イベントレポート

バイク好きに刺さる注目モデルを厳選!「東京モーターサイクルショー2022」レポート

新しい生活様式の広がりなどから販売台数が増え、ちょっとした盛り上がりを見せているバイクの祭典「東京モーターサイクルショー」(2022年3月25日〜27日)が、約3年ぶりに開催された。本イベントで見つけた、バイク好きに刺さる注目モデルを紹介しよう。
(※本記事での価格はすべて税込表記となります)

話題のモデルが目白押しの国産メーカー

まずは、日本をはじめとする国産メーカーが取り扱う新型車を中心にピックアップ。本イベントの開催前からバイク好きの間で話題を呼んでいたホンダ「ダックス125」から、イタリア生まれのハイクオリティな大排気量車まで幅広いラインアップで、来場者を楽しませていた。

ホンダ「ダックス125」

1969年に発売された「ホンダ ダックス」にルーツを持ち、胴長に見えるT字型バックボーンフレームを採用したルックスで人気を博した「ダックス125」が復活。スーパーカブシリーズやモンキーなどに搭載される横型エンジンを搭載している点は前モデルと同じだが、新型は排気量が123ccにアップし、車体サイズも大きくなっている。同系エンジンを搭載する「モンキー125」とは異なり、自動遠心クラッチ式の4速ミッションを採用しているので、AT普通二輪免許でも運転できるのも魅力だ。

1999年に生産終了となってから、実に23年ぶりの復活となる新型「ダックス125」。価格は440,000円で、2022年7月21日発売予定となっている

1999年に生産終了となってから、実に23年ぶりの復活となる新型「ダックス125」。価格は440,000円で、2022年7月21日発売予定となっている

胴長に見えるフレームに、最高出力9.4PSの横型エンジンを搭載。アップマフラーの造形も美しい。シート高は775mmと発表されている

胴長に見えるフレームに、最高出力9.4PSの横型エンジンを搭載。アップマフラーの造形も美しい。シート高は775mmと発表されている

ブレーキは前後ともディスクで、フロントにはABSを装備。倒立フォークにダウンタイプのフェンダーを装着する

ブレーキは前後ともディスクで、フロントにはABSを装備。倒立フォークにダウンタイプのフェンダーを装着する

ホンダ「HAWK 11」

経験豊かなベテランライダーをターゲットに開発された「HAWK 11」は、ワインディングを走るのが楽しそうな仕上がり。1,082ccのスリムな2気筒エンジンとセパレートハンドルとの組み合わせにより、軽快なハンドリングが味わえる設計とされている。セパレートハンドルの位置は低すぎないので、ツーリングなども快適にこなせそうだ。

LEDの丸目ライトを組み込んだロケットカウルが印象的なカフェレーサーデザインで、スマートなシルエットが目を引く。市販予定車としての出展だが、発売日や価格は未発表

LEDの丸目ライトを組み込んだロケットカウルが印象的なカフェレーサーデザインで、スマートなシルエットが目を引く。市販予定車としての出展だが、発売日や価格は未発表

デザイン上のキーになっているのがFRP製のロケットカウル。ミラーのマウント位置もユニークだ

デザイン上のキーになっているのがFRP製のロケットカウル。ミラーのマウント位置もユニークだ

フロント回りに比べると、リアビューはやや野暮ったく感じてしまうが、太いタイヤと2孔のマフラーはよく走りそう

フロント回りに比べると、リアビューはやや野暮ったく感じてしまうが、太いタイヤと2孔のマフラーはよく走りそう

ヤマハ「MT-10」

ヤマハブースのもっとも目立つ位置に展示されていたのは、今秋以降に日本導入予定の新型「MT-10」。同社の中核を担うMTシリーズのフラッグシップモデルの新型で、欧州ではすでにリリースされている。スーパースポーツである「YZF-R1」ゆずりの4気筒エンジンを搭載し、トラクションコントロールやスライドコントロールなど高精度な電子制御も採用。フロントフェイスのデザインも、よりアグレッシブな走りを期待させる。

