キヤノンの35mmフルサイズ一眼レフ「EOS 6D Mark II」は、比較的購入しやすい価格の“エントリーフルサイズ”として人気を集めている。いっぽうで、旧モデルの「EOS 6D」もその価格の安さから価格.comでは今でも根強く売れている。スペック重視なら新モデルのEOS 6D Mark IIを選びたいが、価格重視なら旧モデルのEOS 6Dのほうが賢い選択になるかもしれない……。本記事では、旧モデルとの比較を含め、改めてEOS 6D Mark IIの特徴をレポート。最後に新旧それぞれがどういった方にフィットしやすいのかをまとめてみた。EOS 6Dシリーズの新旧モデル選びで悩んでいる方の参考になれば幸いである。
左が新モデルのEOS 6D Mark IIで、右が旧モデルのEOS 6D。EOS 6D Mark IIはバリアングル液晶モニターを採用するなどスペックが大幅に向上している
EOS 6D Mark IIは、キヤノンのフルサイズ一眼レフのラインアップの中では、「EOS 5D Mark IV」の下位に位置するモデル。昨年2017年8月の発売以降、コストパフォーマンスにすぐれるフルサイズ機として高い人気をキープしている。2018年1月30日時点での価格.com「デジタル一眼カメラ」カテゴリーでの売れ筋ランキングは4位で、キヤノンの一眼レフとしてはEOS 5D Mark IVの2位に次ぐ順位。20万円を切る価格で手に入る“エントリーフルサイズ”の中でもっとも売れているモデルとなっている。
いっぽう、2012年発売の旧モデルEOS 6Dも、生産は終了したものの価格.comでの人気は根強い。新モデルの登場以降、価格が下がってきており、ボディ単体の価格.com最安価格は10万5,000円程度(2018年1月30日時点)。フルサイズ一眼レフとしては非常に安い。2018年1月30日時点での売れ筋ランキングは21位と爆発的な売れ方ではないが、大手家電量販店でもまだ在庫がある状況で継続的に売れている。
興味深いのは、価格.comのデータを見ると、他モデルと比較しながらEOS 6D Mark IIの購入を検討している方の多くが、旧モデルのEOS 6Dを比較検討の対象にしていること。価格.comでは法人向けのマーケティングサービス「価格.comトレンドサーチ」において、ある製品の購入検討者が、ほかのどんな製品と比較検討しているかを示す「ライバルランキング」というランキングデータを公開している。「よく購入比較をされる製品を表すランキングデータ」と認識してほしいのだが、2018年1月15日週におけるEOS 6D Mark IIのライバルランキングを見ると、EOS 6D Mark IIの購入検討者がもっとも比較しているのはEOS 5D Mark IV(比較者2,908人)で次にEOS 6D(比較者1,488人)が入っている。上位モデルと比較する方が多いのは順当だと思うが、およそ5年前に発売になった旧モデルが2番目に比較されるライバル機種となっているのだ。いまだにEOS 6Dの人気が高いことを裏付けていると言えよう。
さらに、比較後にどのモデルを選んだかがわかる「比較後購入者」を見ると、EOS 6D Mark IIの購入者は109人、EOS 6の購入者は169人とEOS 6Dのほうが多い結果となっている。指名買いを含めればEOS 6D Mark IIのほうが数は出ているが、新旧モデルを比較検討している方に限れば、EOS 6Dを選ぶ傾向が高いのも興味深いところだ。
EOS 6D Mark IIのライバルランキングを抜粋したもの。価格.comでライバル機としてもっとも比較されているのはEOS 5D Mark IVで、旧モデルのEOS 6Dは2位となっている。また、比較後購入者の数はEOS 6Dのほうが上回っている
旧モデルのEOS 6Dが選ばれる大きな理由は、価格が安いことだろう。ただ、安いからと言って安易に旧モデルを選ぶのは、長い目で見るといい買い物にならないかもしれない。そこで本記事では、旧モデルとの画質比較なども行いながら新モデルEOS 6D Mark IIの特徴を改めて紹介し、EOS 6Dシリーズの 新旧モデルそれぞれがどういった方に向いているのかをまとめたい。
EOS 6D Mark IIは5年ぶりのリニューアルということもあり、旧モデルのEOS 6Dと比べるとあらゆる点でスペックが向上している。
操作性では、液晶モニターが横開きのバリアングル液晶になったのがEOS 6D Mark IIの大きな進化。EOSシリーズのフルサイズ機としては現時点では唯一のバリアングル機だ。モニターを自由に回転できるので、ローポジションやハイポジションでも撮影者が無理な体勢にならずに、モニターが見やすくなるように角度を調節して撮ることができる。さらに、タッチ操作にも対応。画面をタッチしたところでピントを合わせてくれるタッチAFやタッチシャッターに対応するほか、設定変更などもタッチ操作で行える。タッチ操作非対応の固定式と比べると、直感的な使い方ができるのがとても便利だ。
