高速AF&高速連写、高機能な4K動画撮影が可能な姉妹モデル

ソニーの人気ミラーレス「α6500」「α6300」比較レビュー【AF・連写編】

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ソニーの高性能ミラーレス「α6000シリーズ」の最新モデル「α6500」が好調だ。昨年2016年12月発売から人気がじわじわと高まってきており、価格.comの売れ筋ランキングは、「デジタル一眼カメラ」カテゴリーで6位、「ミラーレス一眼」カテゴリーで2位に位置するようになった(※いずれも2017年3月31日時点)。そんな人気のα6500だが、このカメラを選ぶうえで気になるのが下位モデル「α6300」の存在。「α6000」や「NEX-7」「NEX-6」などの旧モデルから買い替える場合、α6500とα6300のどちらを選んだほうがいいのか悩んでいる方も多いはずだ。本レビューでは、両モデルを使い比べてみてわかったことを「AF・連写編」と「手ブレ補正・画質編(+操作性)」の2回に分けてレポート。製品選びの参考にしていただきたい。

左がα6000シリーズの最上位モデルとなるα6500、右が下位モデルのα6300。α6500は、2016年3月発売のα6300から9か月後となる2016年12月に登場した新製品だ

両モデルの大きな違いは「連写の持続性」「ボディ内手ブレ補正」「画質」の3つ

はじめにα6500とα6300の違いをおさらいしておこう。以下のスペック表をご覧いただきたい。


両モデルは同等の撮像素子とエンジンを採用している。性能面でもっとも大きな違いとなるのは、α6500が新開発のフロントエンドLSIと大容量のバッファーメモリーを搭載していることだ。これにより、α6300を上回る高速処理を実現し、連写の持続性が大幅に向上したのが最大の特徴。AF・AE追従で最高約8コマ/秒の連写が可能なHiモード(画質:ファイン)時に307枚(約36秒)の連続撮影が可能とアピールしている。

さらに、α6500はボディ内手ブレ補正を新たに搭載。APS-Cセンサーに最適化した5軸対応のボディ内手ブレ補正で、補正効果は最高でシャッタースピード5段分相当。「αシリーズ」のAPS-Cミラーレスとしては初のボディ内手ブレ補正搭載モデルだ。Aマウント用レンズを含めて手ブレ補正非搭載レンズを使っても手ブレを抑えられるのはα6500を選ぶ大きなポイントになるはずだ。

また、画質面では、フロントエンドLSIの搭載と画像処理アルゴリズムの最適化によって中・高感度域での解像感と質感描写力が向上。動画ではフルHD動画の高感度画質がよくなり、ノイズの発生をより良好に抑制し、解像感の向上を実現しているという。

このほか、グリップの形状やカスタムボタンの追加など操作性も改善されているが、α6500とα6300の大きな違いは「連写の持続性」「ボディ内手ブレ補正」「画質」の3点となっている。本レビューではこれらの違いを中心に使用感を伝えていきたい。

スペックではわからない部分でAF性能にアップデートはある?

連写持続性の検証の前に、α6500とα6300のオートフォーカス(AF)の性能についてレポートしよう。

α6500とα6300のAFのスペックは同等で違いはない。両モデルとも、425点の像面位相差AFと169点のコントラストAFを画面のほぼ全域に配置した「ファストハイブリッドAF」を採用し、世界最速となる0.05秒の合焦速度を実現。高密度なAF枠を被写体の動きにあわせて動的に動かすことで高い追従性を発揮する「高密度AF追従テクノロジー」も搭載している。AFモードやフォーカスエリアの種類も同じで、検出輝度範囲も変わらない。

ソニー独自のファストハイブリッドAFを採用。425点の像面位相差AFと169点のコントラストAFが画面のほぼ全域をカバーするのがポイントだ

高密度AF追従テクノロジーも搭載。200点以上の微細なAF枠を被写体位置に集中配置することで動体の追従性を向上する独自技術だ

とはいえ、α6500はα6300の上位モデルで発売も9か月後になる。スペックではわからない部分でのアップデートによって、α6500はAFの性能が向上しているかもしれない。実際、「α6500のほうが追従性が高い」「α6500のほうがピントの歩留まりがいい」といった意見も目にする。

