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新型ヴェゼルの顔が「アーバンSUVコンセプト」に!? マイナーチェンジ徹底解説

ホンダは、同社で人気のコンパクトSUV「ヴェゼル」にマイナーチェンジを施し、2018年2月16日に発売すると発表した。

ホンダ「ヴェゼル」2018年マイナーチェンジモデル

ホンダ「ヴェゼル」2018年マイナーチェンジモデル

ヴェゼルは、2013年12月に初代モデルが発売された後、2014〜2016年の3年連続でSUVの新車登録台数No.1(自販連)を記録している。さらに、昨年2017年はトヨタ「C-HR」にSUV登録台数No.1の座を明け渡したものの、発売から1度もフルモデルチェンジされていないにも関わらず、2017年のヴェゼルの登録台数は、2015年や2016年と比べてもそれほど落ちていないという人気ぶりだ。

ホンダ「ヴェゼル」の新車登録台数推移(自販連)

2014年:96,029台
2015年:71,021台
2016年:73,889台
2017年:64,332台


[参考] トヨタ「C-HR」(2016年12月に発売)
2017年 :117,299台

C-HRの人気の高さについては、すでに皆さんもご存知と思う。2017年のC-HRの登録台数はおよそ12万台と、販売台数から見ても絶好調だ。だが、ヴェゼルも発売直後の2014年には、およそ10万台の大台目前にまで迫っている。さらに、2017年はC-HRという強力なライバル車がいたにも関わらず、およそ6万5千台が登録されているなど、ヴェゼルの人気は未だに衰えていないことがわかる。

ホンダ「ヴェゼル」2018年マイナーチェンジモデル

ホンダ「ヴェゼル」2018年マイナーチェンジモデル

そんなヴェゼルへ、初のマイナーチェンジが施された。今回のマイナーチェンジにおいては、フロントフェイスに変更が施されたほか、インテリアの質感向上、ハイブリッド「SPORT HYBRID i-DCD」のチューニングによる加速フィールの向上、安全運転支援システム「Honda SENSING」の全グレード標準装備といった点があげられる。

ヴェゼルのグレードラインアップと価格については、以下の通り。詳しくは後述するが、廉価グレードの価格は、ガソリンの「G」とハイブリッドの「HYBRID」にHonda SENSINGが搭載されたことによって、それぞれ上昇している。

ホンダ「ヴェゼル」のグレードラインアップと価格

-ガソリンモデル-

G Honda SENSING:2,075,000円(FF)/2,291,000円(4WD)
X Honda SENSING:2,165,000円(FF)/2,381,000円(4WD)
RS Honda SENSING:2,475,000円(FF)

-ハイブリッドモデル-

HYBRID:2,460,000円(FF)/2,676,000円(4WD)
HYBRID X Honda SENSING:2,539,000円(FF)/2,755,000円(4WD)
HYBRID Z Honda SENSING:2,710,000円(FF)/2,926,000円(4WD)
HYBRID RS Honda SENSING:2,810,000円(FF)

また、スペックについてはフロントフェイスが変更されたことにともない、全グレードの全長が35mm拡大されている。また、ガソリンエンジンの一部構造見直しにより、ガソリンエンジン搭載モデルの燃費は0.6km/Lアップの「21.2km/L」(RSは0.4km/Lアップの20.2km/L)へと向上している。

なお、エンジンやトランスミッション、ハイブリッドなどの基本性能については変更されていないので、最高出力、最大トルクなどはマイナーチェンジ前と同じ値となる。

ホンダ「ヴェゼル」の主なスペック

全長×全幅×全高:4,330×1,770×1,605mm [RSは4,340×1,790×1,605mm]
ホイールベース:2,610mm
駆動方式:FF
エンジン:1.5リッター水冷直列4気筒
トランスミッション:7速オートマチック+パドルシフト [ハイブリッドは無段変速オートマチック(トルクコンバーター付)]
最高出力 [ガソリン]:96kW(131PS)/6,600rpm
最大トルク [ガソリン]:155N・m(15.8kgf・m)/4,600rpm
最高出力 [ハイブリッド]:97kW(132PS)/6,600rpm
最大トルク [ハイブリッド]:156N・m(15.9kgf・m)/4,600rpm
モーター最高出力 [ハイブリッド]:22kW(29.5PS)/1,313-2,000rpm
モーター最大トルク [ハイブリッド]:160N・m(16.3kgf・m)/0-1,313rpm
燃費 [JC8モード/FF]:

HYBRID Honda SENSING:27.0km/L
HYBRID X Honda SENSING:26.0km/L
HYBRID Z Honda SENSING:23.4km/L
HYBRID RS Honda SENSING:25.6km/L

G Honda SENSING:21.2km/L
X Honda SENSING:21.2km/L
RS Honda SENSING:20.2km/L

新型ヴェゼルのエクステリアをマイチェン前後で比較

ホンダ「ヴェゼル」2018年マイナーチェンジモデルのフロントフェイス

ホンダ「ヴェゼル」2018年マイナーチェンジモデルのフロントフェイス

ホンダ「ヴェゼル」2018年マイナーチェンジモデルのLEDヘッドライト

ホンダ「ヴェゼル」2018年マイナーチェンジモデルのLEDヘッドライト

今回のマイナーチェンジの肝となるフロントフェイスの変更については、新型シビックなど近年のホンダ車に多く採用されているインラインタイプのLEDヘッドライトが、初めて採用されたのがポイント。さらに、ヘッドライト上方へアイラインのように伸びるフロントグリルの採用や、フロントバンパーのデザイン変更などによって、ヴェゼルはマイナーチェンジ前と比べてシャープな印象となった。

