レビュー
あまり注目されないパーツですが……

スバル車ユーザーに人気の「アクレ」! ブレーキローターの性能をインプレッサで確かめた

自動車ライターのマリオ高野です。

今回はクルマの消耗品の中でも、一般的にはあまり注目されない「ブレーキローター」交換の重要性と、バージョンアップの効果についてお話ししましょう。

「ブレーキローターの強化」は、走ることが好きなすべてのユーザーに強くオススメします

「ブレーキローターの強化」は、走ることが好きなすべてのユーザーに強くオススメします

パッドの消耗は気にかけるのだが……

ブレーキパッドの消耗を気にする人は比較的多いですよね。一般的にブレーキパッドはブレーキローターよりも摩耗が早く、車検や点検を受けると整備記録簿に残量が記入されるので、ユーザーが意識しやすくなっています。また、強化品に交換した時の変化がわかりやすいため、強化パーツのトップ人気アイテムのひとつでもあります。クルマ好きの人は、摩耗し尽くしてしまう前に強化品に交換することもしばしば。

いっぽうのブレーキローターは、ブレーキパッドよりも長持ちすることと、摩耗の度合いがわかりにくいことから、一般的なユーザーはあまり気にしていません。国産の実用車のブレーキローターは比較的長持ちし、10万kmぐらい使えるので、クルマを買ってから乗り換えるまで、一度も交換せずに終わる人が多いからです。

摩耗が早い欧州車のブレーキローター

ただし、欧州車のブレーキローターは国産車よりも摩耗が早く、数万キロで要交換となる場合が多い傾向にあります。欧州は速度域が高くブレーキ性能の要求レベルも高いため、ブレーキの消耗品に対する意識も高くなっているのです。クルマの制動力はブレーキパッドとブレーキローターの摩擦力が大きく影響し、一般的にはよく効くブレーキはブレーキパッドとブレーキローターの減りが早くなります。ドイツの高速道路アウトバーンでは、ごく一般的な実用車でも200km/h前後の高速域から強めのブレーキを多用する状況が珍しくないので、欧州車のブレーキローターは耐熱性も高いレベルを確保しています。

自動車先進国ドイツの高速道路が有名なアウトバーン。速度無制限の区域があり(全域ではない)、通行車両の速度域は日本より圧倒的に高いのが特徴。超高性能車であれば300km/hくらいで走行しているケースも

自動車先進国ドイツの高速道路が有名なアウトバーン。速度無制限の区域があり(全域ではない)、通行車両の速度域は日本より圧倒的に高いのが特徴。超高性能車であれば300km/hくらいで走行しているケースも

いっぽう、速度域が低く、ブレーキへの負担が比較的小さい日本の道路事情では、実用車では高速域での制動力よりも摩耗しにくいこと(摩耗によって発生するダストが少ないこと)や、音が鳴らないことを優先したブレーキパッドとブレーキローターを採用する傾向にあります。

これは優劣の差というより、道路事情に合わせたものになっているわけですが、ブレーキパッドとブレーキローターを強化品に交換すると、制動力や制動時のフィーリングが劇的に変化します。変化の度合いが大きいゆえに、ブレーキの強化はカスタマイズの人気メニューになっているのです。

国産車のローターを強化品に交換

そこで今回は、筆者の愛車「スバル・インプレッサG4(先代モデル)1.6i」のブレーキローターを強化品に交換。その効果を体験しました。筆者は趣味でサーキット走行を行うため、ブレーキパッドは常に強化品を選んできましたが、ブレーキローターはノーマルのまま走り続けていました。しかし走行距離が17万kmを超え、いよいよ摩耗の限界が近づき要交換に。

ブレーキローターの摩耗が進むと、ローターの外側と内側に段差ができてきます。この段差が大きくなると要交換のサイン

ブレーキローターの摩耗が進むと、ローターの外側と内側に段差ができてきます。この段差が大きくなると要交換のサイン

ブレーキローターが摩耗すると、ローターそのものが薄くなるので、耐久性や耐熱性が低下します

ブレーキローターが摩耗すると、ローターそのものが薄くなるので、耐久性や耐熱性が低下します

レースのノウハウを持ったブランドのローター

今回は、「アクレ(ACRE)」というブレーキメーカーのブレーキローターで、ディスクローターの表面にスリットと呼ばれる溝が施されたタイプを選択しました。

「アクレ(ACRE)」は、元々レーシングカーの制作を行う組織から、ブレーキ部門だけが独立してできたブランドなので、技術力の高さと豊富な実績には定評があります。また、スバル車専用のブレーキパッドのよさがスバル車ユーザーの間で話題となり、一部のスバル車ユーザーから絶大な信頼を得ているブランドでもあります。

