ニコンの超高倍率ズームデジタルカメラの新モデル「COOLPIX P1000」が2018年9月14日に発売になった。光学125倍という他にはない圧倒的なズーム倍率で話題を集めているカメラだ。実写作例を交えながら特徴をくわしくレビューしよう。
この秋の新モデルとして登場したCOOLPIX P1000。価格.com「デジタルカメラ」カテゴリーの注目ランキング(9月21日時点)は1位に位置している
COOLPIX P1000の最大の特徴は、レンズ一体型のデジタルカメラとして世界最高のズーム倍率となる「光学125倍ズーム」を実現したことだ。望遠端の画角は、35mm判換算でなんと「焦点距離3000mm相当」となっている(広角端は同24mm相当)。
従来モデル「COOLPIX P900」でも一眼カメラの交換レンズを超える光学83倍ズーム・望遠端2000mm相当の画角を実現していたが、新モデルはそれをさらに上回る圧倒的な超望遠撮影が可能になった。次項目の実写作例で掲載するが、35mm判で焦点距離3000mm相当という画角は、画面いっぱいまでズームして月を撮影できるし(満月なら画面を超える大きさになる)、離れた位置にいる小鳥も大きく撮ることができる。
35mm判換算で広角端24mm相当(開放F2.8)〜望遠端3000mm相当(開放F8)の画角に対応する光学125倍ズームの「NIKKORレンズ」を搭載。スーパーEDレンズ1枚、EDレンズ5枚を採用し、超望遠でも解像感の高い描写を実現した。最短撮影距離(レンズ先端から)は広角側で約30cm、望遠側で約7.0m。マクロAF時は広角端で約1cmまで被写体に近づける。レンズ先端には77mm径のフィルターの装着が可能
左が広角端、右が望遠端。広角端のときの全長(ファインダー接眼部からレンズ先端まで)は約21cm。望遠端のときはさすがにレンズが伸び、全長は31cm程度となる
COOLPIX P1000は月や野鳥の撮影に適したデジカメだ。自動的に3秒のセルフタイマーになり、色合いをコマンドダイヤルで変えられる「月モード」(左)と、自動的に連写モードとなる「野鳥モード」(右)が用意されている。いずれのモードも、OKボタンを押すと指定した焦点距離まで一気にズームが伸びるようになっている
撮像素子は従来モデルと同様、有効1605万画素の裏面照射型CMOSセンサー(1/2.3型)で、画像処理エンジンは従来モデルの「EXPEED C2」から、さらに進化した「EXPEED」に変更となった。また、JPEGに加えてRAW(ニコン独自のNRWフォーマット)記録も可能(RAW+JPEG記録にも対応)。撮影後に画質を調整したい方にとってRAW対応はうれしい点だ。連写速度はフル画素で約7コマ/秒(7コマまで)。
動画も強化されており、4K UHD(3840×2160)/30p記録が可能になったほか、マニュアル動画モード(絞り優先オート/マニュアル露出)も追加。外部マイク端子も新たに装備する。マニュアルフォーカスでのフルHD記録時に限定されるものの、動画撮影・記録中のHDMIモニタリングスルー(4:2:2 8bit映像信号の同時出力)も可能だ。
4K UHD/30pの動画撮影が可能。外部マイク端子も新たに搭載する
絞り優先オート/マニュアル露出を利用できるマニュアル動画モードを追加
フルHDにはなるが動画撮影中のHDMI同時出力にも対応する