数年前から登山をしている筆者。ここ5年ほどで、一眼レフやミラーレス一眼を用いて撮影を楽しむ登山者を目にすることが多くなった。かく言う筆者も、一眼レフを持って登ったことがあり、コンパクトデジタルカメラで撮った写真とは別格の仕上がりに感動したものだ。しかし、防水ではないため、天候が崩れれば急いで雨から守らねばならず、持ち歩く際も岩にぶつからないようにするなど、気を配ることが多々。このような苦い思い出があるので、“山には防水コンパクトデジタルカメラ”が絶対だったのだが、世界初となる防水対応のミラーレス一眼「Nikon 1 AW1」に一目惚れ! “防水”という、その1点に惹かれて即買いした「Nikon 1 AW1」を持って山に登った、その使用感をお伝えしよう!
「Nikon 1 AW1」の最大の特徴は、防水対応だけでなく、耐衝撃性能や耐寒性能、防塵性能も搭載した“タフネス”ミラーレス一眼であるということ。水深15m以内で最長60分の撮影ができ、−10℃までの寒さでも機能し、約2mの高さから落としても耐えられる強靭さを装備している。よって、レンズもカメラ同様の性能を有していなければならないため、タフネス仕様で使いたい場合は、専用の広角単焦点レンズ「1 NIKKOR AW 10mm f/2.8」か標準ズームレンズ「1 NIKKOR AW 11-27.5mm f/3.5-5.6」を装着しなければならない。
「Nikon 1 AW1」の独特な機構が、レンズマウントの側面にある「0リング」(グレーのゴムのような部分)。「0リング」を装着することでレンズとカメラの接続部が密封され、防水性が保たれるのだという。本体サイズは、113.3(幅)×71.5(高さ)×37.5(奥行)mm。水中でのレンズ交換はできない
広角単焦点レンズ「1 NIKKOR AW 10mm f/2.8」(写真上)は単体販売しているが、標準ズームレンズ「1 NIKKOR AW 11-27.5mm f/3.5-5.6」(写真中)は「Nikon 1 AW1 防水ズームレンズキット」(写真下)でのセット販売となっており、単体販売はしていない(2014年10月10日時点)
筆者は「Nikon 1 AW1 防水ズームレンズキット」を購入したので、標準ズームレンズ「1 NIKKOR AW 11-27.5mm f/3.5-5.6」をボディに装着。カメラ本体のみの重量は約313gだが、「1 NIKKOR AW 11-27.5mm f/3.5-5.6」やバッテリー、SDメモリーカードを含めた重量は約525gとなる
タフネスなカメラだが、日常使いするにも違和感がないデザインだ
持った時にしっかりホールドできるように、ボディ前面と背面にグリップ機構を搭載。この機構があることで、濡れた手で持っても滑り落ちるような不安感はなかった
標準ズームレンズ「1 NIKKOR AW 11-27.5mm f/3.5-5.6」にもリング表面にローレットが施されており、水中での操作やグローブをはめたままでも滑りにくく、操作しやすい
背面には、3.0型の液晶モニターとズームやメニューなどを切り替えるためのボタンがある。そして、親指を添えるグリップ部分には、アウトドアでの操作をよりスムーズに行うための「アクションボタン」を装備(赤い囲み部分)。「アクションボタン」の使い方については、後でくわしく説明する
電源ボタン、シャッターボタン、動画撮影ボタンは天面に配置。異なる大きさとなっているのは、ボタンを見なくても操作できるようにする工夫だという
バッテリーとSDメモリーカードをセットするスロットは底面にある
側面にはUSB端子とHDMIミニ端子を装備。底面、側面とも、落下などのトラブルでフタが開いてしまわないように二重ロック機構とされている
内蔵ストロボは、ボタンを押すとポップアップする。ストロボは水中撮影でも使用可能。ただし、ストロボ利用時には、耐衝撃性は対応外となるので注意しよう
ストラップが付属しているので、撮影時はストラップを装着して使用することをおすすめする
ちなみに、専用の防水レンズ以外を装着することも可能。その場合は、付属の「0リングプロテクター」をレンズマウントに取り付けてから、レンズをセットする。非防水のレンズを取り付けた場合、タフネス仕様にはならないので間違わないように!