SUVは、現在の新車販売の30%以上を占めている人気のボディタイプだ。その中で、今注目したいSUVと言えばスズキ「フロンクス」とホンダ「WR-V」である。どちらも2024年に発売されたばかりのため、最新の設計が施されており、ボディがコンパクトなので街中で運転しやすい。今回は、この2車種の内外装を比較してみよう。
まず、「フロンクス」は5ドアクーペ風のエクステリアが特徴的なクロスオーバーSUVで、立体的なフロントフェイスが都会的な雰囲気を醸し出している。ただし、外観デザインを優先しているため、後方視界は少し見づらい。
「フロンクス」のエクステリアは、流麗なクーペスタイルに存在感のあるフロントマスクなど、個性溢れるデザインが採用されている
対する「WR-V」は、野性的で大柄な雰囲気を持つエクステリアで、直立したフロントマスクは「フロンクス」とは異なる印象が与えられている。ボディが水平基調なので、視界がよく見やすい。
「WR-V」のエクステリアは、厚みのあるボディ造形が施されることで堂々とした佇まいが表現されている
「フロンクス」の全長は3,995mmで、最小回転半径は4.8mと小回りがきく。全高は1,550mmで、立体駐車場の利用も可能である。
「WR-V」の全長は4,325mmで、最小回転半径は5.2m。全幅は1,790mmと「フロンクス」より大きく、全高は1,650mmで、「フロンクス」より100mm高い。取り回しのしやすさは、コンパクトで小回りのきく「フロンクス」がすぐれている。
結論:
視界は「WR-V」のほうが見やすい
取り回しは「フロンクス」のほうがしやすい
「フロンクス」の内装は上質で、インパネには複数の素材が組み合わされている。メーターパネルは大きく、ATレバーはスライド式で使いやすい。
「フロンクス」のインテリアは、ブラックとボルドーの配色や高輝度シルバー塗装の加飾などによって、スポーティーさや高級感、SUVの力強さを表している
「WR-V」のインパネはシンプルで視界を遮らないデザインだ。エアコンスイッチは高い位置にあり、ATレバーもスライド式なので操作性がよい。視認性や操作性は、両車ともにすぐれている。
※「WR-V」は2025年3月7日の一部改良前の車両で撮影しています
「WR-V」のインテリアは、シンプルで水平基調なデザインを採用。スイッチ類を中央に配置するなど、運転しやすい空間を目指して開発されている(画像は商品改良前)
ホンダ「WR-V」が商品改良で質感向上
ホンダ「WR-V」のZ、Z+グレードは、2025年3月7日の商品改良によってインパネやドア周りにソフトパッドが追加されており、質感が向上しています。
画像は商品改良後のZグレードのインパネやリアドア
結論:
「フロンクス」の内装は上質
「WR-V」の内装はシンプル
どちらも視認性や操作性はよい
「フロンクス」の前席は柔軟で、体をしっかりとホールドしてくれて座り心地が快適だ。
「フロンクス」のフロントシート
「WR-V」の前席はサポート性がやや劣るが、頭上空間に余裕がある。
「WR-V」のフロントシート
結論:
「フロンクス」のフロントシートは座り心地やホールド性がよい
「WR-V」のフロントシートは広くて余裕がある
「フロンクス」の後席は快適だが、頭上空間が狭く圧迫感がある。
「フロンクス」のリアシート
「WR-V」の後席は開放感があり、膝先空間も広い。「WR-V」の居住性はミドルサイズSUVに匹敵する。
「WR-V」のリアシート
結論:
リアシートは「WR-V」のほうが広くて開放的
「フロンクス」は全高が1,550mmで、頭を下げて乗り降りする必要がある。特に後席は乗り降りしにくい。「WR-V」は全高が1,650mmで、乗降性にすぐれている。
結論:
「WR-V」のほうが乗り降りしやすい
「フロンクス」の荷室はコンパクトながら効率的だ。
「フロンクス」の荷室
「WR-V」は荷室が広く、収納力も高い。シートアレンジは両車ともに使い勝手がよいが、「WR-V」がすぐれている。
「WR-V」の荷室
結論:
荷室は「WR-V」が広いが「フロンクス」も使いやすい
「フロンクス」はコンパクトで運転しやすく、内装が上質である。「WR-V」は広い居住空間とすぐれた収納力を持ち、ミドルサイズSUVに匹敵する実用性がある。
(写真:島村栄二)