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ダイハツ 新型「ムーヴ」独自情報で価格判明! スライドドア採用で2025年6月上旬に発売

ダイハツの主力軽自動車である「ムーヴ」が、2025年6月上旬にスライドドアを採用したクルマとして7代目にフルモデルチェンジされる。本来、新型「ムーヴ」は2023年6月に登場する予定で予約受注も行われていたのだが、ダイハツの認証不正問題により発売が約2年間延期されていた。

ようやく発売される新型「ムーヴ」は、2025年5月10日からすでに販売店で価格を明らかにしており、予約受注を開始している。

ダイハツのティザーサイトで公開されている新型「ムーヴ」のフロントフェイス

ダイハツのティザーサイトで公開されている新型「ムーヴ」のフロントフェイス

比較として6代目の「ムーヴ」

比較として6代目の「ムーヴ」

当記事では、まもなく発売される新型「ムーヴ」の価格や主なスペック、主要装備など独自に得た情報を踏まえてお伝えしたい。まず、グレードラインアップと価格、諸元、装備については以下のとおりだ。

■ダイハツ 新型「ムーヴ」のグレードラインアップと価格
※販売店で得た独自情報
- NAエンジン -
L:135万8,500円(2WD)/148万5,000円(4WD)
X:149万500円(2WD)/161万7,000円(4WD)
G:171万6,000円(2WD)/184万2,500円(4WD)
- ターボ -
RS:189万7,500円(2WD)/202万4,000円(4WD)
※RS 4WDの価格を修正いたしました(2025年6月5日)

■ダイハツ 新型「ムーヴ」の主要諸元
※販売店で得た独自情報
全長:3,395mm、全幅:1,475mm、全高:1,655mm、ホイールベース:2,460mm
車両重量:860kg(X)
最小回転半径:4.4m(14インチタイヤ装着車)
室内高:1,270mm
スライドドアの開口幅:595mm
前後席のヒップポイント間隔:1,055mm

■ダイハツ 新型「ムーヴ」の主要装備
※販売店で得た独自情報
- L -
衝突被害軽減ブレーキ、サイド&カーテンエアバッグ etc
- X -
(Lの装備に加えて)チルトステアリング、シートリフター、キーフリーシステム、左側スライドドアの電動機能、各種ポケット類 etc
- G -
(Xの装備に加えて)ヘッドランプのアダプティブドライビングビーム&オートレベリング機能、サイドビューランプ、14インチアルミホイール、電動パーキングブレーキ、TFTカラーマルチインフォメーションディスプレイ、タコメーター、メッキインナードアハンドル etc
- RS -
(Gの装備に加えて)アダプティブクルーズコントロール、15インチアルミホイール、右側スライドドアの電動機能 etc

ボディサイズは「ムーヴキャンバス」と共通

新型「ムーヴ」の内外装やメカニズムは、約2年前に予約受注を始めたときとほぼ同じだが、価格は6〜9万円値上げされている。これは、法規に対応した装備の一部見直しや原材料費、輸送費の高騰によるものだ。

新型「ムーヴ」で最大の注目点は、後席側のドアがスライド式になることだ。「ムーヴキャンバス」と同じく、全高を1,700mm未満に抑えた軽自動車ながら、スライドドアを採用している。

ダイハツのティザーサイトに公開されている、新型「ムーヴ」のサイドイメージ

ダイハツのティザーサイトに公開されている、新型「ムーヴ」のサイドイメージ

新型「ムーヴ」のボディサイズは、全長3,395mm、全幅1,475mm、全高1,655mm、ホイールベース2,460mmで「ムーヴキャンバス」と共通だが、ボディスタイルには違いがある。

「ムーヴキャンバス」は女性をターゲットに開発されており、丸みを帯びたやわらかなデザインの内外装が特徴だ。後席の下には引き出し式の収納スペースがあり、中敷きを立ち上げるとバスケット状になって買い物袋が倒れにくくなるような工夫がなされている。

ダイハツ「ムーヴキャンバス」

ダイハツ「ムーヴキャンバス」

さらに、「ムーヴキャンバス」では全グレードに両側スライドドアの電動開閉機能を標準装備している。たとえば、右側のスライドドアを開けて買い物袋を収納スペースに置き、スライドドアが電動で閉まる間にドライバーが運転席に乗り込むことができるようになっている。荷物を右側後席に収納してから、運転席に座るまでの動線にこだわって設計されているのだ。

いっぽう、新型「ムーヴ」はスライドドアを装着しつつ、幅広いユーザーをターゲットにしている。フロントマスクは鋭角的で、フロントピラーやフロントウィンドウを寝かせており、スポーティーな雰囲気をも感じさせる。

ボディ側面は水平基調だが、後部のピラーを太く見せている。これによって、後方視界ではやや不利な面もあるが、エクステリアの存在感を強めている。

内装は、機能的でボリューム感のあるインパネデザインが採用されている。メーターは大きめで、ATレバーはインパネの下側に配置されている。

新型「ムーヴ」の車内の広さは、「ムーヴキャンバス」と同程度だ。身長170cmの大人4名が乗車したとき、後席に座る乗員の頭上には握りコブシがひとつ収まる。足元空間も広く、後席のスライド位置を後端に寄せると、膝先に握りコブシ3つぶんもの空間ができるほどだ。

