買おう!使おう!単焦点レンズ

コスパ最高! キヤノンEOSユーザー必携の標準レンズ「EF50mm F1.8 STM」

このエントリーをはてなブックマークに追加

レンズ交換式カメラはレンズが命! 広角レンズや望遠レンズなどレンズを変えることでさまざまな表現が得られるのが一眼レフやミラーレスの面白いところです。ただ、レンズにはいろいろなタイプがあり、性能や価格もさまざまで、カメラ初心者には製品選びが難しいところがあります。そこで新たに始まった本連載「買おう!使おう!単焦点レンズ」では、レンズ交換式カメラ初心者に向けて、コストパフォーマンスがよくて写りのいい単焦点レンズを厳選してご紹介! 「はじめての単焦点レンズ」にも適した良品を紹介していきたいと思います。連載1回目は、低価格レンズの大人気モデル、キヤノン「EF50mm F1.8 STM」を取り上げます。

コストパフォーマンスの高さで人気のキヤノンの標準レンズ「EF50mm F1.8 STM」

コストパフォーマンスの高さで人気のキヤノンの標準レンズ「EF50mm F1.8 STM」

はじめに

連載1回目ということで、本連載で取り上げる単焦点レンズの特徴について紹介します。「単焦点レンズってどういうもの?」という方はぜひご一読ください。

単焦点レンズは焦点距離が固定されているレンズです。ズームレンズだと、たとえばレンズキットに付属する標準ズームレンズでは「広角は18mmから望遠は55mmまで」といったように焦点距離を変えながら撮ることができますが、単焦点レンズはズームができません。28mm、35mm、50mmといった決められた焦点距離で撮ることになります。「ズームができないなんて使いにくそう」とか「初心者向けの連載なのになぜ難しそうなものを紹介するの?」と思う方もいるかもしれませんが、単焦点レンズにはズームレンズにはない性能面での魅力があります。そして、初心者の方にこそ使っていただきたいポイントもあります。

性能面では、F2.8、F2、F1.8といったように開放絞り値の小さい大口径タイプで、描写力にすぐれたモデルが多いのが魅力です。ボケのある写真を撮りやすいですし、絞りを絞ることでシャープな写りの写真に仕上げることもできます。レンズキットに付属するズームレンズとはひと味もふた味も違う描写を楽しめます。一眼レフの場合、大口径レンズを使うと光学ファインダーが明るく、見やすくなるのもポイントですね。ズームレンズと比べてコンパクトで持ち運びやすいものが多く、低価格でコストパフォーマンスが高いものを選べるのも魅力となっています。

初心者にこそ使っていただきたいというのは、単焦点レンズは、「思うような写真が撮れるようになる」という意味で撮影を上達させるのに適しているからです。単焦点レンズは焦点距離が決まっていてズーム操作ができないため、大きく写したいなら被写体に近づき、小さくしたければ遠ざかり、といったように撮影者が動いて構図を決める必要があります。自分の足を使ってフレーミングする必要があるため、使っていくうちに焦点距離による画角(写る範囲)のイメージが自然と身につくようになるのです。

画角だけでなく、被写体までの距離による遠近感やボケ具合の違いなども覚えて、ちょっとしたことで写真の表現が変わることを理解すると、撮影するのが楽しくなりますし、写真の奥深さも感じていただけると思います。たとえば、広角24mm、標準50mm、中望遠85mmといった代表的な焦点距離の感覚を覚えて、被写体や狙いにあわせてそれぞれの焦点距離を使い分けられるようになれば、表現の幅は間違いなく広がります。

ズームレンズの場合、レンズの焦点距離や被写体までの距離を意識することなく使いがちで、自分の位置はそのままでなんとなくズームアップ・ダウンしてしまうことがあります。それが便利なところではあるのですが、そうした使い方ばかりしていると、画角の感覚が身につきにくいですし、撮影者が動くことが減るため表現の変化にも気づきにくくなります。ズームレンズを否定するわけではありませんが、単焦点レンズを使い倒して画角の感覚を覚えることで、ズームレンズもより扱いやすくなると思います。

単焦点レンズはさまざまな焦点距離のものがありますが、本連載では、数ある単焦点レンズの中からコストパフォーマンスの高い、選んで間違いのないレンズを紹介していきたいと思います。