EOS 6D Mark IIは、タッチパネル対応のバリアングル液晶モニターを採用(約104万ドットの3.0型)
設定変更をタッチ操作で行えるほか、タッチAF/タッチシャッターなどの操作にも対応している
バリアングル液晶モニターを採用しながらも、EOS 6D Mark IIはコンパクトにまとまっている。ボディサイズは約144.0(幅)×110.5(高さ)×74.8(奥行)mmで、重量は約765g(バッテリー、カード含む)。旧モデルは約144.5(幅)×110.5(高さ)×71.2(奥行)mm/重量約755g(バッテリー、カード含む)。新旧モデルでサイズや重量の差はほぼなく、どちらもフルサイズ一眼レフとしては小型・軽量なモデルだ。
EOS 6D Mark IIの背面。マルチ電子ロックスイッチが上下に動かすレバー形状に変更になったものの、ボタンレイアウトは基本的に旧モデルと変わらない
EOS 6D Mark IIの上面。基本的なボタンレイアウトは旧モデルと変わらないが、測距エリア選択ボタンが追加された
EOS 6D Mark IIの操作性では、光学ファインダーがわずかではあるが見やすくなったことも報告しておきたい。倍率は約0.71倍で同等だが、視野率が約97%から約98%に向上。新旧モデルのファインダーを見比べてみると、視野率1%向上というスペック以上に、EOS 6D Mark IIのほうがクリアな見え方になっている。さらに、透過型液晶を用いてファインダー上に撮影モードやAF動作、ドライブモード、電子水準器などの各種情報を表示する「インテリジェントビューファインダーII」にも対応しており、ファインダー内で設定を確認・変更しながら撮ることができる。細かい進化ではあるが、光学ファインダーの使い勝手にこだわる方にとっては重要だ。
続いてEOS 6D Mark IIの性能面の進化を紹介しよう。
EOS 6D Mark IIの進化ではオートフォーカス(AF)も大きなトピックだ。特に、モニターに表示される映像を見ながら撮影できるライブビュー撮影時のAFが劇的に向上している。画面の横約80%×縦約80%の広い領域で像面位相差AFが可能な「デュアルピクセルCMOS AF」を採用したことで、ライブビュー撮影時のAFが非常に高速になった。
新旧モデルを比べてみるとその違いは歴然で、EOS 6Dではなかなかピントが合わない場合でも、EOS 6D Mark IIなら短い時間でピントが合う。すばやく動く被写体を追従しながらの撮影は少々難しいところはあるものの、EOS 6D Mark IIならストレスのないライブビュー撮影が可能だ。タッチ操作対応のバリアングル液晶モニターを採用したこともあって、ライブビュー撮影の使いやすさはEOS 6D Mark IIのほうが圧倒的に上回る。
EOS 6D Mark IIはライブビュー撮影でもサーボAFでの追従連写が可能になった。(※最高約4.0コマ/秒)
光学ファインダーのAFも、測距点が11点から45点に増えたうえ、すべての測距点が補足性能にすぐれたクロスセンサー(F5.6対応)となった。中央1点はF2.8とF5.6のデュアルクロス測距でより高い精度を発揮する。AF特性の調整も可能になり、カスタムファンクションにおいて、被写体追従特性、速度変化に対する追従性、測距点乗り移り特性を変更できるのも旧モデルとの違いだ。細かいところでは、測距点のうち27点が開放F8に対応するようになり、エクステンダーを使用した際に開放F8になる場合でも多くの測距点を使ってのAF撮影が可能となっている。
ファインダー内の表示イメージ。45点の測距点を持つAFシステムを採用している。また、測距点のほかにも電子水準器やアスペクトライン、撮影モード、AF動作、ドライブモード、測光モード、フリッカー検知など多くの情報を表示できるようになった
ただ、光学ファインダーのAFについては、新旧モデルでスペックに大きな差はあるものの、一眼レフに使い慣れた方にとってはEOS 6Dでも十分という印象も受ける。EOS 6D Mark IIのAFは測距点の数は多いがEOS 6Dと比べてカバーエリアが大幅に拡張したわけではない。測距点の密度が高いため動く被写体を捉え続けやすいというメリットは魅力だが、EOS 6Dでも親指AFを活用するなど工夫することでそれなりの使い方ができると思う。EOS 6DのAFは11点測距で、中央1点がF5.6対応のクロス測距とF2.8対応の縦線検出測距に対応。デュアルクロスではないものの精度は十分だ。測距輝度範囲の低輝度限界は新モデルと同じEV-3なので暗所でのAFにも強い。
