レビュー
スナップ撮影にピッタリな薄型・軽量レンズ

富士フイルム「XF27mmF2.8 R WR」レビュー。人気パンケーキレンズに絞りリングが付いた!

1億画素センサー搭載のラージフォーマットミラーレス「GFX100S」やコンパクトなAPS-Cミラーレス「X-E4」など、話題性の高い新製品をこの春に続々と発売する富士フイルム。今回は、その新製品群の中からAPS-Cミラーレス「Xシリーズ」用の薄型・軽量レンズ「XF27mmF2.8 R WR」をご紹介します。従来モデル「XF27mmF2.8」のリニューアル版で、サイズ感はほぼそのままに絞りリングを追加するなど、さらに使いやすく進化しています。

2021年3月11日に発売になったXF27mmF2.8 R WR(カメラボディは「X-E4」)。モデル名のRは絞りリング、WRは防塵・防滴仕様であることを示しています。従来はブラック/シルバーの2色が用意されていましたが、新モデルはブラックのみとなっています

2021年3月11日に発売になったXF27mmF2.8 R WR(カメラボディは「X-E4」)。モデル名のRは絞りリング、WRは防塵・防滴仕様であることを示しています。XF27mmF2.8はブラック/シルバーの2色が用意されていましたが、新モデルはブラックのみとなっています

待望のリニューアル。絞りリングを追加し、防塵・防滴にも対応

魅力的な単焦点レンズを数多くラインアップするXFレンズの中でも、特にスナップ撮影用として高い人気を誇ってきたのがXF27mmF2.8(2013年7月発売)です。XFレンズ最薄・最軽量となる長さ23mm/重量78gの、いわゆる “パンケーキレンズ”と呼ばれるタイプの薄型・軽量レンズで、画角は35mm判換算で焦点距離41mm相当となる準標準域。サイズ・画角ともにスナップ撮影に使いやすく、ハイブリッドビューファインダー搭載の「X-Proシリーズ」やコンパクトな「X-Eシリーズ」と相性のいいレンズとしてロングセラーとなりました。

今回取り上げるXF27mmF2.8 R WRは、そんなXF27mmF2.8の機能を強化したリニューアルモデル。最大の特徴は、従来モデルで好評だった光学系はそのままに、絞りリングを追加した新デザインを採用したこと。7か所にシーリングを施すことで防塵・防滴・-10℃耐低温構造も実現しました。しかも、こうした機能強化を図りながら、62(最大径)×23(長さ)mmで重量84gという薄型・軽量をキープ。XF27mmF2.8と比べてわずかにサイズアップ(最大径が+0.8mm、重量が+6g)していますが、長さは23mmのままで、ほぼ同じサイズ感の鏡筒に収まっています。

左が新モデルXF27mmF2.8 R WRで、右が従来モデルXF27mmF2.8。サイズ(最大径×長さ)/重量は新モデルが62×23mm/84g。従来モデルが61.2×23mm/78g。新モデルは、絞りリングを搭載し、防塵・防滴・-10℃耐低温構造を実現しながらも、従来モデルとほぼ同じサイズ感の鏡筒になっています

左が新モデルXF27mmF2.8 R WRで、右が従来モデルXF27mmF2.8。サイズ(最大径×長さ)/重量は新モデルが62×23mm/84g。従来モデルが61.2×23mm/78g。新モデルは、絞りリングを搭載し、防塵・防滴・-10℃耐低温構造を実現しながらも、従来モデルとほぼ同じサイズ感の鏡筒になっています

X-E4(ブラック)にXF27mmF2.8 R WRを装着したイメージ。X-E4のミニマルなスタイルにマッチしたパンケーキレンズです

X-E4(ブラック)にXF27mmF2.8 R WRを装着したイメージ。X-E4のミニマルなスタイルにマッチしたパンケーキレンズです

X-Pro3(DRブラック)にXF27mmF2.8 R WRを装着したイメージ。薄型のレンズなので光学ファインダー使用時に視界を遮りません

X-Pro3(DRブラック)にXF27mmF2.8 R WRを装着したイメージ。薄型のレンズなので光学ファインダー使用時に視界を遮りません

絞りリングを搭載したレンズは、カメラのモニターやファインダーの表示を見なくても、直感的に絞り値を確認・変更できるのが便利です。電源オフの状態で絞り値を事前に確認できるため、電源オン時にスムーズに撮影を開始できるのも使いやすいところです。また、X-ProシリーズやX-Tシリーズ(1桁・2桁モデル)、X-Eシリーズなど、撮影モードダイヤルのないXシリーズ中上位機を使ううえでは、絞りリングがあると撮影モードの切り替えがよりスムーズに行えます。絞り優先AEからプログラムAE/シャッタースピード優先AEに切り替える際に、絞りリングのない従来モデルではカメラ側のダイヤルを回して最小絞り以降にする必要がありましたが、新モデルでは絞りリングを「A(オート)」のポジションにすればよくなりました。

