レビュー
フルサイズミラーレスは、果たしてオートサロンの撮影で使えるのか!?

キヤノン初のフルサイズミラーレス「EOS R」で東京オートサロンを撮ってみた

キヤノン「EOS R」には、ロー&ハイアングル撮影が快適な「バリアングル液晶モニター」が採用されています。前方に180°、後方に90°、水平に175°可動し、さまざまな構図での撮影が可能となっています

これまで紹介してきた写真は、すべて電子ビューファインダー(EVF)を使用して撮影していますが、EOS Rは背面の液晶モニターもファインダーとして活用できますので、積極的に使っていきたいところです。さらに、EOS Rの背面液晶モニターはバリアングルですから、撮影の自由度がかなり高いのも見逃せません。

東京オートサロン2019「IMPUL」ブースのカルソニックレディ、相沢菜々子さんと藤咲百恵さん。バリアングル液晶を使って、ハイアングルで撮影してみました

上の写真は、IMPULブース、カルソニックレディの相沢菜々子さんと藤咲百恵さんを撮影したもので、バリアングルの背面液晶を活用した作例となります。EOS Rは、カメラを保持した両手を思いっきり伸ばして、背面液晶でフレーミングすることでハイアングルに撮影することができます。ミラー機で背面液晶をファインダー替わりに使用する場合は、ライブビューとして設定し直さなくてはならないのですが、EOS Rではライブビュー状態を常に保持できるので、バリアングルの背面液晶を使用した撮影へすぐに移ることができ、被写体を不必要に待たせることもありません。

ここで注意すべきは、背面液晶のタッチシャッターを利用すると、タッチした部分にフォーカスするために瞳AFが無効となってしまうことです。そのため、撮影の際にはシャッターボタンを使うようにすれば、瞳AFが有効なまま撮影することができます。

今回、キヤノン「EOS R」の撮影で使用したレンズは、標準レンズの「RF24-105mm F4 L IS USM」です

今回、キヤノン「EOS R」の撮影で使用したレンズは、標準レンズの「RF24-105mm F4 L IS USM」です

レンズについても、少し触れておきましょう。今回使用したレンズ「RF24-105mm F4 L IS USM」は、EOS Rでは標準的なレンズとして設定されているものです。最新のレンズだけに、EOSシリーズ既存のEFレンズ「EF24-105mm F4 L IS II USM」とはまったく別物と言っていいでしょう。ミラーレスのためにフランジバックが短いというEOS Rの特長を生かし、EFレンズより1cm以上短く、また100gほど軽量になっています。レンズ内蔵の手振れ補正も、EFでは4段分のところがRFでは5段分となっており、ミラーショックのないEOS Rの特徴とともに手持ち撮影の領域を格段に広げています。

東京オートサロン2019「C-WEST」ブースのコンパニオンの集合写真。広角時も少ないゆがみで撮影できています

東京オートサロン2019「C-WEST」ブースのコンパニオンの集合写真。広角時も少ないゆがみで撮影できています

光学性能もかなり改善された印象で、特にゆがみに対してはカメラ側でも補正を行うようで、広角時のゆがみの少なさは驚愕です。上の写真はC-WESTブースのモデルコンパニオン集合写真ですが、これは29mm相当で撮影しています。人物にほぼ均一にフォーカスがきていますが、広角域でフレームの両端に起こりがちな、引っ張られるようなゆがみがかなり少ないことにお気づきいただけることと思います。また、シャープな描写はデジタルカメラの高画素化を見据えた、新世代の設計思想の現れでしょう。

東京オートサロン2019「ADVICS」ブースの香月わかなさんを撮影

東京オートサロン2019「ADVICS」ブースの香月わかなさんを撮影

上の写真は、ADVICSの香月わかなさんを撮影したものです。フルサイズ機であるEOS Rでは、背景ボケも気になるところ。37mm相当で撮影したこの写真では、絞り開放のf4で背景がかなりぼけているのがおわかりいただけると思います。

東京オートサロン2019「ダンロップ」ブースの一之瀬優美さんを撮影

東京オートサロン2019「ダンロップ」ブースの一之瀬優美さんを撮影

上の写真は、ダンロップブースの一之瀬優美さんを43mm相当で撮影したものです。被写体との距離は先ほどの香月わかなさんに比べてかなり離れてはいますが、同等以上のボケみを発揮しています。

東京オートサロン2019「ADVICS」ブースの香月わかなさんを撮影。上の画像がオリジナルで、下の画像がトリミングした写真です。
原寸画像 トリミング前:2.41MB
原寸画像 トリミング後:2.22MB

このレンズの解像力とEOS Rの描写力があれば、多少のトリミングであればトリミングと気づかせないほどの仕上がりが期待できます。上の写真は、再びADVICSの香月わかなさんを撮影したもので、上の写真が24mmで撮影したオリジナル、下の写真はそれをトリミングしたものです。原寸ピクセルの写真を確認しても、この程度のトリミングであればトリミングに対しての粒状性劣化は目立ちません。

東京オートサロン2019での取材撮影は、EOS RとRF24-105mm F4 L IS USMの組み合わせで、まったく不足なく行うことができました。ただし「スピードライト」については、大柄な「580EX II」では、EOS Rのコンパクトさをスポイルしてしまうのでは?と言う印象を持っています。もっと大柄で重い最新の「600EX II-RT」では、その傾向がさらに顕著になってくると思われます。ここは「270EX II」のような横長形状で、「430EX III RT」程度の光量をもつスピードライトが登場してくれることを願うばかりです。サードパーティーではすでにそのようなスピードライトが登場しているので、それを活用するのもアリかとも思いますが、やはり純正スピードライトのマッチングのよさは捨て切れません。

東京オートサロン2019「トーヨータイヤ」ブースの集合写真

東京オートサロン2019「トーヨータイヤ」ブースの集合写真

そして、EOS Rの数少ない問題点のひとつとして、カメラ本体のバッテリーの持ちが悪いという面が挙げられます。オートサロンでは、1日当たり2,000枚程度を撮影します。「EOS 5D Mark III」などのミラー機であれば、1日撮りきるとバッテリーを2個使用して電池残量は目盛りひとつ分残っているといった状態なのですが、EOS Rでは3回のバッテリー交換、つまり4つのバッテリーを必要としました。バッテリー自体は、「LP-E6N」もしくは「LP-E6」という「EOS 5D」系や「EOS 80D」など既存のミラー機と同じものを使うので、資産を持っている方には新たなバッテリーの負担を強いるものではないと思われますが、どんな撮影状況であっても多くのバッテリーが必要であると言えるでしょう。

それらの問題点を差し引いても、非常に快適でストレスの少ない取材活動ができたことは特筆すべきで、本当に撮れ高の高いカメラであると言えます。続いて、次項では既存のレンズ資産をどこまで継承できるかについて検証してみましょう。

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