レビュー
ミニクーパーで伊那まで長距離ドライブ!

BMW 新型「ミニクーパー」試乗/長野のワインディングと“伊那谷野菜”を堪能

天気の良い休日。そういう時にかぎって、早く目が覚めてしまうのはなぜだろう。手元には、最新のBMW「ミニクーパー」がある。

今回、BMW 新型「ミニクーパー」を長野のワインディングへと連れ出してみた

今回、BMW 新型「ミニクーパー」を長野のワインディングへと連れ出してみた

そこで、友人が始めたという農園で作られている“伊那谷(いなだに)野菜”を食べに、長野県伊那へミニで出かけてみることにした。長野はワインディングロードが多いので、ドライブも楽しめるはずだ。

新型ミニはデザインの改良と新トランスミッションの搭載に注目

今回のドライブに連れ出したのは、3ドアの「ミニクーパー」だ。ご存知のとおり、ミニは2002年からBMWグループで開発から販売まで行われており、カジュアルなエクステリアやドライブフィールのよさなどが人気を博している。現在、ミニには3ドア、5ドア、コンバーチブル、クラブマン、クロスオーバーと実に5つものモデルバリエーションがあるのも特徴のひとつだ。

2018年には、そのうちの基幹モデルである3ドア、5ドア、コンバーチブルの3つのモデルに大幅な改良が施された。注目ポイントは、デザインの改良とともに「7速DCT」(一部モデルは「8速AT」)が搭載されたことだ。

BMW 新型「ミニクーパー」のフロントエクステリア

BMW 新型「ミニクーパー」のフロントエクステリア

BMW 新型「ミニクーパー」のリアエクステリア

BMW 新型「ミニクーパー」のリアエクステリア

新型モデルで変更された、ミニのロゴ(オーナメント)

新型モデルで変更された、ミニのロゴ(オーナメント)

まずデザインは、ミニのデザインアイコンである丸型ヘッドライト、六角形グリル、クロームパーツといった要素を生かしながら、最新技術とモダンなデザインを融合して各所を一新。最新のCI(コーポレートアイデンティティ)に基づく新しいミニのロゴが配置された。

BMW 新型「ミニ」のリアコンビネーションランプは、イギリスの国旗である「ユニオンフラッグ」のデザインが取り入れられていてユニークだ。画像は、海外仕様の「ミニクーパーS」

また、リアのコンビネーションランプは、ミニの故郷であるイギリスを感じさせる「ユニオンフラッグ」のデザインが取り入れられることで、個性をより際立たせている。

トランスミッションは、ガソリンエンジン搭載モデルには新開発の7速DCT (ダブルクラッチトランスミッション)が、ジョン・クーパー・ワークスのオートマチックトランスミッション搭載モデルには、同じく新開発の8速スポーツATが搭載され、燃費性能の向上が図られた。その結果、これまでのオートマチックトランスミッションに比べて、さらにダイレクト感のある走行が可能となり、よりミニらしい、ドライバーが積極的にドライビングを愉しめるきびきびとした走りを実現しているという。

今回、試乗したミニクーパー(3ドア)には、1.5リッター直列3気筒ガソリンエンジンと7速DCTが搭載されている。最高出力は100kW(136PS)/4,500rpm、最大トルクは220Nm/1,480-4,100rpmを発生。カタログ上の燃費(JC08モード)は17.7km/Lだ。

ワインディングと「7速DCT」の相性は抜群

筆者の住まいである八王子から伊那まではおよそ180km、2時間少々の道のりだ。さっそくミニに乗り込み、エンジンをスタートする。

現行のBMW「ミニ」では、画像の赤いトグルスイッチを下へ押すことでエンジンが始動する

現行のBMW「ミニ」では、画像の赤いトグルスイッチを下へ押すことでエンジンが始動する

その“儀式”は、センターパネル下段にあるスタート・ストップスイッチで行うのだが、このトグル型スイッチは微妙な間隔で点滅している。これは、人間の心拍数とほぼ同じ感覚で点滅していると言われており、親しみがわいてくる。

そのスイッチを下側に押すと、エンジンは少しの身震いとともに簡単にスタートした。3気筒エンジンなので若干の振動は伝わってくるものの安っぽさは感じず、エンジンマウントやボディがしっかりと作り込まれていることがわかる。

新しくなってもミニはミニ。クラシックミニと同様に、乗り心地は硬くてひょこひょこするが、ゴーカートフィーリングは健在だ。だが、高速道路のクルージングはドライバーにとって退屈でしかない。そこで、アクティブクルーズコントロール(ACC)をセットして楽ちんを決め込んでみたのだが、残念ながらあまり精度が高いとは言えず、隣の車線のクルマを拾って減速したりと、あまり気を抜くことができなかった。