連写は、旧モデルの最高約4.5コマから最高約6.5コマ/秒に速度が向上。連続撮影可能枚数はJPEGラージ/ファインで約110枚、RAWで約18枚、RAW+JPEGラージ/ファインで約17枚。圧倒的な連写速度と持続性というわけではないが、旧モデルよりも連写に強く、動体撮影にも対応できるスペックとなっている。
このほか、EOS 6D Mark IIには旧モデルにはない多くの機能が搭載されている。主なものを以下に挙げる。
・1920×1080/60p対応の動画撮影
・動画電子IS
・4Kタイムラプス動画
・インターバルタイマー/バルブタイマー
・合焦後の自動AEロックを測光モード別にオン/オフする設定
・電源オフで露出設定が解除される設定
・新シーンモード「流し撮りモード」「集合写真」
・撮影モードや機能をわかりやすく表示する「ビジュアルガイド」
・Bluetooth
動画撮影は、1920×1080/60pに対応するようになったほか、デュアルピクセルCMOS AFによるライブビューAFの高速化によって動画サーボAFを利用しての本格的な動画撮影が行えるようになった。動画撮影時でもタッチ操作でピント位置を変えられるのも便利だ。
また、カメラ中上級者にとっては、インターバルタイマー/バルブタイマーに対応するようになったのは、撮影の幅を広げる意味で大きなポイントではないだろうか。インターバルタイマーは、タイムラプス動画用の静止画撮影などで活用できる。バイブルタイマーは30秒を超える長秒撮影を設定してシャッターを切れるのが便利だ。
EOS 6D Mark IIの画質スペックでは、撮像素子の有効画素数が旧モデルの約2020万画素から約2620万画素に向上した。さらに、映像エンジンに、EOSシリーズのフルサイズ機としては初となる最新の「DIGIC 7」を採用。静止画撮影時の感度は常用でISO100〜40000で、拡張設定でL(ISO50相当)、H1(ISO51200相当)、H2(ISO102400相当)に対応している。旧モデルは常用がISO100〜25600で拡張設定は同じなので、常用感度が2/3段上がった形となっている。また、EOS 6D Mark IIでは、レンズ光学補正に、画像周辺部の歪みを抑える「歪曲収差補正」と、絞りを絞った際に発生する回折現象(解像感を低下させる現象)を抑える「回折補正」を追加。仕上がり設定の「ピクチャースタイル」には「ディテール重視」が追加され、シャープネスの調整も「強さ」「細かさ」「しきい値」に分けて行えるようになった。オートホワイトバランスは「雰囲気優先」と「ホワイト優先」を選ぶことができる。
JPEGで撮る場合に、新旧モデルで画質に大きな違いが出るのは、絞りを絞り込んだ場合だ。EOS 6D Mark IIは回折補正に対応しており、EOS 6Dと比べると絞り値がF11を超えるあたりから細かいところの解像感に差が出始める。絞った際のディテールの再現性については、より高画素で回折補正が使えるEOS 6D Mark IIに分がある。
以下の画像は、標準ズームレンズ「EF24-70mm F4L IS USM」を使ってEOS 6D Mark IIとEOS 6Dで同じ被写体を撮影した写真を等倍で切り出したものになる。露出値やホワイトバランスなどの設定は両モデルでそろえた。比較してみると、回折補正を利用できるEOS 6D Mark IIのほうが回折現象による解像感の低下が小さいことがわかるはずだ。
F8、1/320秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(※EOS 6D Mark IIは雰囲気優先)、ピクチャースタイル:オート、オートライティングオプティマイザ:標準
F8、1/320秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(※EOS 6D Mark IIは雰囲気優先)、ピクチャースタイル:オート、オートライティングオプティマイザ:標準
・EOS 6D Mark II(ISO100 F8)の撮影写真(6240×4160、12.0MB)
・EOS 6D(ISO100 F8)の撮影写真(5472×3468、9.0MB)
F11、1/160秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(※EOS 6D Mark IIは雰囲気優先)、ピクチャースタイル:オート、オートライティングオプティマイザ:標準
F11、1/160秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(※EOS 6D Mark IIは雰囲気優先)、ピクチャースタイル:オート、オートライティングオプティマイザ:標準
