レビュー
高倍率ズームレンズの先駆者が放つ新モデル

“明るくて寄れる”高倍率ズーム! タムロン「28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD」でボケを楽しむ!

ソニーEマウント用の交換レンズを積極的に展開するタムロンから、また注目度の高い新製品「28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD」が登場しました。高倍率ズームレンズとしては小型・軽量なうえ、広角端で開放F2.8の明るさを実現。近接撮影にも強く、使い勝手のよいレンズとなっています。今回は、絞り開放での画質をチェックしてみました。

2020年6月25日に発売になったタムロンの新しい高倍率ズームレンズ28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD。同社のほかのフルサイズミラーレス用レンズと同様のデザインで、マウント部近くにはルミナスゴールドのブランドリングが備わっています

クラス最軽量ながら広角端で開放F2.8の明るさを実現

28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXDの主な特徴
・広角28mmから望遠200mmの焦点距離をカバー
・重量約575gの小型・軽量設計
・広角端28mmで開放F2.8の明るさを実現
・ズーム全域で高画質な14群18枚のレンズ構成
・最短撮影距離は広角端0.19m、望遠端0.8m
・反射防止効果の高いBBARコーティング
・7枚円形絞り
・ステッピングモーターRXDによる高速AF
・「瞳AF」などカメラの主な機能に対応
・シリーズ共通のフィルター径67mm

タムロンは高倍率ズームレンズの先駆者的なメーカーで、1992年に同社初の高倍率ズームレンズ「AF 28-200mm F/3.8-5.6 Aspherical」を発売して以降、28年の長きにわたって多彩なモデルをリリースしています。最近では、2017年発売の「18-400mm F/3.5-6.3 Di II VC HLD」が、APS-C用として世界初となる22.2倍のズーム倍率を実現して話題を集めました。

28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXDは、そんなタムロンが新たに開発した、ソニーEマウント用のフルサイズ対応・高倍率ズームレンズ。28〜200mmの焦点距離をカバーする最新モデルです。タムロンのレンズらしくコンパクトな設計で、約74mm(最大径)×117(全長)mm・重量575gの小型・軽量な鏡筒を実現。フルサイズミラーレス用の高倍率ズームレンズとしては、ニコンの「NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR」(約570g)と並んでクラス最軽量。手ブレ補正機構を省略しているとはいえ、高倍率ズームレンズとしては鏡筒が細くかつ軽量なので、カメラに装着して持った感じは標準ズームレンズに近いところがあります。

右手側側面に、広角端でズーム位置を固定するズームロックスイッチを装備

右手側側面に、広角端でズーム位置を固定するズームロックスイッチを装備

望遠端時のレンズ全長は172mm程度。広角端時から比べると55mmほどレンズが繰り出します

望遠端時のレンズ全長は172mm程度。広角端時から比べると55mmほどレンズが繰り出します

しかも、ズーム倍率が7倍以上の高倍率ズームレンズとして初めて開放F2.8スタートの明るさを実現。望遠端も開放F5.6と高倍率ズームレンズとしてはズーム全域で明るく、実機を試したところ、開放F値は広角端28mmのF2.8に始まり、31mmでF3.2、43mmでF3.5、54mmでF4、78mmでF4.5、113mmでF5、147mm以降でF5.6となりました。35mmならF3.2、50mmならF3.5、85mmならF4.5、135mmならF5のF値で撮れるので、一般的に開放F値が大きくなる高倍率ズームとしては比較的大きなボケが楽しめるレンズと言えるでしょう。

さらに、近接撮影にも強く、広角端28mmでは最短撮影距離0.19m(最大撮影倍率1:3.1)を実現。広角側で被写体に近づいて遠近感を強調した写真が撮りやすくなっています。

このほか、ソニーEマウントカメラが持つ「ファストハイブリッドAF」や「瞳AF」、ダイレクトMF、カメラ内レンズ補正(周辺光量、倍率色収差、歪曲収差)、レンズ本体のファームウェアアップデートなどの機能に対応。同社の他のフルサイズミラーレス用レンズと同じく、フィルター径が67mmで共通化されているのもうれしい点です。

専用の花形フードが付属

専用の花形フードが付属

絞り開放で撮影した実写作例

今回は、比較的明るい高倍率ズームレンズということで、ズーム全域で絞り開放にて撮影した作例をいくつか掲載します。以下に掲載する作例は、フルサイズミラーレスα7 IIIと28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXDを組み合わせてJPEG形式の最高画質で撮影したもの(JPEG撮って出し)になりますが、絞り開放から気になるような色収差はほとんど見られません。どの作例もピント位置で十分な解像感が得られています。玉ボケの輪郭に色付きが出ることもありますが、ボケも滑らかで上質な印象です。絞り開放なのでさすがに周辺減光は見られますが、開放から積極的に使えるレンズだと思います。

※サムネイル画像をクリックすると、撮影写真を長辺900ピクセルに縮小した画像が開きます。リサイズを行っていない撮影写真は、サムネイル画像下のテキストリンクをクリックすると開きます。なお、撮影写真は開くのに時間がかかる場合があります。

