディオ愛好家をターゲットにしたハイエンドモデル「Kシリーズ」で培ってきた音響技術も投入した、コンシューマー向けイヤホンの上位シリーズだ。

2015年に登場したNシリーズは、最上位モデルの2Wayハイブリッド型のカナル型「N40」と、エントリー向けのダイナミック型ドライバーを1基搭載した「N20U」「N20」の3モデルをラインアップ。想定売価はそれぞれ、「N40」が45,880円(税別)、「N20U」が12,880円(税別)、「N20」が11,880円(税別)で、その間を埋める2〜3万円台のミッドレンジ帯モデルはこれまで不在だった。

今回登場した「N30」と「N25」はその間を埋める中堅製品で、「N30」は最上位モデル「N40」の妹分、「N25」は「N20」の兄貴分的なスペックになっている。想定売価はそれぞれ、「N30」が29,800円(税別)、「N25」が19,880円(税別)だ。なお、今回の新モデルの登場にともない、「N40」は想定売価が39,880円に引き下げられる。これまで「高い」or「安い」の2つしかなかったNシリーズだが、製品を拡充したことにより選択肢の幅が広がった。

専用のダイナミック型ドライバーを採用した2Wayハイブリッドイヤホン

AKGのカナル型イヤホン「N30」

AKGのカナル型イヤホン「N30」

2Wayハイブリッド仕様のカナル型イヤホンとなる「N30」は、中高域用のバランスドアーマチュア(BA)型ドライバーと、低域用に8mm口径のダイナミック型ドライバーの2つのドライバーを搭載。ダイナミック型ドライバーについては「N40」と同じ口径となるが、「N30」用に新開発されたものを採用している(BA型ドライバーは「N40」と同じもの)。ドライバー自体のサイズが同じため筺体デザインも「N40」とほぼ変わらないが、フェイスプレートの素材はステンレスからアルミに変更されている。

主な仕様は、周波数特性が20Hz〜40kHz、感度が86dB/mW、インピーダンスが32Ω。ケーブルは4極3.5mmミニ(ストレート型)で、スマートフォン用マイク付き3ボタンリモコンを搭載している。ケーブル長は1.2m。イヤーチップサイズはL/M/S/XSの4種類。

また、「N40」にはAKGのハイエンドモデル「K」シリーズのフラッグシップイヤホン「K3003」で培われたノウハウも継承されているが、「N30」でもこれは引き続き踏襲されている。具体的にはハイブリッド型ながら帯域を分割するネットワーク回路を持たず、筺体設計のみでサウンド全体のチューニングをしており、電気的なロスがないためより自然な音のつながりを実現しているという。

手前にBA型ドライバーが見える構造も「N40」と同じだ

手前にBA型ドライバーが見える構造も「N40」と同じだ

さらにノズル先端部に設けられた付け替え可能なフィルター構造「メカニカル・チューニングフィルター」も健在。ただし、「N40」では3種類のフィルター「ハイ・ブースト」「リファレンス」「バス・ブースト」が付属していたが、「N30」では「ハイ・ブースト」を省略し、「リファレンス」「バス・ブースト」の2種類のみとなっている。

付け替え可能な「メカニカル・チューニングフィルター」。固定はトルク式。「N30」では「リファレンス」「バス・ブースト」の2種類が付属する

なお、ケーブルはAndroid/iPhone用のリモコンを備えたタイプで、「N40」に付属していたリモコンなしのストレートケーブルは同梱されない。またMMCXコネクターを採用し、リケーブルにも対応できるが、「N30」には「N40」のケーブルが挿しこめない作りになっている。これは接続時の安定性をより高めるため筺体側のコネクタ−が若干異なっているためだ。カラーバリエーションは、マットブラックとサテンシルバーの2色。

左のユニットが「N30」で、右のユニットが「N40」。赤丸で囲んだ部分の加工が若干異なっていることがわかる

左のユニットが「N30」で、右のユニットが「N40」。赤丸で囲んだ部分の加工が若干異なっていることがわかる

気になる音質をチェックしてみた。Astell&Kern「AK70」で、ハイレゾ音源(24bit/96kHz、192kHz/24bit)を使用し試聴を行った。

本製品で最も気になるのは「N40」との違いだ。聴き比べてみたところ、「N40」と「N30」は確かに違うところもあるが、音色の傾向はとても似ている。定位のよさは「N40」から引き継いでおり、ボーカルのフォーカス感もほぼ同じ。感じられる空間の広さも似たものがある。細かい音が聴き分けられるのはやはり「N40」のほうだが、極端な違いがなかったのはうれしい誤算だった。大きな違いをあげるならスピード感で、「N30」はややキレが甘く、スピード感のある楽曲ではやや遅く感じる傾向がある。おそらく筺体の素材が影響しているのだろう。とはいえ、「N40」よりも1万円ほど安いのに、近いクオリティを実現しているのには驚いた。