そうした意見も参考にしながら、今回、競走馬や飛行機、電車などを被写体にした動体撮影を通じてα6500とα6300のAFの違いを探ってみた。作例の撮影に加えて、同じレンズを装着した両モデルをほぼ同じ位置に固定し、奥行き方向に動く被写体を同時に追従する検証なども行ったが、結論としては「両モデルのAF性能はスペックどおり同等」としたい。α6500の優位性を探したが見当たらなかったというのが正直なところで、AFの速度、精度、追従性に明らかな差はなく、AF自体の使い勝手は同じだと感じた。

両モデルともAFの食いつきがよく、すばやく動く被写体の追従性も高い。いろいろな意見があるようだが精度もけっして低くはなく、奥行き方向にすばやく動く被写体を追い続けるとわずかにピントが抜けるときもあるが、AFの復帰が速く、最新の高速ミラーレスやハイエンド向けの一眼レフと比べて劣っているとは感じない。AFの追従性については各モデルでクセが異なるので優位性を語るのは難しいが、α6500とα6300については、画面のほぼ全域に425点もの像面位相差AFが配置されており、画面全体を使って被写体を追従できるのが特徴になる。どちらかというと、動体撮影にそれほど慣れていない人のほうが使いやすいと感じるのではないだろうか。

ただ、作例撮影の結果を見ると、α6500のほうがいいタイミングでジャスピンの写真を撮れていることが多かった。いっぽうで、できる限り同じ条件(同じ動きをする被写体を両モデルで同じ時間連写する)で検証してみると、逆にα6300のほうが歩留まりがいいときもあり、ピントの精度で両モデルに明確な差は出なかった。体感としては、α6500は連写の持続性の長さが実際の撮影でいい結果をもたらしてくれるという印象。次項目で紹介するが、α6500は連写が長く続けられるので、α6300よりも多くのシャッターチャンスを押さえられる。AFに連写の持続性を加えたトータルでの動体の撮りやすさでいえば、間違いなくα6500に軍配が上がる。

なお、価格.comのクチコミ掲示板でも取り上げられているが、一部メディアに掲載された「α6500の動体に対するAF追従速度はα6300と比べて2倍以上」という情報は誤解がある。ソニーに確認を取ったところ、「動体に対するAF追従速度はα6300と比べて2倍以上」というのは動画撮影時のことを指しており、静止画撮影時ではないとのこと。ソニーからは「α6500とα6300の静止画撮影時のAF性能は変わらない。アルゴリズムの変更など機能的な改善もない」という回答を得ている。

また、「AFの追従性はα6300と旧モデルα6000でそれほど違いがない(むしろα6000のほうがいい)」という意見を目にすることがあるが、体感的にはα6300/α6500のほうが追従性にすぐれていると思う。どのモデルも、フォーカスエリアに画面全体を使う「ワイド」を選択してAF-Cで追従すると、すばやく動く被写体だと周辺まで追えないことがある。画面上のAF枠は追えていたのに撮影画像では微妙にピントが甘くなることもある。だが、一度ピントが外れてからのAFの復帰はα6000よりもα6300/α6500のほうが速いと感じる。フォーカスエリアを「ゾーン」などにしてエリアを絞って使えばさらに精度が上がり、被写体を追えていればピントが微妙に外れるカットも少なくなる。このあたりはカメラの使い方や動体の追いかけ方によって実感が異なる部分かもしれないが、クセをつかめばα6300/α6500のAFのほうが使いやすいと感じるのではないだろうか。

このほか、両モデルとも、Aマウント用レンズでボディ側の像面位相差AFを利用できるのもAマウントユーザーは気になるところだろう。「トランスルーセントミラーテクノロジー」を搭載しないマウントアダプター「LA-EA3」を使ってAマウント用の望遠ズームレンズ「70-300mm F4.5-5.6 G SSM II」で試した限りでは、AFの初動で反応が遅れるときがあるものの速度は十分で、レンズの性能を引き出せていると感じた。ただし、AF-Cに連写設定(Hi+、Hi、Mid)を組み合わせた場合、撮影中の動体追従が行われない点には注意したい。

静止画のAF-C時の優先設定として「フォーカス優先」「レリーズ優先」「バランス重視」(初期設定)を選択できる

連写の持続性はどのくらい差がある?

