レビュー

高性能を凝縮した小型・軽量ミラーレス、キヤノン「EOS R10」発売前レビュー

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マルチコントローラーなど中上級者も納得の操作性。操作感については気になる点も

続いて、「EOS R10」の操作性を紹介しよう。

「EOSシリーズ」の中上位機種ではおなじみの、背面のサブ電子ダイヤルは非搭載ながら(※ボディ上面に配置)、先に紹介したように、AFフレームダイレクト選択が可能なマルチコントローラーを背面に搭載しているのがポイント。上面には、感度やドライブモード、ホワイトバランスなどの設定を呼び出せるマルチファンクションボタン(M-Fn)や、タッチパネルを含めた各種操作系をロックするマルチ電子ロックボタンが備わっている。

背面にマルチコントローラーを搭載するのが操作性のポイント。液晶モニターは、「EOS Rシリーズ」の他モデルと同様、バリアングル式(3.0型、約104万ドット)。電子ビューファインダー(EVF)は上位モデルの「EOS R7」と同じ約236万ドット表示で、倍率が約0.95倍(35mm判換算約0.6倍)、アイポイントが約22mmのスペックだ

背面にマルチコントローラーを搭載するのが操作性のポイント。液晶モニターは、「EOS Rシリーズ」の他モデルと同様、バリアングル式(3.0型、約104万ドット)。電子ビューファインダー(EVF)は上位モデルの「EOS R7」と同じ約236万ドット表示で、倍率が約0.95倍(35mm判換算約0.6倍)、アイポイントが約22mmのスペックだ

ボディ上面に、メイン電子ダイヤル/サブ電子ダイヤルのほか、マルチファンクションボタン(M-Fn)やマルチ電子ロックボタンも搭載している

ボディ上面に、メイン電子ダイヤル/サブ電子ダイヤルのほか、マルチファンクションボタン(M-Fn)やマルチ電子ロックボタンも搭載している

「EOS R7」と同様、ボディ前面の右手側にAF/MFの切り替えスイッチ(フォーカスモードスイッチ)を搭載。「EOS R7」とは異なり、電源オフ時にシャッター幕を閉じる機能(センサーへのゴミ付着を抑える機能)は用意されていない

「EOS R7」と同様、ボディ前面の右手側にAF/MFの切り替えスイッチ(フォーカスモードスイッチ)を搭載。「EOS R7」とは異なり、電源オフ時にシャッター幕を閉じる機能(センサーへのゴミ付着を抑える機能)は用意されていない

電子ビューファインダー(EVF)は、上位モデルの「EOS R7」と同様、119.88fpsの表示フレームレートに対応する「なめらかさ優先」を選択可能。メカシャッター/電子先幕の高速連写時に撮影結果と映像を交互に表示する「高速表示」も用意されている。「EOS R10」は約0.95倍(35mm判換算約0.60倍)、「EOS R7」は約1.15倍(35mm判換算約0.72倍)と、「EOS R7」との比較だと倍率がやや低いのは気になるものの、カメラ中上級者でも十分に納得できる仕様のファインダーと言えよう。

119.88fpsの高速フレームレートで、より滑らかな表示を実現する「なめらかさ優先」に対応

119.88fpsの高速フレームレートで、より滑らかな表示を実現する「なめらかさ優先」に対応

ただし、このカメラをミドルクラスのモデルとして見ると、撮影時のフィーリングについては、少し気になるところがある。まず、グリップだが、さすがに「EOS R7」などより大きなボディの上位モデルと比べると見劣りする。比較的深い形状なのでフィット感がよく、キットレンズ(「RF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STM」「RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM」)程度のサイズ感のレンズであれば、まったく問題ない。だが、グリップとマウントの間がやや狭いこともあって、超望遠ズームレンズ「RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM」など鏡筒が太いレンズを装着する場合は、少々窮屈な感じになる。コンパクトなボディのため致し方ないところではあるが、「EOS R7」と比べると差があると感じる部分だ。