“意のままに操れるストリート最強のスポーツ性能”とヤマハがうたう新型「MT-10」。価格は未発表

“意のままに操れるストリート最強のスポーツ性能”とヤマハがうたう新型「MT-10」。価格は未発表

兄弟モデル「MT-09」や「MT-07」はモノアイ的なライトだったが、MT-10は2眼タイプとなっている

兄弟モデル「MT-09」や「MT-07」はモノアイ的なライトだったが、MT-10は2眼タイプとなっている

MTシリーズに共通するシルエットだが、大きなサイレンサーを右サイドに装備しているのはMT-10の特徴

MTシリーズに共通するシルエットだが、大きなサイレンサーを右サイドに装備しているのはMT-10の特徴

ヤマハ「XSR900」

フルモデルチェンジしたベースモデル「MT-09」のあとを追ってリリースされた新型「XSR900」。トルクフルな889cの3気筒エンジンや充実の電子制御機構などはMT-09と同様ながら、丸目のLEDライトを採用し、MT-09とは異なるネオクラシックなルックスとされている。なお、車体カラーは、かつてのヤマハのレーシングマシンなどに採用されていたゴロワーズカラーを思わせるものだ。

参考出展だが、今春にも日本国内に導入される見込み。ミラーはバーエンドタイプとなっている

参考出展だが、今春にも日本国内に導入される見込み。ミラーはバーエンドタイプとなっている

タンデムシートも座面がシートカウルのように盛り上がったユニークなデザイン

タンデムシートも座面がシートカウルのように盛り上がったユニークなデザイン

カワサキ「Z650RS」

カワサキのブースで、筆者が気になったのは2022年1月に発表された「Z650RS」だ。評価の高い「Z900RS」の弟分に当たるモデルで、街中でも扱いやすそうなスリムな車体に649ccの2気筒エンジンを搭載。標準カラーのほか、「Z」シリーズの50周年を記念して販売される限定カラーモデルもラインアップされており、かつての「Z2」に用意されていた“火の玉カラー”を再現したカラーリングはグッとくるものがある。

“火の玉カラー”を採用した限定カラーの「Z650RS 50th Anniversary」。価格は限定カラーモデルが1,100,000円、標準カラーモデルが1,012,000円となっている。2022年4月28日発売予定

“火の玉カラー”を採用した限定カラーの「Z650RS 50th Anniversary」。価格は限定カラーモデルが1,100,000円、標準カラーモデルが1,012,000円となっている。2022年4月28日発売予定

649ccの並列2気筒エンジンを搭載し、68PSを発揮。スリムで軽快なハンドリングが味わえそう

649ccの並列2気筒エンジンを搭載し、68PSを発揮。スリムで軽快なハンドリングが味わえそう

Z650RSの兄分モデル「Z900RS」にも50周年記念カラーが用意される。価格は1,496,000円(税込)

Z650RSの兄分モデル「Z900RS」にも50周年記念カラーが用意される。価格は1,496,000円(税込)

ビモータ「KB4」

カワサキが輸入販売を手がける「KB4」は、カワサキの1,043cc並列4気筒エンジンをイタリアのビモータ製の車体に搭載したモデル。同ブランドのマシンは、オリジナルのフレームや手作業で仕上げられる塗装、合金削り出しやカーボンファイバー製のパーツも多用するなど、手間のかかった作りとなっており、“機械でできた宝石”にたとえられている。OZ社製の鍛造ホイールや本革シートなど、採用されるパーツも一流揃いだ。

イタリアで生産されているKB4は、普通のカワサキ車とは異なった雰囲気。価格は4,378,000円

イタリアで生産されているKB4は、普通のカワサキ車とは異なった雰囲気。価格は4,378,000円

カーボンファイバー製のロケットカウルを装備。カフェレーサー的なデザインに心惹かれる

カーボンファイバー製のロケットカウルを装備。カフェレーサー的なデザインに心惹かれる

スズキ「GSX-S1000GT」

ストリートファイター系のネイキッドマシン「GSX-S1000」にカウルを装備し、高速移動時の快適さを向上させたツーリングマシン「GSX-S1000GT」。尖った形状のカウルをまとっているが、アップタイプのハンドルなのでリラックスした姿勢で乗車できる。これに同社のスーパースポーツ「GSX-R1000」をルーツとするエンジンを組み合わせた本モデルは、最強のツーリングマシンと言えるかもしれない。