マイナーチェンジ後のヴェゼル(左上)とマイナーチェンジ前のヴェゼル(右下)

マイナーチェンジ後のヴェゼル(左上)とマイナーチェンジ前のヴェゼル(右下)

ホンダは、2013年にヴェゼルの前身となる「アーバンSUVコンセプト」と呼ばれるコンセプトモデルを、デトロイトモーターショーで世界初公開している。アーバンSUVコンセプトは、そのデザインのよさが世界中で受け入れられて話題となった。そして、その年末に発売されたヴェゼルは、アーバンSUVコンセプトのイメージを大きく崩すことなく市販化されたこともあって大人気となり、いまのコンパクトSUVの地位を築いている。

2013年のデトロイトモーターショーで世界初公開された、ホンダのコンセプトカー「アーバンSUVコンセプト」

2013年のデトロイトモーターショーで世界初公開された、ホンダのコンセプトカー「アーバンSUVコンセプト」

今回、マイナーチェンジによってシャープさが増したヴェゼルは、そのアーバンSUVコンセプトのイメージへとより近づいた。そのため、新型ヴェゼルのフロントフェイスはユーザーには素直に受け入れられるのではないかと思われる。

なお、ボディカラーは「オーロラアメジスト・メタリック」「シルバーミストグリーン・メタリック」「プラチナホワイト・パール」の3色が新たに追加され、全8色のラインアップとなった。

ホンダ「ヴェゼル」ボディカラー ラインアップ

オーロラアメジスト・メタリック(新色)
シルバーミストグリーン・メタリック(新色)
プラチナホワイト・パール(新色)
プレミアムクリスタルレッド・メタリック
ミッドナイトブルービーム・メタリック
ルナシルバー・メタリック
クリスタルブラック・パール
ルーセブラック・メタリック

新型ヴェゼルのインテリア

ヴェゼルのインテリアは、開放的な室内やラゲッジルームの広さ、インテリア全体の質感の高さなど、ライバルSUVと比べて同等かそれ以上であり、ユーザーにも好評を博している。

>>価格.comでホンダ「ヴェゼル」のユーザーレビューを見る

ホンダ「ヴェゼル」2018年マイナーチェンジモデルのインテリア

ホンダ「ヴェゼル」2018年マイナーチェンジモデルのインテリア

そんなヴェゼルのインテリアにおける変更点としては、フロントシート形状に変更が施されたのがトピックだ。フロントシートのサイドサポートが改良されたことで、これまでよりホールド性が高められ、走行時の身体の負担が少なくなっている。あわせて、シートステッチも改善されたことで質感も向上している。

また、インテリアカラーの「ジャズブラウン」は、これまでシート自体はブラックであったが、マイナーチェンジ後はシートもブラウンカラーのものへと変更されており、質感がいっそうアップしている。

新型ヴェゼルの走行性能

ホンダ「ヴェゼル」2018年マイナーチェンジモデルの走行イメージ

ホンダ「ヴェゼル」2018年マイナーチェンジモデルの走行イメージ

ヴェゼルには、ガソリンエンジン搭載モデルとハイブリッド搭載モデルの2つがラインアップされているが、ヴェゼルハイブリッドに採用されている「SPORT HYBRID i-DCD」はハイブリッド機構に改良が施されて、これまでよりスムーズな加速フィールを実現している。

この新たなハイブリッドについては、近日中にジャーナリストによる試乗レポートにて改めてお届けする予定なので、試乗記による評価レビューをお待ちいただければ幸いだ。

新型ヴェゼルでは、安全運転支援システム「Honda SENSING」を全グレードに標準装備している。マイナーチェンジ前も、「G」グレードと「HYBRID」グレードをのぞいたグレードへHonda SENSINGが採用されていたが、今回はそれら2グレードを含めた全グレードにHonda SENSINGが採用されている。

なお、Honda SENSINGが標準装備されたことにより、Gグレードはおよそ15万円、HYBRIDグレードはおよそ20万円ほど価格が上昇している。

新型ヴェゼル まとめ

発売当時、都会的でスタイリッシュなコンセプトカーが、ほぼそのまま市販化されたことで大人気となったヴェゼル。

日本市場では特に扱いやすいコンパクトなボディサイズながら、室内は広く、質感の高いインテリアと、ホンダ独自の「センタータンクレイアウト」によって、広大なラゲッジルームが備えられた。価格の安さや燃費のよさといった、経済面のバランスもいい。ガソリンモデルとハイブリッドモデルがラインアップされ、ユーザーの好みでパワートレインが選択できる。さらに、2015年の一部改良で安全運転支援システムの「HondaSENSING」が搭載されると、ヴェゼルの人気にさらなる拍車がかかった。

ヴェゼルはもともと、ひじょうにバランスのいいコンパクトSUVなだけに、今回のマイナーチェンジでは大きな変更はせず、元々の魅力を着実に向上させる方向へと改良された。まずは新たな魅力を身につけたヴェゼルが、どこまで販売台数を伸ばすかに注目したい。

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桜庭智之(編集部)
Writer / Editor
桜庭智之(編集部)
自動車専門メディアで編集者として10年間勤務した後「価格.comマガジン」へ。これまで、国産を中心とした数百の新型車に試乗しており、自動車のほかカーナビやドラレコ、タイヤなどのカー用品関連も担当する。
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