左が「EOS R10」で、右が「EOS R7」。「EOS R10」のグリップは、細くて深い形状でフィット感が高く、カメラのサイズ感を考慮するとよく考えられている。ただ、「EOS R7」と比べると厚みがなく、マウントとの間も狭いため、太い鏡筒のレンズを装着すると少し窮屈な感じになる

左が「EOS R10」で、右が「EOS R7」。「EOS R10」のグリップは、細くて深い形状でフィット感が高く、カメラのサイズ感を考慮するとよく考えられている。ただ、「EOS R7」と比べると厚みがなく、マウントとの間も狭いため、太い鏡筒のレンズを装着すると少し窮屈な感じになる

また、シャッターのフィーリングについては、上位モデルの「EOS R7」と比べてもやや大きめのシャッター音で、手に伝わる振動も大きい。ハイエントリーからローミドルというクラスを考慮すると妥当な部分となっている。

「EOS R10」のメカシャッターと電子先幕のシャッター音を収めた動画。カメラに装着しているレンズは高倍率ズームレンズ「RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM」。「EOS R7」と比べても少し大きめのシャッター音。特に連写時は音とあわせて手に伝わる振動も大きくなっている
参考:「EOS R10」のシャッター音を収めた動画

対応バッテリーは、フルサイズミラーレスの下位モデル「EOS RP」などと同じ「LP-E17」。フル充電での撮影可能枚数(「省電力優先」設定時)は、ファインダー撮影時が約260枚、モニター撮影時が約430枚

対応バッテリーは、フルサイズミラーレスの下位モデル「EOS RP」などと同じ「LP-E17」。フル充電での撮影可能枚数(「省電力優先」設定時)は、ファインダー撮影時が約260枚、モニター撮影時が約430枚

ボディ左側面にHDMIマイクロ出力端子、USB Type-C端子、リモコン端子、外部マイク入力端子を搭載

ボディ左側面にHDMIマイクロ出力端子、USB Type-C端子、リモコン端子、外部マイク入力端子を搭載

小型・軽量な超広角・単焦点レンズ「RF16mm F2.8 STM」を装着したイメージ。「EOS R10」に組み合わせた際は35mm換算で焦点距離26mm相当の広角レンズとなる

小型・軽量な超広角・単焦点レンズ「RF16mm F2.8 STM」を装着したイメージ。「EOS R10」に組み合わせた際は35mm換算で焦点距離26mm相当の広角レンズとなる

超望遠ズームレンズ「RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM」を装着したイメージ。「EOS R10」装着時は、35mm換算で焦点距離160〜800mm相当の画角をカバーする

超望遠ズームレンズ「RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM」を装着したイメージ。「EOS R10」装着時は、35mm換算で焦点距離160〜800mm相当の画角をカバーする

純正のマウントアダプター「EF-EOS R」を介して、一眼レフ用の「EFレンズ」「EF-Sレンズ」を装着することが可能。この画像では、準広角(35mm判換算で焦点距離38mm相当の画角)の薄型パンケーキレンズ「EF-S24mm F2.8 STM」を装着している

純正のマウントアダプター「EF-EOS R」を介して、一眼レフ用の「EFレンズ」「EF-Sレンズ」を装着することが可能。この画像では、準広角(35mm判換算で焦点距離38mm相当の画角)の薄型パンケーキレンズ「EF-S24mm F2.8 STM」を装着している

こちらは、「EF-Sレンズ」の超広角ズームレンズ「EF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STM」を装着したイメージ。35mm判換算で焦点距離16〜29mm相当の画角に対応する

こちらは、「EF-Sレンズ」の超広角ズームレンズ「EF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STM」を装着したイメージ。35mm判換算で焦点距離16〜29mm相当の画角に対応する

実写作例&画質レビュー

最後に「EOS R10」の画質についても簡単にレポートしておこう。「EOS R10」は、新開発の最大約2420万画素のAPS-CサイズCMOSセンサー(約22.3×14.9mm)と、最新の映像エンジン「DIGIC X」を搭載しており、高画質にも期待できるカメラだ。

以下に、APS-C用「RF-Sレンズ」の「RF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STM」を中心に、いくつかのレンズを使用して撮影した作例を掲載する。

