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シャッターを切る前の“瞬間”を記録できる! プリ連写対応のミラーレスカメラ特集

決定的な瞬間を狙ってシャッターを切るけど、なかなかうまく撮影できない。そんな悩みを抱える人に紹介したいのが、電子シャッターを活用した「プリ連写(プリ撮影)」機能を搭載するミラーレスカメラだ。この機能を使えば、人間の反応速度では対応できない一瞬の動きを簡単に記録できる。本記事では、プリ連写の特徴を紹介したうえで、搭載モデルを紹介しよう。

野鳥などの撮影で威力を発揮するプリ連写機能を搭載するミラーレス

野鳥などの撮影で威力を発揮するプリ連写機能を搭載するミラーレス

プリ連写とはどういう機能?

プリ連写とは、電子シャッターを活用した連写機能だ。端的に言えば、「シャッターボタンを全押しする少し前の瞬間を記録できる」というものになる。

「全押しする少し前を記録できる」というのが直感的にわかりにくいかもしれないが、その仕組みは、バッファメモリーの有効活用にある。シャッターボタンを半押ししている間は、バッファメモリーに撮影データを更新しながら一時保管しておいて、シャッターボタンを全押しした瞬間に、バッファメモリー内の一時保管データを含めて、メモリーカードに記録を開始するという仕組みだ。こうすることで、バッファメモリーの容量が許す限り、全押しする前の状態を記録できるというわけだ。

ニコン「Z 9」の「プリキャプチャ」機能の設定画面。「プリ記録時間」と「レリーズ後記録時間」を設定できる

ニコン「Z 9」の「プリキャプチャ」機能の設定画面。「プリ記録時間」と「レリーズ後記録時間」を設定できる

この機能が便利なのは、蝶や野鳥の飛翔の瞬間など、人間の反応速度では対応できない、不規則で素早い動きをより確実に記録できること。たとえば、野鳥の飛翔であれば、シャッターボタンを半押ししながら狙った被写体が動くのを待って、被写体が動いた瞬間に全押しすればよい。連写を続ける必要はなく、また、経験や勘に頼らなくてもよいので、初心者でも使いやすい機能と言えるだろう。

この機能は、振り返ると、OMデジタルソリューションズ(旧オリンパス)やパナソニックのマイクロフォーサーズシステムのミラーレスカメラがいち早く実現した機能だ。最近では、機能性が多少異なるものの、富士フイルムやキヤノン、ニコンといったメーカーも搭載するようになり、選べるカメラの数が増えてきている。

キヤノン「EOS R7」の「RAWバーストモード」の設定画面。「プリ撮影」を選択できる

キヤノン「EOS R7」の「RAWバーストモード」の設定画面。「プリ撮影」を選択できる

プリ連写を使って撮影した作例

ニコンのフラッグシップモデル「Z 9」で撮影

ニコンのフラッグシップモデル「Z 9」で撮影

キヤノンのAPS-Cミラーレス上位モデル「EOS R7」で撮影

キヤノンのAPS-Cミラーレス上位モデル「EOS R7」で撮影

OMデジタルソリューションズのフラッグシップモデル「OM SYSTEM OM-1」で撮影

OMデジタルソリューションズのフラッグシップモデル「OM SYSTEM OM-1」で撮影

富士フイルムのフラッグシップモデル「X-H2S」で撮影

富士フイルムのフラッグシップモデル「X-H2S」で撮影

プリ連写を使用するうえでの注意点

プリ連写を使う際の注意点としては、まず、カメラによって、さかのぼって記録できる時間と枚数が異なるということがあげられる。ハイエンドモデルのほうがバッファメモリーの容量が多い分、さかのぼれる時間も枚数も多い傾向がある。

便利なのは、さかのぼれる時間や枚数を選択できるモデルだ。撮影する被写体の動き方や動くスピードによっては、短い時間で多く記録できたほうがよい場合と、枚数は減るものの長い時間記録できたほうがよい場合がある。被写体やシーンによって細かく設定できるほうが便利だ。

また、プリ連写はバッテリーの消費が早いことも知っておいてほしい。メモリーカードに記録していないだけで、カメラの動作としては、常に撮影を続けているのとほとんど変わらない。そのため、プリ連写を使ってシャッターボタンの半押し状態を続けていると(バッファメモリーへの一時保存・更新を続けていると)、思った以上に早くバッテリーが切れる。ここぞという時に使う機能と言えるだろう。

メーカー別 プリ連写を搭載するミラーレスのリスト

※記事内で表記する連写速度はいずれも最大値です。
※掲載するモデルは2022年8月31日時点での現行モデルです。販売終了モデルは含めていません。

OMデジタルソリューションズ 「プロキャプチャーモード」搭載モデル 「OM-1」など

マイクロフォーサーズシステム規格のミラーレスを展開するOMデジタルソリューションズは、プリ撮影機能を最も積極的に展開しているメーカーだ。「プロキャプチャーモード」という名称でこの機能をいち早く実現しており、現行モデルでは、新ブランド「OM SYSTEM」のフラッグシップモデル「OM-1」と、「OM-Dシリーズ」の3モデル「E-M1X」「E-M1 Mark III」「E-M5 Mark III」に搭載している。

「OM SYSTEM」のフラッグシップモデル「OM-1」

「OM SYSTEM」のフラッグシップモデル「OM-1」

その特徴は、非常に細かい設定に対応していること。新しいフラッグシップモデル「OM-1」を見ると、約20コマ/秒の通常連写モードのほか、約120コマ/秒設定が可能なAF/AE固定の高速連写モード「SH1」と、約50コマ/秒の高速連写モード「SH2」でも「プロキャプチャーモード」を利用できるようになっている。シャッターボタンを全押しする前の記録枚数(0〜70枚)や、枚数リミッター(プリ連写枚数を含む全撮影枚数、2〜99枚)の設定も可能だ。

