皆さん、最近車を運転していますか?毎日運転しているという人もいれば、最近はすっかりご無沙汰という人もいるでしょう。特に、都心部であれば公共交通機関で事足りますし、免許を取ったけどまったく乗っていないという人も少なくないと思います。かくいう筆者もその1人で、大学時代に取得したまま20年運転していないペーパードライバーです。とはいえ、コロナも落ち着いてきたし、たまにはレンタカーを借りてドライブを楽しんでみたい! というわけで、脱ペーパードライバーを目指して、久々の運転に挑戦することにしました。
免許取得後、20年間で一度も運転していない筆者が「ペーパードライバー教習」に挑戦! はたして、無事に教習を終えることができるのでしょうか・・・・・・
「よし!運転しよう!」と思い立ったものの、いきなり車を借りて公道に飛び出すのはやっぱり不安。交通ルールをきちんと覚えているかも怪しいし、何より事故を起こしたくない。そんなとき、久々に運転を再開する人向けに「ペーパードライバー教習」なるサービスがあることを思い出しました。
「ペーパードライバー教習」とは、運転免許を持っている人を対象に、運転技術の向上を目指すための指導を受けられる教習サービスです。国家資格を持つプロの指導員が、個人のレベルに合わせてていねいに指導してくれるので安心。また、「車庫入れを集中的に練習したい」「セルフ給油のやり方を教えて」といったように、それぞれの目的に合わせて教習内容をカスタマイズできるのもメリットです。
「基本の運転操作すら忘れてしまった!」という人でも大丈夫。エンジンのかけ方や各装置の扱い方などもイチから指導してもらえます
私がペーパードライバー教習を希望した最大の理由は、指導員席に「補助ブレーキ」が付いていること! これがあるだけで安心感が全然違いますね
ペーパードライバー教習には「教習所指導」と「出張指導」の2パターンがあります。「教習所指導」は校内で受けられる指導方法で、公道へ出る前に安全な場所で運転操作を思い出せるのが特徴。いっぽう、「出張指導」は自宅前や最寄りの駅など指定の場所まで出張してくれる指導方法で、よく行くショッピングモールや病院までの道のりなど、より日常生活に役立つ指導を受けられます。どちらも教習車を使うケースが多いですが、事前に希望すればマイカーやレンタカーの持ち込みも可能。
料金はスクールごとに異なりますが、一例として、筆者が受講した「新宿自動車学校」の料金表(2023年5月時点)を紹介します。
1時間あたりのコストは7,000〜8,000円前後。ちなみに、首都圏のスクールなら1時間あたりの相場は6,000〜8,000円ほどです。どのコースが人気か聞いてみたところ、初めて受講する人には「3時限コース」が最も人気なのだとか。費用も抑えられますし、運転に慣れないうちは集中力を持続させるのも大変なため、2〜3時限のコースを何日かに渡って複数回受講するのがおすすめとのこと。
ペーパードライバー教習を利用する客層は、20〜30代男性や30〜40代女性、定年を迎えた高齢の人が特に多いそうです。具体的な動機としては、「就職/転職」「地方への引っ越し」「子どもや高齢化した両親の送り迎え」などがあげられ、半年ぐらいのブランクで練習に来る人もいれば、免許取得以来1回も運転していない人もいたりとさまざま。必要に迫られたときに短期間で受けられるのも、ペーパードライバー教習のメリットと言えるでしょう。
ここからは、筆者が実際に体験した「ペーパードライバー教習」の様子をレポートしていきます。受講したのは「新宿自動車学校」の「3時限コース(出張型)」で、事前の希望で「基本走行と駐車練習をしたい!」という旨を伝えておきました。
まずは、アクセルとブレーキの踏み方や、シフトレバーの操作方法などを確認します
教習車としてお借りしたのはトヨタ「プリウス」。視界が広くて乗り心地は抜群! 飯田橋をスタートし、東新宿(明治通り)→高田馬場(新目白通り)→下落合(山手通り)→新青梅街道→早稲田通り→大久保通りの順に走行します
途中で駐車にも挑戦。感覚が思い出せずに何度もハンドルを切りますが、指導員にコツを教えてもらいながらなんとか成功!
