焦点距離70mmでの比較作例のサムネイル。A:緑枠、B:青枠が切り出した部分。A:緑枠は等倍率切り出しとなるが、B:青枠はボケ味がわかりやすくなるように横幅3000pixに縮小したものから切り出している。撮影設定は、ホワイトバランス:太陽光、Dレンジオプティマイザー/オートHDR:切、クリエイティブスタイル:スタンダード
ISO100、1/800秒
ISO100、1/400秒
ISO100、1/200秒
ISO100、1/100秒
ISO100、1/50秒
ISO100、1/800秒
ISO100、1/400秒
ISO100、1/200秒
ISO100、1/100秒
ISO100、1/50秒
FE 24-70mm F2.8 GMの撮影写真
絞り値F2(7952×5304、16.6MB)
絞り値F4(7952×5304、16.5MB)
絞り値F5.6(7952×5304、17.0MB)
絞り値F8(7952×5304、17.7MB)
絞り値F11(7952×5304、18.7MB)
Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSSの撮影写真
絞り値F4(7952×5304、17.0MB)
絞り値F5.6(7952×5304、16.9MB)
絞り値F8(7952×5304、17.7MB)
絞り値F11(7952×5304、18.8MB)
望遠端70mm、撮影距離1m程度で撮影した作例になるが、ピント位置の解像力は、FE 24-70mm F2.8 GMが際立つ結果となった。絞り開放だとわずかに色収差が見られるものの、非常にシャープな写りだ。いっぽうのVario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSSは、全体のコントラストは高いもののピントに芯がなく、甘い描写になっている。もう少し精細感がほしいところだ。
また、切り出し(B)で玉ボケの出方をチェックしてみると、わずかではあるが、FE 24-70mm F2.8 GMのほうが良質であることがわかるはずだ。輪郭の色づきや着色が抑えられており、より自然なボケになっている。ただ、Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSSも少しかたく感じるもののキレイなボケが得られている。
・FE 24-70mm F2.8 GMは画面全体で良質な描写が得られる高性能レンズ
・Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSSも期待以上の描写。コントラストが高く、抜けがいい。ただし周辺の画質はもうひとつ
・α7シリーズの第1世代モデルと相性がいいのはVario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS
・第2世代モデル(特にα7R II)ならFE 24-70mm F2.8 GMを手に入れて損はない
予想どおり、全体的にはFE 24-70mm F2.8 GMの性能の高さが際立つ結果となった。絞り開放ではわずかに甘さが出るもののズーム全域で高い解像力を発揮するレンズだ。ボケの輪郭など細かいところにも配慮した設計で、画像全体で非常に良質な描写が得られるのも特徴である。
いっぽうのVario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSSは、カールツァイスレンズとしてもう少しがんばってほしいところもあるが、価格.comのユーザーレビュー・クチコミ掲示板などの評価からすると期待を上回る写りであった。コンパクトながらコントラストにすぐれ、抜けがいい。望遠端と周辺部の画質は「もう一歩」と感じたものの、写真としての仕上がりはよく、等倍鑑賞や大判プリントはせず、細かい描写もあまり気にならないというのであれば、約9万円という価格は十分に納得できるはずだ。手ブレ補正に対応しているのもポイントで、ボディ側に手ブレ補正機能を持たないα7シリーズの第1世代モデルとの相性がいいと思う。小型・軽量で持ち運びやすく、外観の作りもよく、比較的気軽に使える高級レンズとして価値のある製品だ。
FE 24-70mm F2.8 GMは、やはり最高の画質を求める場合に選択したいレンズだと思う。特に、手ブレ補正をボディに内蔵するα7シリーズの第2世代モデル(なかでもα7R II)を使って、クオリティの高い作品作りを行いたい場合に適している。星や夜景など点光源をキレイに撮影するのにも向いたレンズだ。α7R IIなどα7シリーズの第2世代モデルへの買い替え・買い増しを検討しているのであれば、Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS を所有していたとしても、FE 24-70mm F2.8 GMはあわせて手に入れておいて損はないはずだ。