レビュー
外装がチタン合金になった四代目スナップシューター

レンジファインダーで風景を切り取る快感。富士フイルム「X-Pro3」と歩いた年の瀬の浅草

酷使されたブラックモデルのカメラはエッジの塗装が剥げ、真鍮の地金がところどころ見えていた。これが風雪に耐えてきたプロの道具の貫禄だ。富士フイルム「X-Pro2」もこのスタイルを貫いていたが、「X-Pro3」ではキズが付かないことに価値観を見いだしたチタンの外装に守られたモデルが追加された。

富士フイルム「X-Pro3」は3種類の仕上げがあり、従来のブラックに加え、チタンで高硬度を実現したデュラテクト仕上げのデュラブラックと、デュラシルバーが登場。写真はデュラブラックモデルだ

液晶画面の確認から解放される

富士フイルムのXシリーズには4種類のラインアップがある。その中でもユニークな存在がハイブリッドファインダーを搭載したProシリーズだ。OVFとEVFの切り替えができるだけでなく、OVFの右下にEVFを表示させるERFという表示もできる。これによってMFを正確に合わせたり、超広角レンズのフレーミングも分かる。Proシリーズはレンジファインダーカメラの進化形をデジタルで追求しているのだ。

今回取り上げる「X-Pro3」は、この思想をさらに押し進め、背面の液晶モニターを閉じた状態がデフォルト。下に開いて確認するというHidden LCDを採用した。OVFをのぞきながらシャッターを切る。撮影後のプレビューOFFで、そのまま次の被写体を探す。これによってデジタルカメラならではのわずらわしさを減らしている。つまり、OVFをのぞきながら撮影して、撮影後も液晶モニターを見ない。さらにAFもOFFにして被写界深度を使ったパンフォーカスを使い、連写モードにすれば、スナップ最強設定となる。今回はフィルムシミュレーションの中から「ACROS」をチョイスし、このスナップ最強設定で年末の浅草を写真家、小平尚典氏とともに散策。交換レンズは広角単焦点を中心に3本で撮影した。

使用したレンズは「XF16mmF1.4 R WR」と「XF14mmF2.8 R」、「XF16-80mmF4 R OIS WR」の3本だ

使用したレンズは「XF16mmF1.4 R WR」と「XF14mmF2.8 R」、「XF16-80mmF4 R OIS WR」の3本だ

フィルムカメラを思わせるインターフェイス

富士フイルムのミラーレスは電源OFFの状態でも、撮影情報が一目で分かることを重視している。このため一般的なミラーレスが採用するモードダイヤルは使わず、レンズ側に絞りリングがあり、ボディ側にはシャッター速度とISO感度、露出補正ダイヤルが備わっている。これらダイヤルの組み合わせで絞り優先AE、シャッター優先AE、プログラムAE、マニュアル操作が行える。操作は直感的に行えるので、迷うことはないだろう。ノーファインダーでスナップ撮影をする場合、カメラをチラ見するだけで絞りとシャッター速度を確認できるため、手ブレやピンボケを未然に防げる。

レンジファインダーカメラではお馴染みのダイヤルが軍艦部に並ぶ。正面と背面にはコマンドダイヤルも装備

レンジファインダーカメラではお馴染みのダイヤルが軍艦部に並ぶ。正面と背面にはコマンドダイヤルも装備

背面にある液晶モニターの位置には正方形のメモリー液晶が常時表示され、銀塩カメラ時代にあったフィルムの種類を忘れないためにパッケージのフタを切り取って入れたのと同じ表示で、フィルムシミュレーションとホワイトバランスとISO感度が示される。この表示は電源OFFにしてもそのまま残る。また、標準表示に切り替えることで、撮影情報をリアルタイム表示でき、表示項目を選択することもできる。

フィルムのパッケージデザインにISO感度とホワイトバランス、フィルムシミュレーション名が表示される

フィルムのパッケージデザインにISO感度とホワイトバランス、フィルムシミュレーション名が表示される

標準表示を選択するとシャッター速度、絞り値、感度、電池残量などが表示される

標準表示を選択するとシャッター速度、絞り値、感度、電池残量などが表示される

表示する項目は静止画と動画で、別々に選んで設定可能だ

表示する項目は静止画と動画で、別々に選んで設定可能だ

グリップのデザインが変更され、右手のホールド感が向上している

グリップのデザインが変更され、右手のホールド感が向上している

私見だが「X-Pro3」にはズームレンズより単焦点レンズがしっくりくる

私見だが「X-Pro3」にはズームレンズより単焦点レンズがしっくりくる

広角レンズでボケが楽しめる 「XF16mmF1.4 R WR」

現代の標準レンズの焦点距離を考えてみると、スマホのレンズが28mm相当であることから、28mm標準説を私は唱えている。すると広角レンズは24mm相当が相応しい。つまりAPS-Cサイズなら16mmである。FUJINONレンズには「XF14mmF2.8 R」という明るい単焦点レンズがある。これを使えば広角なのにボケが得られるのだ。もちろん絞ればパンフォーカスでスナップできるという便利なレンズだ。

フィルム時代の24mmレンズはかなり歪みがあり、周辺光量も落ちていたが、現代のレンズは優秀なので、そんな気配は微塵もない。また、逆光にも強く、開放からシャープなので暗い所にも強い。広角初心者からベテランにまで広くオススメできるレンズである。

ねずみの置物にかなり接近すると背景がキレイにボケた
X-Pro3、XF16mmF1.4 R WR、ISO800、F1.4、1/2200秒、ACROS、絞り優先AE、JPEG
撮影写真(6240×4160、12.6MB)

絞り開放時はAFを使って素早く狙った位置にピントを合わせている
X-Pro3、XF16mmF1.4 R WR、ISO800、F1.4、1/1100秒、ACROS、絞り優先AE、JPEG
撮影写真(6240×4160、12.1MB)

左の提灯にピントを合わせることで奥行きのある路地を表現できた
X-Pro3、XF16mmF1.4 R WR、ISO800、F1.4、1/1500秒、ACROS、絞り優先AE、JPEG
撮影写真(6240×4160、12.3MB)

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