異口径のダイナミック型ドライバーを同軸上に配置した「N25」

デュアルダイナミック型仕様のカナルイヤホン「N25」

デュアルダイナミック型仕様のカナルイヤホン「N25」

いっぽうの「N25」は、異口径のダイナミック型ドライバーを同軸上に配置したカナル型イヤホンだ。AKGのイヤホンでデュアルダイナミック型が採用されるのは今回が初。デュアルダイナミック型ドライバーを搭載する製品の中には、ドライバーを向かい合わせに配置する対向型や、上下に並べるタイプなどもあるが、AKGは音像定位にすぐれた同軸タイプ。音質については、下位モデル「N20」をベースに高音域から低音域まで密度感のあるワイドレンジ再生を実現しているという。

主な仕様は、周波数特性が20Hz〜40kHz、感度が92dB/mW、インピーダンスが16Ω。ケーブルは4極3.5mmミニ(ストレート型)で、スマートフォン用マイク付き3ボタンリモコンを搭載している。ケーブル長は1.2m。イヤーチップサイズはL/M/S/XSの4種類。

搭載されている2基のドライバーは、筐体側に低域用の9.2mm口径ドライバーを、ノズル側に中高音域用の5.8mm口径ドライバーを配置。斜めに角度がついたノズルを採用するため、完全な同軸とは言えないがそれに近い効果が得られるという。

「N25」の内部構造。筺体奥側に低域用の9.2mm口径のダイナミック型ドライバーを、ノズル側に中高音域用の5.8mm口径のダイナミック型ドライバーを搭載している

残念だったのは樹脂製の筺体。「N20」ではメタルハウジングを採用しているのに、なぜか「N25」ではプラスチックになっていた。チープな印象を受けるだけでなく強度の心配もある。フェイスプレートにアルミニウムを採用し、カラーバリエーションとして3色(ブラック/ベージュ/ティールグリーン)を用意してはいるが、もう少し見た目にも配慮がほしかった。

プラスチックな感じがありありとわかる筺体

プラスチックな感じがありありとわかる筺体

肝心の音を聴いてみた。再生環境は「N30」試聴時と同じ環境だ。「N25」はエネルギー感のある音が特徴的。と言っても低音がドンドン響くような音ではなく、低域から高域まで全体的に力強いイメージである。それでいてダイナミックレンジがしっかり確保されており、情報量を損なわずに迫力が増した印象だ。ロックなどの力強く精密な音楽を聴くのに向いた音質セッティングと言えるだろう。その音はどこか昔のKシリーズのスタジオヘッドホンを彷彿とさせるエネルギー感のようなものを持っていると感じた。

まとめ 選択肢の幅が広がったNシリーズの中堅モデル「N30」「N25」

今回、AKGのNシリーズに加わった2モデルは、これまでラインアップになかったミッドレンジをしっかりカバーできる製品となっている。「N30」にいたっては「N40」ゆずりのスペックを持ち、そのサウンドは「N40」に比べてもさほど劣らない。アルミニウムのフェイスプレートやメカニカル・チューニングフィルターを一部省略するなど細かい違いはあるが、「N40」より想定売価は1万円も安く、コストパフォーマンスはかなり高いと言える。「N40」が欲しかったが、価格が気になっていたという人には一度聴いてみていただきたいモデルだ。

いっぽうの「N25」は、デュアルダイナミック型というAKGのイヤホンでは初となる仕様を採用している。「N20」をベースとしているが、ダイナミックレンジの高さもあり、その音はどこか昔のKシリーズのスタジオヘッドホンで感じたエネルギー感のようなものを持っていると感じた。プラスチックな筺体は安っぽくてやや残念だが、その音はAKGブランドを感じさせるものとなっている。

銭袋秀明(編集部)

銭袋秀明(編集部)

編集部の平均体重を底上げしている下っ端部員。アキバをフィールドワークにする30代。2015年4月、某編集部から異動して価格.comマガジン編集部へ。今年こそ、結果にコミット!

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2017.5.23 更新
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