・EOS 6D Mark II(ISO100 F11)の撮影写真(6240×4160、11.5MB)
・EOS 6D(ISO100 F11)の撮影写真(5472×3468、8.8MB)
F16、1/80秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(※EOS 6D Mark IIは雰囲気優先)、ピクチャースタイル:オート、オートライティングオプティマイザ:標準
F16、1/80秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(※EOS 6D Mark IIは雰囲気優先)、ピクチャースタイル:オート、オートライティングオプティマイザ:標準
・EOS 6D Mark II(ISO100 F16)の撮影写真(6240×4160、11.7MB)
・EOS 6D(ISO100 F16)の撮影写真(5472×3468、8.0MB)
F22、1/40秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(※EOS 6D Mark IIは雰囲気優先)、ピクチャースタイル:オート、オートライティングオプティマイザ:標準
F22、1/40秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(※EOS 6D Mark IIは雰囲気優先)、ピクチャースタイル:オート、オートライティングオプティマイザ:標準
・EOS 6D Mark II(ISO100 F22)の撮影写真(6240×4160、10.7MB)
・EOS 6D(ISO100 F22)の撮影写真(5472×3468、7.3MB)
ただ、F8くらいまでの絞りでJPEG撮影する限りでは、低感度でも高感度でも新旧モデルで画質に大きな差はないというのが正直なところ。画素数が高い分、ディテールの再現性はEOS 6D Mark IIのほうがすぐれるし、ISO6400を超えてくるとEOS 6D Mark IIのほうが大粒のノイズが少ないようにも見える。色再現性もEOS 6D Mark IIのほうがわずかではあるがすぐれているように感じるものの、大判プリントで細かく見比べない限り、実用的には変わりないという印象だ。画質を徹底的に重視するならEOS 6D Mark IIを使いたいのは間違いないが、EOS 6Dでも十分に高画質な撮影を楽しめる。
なお、純正レンズを使ってRAWで撮る場合、キヤノンのRAW現像ソフト「Digital Photo Professional」では、独自機能「デジタルレンズオプティマイザ」を使用することで色収差や回折現象による解像感の低下を補正することができる。回折補正とは処理の傾向が異なるものの、この機能を使えばEOS 6Dでも絞った際の解像感の低下を抑えることが可能だ。
この比較画像は、Digital Photo Professionalを使ってRAW現像したものを切り出したものになる(※上に掲載したISO100 F16のRAWデータを使用)。いずれもデジタルレンズオプティマイザを使用して現像しているが、新旧モデルで解像感に差は見られない
このほか、中上級者向けの情報になるが、RAW撮影のダイナミックレンジについてもお伝えしておきたい。クチコミ掲示板などでも書かれているように、EOS 6D Mark IIのRAWデータは低感度のダイナミックレンジがそれほど広くないという報告がある。RAWデータを使って明るさを極端に上げて(+3〜5EV)現像してみると、確かに、使用するソフトによってノイズの出方は変わるものの、ノイズ量はEOS 6Dとあまり変わらず、改善は見られないように感じる。最新のフルサイズ機はRAWデータのダイナミックレンジの広さが特徴となっているため、この結果をやや残念に捉える方もいることだろう。
ただ、これは+3〜5EVのような極端な明るさ調整を行った場合の話なので気にしなくていい。たとえば、露出が大きく外れた失敗写真を明るくしたい場合や、1枚のRAWデータからHDR画像を作成したい場合などでは差が出るかもしれないが、一般的にはそうした無理な画像編集は必要ないはずだ。
「Lightroom CC」を使用し、露出量を+3.00に設定して現像した画像を並べてみた。RAWデータは上で掲載したISO100 F8のものを使用し、元画像では暗く潰れているところを切り出している。ノイズの出方をわかりやすくするためノイズ低減処理は行わずに(輝度0のまま)現像しているが、この画像ではむしろEOS 6Dのほうが良質な結果となった
以上、旧モデルとの比較を交えながらEOS 6D Mark IIの特徴をレポートした。