踏切前では必ず一時停止するのを忘れずに。教習所では、窓を開けて音でも確認していたのを思い出しました
路上では、発進と停止、加速と減速、車線変更、右左折など、基本操作を1つひとつ確認していきます。最初は、ブレーキを強く踏みすぎて急ブレーキになるなど危なっかしさが目立ちましたが、徐々に運転感覚を取り戻していきました。また、指導員からは「視線はなるべく遠くを見るように」「停車するときは前の車の車輪が隠れる位置で」など、その都度アドバイスがもらえたので上達も早い印象です。
筆者の場合は、基本走行すらままならない状況だったため、ウインカーを出すタイミングを間違えたり、先行車や対向車との安全な車間がわからなかったりとハラハラする運転だったのですが、終始やさしく指導してもらえたのは本当にありがたかったです。
今回は出張型だったため、いきなり公道に出ることで迷惑をかけてしまうのでは? と不安でいっぱいでした。しかし、プロの指導員が隣にいてくれて、何かあれば補助ブレーキを踏んでくれるため運転に集中できました。また、交通量の多い交差点や住宅街など狭い道路も走行しますが、危ないポイントは一緒に確認してもらえるので安心です。
もしいきなり1人で運転していたら、うっかり一時停止や進入禁止の標識を見逃してしまっていたかもしれません。また、自分だけだと、何が苦手で何に注意すればよいのかわからないのも事実。もちろん、将来的には1人で運転できるように自立することが目標ですが、運転感覚を取り戻すまでは少し運転しただけでも精神力を消耗するため、事故を起こさないためにも、自分の運転技術を客観的に評価してくれるプロの目線はとても重要だと感じました。
筆者の場合、教習終了時に「運転操作は慣れてきたので、単独での運転が可能な水準にある」とお墨付きをもらえたことで、運転に対して前向きな気持ちになれたことも大きかったです。
運転に対する不安を無くしたいけど、わざわざ教習を受けるほどでもない……という場合は、近所で「カーシェアリング」を利用してみるのもひとつの手。ペーパードライバーにならないためには、定期的に車に乗って、運転感覚を忘れないように工夫するのがいちばんの対策です。できれば、1か月に1回ぐらいを目安に、車に乗る習慣を持つとよいでしょう。
乗りたいときだけ、手軽に車を借りられる「カーシェアリング」。10〜15分単位の短い時間から利用でき、コンパクトカーならおよそ200円/15分から借りられるのでお手ごろです。長く借りたい場合は、6時間パック、12時間パック、24時間パックなどのプランも選択でき、最長で3〜4日ほど借りられるため、週末に行く買い物や旅行などの利用にもぴったり。
カーシェアリングを使って人気の車種を乗り比べするのも楽しい!
また、空き時間に自宅で教習本を読むのもおすすめ。マンガで安全運転のポイントを学べます
筆者を担当してくれたプロの指導員に、久々に運転を再開する人でも安心して乗りやすい車を聞いてきました。なるべく車幅が狭くて小回りがきくコンパクトカーがおすすめだそうです。
ホンダ「フィット」
運転が苦手な人でも快適に運転ができるように設計されたホンダのコンパクトカー。「人の生活に寄り添う車」として、ベーシックなグレードからクロスオーバー、スポーティー、プレミアムなグレードまで、人それぞれの好みに合うようなキャラクターが豊富に用意されているのが魅力です。運転席の視界が広く、交差点などでも安全確認しやすいと評判だそうです。
3,995(全長)×1,695(全幅)×1,540(全高/4WD:1,565)mm(e:HEV HOME)
トヨタ「アクア」
トヨタのハイブリッド専用コンパクトカー。燃費のよさはもちろん、コンパクトな車体による取り回しのよさが魅力だそうです。全グレードに予防安全装備「Toyota Safety Sense」を備えており、衝突回避や被害軽減サポートなど、事故を未然に防ぐ機能が充実している点もポイント。駐車操作をアシストする「アドバンストパーク」などの機能も搭載しているそうです。
4,050(全長)×1,695(全幅)×1,485(全高/4WD:1,505)mm(GR SPORT除く)
日産「ノート」
全グレードにハイブリッド機構「e-POWER」を採用する日産のコンパクトカー。アクセルペダルの操作によって速度を調節できる、快適な動力性能が高く評価されているのだとか。また、2台先を走る車両や、後退時に左右方向から接近してくる車両を検知して注意をうながしてくれる機能を搭載するなど、安全装備も充実。中〜上級グレードのみで構成されていることもあり、高級感のある内装に仕上がっていることも魅力だと聞きました。
4,045(全長)×1,695(全幅)×1,520(全高/4WD:1,505)mm
ブランクのある状態でいきなり運転する場合、誰でも最初は不安を抱えるものです。とはいえ、せっかく運転免許を取得したのですから、たまには休日のドライブを楽しみたいですよね。1人で運転するのが怖い場合、まずはペーパードライバー教習を受けてプロの指導員に教えてもらうのも手ですし、運転が上手な家族や友人に付き添ってもらって練習をするのもよいでしょう。何はともあれ、運転しないことには何も始まりません。今回の記事をキッカケに、久々に運転してみようと一歩を踏み出す勇気にしてもらえたならば幸いです。
●取材協力/「新宿自動車学校」
家電からゲーム、ホビー雑貨まで興味あるモノはひたすらコレクションして試さずにはいられないマニア。心ときめくモノだけに囲まれて暮らしたいという願望があります。