価格は1,595,000円。展示車にはサイドケースなどのオプションが装着されていた

価格は1,595,000円。展示車にはサイドケースなどのオプションが装着されていた

ツーリングマシンにしては、かなり精悍な顔つきでかっこいい

ツーリングマシンにしては、かなり精悍な顔つきでかっこいい

スーパースポーツと見紛うようなデザインだが、ハンドルはアップタイプなので乗車姿勢はラクそう

スーパースポーツと見紛うようなデザインだが、ハンドルはアップタイプなので乗車姿勢はラクそう

華やかなモデルがそろう輸入車は、やっぱり魅力的

国産メーカーに負けない勢いを感じた輸入メーカーのモデルも紹介。大排気量モデルから小排気量のスクーターまで、意欲的なモデルが多く展示されていた。

ベネリ「125S」

イタリアのオートバイメーカー「ベネリ」が日本国内でリリースしている125ccクラスのバイクは、これまでに12インチタイヤを履いた「TNT 125」のみだったが、新たに、17インチホイールを履くフルサイズモデル「125S」が登場。9.4kW(12PS)を発揮する縦型エンジンを搭載しており、走りも期待できる。

ストリートファイター系のルックス。価格は394,900円(特別カラーのグリーンは400,400円)とコストパフォーマンスは高い。2022年6月発売予定

ストリートファイター系のルックス。価格は394,900円(特別カラーのグリーンは400,400円)とコストパフォーマンスは高い。2022年6月発売予定

ツインスパータイプのフレームに3スパークシステムを採用したエンジンを搭載

ツインスパータイプのフレームに3スパークシステムを採用したエンジンを搭載

ベネリ「インペリアーレ400」

本イベントで初公開された「インペリアーレ400」は、1950年代にベネリがモトビ(ベネリから独立して創設されたメーカー)とともに発売した「Imperiales」がモチーフとなっている。374ccの空冷単気筒エンジンを搭載したシンプルな構成で、21.1PSを発揮。同じく空冷単気筒を採用するホンダ「GB350」のライバル的存在となりそうだ。

古きよきイタリアンバイクを思わせる外観。価格は599,500円で、2022年6月に日本上陸の見込み

古きよきイタリアンバイクを思わせる外観。価格は599,500円で、2022年6月に日本上陸の見込み

空冷のSOHC 2バルブエンジンはクラシカルな造形で、エキゾーストパイプにはヒートガードも装備されている

空冷のSOHC 2バルブエンジンはクラシカルな造形で、エキゾーストパイプにはヒートガードも装備されている

キャプトンと呼ばれるタイプのサイレンサーを採用。前後2分割のシートもクラシカルな雰囲気だ

キャプトンと呼ばれるタイプのサイレンサーを採用。前後2分割のシートもクラシカルな雰囲気だ

KTM「RC390」

フルカウルに373ccの水冷単気筒エンジンを搭載したスポーツモデルで、2022年モデルはフェイスデザインが一新された。鋼管パイプを組み合わせたフレームも新しくなり、フレーム単体で1.5kgの軽量化を実現。キビキビとした走りにさらに磨きをかけている。

重量は155kgと、400ccクラスのマシンとしては軽量なので軽快な走りが期待できる。価格は830,000円

重量は155kgと、400ccクラスのマシンとしては軽量なので軽快な走りが期待できる。価格は830,000円

尖ったイメージだったフェイスデザインも変更され、なじみやすいルックスとなった

尖ったイメージだったフェイスデザインも変更され、なじみやすいルックスとなった

マフラーデザインは同ブランドのMoto GPマシン「RC16」からヒントを得たデザインとされている

マフラーデザインは同ブランドのMoto GPマシン「RC16」からヒントを得たデザインとされている

ハスクバーナ「NORDEN 901」

フロント21インチ、リア18インチのホイールに、ピレリの「スコーピオン ラリー」タイヤを採用するなど、オフロードを含めた冒険にいざなう構成とされたアドベンチャーマシン「NORDEN 901」。19L容量のガソリンタンクを備え、400km以上の航続距離を実現している。