新旧モデルの選び方については、一眼レフの操作にそれほど慣れていない初級者の方なら新モデルのEOS 6D Mark IIを選択したほうがいいだろう。ボディ単体の価格.com最安価格は17万1,000円程度(2018年1月30日時点)と旧モデルと比べて7万円ほど高いが、その価値は十分にある。特に、タッチ操作対応のバリアングル液晶モニターと高速AFによるライブビュー撮影の使いやすさは旧モデルでは得られない。一眼レフに使い慣れていない方でも扱いやすいし、「EOS Kiss」シリーズなどEOSのAPS-C一眼レフからのステップアップを考えている方にとっては、バリアングル液晶で同じような操作ができるのは使いやすいと感じるはず。スムーズなAFでフルハイビジョン動画が撮れる点など旧モデルではできないことも多く、「はじめてのフルサイズ一眼レフ」として「長く使えるカメラ」を選ぶならEOS 6D Mark IIはとても賢い選択だ。
いっぽうの旧モデルEOS 6Dは、どちらかといえば一眼レフの操作に慣れている中上級者の方のほうがその価値がわかりやすいと思う。「撮影は光学ファインダーで十分。良質なRAWデータが得られればいい」と割り切った使い方をするのであれば、ボディ単体の価格.com最安価格が10万5,000円程度(2018年1月30日時点)というのは非常にコストパフォーマンスが高い。サブ機として手に入れておくのもいいだろう。ただ、EOS 6D Mark IIと比べると使い勝手の面ではどうしても見劣りするので、新モデルとの違いをしっかりと踏まえたうえでの選択としてほしい。
バリアングル液晶モニターを上向きにしてローアングルで撮影した作例。モニターの映像を見ながらピント合わせもスムーズに行えた
EOS 6D Mark II、EF24-70mm F4L IS USM、24mm、F4、1/200秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:オート、オートライティングオプティマイザ:標準、JPEG
こちらはモニターを下向きにしてハイアングルで撮った作例。シャドー側の階調が豊かで、床の塗装の感じがリアルに再現できている
EOS 6D Mark II、EF24-70mm F4L IS USM、26mm、F11、1/13秒、ISO400、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:オート、オートライティングオプティマイザ:標準、JPEG
飛んでいるカモメが餌を捕る瞬間を光学ファインダー撮影で狙った1枚。EOS 6D Mark IIは最高約6.5コマ/秒と十分な連写性能を持っているので、こうした一瞬の動きを収めることが可能だ
EOS 6D Mark II、EF70-300mm F4-5.6 IS II USM、300mm、F6.3、1/1000秒、ISO1000、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:オート、オートライティングオプティマイザ:標準、JPEG
EOS 6D Mark IIのライブビューAFは高速なピント合わせが可能。この作例では、男性が猫に手を触れる瞬間を撮ることができた
EOS 6D Mark II、EF70-300mm F4-5.6 IS II USM、300mm、F5.6、1/320秒、ISO1000、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:オート、オートライティングオプティマイザ:標準、JPEG
背景ボケを狙って明るめの露出で望遠撮影した1枚。この作例もライブビューAFで撮っている
EOS 6D Mark II、EF70-300mm F4-5.6 IS II USM、300mm、F5.6、1/250秒、ISO1000、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:オート、オートライティングオプティマイザ:標準、JPEG
雲の動きをより大きく表現するため、バルブタイマーを使ってシャッタースピード50秒の長秒で撮影した夜景作例。絞りはF14、感度はISO100に設定した。EOSシリーズの一眼レフはすべての撮影モードで30秒がシャッタースピードの上限となるが、バルブタイマーを活用すれば30秒を超えるシャッタースピードを設定できる
EOS 6D Mark II、EF24-70mm F4L IS USM、39mm、F14、50秒、ISO100、ホワイトバランス:白色蛍光灯、ピクチャースタイル:オート、オートライティングオプティマイザ:標準、JPEG
フィルム一眼レフから始まったカメラ歴は、はや約30年。価格.comのスタッフとして300製品以上のカメラ・レンズをレビューしてきたカメラ専門家で、特にデジタル一眼カメラに深い造詣を持つ。フォトグラファーとしても活動中。