EFレンズの中でもっとも安いレンズ「EF50mm F1.8 STM」

連載1回目に紹介するのは、キヤノンの「EF50mm F1.8 STM」です。開放絞りF1.8の明るさを持つ焦点距離50mmのレンズで、価格は価格.com最安価格(2016年11月14日時点)で14,200円程度。現時点で、ズームレンズも含めてEOSシリーズ用の交換レンズ「EFレンズ」の中でもっとも安く購入できる製品です。低価格ながら描写力が高く、コストパフォーマンスのよさで人気を集めており、価格.com「レンズ」カテゴリーでの売れ筋ランキングは12位。EFレンズの単焦点レンズの売れ筋ランキング最上位に位置しています。

EF50mm F1.8 STMのサイズは最大径69.2×長さ39.3mmで、重量は約160g。開放F1.8の大口径レンズながら小型・軽量に仕上がっています。装着しているカメラボディは35mmフルサイズセンサーを採用する「EOS 6D」です

横から見たところ。最短撮影距離に近づくほどレンズの繰り出し量が増えますが、全長が短くコンパクトにまとまっています

AF/MFの切り替えスイッチがあります

AF/MFの切り替えスイッチがあります

このレンズを紹介するうえで押さえておきたいのが、1990年発売の「EF50mm F1.8 II」です。実売1万円を切る低価格ながら写りのよさでロングセラーとなり、このレンズをきっかけに単焦点レンズの楽しさを知り、新しいレンズに触手が伸びてしまう(欲しくなってしまう)“レンズ沼”の最初の1本になる製品として、キヤノンの「撒き餌レンズ」とも呼ばれた人気モデルです。キヤノンを代表する名レンズの1本と言っていいでしょう。

EF50mm F1.8 STMは、そんな人気レンズのリニューアルモデルとして2015年5月に登場。5群6枚構成のEF50mm F1.8 IIの光学系を継承しつつ、コンパクトなサイズはそのままに外装を含めていろいろな改良が加えられ、より使いやすいレンズになっています。たとえば、オートフォーカスでは、ギアタイプのSTM(ステッピングモーター)を採用し、静かでなめらかなピント合わせを実現。オートフォーカス合焦後にAFモードのままピント調整が可能なフルタイムマニュアルフォーカスにも対応するようになりました。

最短撮影距離は45cm(レンズ面から36cm)から35cm(同26cm)に短縮(最大撮影倍率は0.15倍から0.21倍に向上)。被写体との距離が短くてもピントが合うので、料理や小物などテーブルフォトの上の被写体を撮る場合でも使いやすくなっています。開放絞りF1.8で大きなボケが楽しめるだけでなく、絞り羽根も5枚から7枚の円形絞りになり、円形のボケが得やすくなったのもポイントです。マウントが金属製になり、信頼性も上がりました。

EF50mm F1.8 STMのような焦点距離50mm付近の単焦点レンズは「標準レンズ」と呼ばれ、昔から基本となるレンズと考えられてきました(標準に位置付けられているのは、50mm付近が人間の視野に近い画角だからなど諸説あります)。50mmの画角は広からず狭からずでちょうどよく、撮影距離から得られる遠近感も自然な感じになります。50mmの画角の感覚はわかりやすいので、被写体に近づいたり離れたりしながら構図を決めるのもやりやすく、「撮影者が動いて撮る」という単焦点レンズのだいご味を味わうのにもってこいのレンズです。

実際の描写力は次項目で紹介する作例をご覧ください。単焦点レンズらしいコントラストと解像感の高さ、開放絞りF1.8を生かした大きなボケ味が特徴となっています。

EOSシリーズのデジタル一眼レフを使っているのであれば、EF50mm F1.8 STMは手に入れて損のない必携のレンズです。EOSユーザーの方でまだ単焦点レンズを使ったことがないという方は、ぜひこの機会に手に入れてみてはどうでしょうか。

注意点としては、「EOS Kiss」シリーズや2桁型番モデルなどAPS-Cセンサーを搭載するモデルの場合、画角が80mm相当になることです。もちろん、大きなボケは楽しめますが、画角は中望遠域になります。