ロック解除ボタンが付いた絞りリングを搭載。絞りリングをF16からAポジションに回すと自動的にロックされる仕組みで、ロックボタンを押しながら絞りリングを回すことでAポジションから移動できます

ロック解除ボタンが付いた絞りリングを搭載。絞りリングをF16からAポジションに回すと自動的にロックされる仕組みで、ロックボタンを押しながら絞りリングを回すことでAポジションから移動できます

さらに、XF27mmF2.8 R WRでは、39mmのフィルター径に対応するドーム型のレンズフード「LH-XF27」とレンズフードキャップ「LHCP-27」を新たに用意し、レンズに同梱されるようになったのもうれしい点です。なお、このレンズフード/キャップは従来モデルにも装着できます。

レンズフードLH-XF27を装着したイメージ。フィルター径が同じ39mmなので従来モデルにも装着可能です

レンズフードLH-XF27を装着したイメージ。フィルター径が同じ39mmなので従来モデルにも装着可能です

なお、先にも述べた通り、XF27mmF2.8 R WRの光学系は従来モデルと変わりません。非球面レンズ1枚を含む5群7枚 のレンズ構成を継承していて、MTF曲線も新旧で同じ特性となっています。最小絞りF16、最短撮影距離34cm、絞り羽根7枚といったスペックも変わりません。AF駆動も従来と同じDCモーターで、前群レンズ5枚を繰り出す方式となっています。

従来と同様、前群レンズ5枚を繰り出すフォーカス方式を採用。画像は最短撮影距離の状態で、4mmほど前に繰り出しています

従来と同様、前群レンズ5枚を繰り出すフォーカス方式を採用。画像は最短撮影距離の状態で、4mmほど前に繰り出しています

実写作例

※以下に掲載する作例は、X-E4にXF27mmF2.8 R WRを組み合わせて撮影しています。すべてJPEG形式の最高画質で撮影したもの(JPEG撮って出し)になります。

※サムネイル画像をクリックすると、撮影写真を長辺900ピクセルに縮小した画像が開きます。リサイズを行っていない撮影写真は、サムネイル画像下のテキストリンクをクリックすると開きます。なお、撮影写真は開くのに時間がかかる場合があります。

X-E4、XF27mmF2.8 R WR、27mm(35mm判換算41mm相当)、ISO160、F2.8、1/4700秒、ホワイトバランス:オート、フィルムシミュレーション:PROVIA/スタンダード、ダイナミックレンジ:100%、JPEG撮影写真(6240×4160、11.2MB)

X-E4、XF27mmF2.8 R WR、27mm(35mm判換算41mm相当)、ISO160、F2.8、1/4700秒、ホワイトバランス:オート、フィルムシミュレーション:PROVIA/スタンダード、ダイナミックレンジ:100%、JPEG
撮影写真(6240×4160、11.2MB)

X-E4、XF27mmF2.8 R WR、27mm(35mm判換算41mm相当)、ISO160、F8、1/85秒、ホワイトバランス:オート、フィルムシミュレーション:PROVIA/スタンダード、ダイナミックレンジ:100%、カラークローム ブルー:弱、JPEG撮影写真(6240×4160、11.9MB)

X-E4、XF27mmF2.8 R WR、27mm(35mm判換算41mm相当)、ISO160、F8、1/85秒、ホワイトバランス:オート、フィルムシミュレーション:PROVIA/スタンダード、ダイナミックレンジ:100%、カラークローム ブルー:弱、JPEG
撮影写真(6240×4160、11.9MB)

X-E4、XF27mmF2.8 R WR、27mm(35mm判換算41mm相当)、ISO160、F8、1/85秒、ホワイトバランス:オート、フィルムシミュレーション:PROVIA/スタンダード、ダイナミックレンジ:100%、カラークローム ブルー:弱、JPEG撮影写真(6240×4160、11.9MB)

X-E4、XF27mmF2.8 R WR、27mm(35mm判換算41mm相当)、ISO160、F8、1/85秒、ホワイトバランス:オート、フィルムシミュレーション:PROVIA/スタンダード、ダイナミックレンジ:100%、カラークローム ブルー:弱、JPEG
撮影写真(6240×4160、11.9MB)

X-E4、XF27mmF2.8 R WR、27mm(35mm判換算41mm相当)、ISO160、F8、1/110秒、ホワイトバランス:オート、フィルムシミュレーション:PROVIA/スタンダード、ダイナミックレンジ:100%、JPEG撮影写真(6240×4160、16.3MB)

