サブウーハーを搭載し、低音に合わせてヘッドホンが物理的に震えるという衝撃のギミックが話題を呼んだSkullcandy「CRUSHER」。そんなCRUSHERに待望のBluetoothワイヤレスモデル「CRUSHER WIRELESS」が登場した。発売日は4月7日で、価格は21,800円(税別)となっている。ここでは、振動システムやドライバーユニットなどすべてを一新し、大きく生まれ変わったCRUSHER WIRELESSの特徴をレポートする。
CRUSHER WIRELESS。発売は4月7日で、価格は21,800円(税別)
2013年10月の発売以降、45,000台以上の販売を記録し、いまなおロングヒットを続けているCRUSHER。今回登場するCRUSHER WIRELESSは、CRUSHERの基本コンセプトを継承しつつ、新たにBluetooth対応でワイヤレス化を図ったモデルだ。
CRUSHERの基本コンセプトを継承しつつ、Bluetooth対応でワイヤレス化を果たしたCRUSHER WIRELESS
ちなみに、内蔵バッテリーを搭載したBluetoothヘッドホンとして生まれ変わったことで、従来のCRUSHERのように、サブウーハーを駆動させる単三電池を別途用意する必要がなくなっている。BluetoothのコーデックはSBCに対応している。
CRUSHER WIRELESSは、CRUSHERから数多くの進化を遂げている
もちろん、ただ単にBluetoothワイヤレス化しただけではなく、サウンド面もしっかりと進化を遂げている。なかでも最大の進化点が、超低音域のステレオ再生に対応した「Stereo Haptic Bass(ステレオハプティックベース)」の搭載だ。サブウーハーがステレオになったほか、ウーハーが反応する周波数帯域が拡大され、より立体的な低域と豊かな音場感を実現できるようになったという。同社は、音楽再生だけでなく、特に映像とリンクするように立体的な音づくりをしている映画やゲーム、VRコンテンツでの利用にも最適とアピールしている。
超低音域のステレオ再生に対応したStereo Haptic Bass(ステレオハプティックベース)を搭載し、低音の立体感が格段に向上
CRUSHER WIRELESSでは、音楽再生だけではなく、映像やゲームなどとの組み合わせも積極的に訴求していくという
また、搭載されているドライバーユニットも刷新。ドライバーデザインから起こしたという自社開発のドライバーを搭載し、解像度が高まっているほか、サブウーハーとのつながりもさらにスムーズになっているという。
ドライバーデザインから起こしたという自社開発のドライバーユニットを搭載
本体についても、従来のCRUSHERはヘッドバンドからスライダーまですべて樹脂素材だったが、CRUSHER WIRELESSではメタルに変更。新形状のヘッドバンドやPUレザーを使用した形状記憶イヤパッドの新採用など、細かいところもかなりこだわっているという。
サブウーハーやドライバーユニットだけでなく、ヘッドバンドやイヤーパッドも刷新
ヘッドバンドはメタル素材を使用し、堅牢性を高めた
これまでのCRUSHERに比べると、本体デザインも飽きのこないシンプルな仕上がりに。ヘッドバンド部のさりげないスカルマークもカッコイイ
ちなみに、今回はブラックカラーしか展示されていなかったが、発売時にはグレーカラーも用意されるとのこと
スライタースイッチを使用したサブウーハーの振動量コントロール機能については、従来のCRUSHER同様に左ハウジングに搭載。スライターを最小値に合わせることで、振動機能をOFFにして利用することもできる。ちなみに、CRUSHER WIRELESSのサブウーハーは内蔵バッテリーを使用する形になっているが、内蔵バッテリーの残量さえあれば、Bluetooth機能をOFFにした状態でも利用できるため、付属のインラインリモコン付きケーブルを使った有線接続でBluetoothに対応していないゲーム機などを振動機能ONで楽しむといったことも可能となっている。内蔵バッテリー残量がない場合は、パッシブモードで駆動する。
左ハウジングには、サブウーハーの振動量をコントロールできるスライダースイッチを装備
左ハウジング下部には、有線接続用の3.5mmジャックと、内蔵バッテリー充電用のMicroUSB端子も用意されている
Bluetooth接続時に利用できるヘッドホン本体側の3ボタンリモコン機能は、右ハウジングに用意。有線接続用のインラインリモコン付きケーブルのリモコンはワンボタンタイプとなっている。
右ハウジングに用意された3ボタンスイッチ
付属の有線ケーブルには、ワンボタンタイプのインラインリモコンが用意されている
有線ケーブルは、スマートフォン/DAP側が3.5mm4極タイプ、ヘッドホン側は3.5mm3極タイプとなっている
内蔵バッテリーはUSB経由での充電に対応。約2時間の充電でフル充電できるという。内蔵バッテリーの連続再生時間は、使用状況によりことなるが、最大で40時間(振動機能最大、音量80%、ピンクノイズ再生時)とアナウンスされている。
内蔵バッテリーでのサブウーハーの駆動時間は、CRUSHERと同等の最大40時間を実現している
今回、短い時間ではあるが、CRUSHER WIRELESSを体験することができた。発表会では、まずはCRUSHER WIRELESSの効果を感じやすい「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」といったハリウッドのアクション映画と組み合わせたデモを体験できたのだが、音の持つパワーを肌で感じられるだけで、音の立体感や映像への没入感があれだけ増すのかと感心してしまった。ハリウッドのド迫力な映像を堪能したいのであれば、ぜひスライタースイッチを最大にして楽しみたいところだ。
続いて、CRUSHER WIRELESSと自前のスマートフォンと組み合わせて体験することができた。筆者のスマホの中にあるプレイリストの曲をいくつか聴いてみたが、RockやR&Bは首から伝わる振動がリズムに合わせてわりとしっかりと伝わるため、聴いていて非常に楽しい感じなのだが、ゆったりとしたクラシック系の楽曲だと、振動量をコントロールできるスライタースイッチを最大にした時でも、振動がほとんどなく、たまに震える小刻みな振動が逆にこそばゆく感じた。もともとそういった楽曲向けの製品ではないので、あまり気にする必要はなさそうだが、コンテンツによってはスライタースイッチの機能をうまく使いこなしていきたい。
映像作品については、やはりド派手なアクションシーンの多いアニメや、ライブ映像などの迫力のある映像との相性は抜群。YouTubeで「機動戦士ガンダムサンダーボルト」のPV映像を見てみたが、映像とジャズ、そしてCRUSHER WIRELESSが生み出す振動の融合がまさに見事で、かなりの高揚感を覚えた。今回は試すことができなかったが、CRUSHER WIRELESSでゲームやVRコンテンツを楽しんだらさらに面白いことになりそうだ。