動体を撮影するうえで重要なのは、AFと連写、そして連写がどのくらい持続するかだ。持続性が高いほど息切れすることなく連写を続けられるので、動体撮影においてシャッターチャンスに強いカメラと言える。α6500はこの連写の持続性をウリにしているが、実際にα6300からどのくらい進歩しているのかを検証した。

α6500とα6300の連写性能は同等で、Hi+モード時で最高約11コマ/秒、Hiモード時で最高約8コマ/秒の連写が可能。Hiモード時は、表示タイムラグを限りなく低減した状態で被写体を確認しながら撮れるライブビュー連写が行える。

以下の表は、連写の持続性を検証した結果となる。撮影はAFモードをAF-Cにして常にAFが動作している状態で行った。条件が同じになるように被写体は静止物にしている。「撮影できた枚数」は、1回の連写でコマ速が落ちるまで撮影できた枚数をカウントし、それを3回繰り返した平均値。カッコ内の秒数は枚数の平均値をコマ速で割った値(理論上の持続時間)となる。SDメモリーカードにはサンディスクの64GB SDXC UHS-Iカード(Extreme Pro 95MB/s)を使用した。


検証の結果は、動体を追従しながら撮影したものではないことと、比較的画像データの容量が低くなったこともあってか、ソニーが公表しているスペックよりも高い結果となった。α6500の実際の動体撮影での結果を言うと、Hi+(最高約11コマ/秒)のJPEG(エクストラファイン)の設定では、競走馬(最後の直線)で約140〜200枚、電車(ホームに入ってくるところ)で約120〜190枚、飛行機(空港を離着陸するところ)で約220〜250枚まで連写速度を落とすことなく追従撮影が行えた。

連写が持続するかどうかは画像データの容量にも左右されるので、状況によって結果は変わるものの、α6500はHi+(最高約11コマ/秒)のJPEG(エクストラファイン)であれば200枚前後から200枚を超える枚数を撮影できる。実際の秒数にすると20〜25秒の持続というところで、競走馬では4コーナー出口からゴールまで連写が持続するし、飛行機では離陸して見えなくなるくらいまで持続する。JPEGの最高画質で11コマ/秒連写が20秒以上続けられるのは、APS-Cミラーレスとしてもっとも高い連写持続性を実現していると言っていいだろう。ミラーレスでは、オリンパスのフラッグシップ「OM-D E-M1 Mark II」やパナソニックのフラッグシップ「LUMIX GH5」に近い性能ではないだろうか。APS-C一眼レフの「D500」にはRAW連写の持続性で及ばないものの、JPEG連写の持続性についてはそん色ないレベルにある。

α6500の連写持続性が特に威力を発揮するのは、サッカーやバスケットボールなど不規則な動きをする人物を追いかけるスポーツ競技や、次から次に高速で通り過ぎる車にシャッターを切り続けるカーレースなど、いつシャッターチャンスが訪れるのかわかりにくいシーンや、シャッターチャンスの数が多いシーンだろう。そうしたシーンの撮影時は、使用するカメラによっては、シャッターチャンスに備えて、連写を持たせるためにシャッターを切ることを我慢することがある。だが、シャッターボタンを押し続けても連写が息切れしにくいα6500であれば、さすがに無限に連写できるわけではないが、これまで我慢が必要だったシーンでもより快適な連写撮影が行える。

加えて、α6500は連写終了後の撮影画像の再生も改善されている。α6300はメモリーカードへの書き込みが終了しないと画像を表示できないが、α6500は書き込みが終わった画像から表示することが可能だ。なお、すべての画像の書き込みが終わるまで一部機能の設定を変更できない仕様は変わらない。

α6300については、α6500よりも連写の持続性が大きく落ちるものの、Hi+(最高約11コマ/秒)のJPEG(エクストラファイン)で3〜4秒、Hi(最高約8コマ/秒)のJPEG(エクストラファイン)で5〜6秒程度は連写を続けられる。もちろん連写の持続性が高いほうがいいわけだが、けっして動体を苦手にしているわけではない。飛行機や電車といった動きが比較的読みやすい動体に対して構図に狙いを定めて撮る分には十分に対応できる性能だ。

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2017.8.18 更新
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