α7 III、28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD、28mm、F2.8、1/40秒、ISO800、ホワイトバランス:オート、クリエイティブスタイル:スタンダード、Dレンジオプティマイザー:オート、歪曲収差補正:オフ、倍率色収差補正:オート、周辺減光補正:オート、JPEG
撮影写真(6000×4000、9.78MB)

α7 III、28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD、28mm、F2.8、1/250秒、ISO100、ホワイトバランス:オート、クリエイティブスタイル:スタンダード、Dレンジオプティマイザー:オート、歪曲収差補正:オフ、倍率色収差補正:オート、周辺減光補正:オート、JPEG
撮影写真(6000×4000、9.27MB)

α7 III、28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD、35mm、F3.2、1/20秒、ISO400、ホワイトバランス:オート、クリエイティブスタイル:ビビッド、Dレンジオプティマイザー:オート、歪曲収差補正:オフ、倍率色収差補正:オート、周辺減光補正:オート、JPEG
撮影写真(6000×4000、10.6MB)

α7 III、28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD、35mm、F3.2、1/25秒、ISO400、ホワイトバランス:オート、クリエイティブスタイル:ビビッド、Dレンジオプティマイザー:オート、歪曲収差補正:オフ、倍率色収差補正:オート、周辺減光補正:オート、JPEG
撮影写真(6000×4000、9.53MB)

α7 III、28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD、71mm、F4、1/30秒、ISO1600、ホワイトバランス:オート、クリエイティブスタイル:スタンダード、Dレンジオプティマイザー:オート、歪曲収差補正:オフ、倍率色収差補正:オート、周辺減光補正:オート、JPEG
撮影写真(6000×4000、12.0MB)

α7 III、28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD、72mm、F4、1/160秒、ISO100、ホワイトバランス:オート、クリエイティブスタイル:ビビッド、Dレンジオプティマイザー:オート、歪曲収差補正:オフ、倍率色収差補正:オート、周辺減光補正:オート、JPEG
撮影写真(6000×4000、9.58MB)

α7 III、28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD、101mm、F4.5、1/50秒、ISO100、ホワイトバランス:オート、クリエイティブスタイル:ビビッド、Dレンジオプティマイザー:オート、歪曲収差補正:オフ、倍率色収差補正:オート、周辺減光補正:オート、JPEG
撮影写真(6000×4000、17.8MB)

α7 III、28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD、137mm、F5、1/80秒、ISO800、ホワイトバランス:オート、クリエイティブスタイル:ビビッド、Dレンジオプティマイザー:オート、歪曲収差補正:オフ、倍率色収差補正:オート、周辺減光補正:オート、JPEG
撮影写真(6000×4000、10.8MB)

α7 III、28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD、200mm、F5.6、1/50秒、ISO100、ホワイトバランス:オート、クリエイティブスタイル:ビビッド、Dレンジオプティマイザー:オート、歪曲収差補正:オフ、倍率色収差補正:オート、周辺減光補正:オート、JPEG
撮影写真(6000×4000、8.43MB)

α7 III、28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD、200mm、F5.6、1/320秒、ISO100、ホワイトバランス:オート、クリエイティブスタイル:スタンダード、Dレンジオプティマイザー:オート、歪曲収差補正:オフ、倍率色収差補正:オート、周辺減光補正:オート、JPEG
撮影写真(6000×4000、8.32MB)

まとめ タムロンらしさが詰まった高コストパフォーマンスな1本

タムロンのレンズはコンパクトと高画質を両立しているのが特徴ですが、28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXDはまさに“タムロンらしさ”が詰まった高倍率ズームレンズです。フルサイズミラーレス用の高倍率ズームレンズとしてはクラス最軽量ながら、絞り開放から十分な高画質を実現。高倍率ズームレンズとしてはズーム全域で明るく、かつ近接撮影にも強いため、ボケを生かした写真撮影を楽しめるのが魅力です。AFについては望遠域で食いつきが遅い傾向がありましたが、サードパーティー製のレンズとしては十分な性能だと思います。

価格は、価格.com最安価格(2020年8月14日時点)は74,000円程度。非常にコストパフォーマンスの高い1本と言えるでしょう。スナップや風景、ポートレート、テーブルフォトなど幅広いシーンで活躍するレンズなので、ソニーEマウントユーザーで高倍率ズームレンズを持っていない人は選択肢に入れておいて損はないはずです。

なお、タムロンは2020年8月6日に、28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXDの新しいファームウェア(Ver.2)を公開しました。新ファームウェアでは、AF-S時に、合焦していないにもかかわらず合焦マークが点灯し、AF動作が停止してしまう現象が改善されているとのことです。

真柄利行

真柄利行

カメラとAV家電が大好物のライター/レビュアー。雑誌編集や価格.comマガジン編集部デスクを経てフリーランスに。価格.comではこれまでに1000製品以上をレビュー。現在、自宅リビングに移動式の撮影スタジオを構築中です。

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