105PSを発揮する889ccの並列2気筒エンジンを搭載。220mmストロークのWP製倒立フォークも装備されている。価格は1,748,000円

105PSを発揮する889ccの並列2気筒エンジンを搭載。220mmストロークのWP製倒立フォークも装備されている。価格は1,748,000円

アドベンチャー系にはめずらしい丸目のLEDヘッドライトを採用

アドベンチャー系にはめずらしい丸目のLEDヘッドライトを採用

展示車には、オプションのパニアバッグやトップケースを装着。旅をイメージさせるルックスだ

展示車には、オプションのパニアバッグやトップケースを装着。旅をイメージさせるルックスだ

トライアンフ「スピードトリプル1200RR」

輸入車の中でも勢いのあるトライアンフが2022年1月に発売した「スピードトリプル1200RR」は、同社が得意とする3気筒のエンジンを搭載するスポーツマシン。ベースとなった「スピードトリプル」とは異なり、セパレートタイプのハンドルを採用し、アグレッシブなライディングポジションを実現している。

現代版のカフェレーサーを思わせるデザイン。価格は2,285,000〜2,317,500円(カラーによって異なる)

現代版のカフェレーサーを思わせるデザイン。価格は2,285,000〜2,317,500円(カラーによって異なる)

デザイン上のアイコンとなっている丸目のロケットカウル。今回の東京モーターサイクルショーでは、ロケットカウルを採用しているモデルが目立った

デザイン上のアイコンとなっている丸目のロケットカウル。今回の東京モーターサイクルショーでは、ロケットカウルを採用しているモデルが目立った

1,160ccの3気筒エンジンは、180PSの最高出力と125Nmの最大トルクを発揮。横幅もコンパクトに抑えられている

1,160ccの3気筒エンジンは、180PSの最高出力と125Nmの最大トルクを発揮。横幅もコンパクトに抑えられている

イタルジェット「ドラッグスター125/200」

昔からのバイクファンであれば、イタルジェットというと、かつて販売していた意欲的なデザインのスクーターを思い浮かべる人が多いのではないだろうか。その「ドラッグスター」が、さらに先鋭的なデザインとなって復活。排気量124ccで最高出力12.5PSの「125」モデルと、181 ccで17.5PSを発揮する「200」モデルがラインアップされている。片持ちスイングアーム式のフロント足回りに、鋼管パイプを組み合わせたトレリスフレームを採用するなど、車体構成は両モデル共通だ。

スクーターでありながら圧倒的な存在感。価格は「125」が715,000円で、「200」が759,000円

スクーターでありながら圧倒的な存在感。価格は「125」が715,000円で、「200」が759,000円

インディペンデント ステアリング システムと呼ばれるフロントの足回りは、サスペンションとステアリングの動きを分離する狙いで導入されている

インディペンデント ステアリング システムと呼ばれるフロントの足回りは、サスペンションとステアリングの動きを分離する狙いで導入されている

トレリスフレームの中央部にフロント用のサスペンションを搭載。どのようなハンドリングなのか、早く試乗して確かめてみたい!

トレリスフレームの中央部にフロント用のサスペンションを搭載。どのようなハンドリングなのか、早く試乗して確かめてみたい!

フェニックス「ガンナー125」

懐中電灯にエンジンをぶら下げたようなデザインの「ガンナー125」は、小さな車体ながらバツグンの存在感。すでに「ガンナー50/100」というモデルが発売されているが、新たに124ccエンジンを搭載したガンナー125がラインアップされた。従来の横型エンジンではなく縦型エンジンを搭載し、ルックスだけで乗って見たくなるマシンに仕上がっている。

長距離のライディングはつらそうだが、街中のコミューターとしては目立つこと間違いなし! 価格は360,800円

長距離のライディングはつらそうだが、街中のコミューターとしては目立つこと間違いなし! 価格は360,800円

シリンダーが縦に配置される124ccエンジンを搭載。105kgの軽量な車体なので、十分な動力性能だろう

シリンダーが縦に配置される124ccエンジンを搭載。105kgの軽量な車体なので、十分な動力性能だろう

デザイン上のポイントともなっている懐中電灯のような筒型のボディは、ガソリンタンクも兼ねる

デザイン上のポイントともなっている懐中電灯のような筒型のボディは、ガソリンタンクも兼ねる

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増谷茂樹

増谷茂樹

カメラなどのデジタル・ガジェットと、クルマ・バイク・自転車などの乗り物を中心に、雑誌やWebで記事を執筆。EVなど電気で動く乗り物が好き。

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