ニコン初のフルサイズミラーレスとして2018年9月28日の発売が予定されている「ニコン Z 7(以下、Z 7)」。詳細なスペックは発表日の新製品レポートをご覧いただくとして、ここでは実写作例を交えながらZ 7の画質や操作性をレビューしよう。
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ニコンのフルサイズミラーレス「Zシリーズ」発表会レポート
9月下旬に登場するZ 7(装着しているレンズはNIKKOR Z 24-70mm f/4 S)
Z 7は、有効4575万画素の裏面照射型CMOSセンサーと最新の画像処理エンジン「EXPEED 6」を搭載した高画素フルサイズミラーレス。画質面では、撮像素子や画像処理エンジンのスペックとあわせて、「新次元の光学性能」を目指して新しく採用した「Zマウントシステム」に注目したい。このシステムの大きな特徴は、内径55mm/フランジバック16mmのマウント設計を採用することで、レンズ設計の自由度が大幅に向上したこと。これまで以上の高い光学性能と高画質を実現できるシステムとなっている。
今回、Zマウント用の新しい「NIKKOR Zレンズ」の中から、開放F4通しのコンパクトな標準ズームレンズ「NIKKOR Z 24-70mm f/4 S」と、広角・単焦点レンズ「NIKKOR Z 35mm f/1.8 S」をZ 7に組み合わせて撮影してみたが、その画質力は“圧巻”のひと言。レンズの光学性能が高いこともあって絞り開放からシャープで解像感にすぐれるうえ、画面の隅々までコントラストが高く、クリアな描写が得られる。画像処理でシャープ感を強めているのではなく、ナチュラルに解像している感じが非常にいい。
以下に、Z 7で撮影した作例をいくつか掲載しよう。すべてJPEG形式の最高画質で撮影したもの(JPEG撮って出し)になるが、画質力の高さを感じていただけるはずだ。あわせて、「マウントアダプター FTZ」を使って、Fマウントの新しい超望遠レンズ「AF-S NIKKOR 500mm f/5.6E PF ED VR」で撮った作例も掲載する。
画面全体の解像力をチェックするために撮影した作例。中央だけでなく周辺まで高い解像感が得られた
NIKKOR Z 35mm f/1.8 S、F5.6、1/250秒、ISO64、WB:オート1、ピクチャーコントロール:スタンダード、アクティブD-ライティング:しない、ヴィネットコントロール:標準、回折補正:する、自動ゆがみ補正:する
撮影写真(8256×5504、28.5MB)
上の作例から中央部と右隅、左隅を等倍で切り出した画像。右隅と左隅は画像のもっとも隅の部分を切り出している。左隅は少しピントが甘くわずかに流れているように見えるものの、隅まで高い解像感とコントラストをキープしているのがわかるはずだ
広角端24mm、絞りF8で撮影。0.3段アンダーにすることで雲などの立体感が出るようにした。クリアで抜けのよい描写だ
NIKKOR Z 24-70mm f/4 S、24mm、F8、1/500秒、ISO64、WB:自然光オート、ピクチャーコントロール:オート、アクティブD-ライティング:しない、ヴィネットコントロール:標準、回折補正:する、自動ゆがみ補正:する
撮影写真(8256×5504、18.2MB)
まだ太陽が昇り切らない早朝に撮影した1枚。絞り開放で撮っているが、ピント位置では切れのある描写が得られた
NIKKOR Z 35mm f/1.8 S、F1.8、1/250秒、ISO64、WB:晴天、ピクチャーコントロール:オート、アクティブD-ライティング:しない、ヴィネットコントロール:標準、回折補正:する、自動ゆがみ補正:する
撮影写真(5504×8256、14.4MB)
こちらも絞り開放で撮影。NIKKOR Z 35mm f/1.8 Sは絞り開放からシャープで、滑らかなボケ味が楽しめる単焦点レンズだ
NIKKOR Z 35mm f/1.8 S、F1.8、1/40秒、ISO400、WB:オート1、ピクチャーコントロール:オート、アクティブD-ライティング:しない、ヴィネットコントロール:標準、回折補正:する、自動ゆがみ補正:する
撮影写真(8256×5504、20.7MB)
少し絞ってF4で撮った写真。うるさくなりそうな背景だが比較的すっきりとしたボケ味になった。ボケのエッジも色付きが少ない
NIKKOR Z 35mm f/1.8 S、F4、1/125秒、ISO320、WB:オート1、ピクチャーコントロール:オート、アクティブD-ライティング:しない、ヴィネットコントロール:標準、回折補正:する、自動ゆがみ補正:する
撮影写真(8256×5504、19.0MB)
夕暮れ時に70mmの望遠端で撮影。コントラストが非常に高く、明暗差が印象的に仕上がった
NIKKOR Z 24-70mm f/4 S、70mm、F8、1/800秒、ISO64、WB:自然光オート、ピクチャーコントロール:スタンダード、アクティブD-ライティング:オート、ヴィネットコントロール:標準、回折補正:する、自動ゆがみ補正:する
撮影写真(5504×8256、19.7MB)
手前に被写体を重ねて逆光で撮影した1枚。NIKKOR Zレンズの第1弾モデル3本はいずれも最上級の製品ライン「S-Line」に属している。S-Lineはデフォルトでナノクリスタルコートが採用されおり、逆光に強い
NIKKOR Z 24-70mm f/4 S、24mm、F11、1/250秒、ISO64、WB:オート1、ピクチャーコントロール:オート、アクティブD-ライティング:オート、ヴィネットコントロール:標準、回折補正:する、自動ゆがみ補正:する
撮影写真(8256×5504、22.4MB)
こちらは「AF-S NIKKOR 500mm f/5.6E PF ED VR」で撮ったものになる。FマウントレンズでもAFの性能は十分に出る印象を受けた
AF-S NIKKOR 500mm f/5.6E PF ED VR(FTZ使用)、F8、1/320秒、ISO64、WB:晴天、ピクチャーコントロール:オート、アクティブD-ライティング:しない、ヴィネットコントロール:標準、回折補正:する、自動ゆがみ補正:する
撮影写真(5504×8256、15.7MB)
Z 7はフルフレームでの4K UHD/30p動画撮影に対応。この動画は4K UHD/30p、焦点距離24mm(NIKKOR Z 24-70mm f/4 S使用)、プログラムAE(1/50秒、F8、ISO72)、WB:自然光オート、ピクチャーコントロール:オートで撮ったものになる