EOS R10、RF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STM、45mm(35mm判換算72mm)、ISO100、F6.3、1/80秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:する、JPEG撮影写真(6000×4000、4.7MB)

EOS R10、RF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STM、45mm(35mm判換算72mm)、ISO100、F6.3、1/80秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:する、JPEG
撮影写真(6000×4000、4.7MB)

EOS R10、RF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STM、31mm(35mm判換算50mm)、ISO100、F5.6、1/50秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:オート、オートライティングオプティマイザ:標準、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:する、JPEG撮影写真(4000×6000、7.8MB)

EOS R10、RF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STM、31mm(35mm判換算50mm)、ISO100、F5.6、1/50秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:オート、オートライティングオプティマイザ:標準、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:する、JPEG
撮影写真(4000×6000、7.8MB)

EOS R10、RF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STM、37mm(35mm判換算60mm)、ISO100、F6.3、1/15秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:オート、オートライティングオプティマイザ:標準、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:する、JPEG撮影写真(6000×4000、6.2MB)

EOS R10、RF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STM、37mm(35mm判換算60mm)、ISO100、F6.3、1/15秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:オート、オートライティングオプティマイザ:標準、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:する、JPEG
撮影写真(6000×4000、6.2MB)

EOS R10、RF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STM、18mm(35mm判換算29mm)、ISO100、F5.6、1/15秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:オート、オートライティングオプティマイザ:標準、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:する、JPEG撮影写真(6000×4000、5.7MB)

EOS R10、RF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STM、18mm(35mm判換算29mm)、ISO100、F5.6、1/15秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:オート、オートライティングオプティマイザ:標準、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:する、JPEG
撮影写真(6000×4000、5.7MB)

EOS R10、RF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STM、18mm(35mm判換算29mm)、ISO1600、F5.6、1/125秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:する、JPEG撮影写真(6000×4000、4.9MB)

EOS R10、RF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STM、18mm(35mm判換算29mm)、ISO1600、F5.6、1/125秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:する、JPEG
撮影写真(6000×4000、4.9MB)

EOS R10、RF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STM、45mm(35mm判換算72mm)、ISO400、F6.3、1/200秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:する、JPEG撮影写真(6000×4000、6.0MB)

EOS R10、RF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STM、45mm(35mm判換算72mm)、ISO400、F6.3、1/200秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:する、JPEG
撮影写真(6000×4000、6.0MB)

EOS R10、RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM、150mm(35mm判換算240mm)、ISO2500、F6.3、1/320秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:しない、JPEG撮影写真(4000×6000、7.9MB)

EOS R10、RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM、150mm(35mm判換算240mm)、ISO2500、F6.3、1/320秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:しない、JPEG
撮影写真(4000×6000、7.9MB)

EOS R10、RF16mm F2.8 STM、16mm(35mm判換算26mm)、ISO100、F11、1/80秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:強め、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:する、JPEG撮影写真(6000×4000、8.3MB)

EOS R10、RF16mm F2.8 STM、16mm(35mm判換算26mm)、ISO100、F11、1/80秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:強め、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:する、JPEG
撮影写真(6000×4000、8.3MB)

EOS R10、RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM、300mm(35mm判換算480mm)、ISO3200、F6.3、1/1250秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:しない、電子シャッターで撮影、JPEG撮影写真(6000×4000、9.7MB)

EOS R10、RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM、300mm(35mm判換算480mm)、ISO3200、F6.3、1/1250秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:しない、電子シャッターで撮影、JPEG
撮影写真(6000×4000、9.7MB)

EOS R10、RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM、176mm(35mm判換算282mm)、ISO100、F5、1/400秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:しない、JPEG撮影写真(6000×4000、5.2MB)

EOS R10、RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM、176mm(35mm判換算282mm)、ISO100、F5、1/400秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:しない、JPEG
撮影写真(6000×4000、5.2MB)

EOS R10、RF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STM、45mm(35mm判換算72mm)、ISO3200、F8、1/30秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:する、JPEG撮影写真(4000×6000、8.3MB)