APS-Cセンサーを採用する「EOS Kiss X7」に装着。小さなEOS Kiss X7にも向いたコンパクトなレンズですが、焦点距離80mm相当の中望遠域の画角になる点は注意です

「EF50mm F1.8 STM」のサンプル作例

EOS 6Dで撮影したEF50mm F1.8 STMのサンプル作例を掲載します。JPEG形式で撮ったものを縮小しています。画像編集は行っていません。

絞り値:F1.8、シャッタースピード:1/500秒、感度:ISO100、ホワイトバランス:オート

絞り値:F1.8、シャッタースピード:1/500秒、感度:ISO100、ホワイトバランス:オート

絞り開放F1.8で撮っていて、ピント位置を前後して大きな前ボケ・後ボケが得られています。開放F値が小さい大口径レンズならではの大きなボケですね。開放だと周辺部の光量落ちが気になるレンズもありますが、このレンズは低価格ながら周辺光量落ちが十分に抑えられています。ちなみに掲載する作例はすべてボディ側のレンズ光学補正を使っていません。

絞り値:F1.8、シャッタースピード:1/2000秒、感度:ISO100、ホワイトバランス:オート

絞り値:F1.8、シャッタースピード:1/2000秒、感度:ISO100、ホワイトバランス:オート

後ボケを狙って眠っている猫を撮影しました。こちらも単焦点レンズらしい大きなボケが印象的です。少しボケがかたい感じになることがありますが、価格を考慮したら十分なクオリティではないでしょうか。

絞り値:F1.8、シャッタースピード:1/40秒、感度:ISO1000、ホワイトバランス:オート

絞り値:F1.8、シャッタースピード:1/40秒、感度:ISO1000、ホワイトバランス:オート

眠っているハイエナに近寄ってガラス越しにアップで撮影。最短撮影距離が35cmと短いので被写体に近づいて撮ることもできます。開放で撮っていますが、毛の1本1本までシャープに写せていますね。

絞り値:F2、シャッタースピード:1/1600秒、感度:ISO1000、ホワイトバランス:オート

絞り値:F2、シャッタースピード:1/1600秒、感度:ISO1000、ホワイトバランス:オート

動き回るオオカミを高速シャッタースピードでガラス越しに撮影したものになります。背景ボケが大きく、ピントが合っているところでは精細感が高いです。

絞り値:F1.8、シャッタースピード:1/3200秒、感度:ISO100、ホワイトバランス:オート

絞り値:F1.8、シャッタースピード:1/3200秒、感度:ISO100、ホワイトバランス:オート

スポットライトを浴びているイメージで歩いている羊を撮影しました。コントラストが高く、印象的な写真になりました。

絞り値:F2.8、シャッタースピード:1/250秒、感度:ISO100、ホワイトバランス:オート

絞り値:F2.8、シャッタースピード:1/250秒、感度:ISO100、ホワイトバランス:オート

絞りをF2.8に絞って丸い玉ボケを狙ってみました。明るくてキレイなボケになりました。

絞り値:F2.8、シャッタースピード:1/50秒、感度:ISO400、ホワイトバランス:オート

絞り値:F2.8、シャッタースピード:1/50秒、感度:ISO400、ホワイトバランス:オート

屋内の暗いところで撮影しました。色かぶりしそうな状況でしたが、見た目のイメージに近い色やトーンで仕上がりました。キヤノンのデジタル一眼レフのいいところは、屋内など色再現が難しいような状況でもオートホワイトバランスでキレイに仕上げてくれることです。

絞り値:F8、シャッタースピード:1/640秒、感度:ISO100、ホワイトバランス:オート

絞り値:F8、シャッタースピード:1/640秒、感度:ISO100、ホワイトバランス:オート

抜けのよい青い空と、シルエットのような建物をイメージして撮りました。絞りはF8まで絞っています。シャドー側のトーンがいい感じです。

真柄利行

真柄利行

カメラとAV家電が大好物のライター/レビュアー。雑誌編集や価格.comマガジン編集部デスクを経てフリーランスに。価格.comではこれまでに1000製品以上をレビュー。現在、自宅リビングに移動式の撮影スタジオを構築中です。

紹介した製品の最新価格・クチコミをチェックする
このエントリーをはてなブックマークに追加
関連記事
連載最新記事
連載記事一覧
2017.12.15 更新
ページトップへ戻る