レビュー
充実の単焦点レンズ群が使える小型軽量の入門機

富士フイルム「X-T100」はフィルム感覚で撮れるハイコスパな1台

フジノンレンズを満喫する3本セットを選ぶ

明るい広角レンズ「XF16mmF1.4 R WR」、超広角系ズーム「XF10-24mmF4 R OIS」、高倍率ズーム「XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WR」3本で15mmから206mmまでをカバーする

「X-T100」は交換レンズ「XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ」とセットになったレンズキットを選ぶのが定番だが、レンズキットに付属するズームレンズは、小型軽量でコスパ優先で作られたものが多く、そのメーカーの最高性能を発揮できるレンズとは言い難い。さいわい「XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ」はXシリーズ用FUJINONレンズの中では最軽量135gで全長44.2mmのコンパクトな沈胴パワーズームレンズとして重宝する。特に広角側が23mm相当なのがいい。ということでボディ単体ではコスパが悪いのでレンズキットをベースに交換レンズについて考察してみたい。

最初に手に入れたい単焦点「XF16mmF1.4 R WR」

最初にオススメしたいのが、「XF16mmF1.4 R WR」である。スマホカメラのレンズの画角は28mmであることが多く、これを現代の標準レンズと私は考える。それより広角となると24mmである。本機は35mm換算で24mmで、開放絞り値はF1.4と非常に明るい。マイクロフォーサーズにも24mmF1.4のレンズはあるが、こちらはセンサーサイズが大きいのでボケ味が違う。もちろんフルサイズの方がボケるのだが、あちらのレンズはニコンもキヤノンも重さ600gを超え、希望小売価格も30万7800円と23万5000円の高額レンズとなる。XF16mmF1.4は重さ375gで希望小売価格14万9000円、実勢価格約11万円だ。この重さなら標準レンズ替わりに常時、カメラボディに付けていても苦にならないだろう。

一般的にレンズは広角になるほどボケにくくなるのだが、「XF16mmF1.4 R WR」ならボケ味も充分楽しめる。また単焦点レンズでは世界初の最短撮影距離15cmを実現。レンズ面から約5cmまでピントが合うため接写も得意である。レンズは11群13枚構成で、非球面レンズ2枚、EDガラスレンズを2枚使い、透過率の高いHT-EBCコートを全レンズに採用、一部レンズにフレアとゴーストに強いナノGIコートを施している。高トルクのモーターとリアフォーカスシステムで高速AFを追求。防塵防滴・耐低温構造と弱点のないレンズに仕上がっている。レンズ1本だけで世界一周旅行に出かけるなら、私は「XF16mmF1.4 R WR」を選ぶ。

レンズ前玉は一般的な大きさで広角大口径レンズには見えない。花形フードが付属するが、別売のアルミ切削角型フード「LH-HF16」がクールなデザインなのでぜひ手に入れたい

ピントリングを手前に引くとMFに切り替わる。被写界深度指標もあり、スナップにも最適。F11まで絞ると1m〜∞までピントが合うことが分かる

近距離から絞り開放で撮影すると予想を超えた前ボケと背景ボケが得られる。広角レンズでボケるのは新鮮な体験だ
FUJIFILM X-T100、FUJINON XF16mmF1.4 R WR、16mm、F1.4、1/25秒、ISO200、-0.3EV、ホワイトバランス:オート
撮影写真(6000×4000、5.36MB)

スナップ撮影ではF4まで絞っても撮影距離によっては背景ボケが使える。メインの被写体を目立たせたい時には有効な手法だ
FUJIFILM X-T100、FUJINON XF16mmF1.4 R WR、16mm、F1.4、1/150秒、ISO200、ホワイトバランス:オート
撮影写真(6000×4000、5.31MB)

絞り込めば解像度が高くヌケのいい描写が得られる。100%で見ると建物の窓の中に飾られた陶磁器の質感、剥げかけた壁の質感がよく分かる。24mm相当としては歪みも少ない
FUJIFILM X-T100、FUJINON XF16mmF1.4 R WR、16mm、F6.4、1/600秒、ISO200、ホワイトバランス:オート
撮影写真(6000×4000、8.07MB)

日常から非日常へワープする「XF10-24mmF4 R OIS」

銀塩一眼レフの時代は特殊レンズに分類された超広角15mmが、現在は重さ410gのズームレンズとして使える。これは驚くべきことである。「XF10-24mmF4 R OIS」は35mm換算で15〜36mmのズームレンズであり、ズーム全域で開放絞り値はF4固定、そして強力な手ブレ補正機能を内蔵する。最短撮影距離は24cmである。スナップから海外旅行まで、ほとんどの用途に使える現代の標準ズームとも言えるレンズで、15mmまでズーミングするとスマホやコンデジでは体験できなかった世界が広がる。

これ以上の超広角ズームはあり得ないと思っていたら、2018年11月下旬から、12〜24mm相当でF2.8固定の超広角ズーム「XF8-16mmF2.8 R LM WR」という恐るべきレンズが登場する。望遠側が24mmなのだ。同社のハイエンドシリーズとなるレッドバッチなので希望小売価格も27万7500円となかなかのものだ。超広角域では焦点距離1mmの違いが大きな画角の差になるので12mmは侮れない。ただし手ブレ補正機能は非搭載となる。

こちらのズームレンズも超広角とは思えないコンパクトサイズにまとまっている。花形フードが付属する

こちらのズームレンズも超広角とは思えないコンパクトサイズにまとまっている。花形フードが付属する

フォーカスリングは細目で、その動きは重すぎず軽すぎ絶妙だ。その次の太めのリングがズームリング、そして細目の絞りリングがあるが、レンズ側に絞り値の表示はない

ズームリングを回してもレンズ全長は変化しないインナーフォーカスを採用

ズームリングを回してもレンズ全長は変化しないインナーフォーカスを採用

手ブレ補正によって捉えられた夜の四ッ谷駅前。ISO3200だが階調性豊かで、さすがAPS-Cサイズのセンサーと思わせてくれる。15mm相当で撮影、画面の端に近付くほどパースペクティブが強調されることが分かる
FUJIFILM X-T100、FUJINON XF10-24mmF4 R OIS、10mm、F5.6、1/14秒、ISO3200、-1EV、ホワイトバランス:オート
撮影写真(6000×4000、3.67MB)

36mm相当で撮影。開放からシャープな描写のレンズ、硬調になりすぎないのもいい。開放絞り値がF4なのでボケは期待できないが、スナップでは絞り込んで被写界深度を稼ぎピント固定でバンバン撮れる
FUJIFILM X-T100、FUJINON XF10-24mmF4 R OIS、24mm、F5.6、1/34秒、ISO2500、ホワイトバランス:オート
撮影写真(6000×4000、4.44MB)

15mm相当でのスナップ。スローシャッターなので走行する自転車は動体ブレしている。いつもの商店街が肉眼よりも広く、奥行きが深いことに違和感を覚える
FUJIFILM X-T100、FUJINON XF10-24mmF4 R OIS、10mm、F4、1/15秒、ISO1250、ホワイトバランス:オート
撮影写真(6000×4000、6.69MB)

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