「プロキャプチャーモード」搭載モデル
OM SYSTEM OM-1
OM-D E-M1X
OM-D E-M1 Mark III
OM-D E-M5 Mark III

富士フイルム 「プリ撮影」搭載モデル 「X-H2S」「X-T4」など

富士フイルムも積極的にプリ撮影機能を展開しており、現行モデルでは、APS-Cミラーレスのフラッグシップモデル「X-H2S」のほかに、「X-Pro3」「X-T4」「X-S10」「X-E4」といったモデルでもプリ撮影を搭載している。

「X-H2S」のプリ撮影のスペックを見ると、さすがに最新のハイスペックモデルだけあって内容は充実している。プリ撮影の設定をオンにすることで、「CH連写」設定時の約40コマ/秒、約30コマ/秒、約20コマ/秒、約15コマ/秒においてプリ撮影が可能になる。プリ記録の時間は1秒間で、最高40コマ/秒連写時は、シャッターボタン全押し前の最大40枚、全押し後の最大110枚を記録できる。

富士フイルム「Xシリーズ」の新型フラッグシップモデル「X-H2S」

富士フイルム「Xシリーズ」の新型フラッグシップモデル「X-H2S」

「X-H2S」以外のモデルでは、1.25倍クロップでのプリ撮影が可能。「X-T4」は、プリ撮影の約30コマ/秒連写時で、シャッターボタン全押し前の最大20枚、全押し後の最大20枚の記録に対応している。

「プリ撮影」搭載モデル
X-H2S
X-Pro3
X-T4
X-S10
X-E4

パナソニック 「プリ連写機能」「6K/4Kプリ連写」搭載モデル 「LUMIX G9 PRO」など

パナソニックは、フル画素でのプリ連写が可能なモデルとして、マイクロフォーサーズシステム規格の「LUMIX G9 PRO」を用意している。最速20コマ/秒連写が可能な「SH1 PRE」と、AF固定で最速60コマ/秒連写が可能な「SH2 PRE」の2モードが用意されていて、いずれもシャッターボタン全押し前の最長0.4秒間を記録できるようになっている。「SH1 PRE」では最大8枚分、「SH2 PRE」では最大24枚分をさかのぼることが可能だ。

パナソニックのマイクロフォーサーズ機「LUMIX G9 PRO」

パナソニックのマイクロフォーサーズ機「LUMIX G9 PRO」

また、パナソニックは、約1800万画素で30コマ/秒連写が可能な「6Kフォトモード」と、約800万画素で60コマ/秒連写が可能な「4Kフォトモード」においても「プリ連写」の設定を用意している。こちらは対応モデルが多く、フルサイズミラーレス「LUMIX Sシリーズ」にも搭載されている。

「プリ連写機能」搭載モデル
LUMIX G9 PRO

「6K/4Kプリ連写」搭載モデル
LUMIX S1R
LUMIX S1H
LUMIX S1
LUMIX S5
LUMIX GH5 II
LUMIX GH5S
LUMIX G9 PRO
LUMIX G100(4Kプリ連写のみ)
LUMIX GF10(4Kプリ連写のみ)

キヤノン 「RAWバーストモード」搭載モデル 「EOS R7」「EOS R10」

キヤノンは、「RAWバーストモード」という機能においてプリ撮影に対応している。この機能は、電子シャッターによる高速RAW連写機能で、シャッターボタンを全押しした約0.5秒前から記録する「プリ撮影」を設定できるようになっている。一連の連写撮影はひとつのRAWファイルでまとめられ、カメラ内、ならびにRAW現像ソフト「Digital Photo Professional」で各コマをRAW/JPEGに出力する仕組みだ。

現行モデルで「RAWバーストモード」を搭載するのは、APS-Cミラーレスの「EOS R7」と「EOS R10」の2モデル。いずれも、AF/AE追従での約30コマ/秒連写が可能で、「EOS R7」はフル画素(最大約3250万画素)、「EOS R10」はクロップ(約1357万画素)で記録される。

キヤノンのAPS-Cミラーレスの上位モデル「EOS R7」

キヤノンのAPS-Cミラーレスの上位モデル「EOS R7」

「RAWバーストモード」搭載モデル
EOS R7
EOS R10

ニコン 「プリキャプチャ」搭載モデル 「Z 9」

ニコンは、ファームウェアアップデートによってフラッグシップモデル「Z 9」に、プリ撮影機能「プリキャプチャ」を追加した。シャッターボタンを全押しし時点から最大1秒間さかのぼって記録できる仕様だ。

ニコンの高性能・高機能なフラッグシップモデル「Z 9」

ニコンの高性能・高機能なフラッグシップモデル「Z 9」

「プリキャプチャ」は、JPEGでの超高速連写機能「ハイスピードフレームキャプチャ+」内の1モードとして用意されている。レリーズモードダイヤルを「クイック設定ポジション」にしたうえで、カスタムメニューの「d4 C30/C120記録設定」で、「プリ記録時間」を設定すれば機能がオンになる。約30コマ/秒、約120コマ/秒(約11メガピクセル)ともに設定の内容は同じで、プリ記録時間は0.3秒、0.5秒、1.0秒から選択可能。レリーズ後記録時間も1秒、2秒、3秒、最大(最長約4秒)から選べる。

「プリキャプチャ」搭載モデル
Z 9

価格.comマガジン編集部

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