ワインディングでは、水を得た魚のようにコーナーをぐいぐいと駆け上っていく

ワインディングでは、水を得た魚のようにコーナーをぐいぐいと駆け上っていく

高速道路ではあまりいい印象ではなかったミニだが、伊那に到着後、ワインディングを走り始めると、その印象は一変。最近の軽いステアリングに慣れた人には抵抗があるかもしれないが、高速道路のようなハイスピードでコーナーを駆け巡るときには少し重めだと思ったステアリングも適度な重さに感じられ、適切なステアリング操作とともに、ぐいぐいと急坂を登っていく。

小気味よくシフトチェンジする 7速DCTは、ハイペースでワインディングを走るのにちょうどいい

小気味よくシフトチェンジする 7速DCTは、ハイペースでワインディングを走るのにちょうどいい

そこで好印象なのが、新しい7速DCTだ。パドルシフトは設定されていないので、シフトレバーを前後に操作しながらシフトアップ、ダウンを繰り返すと、シフトチェンジが小気味よく、徐々にペースが上がってしまう。このあたりは、大きくなったといえ1,800mmを超えない1,735mmという全幅が功を奏しており、狭いワインディングでも思い切って飛び込んでいける。ただし、本音を言えばせめて1,700mmを切る全幅であったなら、すれ違いなども含めてより気を遣わずに済んだろう。

ワインディングも市街地も、7速DCTの軽やかなフィーリングが好印象だ

ワインディングも市街地も、7速DCTの軽やかなフィーリングが好印象だ

市街地での印象もそれほど変わらず、小気味よさがクルマから伝わってくる。アクセルを軽く踏んで走らせている分には1,500rpmほどもエンジンは回らず、どんどんシフトアップしていく。低速では少しゴロゴロとしたエンジンの印象が伝わってくるが、ミニに乗ってしまうとそんな走り方は誰もせず、積極的にエンジンを回して走るであろうから、それほど気にしなくてもいいだろう。

“伊那谷野菜”を堪能

今回は、“伊那谷野菜”を堪能できる店「kurabe CONTINENTAL DELICATESSEN」を訪ねた

今回は、“伊那谷野菜”を堪能できる店「kurabe CONTINENTAL DELICATESSEN」を訪ねた

そんなことを思いつつ、今回の目的地、「kurabe CONTINENTAL DELICATESSEN」に到着した。ここには、筆者の友人である青木俊明さんが作っている“にっこり農園”の野菜が納められており、伊那谷野菜を堪能できる店として紹介されているのだ。

「kurabe CONTINENTAL DELICATESSEN」店内の様子

「kurabe CONTINENTAL DELICATESSEN」店内の様子

参考URL(食べログ):「kurabe CONTINENTAL DELICATESSEN

少し目立たない場所にあるこの店は、元はコーヒーの焙煎や販売を行っていたところを居抜きで借りた場所という。店に入ると、目の前には焼き菓子などのほかにカボチャのフリットや鶏肉のディアブル風、玉ねぎのローストなどのお持ち帰りができる美味しそうな料理が並ぶ。実は食後、いくつかを買って帰り自宅で食べたのだが、いずれもその食材のうまみを生かした本当に美味しいものばかりであったことを付け加えておこう。

「季節の伊那谷野菜のガレット」

「季節の伊那谷野菜のガレット」

「伊那谷野菜とアンチョビ・ケイパースのペペロンチーノ」

「伊那谷野菜とアンチョビ・ケイパースのペペロンチーノ」

さて、さっそくお店でメニューから“季節の伊那谷野菜のガレット”や“伊那谷野菜とアンチョビ・ケイパースのペペロンチーノ”、そして、“ベーコンと半熟卵、ホウレンソウ、生シイタケのガレット”をいただく。ガレットといえばそば粉のクレープであるのだが、そばといえば信州。このお店でも信州そばの発祥の地、伊那谷産のそば粉を使っているのだという。食べてみると口の中にそばの香りが広がり、野菜の甘みとともに美味しくいただくことができた。

料理の世界にのめり込む

このあたりで、もう少しこの店についてご紹介したい。オーナーシェフの渡邊竜朗さんは、学生時代にバスケットボールに熱中していたが、あることがきっかけでそのスポーツから身を引くことになった。時間と体力を持て余した渡邊さんは、自身で興味のあることを探した。その結果が料理人だった。「自分なりにどうしたら美味しくなるかを研究しながら、だんだん楽しくなっていったのです」と当時を振り返る。