X-E4、XF27mmF2.8 R WR、27mm(35mm判換算41mm相当)、ISO160、F8、1/110秒、ホワイトバランス:オート、フィルムシミュレーション:PROVIA/スタンダード、ダイナミックレンジ:100%、JPEG
撮影写真(6240×4160、16.3MB)

X-E4、XF27mmF2.8 R WR、27mm(35mm判換算41mm相当)、ISO160、F11、1/2200秒、ホワイトバランス:オート、フィルムシミュレーション:PROVIA/スタンダード、ダイナミックレンジ:100%、JPEG撮影写真(6240×4160、12.3MB)

X-E4、XF27mmF2.8 R WR、27mm(35mm判換算41mm相当)、ISO160、F11、1/2200秒、ホワイトバランス:オート、フィルムシミュレーション:PROVIA/スタンダード、ダイナミックレンジ:100%、JPEG
撮影写真(6240×4160、12.3MB)

X-E4、XF27mmF2.8 R WR、27mm(35mm判換算41mm相当)、ISO160、F2.8、1/1300秒、ホワイトバランス:オート、フィルムシミュレーション:PROVIA/スタンダード、ダイナミックレンジ:100%、JPEG撮影写真(6240×4160、10.7MB)

X-E4、XF27mmF2.8 R WR、27mm(35mm判換算41mm相当)、ISO160、F2.8、1/1300秒、ホワイトバランス:オート、フィルムシミュレーション:PROVIA/スタンダード、ダイナミックレンジ:100%、JPEG
撮影写真(6240×4160、10.7MB)

X-E4、XF27mmF2.8 R WR、27mm(35mm判換算41mm相当)、ISO160、F8、1/85秒、ホワイトバランス:オート、フィルムシミュレーション:PROVIA/スタンダード、ダイナミックレンジ:100%、JPEG撮影写真(6240×4160、15.0MB)

X-E4、XF27mmF2.8 R WR、27mm(35mm判換算41mm相当)、ISO160、F8、1/85秒、ホワイトバランス:オート、フィルムシミュレーション:PROVIA/スタンダード、ダイナミックレンジ:100%、JPEG
撮影写真(6240×4160、15.0MB)

XF27mmF2.8 R WRは従来と同じレンズ構成ということで、画質については従来モデルと変わりません。従来モデルもそうでしたが、若干線が太い感じはするものの解像感は高く、単焦点レンズらしい高品位な写りを楽しめます。薄型・軽量なパンケーキレンズであることを考慮すると十分な描写だと思います。

また、従来モデルとほとんど変わらない小さな鏡筒なので試用前は絞りリングの操作感が心配でしたが、しっかりとしたクリック感があって確実な操作ができました。AFについては、従来と同じDCモーターなので駆動音がやや大きいところはあるものの、最新世代の撮像素子・画像処理エンジンを搭載するX-E4で試した限りは、狙ったところに確実にピントを合わせてくれました。スナップ撮影であれば大きなストレスを感じることなくAF撮影ができると思います。

まとめ Xシリーズでスナップ撮影を楽しむなら必携の1本

従来モデルXF27mmF2.8は、十分な描写性能を持つ薄型・軽量レンズということで、スナップ撮影用として人気を集めましたが、絞りリングを搭載しないことを残念に感じていた富士フイルムファンも多いことでしょう。なかには、絞りリングがないために、このレンズの購入をためらっていた人もいると思います。今回のリニューアルは、そうした人にとってまさに待望の機能強化と言えるでしょう。

防塵・防滴・-10℃耐低温仕様になったのも見逃せない点で、X-ProシリーズやX-Tシリーズ(1桁モデル)とさらに組み合わせやすくなりました。また、従来モデルはレンズ内にチリが入りやすいところがありましたが、防塵仕様の新モデルでは、そのあたりが改善されていることにも期待できます。

筆者は従来モデルXF27mmF2.8を愛用していますが、このレンズを装着するときはプログラムAEはまず使用しませんし、パンフォーカス気味に撮ることがほとんどで絞り値もそれほど変えないため、正直なところ、絞りリングはなくてもいいと思っていました。しかし、新モデルXF27mmF2.8 R WRを使ってみて、やはり絞りリングがあったほうがXシリーズらしいマニュアル操作を楽しめると実感し、購入を検討しています。従来モデルを持っている人も、そうでない人も、Xシリーズでスナップ撮影を楽しむのなら、手に入れておいて損のない1本だと思います。

XF27mmF2.8 R WR の価格.com最安価格は47,000円程度(2021年3月26日時点)。絞りリングなどの機能を追加しながらも、従来モデルとそう変わらない価格に抑えられています。

真柄利行

真柄利行

カメラとAV家電が大好物のライター/レビュアー。雑誌編集や価格.comマガジン編集部デスクを経てフリーランスに。価格.comではこれまでに1000製品以上をレビュー。現在、自宅リビングに移動式の撮影スタジオを構築中です。

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