本格的にブレーキを強化する場合、ディスクローターの経を大きくするのが一番効果的なのですが、それをすると装着するアルミホイールも大きくする必要が生じるなど多額の費用がかかるので、ディスクローターの経サイズはそのままに、より強い素材の製品を選びました。

今回選んだのは純正交換タイプ。ディスク径などは純正品と変わりません

今回選んだのは純正交換タイプ。ディスク径などは純正品と変わりません

リバース(逆転)回転方式を採用した6本のスリットが、ブレーキパッドの表面を常にクリーニング。熱を持ってもクラック(ひび割れ)などが入りにくくなります

リバース(逆転)回転方式を採用した6本のスリットが、ブレーキパッドの表面を常にクリーニング。熱を持ってもクラック(ひび割れ)などが入りにくくなります

スリットの深さと幅、角度は、数々のモータースポーツから得たノウハウにより独自に計算されたもの。耐久性を損なわず安定したブレーキフィールを得られます

スリットの深さと幅、角度は、数々のモータースポーツから得たノウハウにより独自に計算されたもの。耐久性を損なわず安定したブレーキフィールを得られます

ベンチレーテッドディスクの内部フィンをストレートタイプとする構造により、純正ローターよりも間隔を広く取ってエアの流れをスムーズに行い、放熱効果を向上させています

ベンチレーテッドディスクの内部フィンをストレートタイプとする構造により、純正ローターよりも間隔を広く取ってエアの流れをスムーズに行い、放熱効果を向上させています

裏面にもスリット加工が施されています。スリットなしの強化品もラインアップされており、そちらは価格が安くなるので、より予算を抑えたい場合にはおすすめです

裏面にもスリット加工が施されています。スリットなしの強化品もラインアップされており、そちらは価格が安くなるので、より予算を抑えたい場合にはおすすめです

パッドの性能を引き出してくれる

本製品は、純正ローター並みの厳しい検査基準を経た国産品で、FC250材という、衝撃と熱に強い鋳鉄素材を採用。ディスク面に刻まれたスリット(溝)がブレーキパッドとの摩擦面に発生するダストや炭化ガスを効果的に排出し、どんな状況下でも安定した制動力を発揮するといいます。ブレーキパッドの性能をしっかり引き出してくれるブレーキローターと言えるでしょう。

ディスクローターのスリット(溝)は、日本の交通状況化での街乗りでは、あまり必要性が高くありませんが、高速道路で高めの速度域をよく走る場合(新東名高速では制限速度が120km/hの区間が長く、現実的には130km/h程度で流れています)や、スポーツ走行に興じることが多い場合は効果を発揮します。

ビジュアル向上効果は抜群。ブレーキパッドを強化品に交換するなら、ブレーキローターも同時に強化品に交換するのがベターです

ビジュアル向上効果は抜群。ブレーキパッドを強化品に交換するなら、ブレーキローターも同時に強化品に交換するのがベターです

もちろん、交換作業は自分で行わず、整備工場で行ってください

もちろん、交換作業は自分で行わず、整備工場で行ってください

ブレーキキャリパーも強化品に交換すると、制動力はさらに向上。ビジュアル向上効果もすさまじいものがあります

ブレーキキャリパーも強化品に交換すると、制動力はさらに向上。ビジュアル向上効果もすさまじいものがあります

実際、交換後は街乗りでの制動力と制動フィールが明らかに向上し、さらに高速域でのブレーキの頼もしさは感動レベルで改善されました。また、スリット(溝)入りのディスクローターはビジュアル効果も大きく、アルミホイールの隙間からのぞく雰囲気がレーシーなものとなり、クルマ好きの満足度を高めてくれます。

値段は純正品よりも少し高いものの、強度や耐久性も高いため、ランニングコストはさほど変わりません。筆者のような実用車に乗っているユーザーにも、ブレーキローターの強化品への交換は強くオススメしたいと思います。

「実用車なのにブレーキは強化品を装着」というギャップの大きさに萌えるクルマ好きは少なくありません

「実用車なのにブレーキは強化品を装着」というギャップの大きさに萌えるクルマ好きは少なくありません

アルミホイールの隙間から見えるスリット入りローターは、とてもレーシーな雰囲気

アルミホイールの隙間から見えるスリット入りローターは、とてもレーシーな雰囲気

マリオ高野

マリオ高野

1973年大阪生まれの自動車ライター。免許取得後に偶然買ったスバル車によりクルマの楽しさに目覚め、新車セールスマンや輸入車ディーラーでの車両回送員、自動車工場での期間工、自動車雑誌の編集部員などを経てフリーライターに。2台の愛車はいずれもスバル・インプレッサのMT車。

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