「kurabe CONTINENTAL DELICATESSEN」オーナーシェフの渡邊竜朗さん

「kurabe CONTINENTAL DELICATESSEN」オーナーシェフの渡邊竜朗さん

そこで、最初の大きな出会いがあった。「(愛知方面の)大学の時に安い下宿を探しに行ったら、そこが和菓子屋さんだったのです。忙しいときには手伝うという条件で相当安い値段で住まわせてもらえました。慶弔事の時にはものすごく忙しくなるので、そのときに厨房でいろいろな作業を手伝っていたのですが、ふと気が付いたら朝になっていたり……。そのリズムが何とも心地よくて、こういう生き方、こういう生活の仕方があるのかと気づきました」と述べる。

渡邊さんのご両親はともに会社勤めだったので、新鮮だったようだ。そこからさらに料理の世界にのめり込み、大学卒業後に故郷である伊那谷に戻ってきてたところ、「フィリップさんというフランス人がオーナーのお店に縁があって、たまたまそこに入りました。そこから一気に、この世界へと傾いていったのです」と出会いを語る。

フィリップさんことフィリップ・エネ氏は当時、フランス料理店を営むいっぽう、NISMOチームからパリ・ダカールラリーのナビゲーターとして出場するという一面も持っている料理人だった。そういった多面的な人柄も、渡邊さんには魅力的に映った。

フランスでショックを受けるほどの美味しさを体験

渡邊さんがお店に入ってしばらく後、フィリップさんはフランス・ノルマンディーの実家へ帰り、そこでBIOレストラン「オーベルジュ・ペイザンヌ」を立ち上げる。当然渡邊さんも同行することになり、足掛け2年を現地で過ごす。いまから25、6年前のことだ。

渡邊さんは、フィリップさんの実家である「ラ・バーバリー」の食事や食材そのものの美味しさにショックを受けたと言う

そこで、渡邊さんはたくさんの驚きと経験を積む。「自分の料理人としてのキャリアを決定的に、大きく変えることになりました。フィリップさんの実家はラ・バーバリーといい、オーベルジュや農園などもある広大なところです。それまでも伊那で美味しいものをかなり食べていたはずなのですが、そのときに食べたものがかなり衝撃的でした」と目を細める。

もう少し具体的に語ってもらおう。「オーベルジュ・ペイザンヌは“BIO”と呼ばれているように、オーガニック、有機野菜など法律の中でしっかりと定められた基準を満たしたショップでもあります。そこにはとにかくすごくいい食材があふれていました。あるときニンジンが出てきたのですが、日本のニンジンからすると小さく痩せており、何だこれは、というものでした。それを調理しづらそうに切って鍋の中に入れて、バターと砂糖と塩ぐらいでちょっと煮込んで食べさせてもらった瞬間に、喉の中から手が出てきて(といって渡邊さんは実際にそのような動作をしてくれた)ぎゅっとつかんで口の中に押し込みたくなるような、喉や口が喜んでいるという感触を初めて味わったのです。なぜ、ニンジンだけでこんなにショックなんだろうと。そこから、食べることや食材について考えなければいけないと思い始めました」と話す。そういったことは、ほかの野菜や豚肉などにも当てはまった。

渡邊さんは、「このような美味しいものがあって、美味しい調理方法があることをまざまざと見せつけられ、こんなに負けていていいのかな、こんなに先を行かれてしまっていいのかなと、日本のことを考えてしまいました。日本は世界の中の大国だと思っていたが意外とそうでもないぞと思い始め、日本人としてのアイデンティティを考えるきっかけになりました」とショックだったことを語る。

“kurabe”という店名に込められた思い

さまざまな気づきがあったものの、帰国後料理をするようになって、やはり素材の違いに大いにとまどい、こんなにダメかと苦悩する。「あの高揚感や美味しさは、再現できないと感じていたのです。それでも、日本の農業の歴史に誇りを持って、そこから生み出されてくる美味しい味や良いものを料理人がきちんと表現していかないと、どんどんなくなっていく、廃れていってしまうというのを強く感じました」と危機感を募らせた。

「kurabe」とミニ

「kurabe」とミニ

そこで、伊那谷でみずから“kurabe”を立ち上げた。その名の通り、店舗は“蔵”。土蔵、穀物蔵を改装したもので、そこをキッチンにした。そのキッチン(食物を保管する蔵)からいろいろなものを生み出していく。最初は生パスタを作り、生み出していくということにとても価値があると信じながら始めたのだ。