EOS R10、RF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STM、45mm(35mm判換算72mm)、ISO3200、F8、1/30秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:する、JPEG
撮影写真(4000×6000、8.3MB)

EOS R10、RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM、115mm(35mm判換算184mm)、ISO6400、F6.3、1/40秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:しない、JPEG撮影写真(6000×4000、8.2MB)

EOS R10、RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM、115mm(35mm判換算184mm)、ISO6400、F6.3、1/40秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:しない、JPEG
撮影写真(6000×4000、8.2MB)

「EOS R10」で撮影してみての率直な印象は、「思った以上に高品位な仕上がりになる」ということ。撮影前はカメラのクラス的に少し派手な色合いになると思っていたが、実際は中上位機と同じような自然な色再現で、質感の再現性も高い。キットレンズの「RF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STM」と「RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM」もコンパクトながら写りがよく、安心して選ぶことができると感じた。また、ISO3200やISO6400といった高感度でもノイズと解像感のバランスがよいのも見逃せないポイントだ。

スペシャルシーンモード「流し撮り」を使って撮影した作例

「EOS R10」はスペシャルシーンモードも強化されており、「パノラマショット」や「手持ち夜景」「流し撮り」といったモードを利用できる。この作例は、飛行機の離陸を「流し撮り」で撮影した作例(※Photoshopで明るさの調整とトリミングを行っている)。「流し撮り」はシャッタースピードなどの設定をすることなく、背景を流す効果を段階的に設定できるのが便利。カメラ初心者でもチャレンジしやすいモードとなっている

「EOS R10」はスペシャルシーンモードも強化されており、「パノラマショット」や「手持ち夜景」「流し撮り」といったモードを利用できる。この作例は、飛行機の離陸を「流し撮り」で撮影した作例(※Photoshopで明るさの調整とトリミングを行っている)。「流し撮り」はシャッタースピードなどの設定をすることなく、背景を流す効果を段階的に設定できるのが便利。カメラ初心者でもチャレンジしやすいモードとなっている

まとめ 動体撮影もカバーできる、幅広いユーザー層にフィットするカメラ

以上、「EOS R10」の魅力についてレビューした。ボディ単体で11万円を超える価格帯(2022年6月23日時点での価格.com最安価格は税込115,632円)の製品であることを考慮すると、「EOS R10」はエントリーモデルにはない価値を見出したいカメラだ。性能面では、ボディ内手ブレ補正が非搭載なのは残念だが、ミドルクラスの上位機に匹敵する内容のAFと高速連写を実現しており、クラスを超えた価値を感じることができるはず。操作性も、ダイレクトな操作系をいくつか搭載しており、中上級者でも納得できる仕様だ。シャッターのフィーリングなどの操作感については気になる点があるものの、ハイエントリーからローミドルという立ち位置を考慮すると妥当な内容と言えるだろう。

上位モデルに「EOS R7」というインパクトのある製品が存在するため、「EOS R10」は、「EOS R7」ほどユーザーの注目を集めていないところがある。ただ、「EOS R10」は使っていくうちにその魅力に気が付くカメラだ。今回、「EOS R7」とほぼ同時期に「EOS R10」を試用したが、「EOS R10」には小型・軽量という絶対的な特徴があり、「EOS R7」とは違った魅力のあるカメラだと感じた。携帯性にすぐれるためスナップ撮影や旅行などの普段使いに適しているうえ、AF・連写性能が高いので使い方によっては動体撮影も十分にカバーできる。幅広いユーザー層にフィットするカメラという印象で、「はじめての一眼カメラ」としてだけでなく、中上級者のサブ機としても面白い存在ではないだろうか。

真柄利行(編集部)
Writer / Editor
真柄利行(編集部)
フィルム一眼レフから始まったカメラ歴は、はや約30年。価格.comのスタッフとして300製品以上のカメラ・レンズをレビューしてきたカメラ専門家で、特にデジタル一眼カメラに深い造詣とこだわりを持っています。フォトグラファーとしても活動中。パソコンに関する経験も豊富で、パソコン本体だけでなく、Wi-Fiルーターやマウス、キーボードなど周辺機器の記事も手掛けています。
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