もうひとつ、この名前に込められた思いは、“kura”be、蔵という日本語らしい言葉を使うことによって、グローバルでは聞いたことがないひとつのワードに映ることを意識したとのことだ。また、「農業としての重要な倉庫でもありながら、人間が生活をしていくうえで、そこに食材や農作物を備蓄していく蔵。日本人の生活の起点であるべき蔵の中で調理をして、プロがプロらしい料理を出して行くということが、フランスで刺激を受けてきた人間のやり方なのだなと思い始めました」。また、kura“be”は“部”を指し、「太古に物部(もののべ)といわれるように“部”という漢字にはもの作りの専門集団という意味がありますので、自分がプロだと意識して料理人を務めていかなければいけないという想いを“部”にこめてkurabeという造語を作ったのです」と語る。

蔵の湿度は1年を通じて48%で、温度は変化するが湿度は一定に保つ機能が備わっているそうだ。たとえば、蔵の中でいくら蒸気を出しても蔵が吸収し、逆に乾いてくると壁から湿気が出てくる。これが素材に対して良い影響があることから、ここをベースに自分の料理人としてのカンをきちんと養わないといけないと思わせてくれる、そういう場所だったのだと言う。

「伊那谷」はすべてを兼ね備えた場所

多面的、かつグローバルな視点でモノを考える渡邊さんは、なぜ東京などの大都会でお店を開かなかったのだろう。そう尋ねると、笑いながら「まったく考えませんでしたね」という答えが返ってきた。

「伊那谷」という土地は、作物を作る場所としてさまざまな標高を選べるのが魅力のひとつという

「伊那谷」という土地は、作物を作る場所としてさまざまな標高を選べるのが魅力のひとつという

「フランスでも、パリではなくノルマンディーでした。そこから農作物の生産地に思いが至るようになったのです。ノルマンディーには上質な乳牛がいるから美味しいチーズがあって、りんごがあるからシードルがあって、そばがあるからガレットができて。りんごやカルヴァドス(アップルブランデー)を料理に使うとノルマンディー風と言います。○○の△△風とよくいいますが、そのほとんどが料理の形式や人名ではなく地方の名前です。その土地の特産品を組み合わせるとそう呼ばれるのですね。たとえばイタリアだとジェノバ風とか。そこに意識を向けると、ヨーロッパの食文化のシーンでそう呼ばれるものはみんな地方だったことに気付きました。そこは食材を作っている場所、栽培、飼育している場所であり、流通の集積地ではないのです。日本だとつい、ないがしろにしてしまいがちですが、ヨーロッパの食文化の中ではずっと○○風という名前をそこにつけて大事にしてきており、また世界中のグルメの人達は特にそこに注目しています」と語る。

いっぽう、日本の場合は集積地が東京でも、そこに物を送っている産地がある。その産地が大事だと渡邊さんは言うのだ。そこで改めて伊那谷を見直すと、もともとりんごがあり、そばがあった。そして地形として伊那“谷”といわれるように、南北に広がる谷地形が存在する。その両側は日本の屋根と呼ばれる中央アルプスと南アルプスという山々だ。それを天竜川が切り開き、この谷が急峻な谷ではなくて、ある程度広い河岸段丘となっていることが大きな特徴になっている。「適度に広くて住む場所としても良い環境です。そして何よりも作物を作る場所として、様々な標高を選べるという特徴があるのです」と言う。

これまで「産地」というと、ひとつのものをたくさん作らなければいけないという、食料供給の意味合いが強かった。たくさんの作付け面積が取れる盆地のような場所が産地になっていたのだが、いっぽうでこういった盆地などでは、例えば温暖化などの影響ですべて一定に被害を受けてしまいやすい。つまりダメな場合には全てがダメになってしまうということだ。しかし伊那谷は、南北に谷が広がっているので標高がたくさん選べて、日照時間のピークが場所によって変わることから、バリエーション豊かな作物ができる場所なのだと言う。

伊那谷……伊那谷風、伊那谷野菜

「kurabe」オーナーシェフの渡邊竜朗さん(左)と「にっこり農園」の青木俊明さん(右)

「kurabe」オーナーシェフの渡邊竜朗さん(左)と「にっこり農園」の青木俊明さん(右)

料理人が何を大事にしなければいけないか。「そこの特産品をきちんと美味しく、伊那谷“風”という料理として表現することです。この地形のよさをきちんと料理界に残していくことなのです」と渡邊さん。そこで、「にっこり農園さんなどの生産者達と我々料理人たちでその未来像をしっかりと描きながら、伊那谷は伊那谷として循環ができるようなことをやっていかなければいけないと、そういう活動を少しずつ始めています。たとえば、平日にはスーパーマーケットに行くが、週末は農家などが新鮮なものを売りに来るマルシェに行くという、どちらもきちんと共存できる仕組みを作っていきます。それぞれの人たちがちゃんと生きていけるように考えながら、伊那谷からほかの地域に刺激を与えられるようになったらいいなと思っています」と将来を見つめる。

そこでお店のメニューでも、「伊那谷野菜のペペロンチーノ」のように地名をあえて使うようにしているのだ。

実は、もともと“伊那谷”という言葉自体はなかったという。これは意図してこの地元で作ってきた言葉で、そして今では誰もが使う言葉になった。“谷”といえば、そこには山があり風光明媚なところだというイメージがある。そこで伊那谷という言葉を使い始めて、それが一般化したのだ。「とても価値が高くて良いものがあると、『伊那谷』をつけて伊那谷野菜、伊那谷ガレット、伊那谷シードルとしていきました。意図的にみんなで#(ハッシュタグ)伊那谷野菜みたいにひとり歩きさせていきたいですね。これが確実に力を持つ日が来るだろうなと思っています」と話す。

食のメッカを伊那谷に

また、渡邊さんはこんな夢も持っている。専門料理をたくさん学ぶ若い人が増えている今、渡邊さんは、「そういう人たちは専門性の高いもの、ヨーロッパの地方の料理をちゃんと学んできます。そんな人たちが帰国して、自分が勝負する場所として人口集積地を選ぶかというと決してそうではなく、特産品の濃い場所を選んでいます。そういったものを生かした料理を展開していくのが自分のスタイルとなっています。そこで、ここ伊那谷で勝負がしたいと思えるほどの食のメッカにしていきたい。若手の新進気鋭のすごい人たちが、勝負するんだったら一番厳しいけど伊那谷で、と。ここで5年やれたらどこに行っても通用するぞ、というような場所になるといいなと思っています」と語る。

伊那谷だからおいしい

そして今、渡邊さんは「結屋」という組織を立ち上げ、伊那谷の良さを伝えるべく、生産農家やシェフたちとともに活動をしている。その中のひとつとして、伊那谷を代表するシェフ(農家のシェフ、料理のシェフ、ドリンクのシェフ)たちの一夜の饗宴として、「伊那谷Grand Course」を開催。伊那谷だから「おいしい!」を魅力たっぷりに表現するというイベントだ。そこから生まれる「つながり」「新たな可能性」「埋もれていた価値」「新しい価値」を創出しながら、そんな「いいもの」「いいこと」が伊那谷にあふれる、そんなきっかけと雰囲気を作り出すイベントなのだとか。次回は未定だが、Facebookなどで随時情報が公開されるようなので、次回を期待して待ちたい。

郊外だからこそ生きるミニの魅力

ミニは、伊那のような広大な自然の中でこそ、その実力を余すことなく発揮することができるように感じた

ミニは、伊那のような広大な自然の中でこそ、その実力を余すことなく発揮することができるように感じた

料理人でもある渡邊さんは、実はカーエンスージアストであり、また、にっこり農園の青木さんも同様だ。もしお店に行く機会があり、貴方が自動車好きであったら、その話題を振ってみてもいいかもしれない。きっと楽しい話がたくさん聞けるはずだ。

そんな素敵な話をたくさんうかがい、美味しいものをたくさんいただいて、ミニで帰路に着く。伊那谷の素敵な、そして美味しい思い出を振り返りながら、また近いうちに再び訪れたいという思いにとらわれていた。

最後に、燃費について触れておこう。今回の伊那谷往復に加え、都内等を走らせて合計750kmほど走った結果は、市街地11.4km/L、高速16.1km/L、郊外路では14.4km/Lであった。郊外路ではワインディングも含まれるため、本来であればあと1割強は伸びると予想される。

さて、今回のようなロングツアラーとしてミニを見ると、長距離の高速道路移動は厳しいかなという印象だ。少し疲れた帰路などは、もう少ししなやかな足周りが欲しいと感じ続けたし、ACCも精度の高いものが欲しくなる。しかし、視点を変えて、普段伊那谷などに住んでいて、たまに東京都内や、愛知方面などに高速道路で行くということであれば話は違う。ふんだんにワインディングや、空いたオープンロードがあるので、そこでのミニは水を得た魚のように生き生きと走り回るのだ。そう、ミニは元気よく走り回る環境があってこそ、その楽しさを存分に発揮してくれるのだ。

[文&写真:内田俊一 写真:内田千鶴子]

内田俊一

内田俊一

日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かし試乗記のほか、デザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。

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