安全装備は、2年前に予約受注を開始したときに比べて進化している。衝突被害軽減ブレーキに加えて、前後の誤発進抑制機能なども備えられている。運転支援機能は、グレードによってはオプションになるものの、機能としては十分だ。

コスパの高い中間グレードの「X」がおすすめ

■ダイハツ 新型「ムーヴ」のグレードラインアップと価格
※販売店で得た独自情報
- NAエンジン -
L:135万8,500円(2WD)/148万5,000円(4WD)
X:149万500円(2WD)/161万7,000円(4WD)
G:171万6,000円(2WD)/184万2,500円(4WD)
- ターボ -
RS:189万7,500円(2WD)/202万4,000円(4WD)
※RS 4WDの価格を修正いたしました(2025年6月5日)

新型「ムーヴ」のグレード構成は、NAエンジンとターボエンジンの2タイプが用意されている。NAエンジンには、ベーシックな「L」、中級の「X」、上級の「G」の3種類があり、ターボエンジンは「RS」に搭載されている。各グレードで、2WD(前輪駆動)と4WDが選択できる。

■ダイハツ 新型「ムーヴ」の主要装備
※販売店で得た独自情報
- L -
衝突被害軽減ブレーキ、サイド&カーテンエアバッグ etc
- X -
(Lの装備に加えて)チルトステアリング、シートリフター、キーフリーシステム、左側スライドドアの電動機能、各種ポケット類 etc
- G -
(Xの装備に加えて)ヘッドランプのアダプティブドライビングビーム&オートレベリング機能、サイドビューランプ、14インチアルミホイール、電動パーキングブレーキ、TFTカラーマルチインフォメーションディスプレイ、タコメーター、メッキインナードアハンドル etc
- RS -
(Gの装備に加えて)アダプティブクルーズコントロール、15インチアルミホイール、右側スライドドアの電動機能 etc

ベーシックな「L」は、2WDの価格が135万8,500円と手ごろだが、装備はシンプルだ。衝突被害軽減ブレーキやサイド&カーテンエアバッグは標準装備されているものの、スライドドアの電動開閉機能はオプションでも装着できないというデメリットがあるので注意したい。「L」は、主に法人ユーザーやカーシェアリング向けのグレードと言えるだろう。

一般ユーザーが購入する場合には、実質的に「X」が最も安価な選択肢となる。「L」の装備に加えて、左側スライドドアの電動開閉機能、キーフリーシステム、チルトステアリング、シートリフターなどが追加される。「X」の価格は2WDが149万500円で、「L」から13万2,000円の上乗せで実用装備が豊富に揃うために割安だ。

「G」はNAエンジンを搭載する上級グレードで、「X」よりも装備がさらに充実している。アダプティブドライビングビーム&オートレベリング機能、サイドビューランプ、電動パーキングブレーキ、TFTカラーマルチインフォメーションディスプレイ、14インチアルミホイールなどが標準装備されている。「G」の価格は「X」よりも22万5,500円高いが、軽自動車としてはトップクラスの装備が採用されている。

「RS」はターボエンジンを搭載し、「G」よりもさらに装備が充実している。アダプティブクルーズコントロールや右側スライドドアの電動機能が追加され、アルミホイールは15インチに拡大されている。「RS」の価格は「G」よりも18万1,500円高いが、装備の価格換算額が10万円であるため、ターボの正味価格は約8万円だ。ターボにより最大トルクが1.7倍に向上し、1Lエンジンのような感覚で運転できるため「RS」も割安だ。

4つのグレードの中で、実用性を重視するユーザーには「X」がおすすめだ。必要な装備が揃っており、価格は150万円以下に抑えられているからだ。

装備をさらに充実させたいなら「G」なのだが、「G」を選ぶならターボの「RS」を検討したい。高機能なターボが、割安な価格で搭載されているからだ。注目のグレードは、「X」と「RS」である。

ライバル車は「ムーヴキャンバス」と「ワゴンRスマイル」

新型「ムーヴ」のライバル車としては、ひとつは「ムーヴキャンバス」があげられる。「ムーヴキャンバス」の「X」は内外装が上質で、両側スライドドアの電動機能を標準装備しつつ価格は149万6,000円。新型「ムーヴ」の「X」とほぼ同額で、オシャレな内外装と両側電動スライドドアを備える「ムーヴキャンバス」の「X」は、割安と言えるかもしれない。

他社では、スズキの「ワゴンRスマイル」がライバルになる。全高が1,700mm未満のボディにスライドドアを装着している点で、新型「ムーヴ」や「ムーヴキャンバス」と共通している。新型「ムーヴ」の「X」に相当するグレードは「ワゴンRスマイル」では「G」になり、価格は148万9,400円。機能や装備と価格のバランスは新型「ムーヴ」の「X」に近い。

スズキ「ワゴンRスマイル」

スズキ「ワゴンRスマイル」

新型「ムーヴ」と「ワゴンRスマイル」で異なるのは、主に内外装のデザインだ。「ワゴンRスマイル」は、「ムーヴキャンバス」ほどではないが、柔和な雰囲気に仕上げられている。

新型「ムーヴ」はスポーティーで、インパネ周辺に厚みを持たせて質感を高めている。デザイン面での位置付けでは、新型「ムーヴ」と「ムーヴキャンバス」の間に「ワゴンRスマイル」が位置する。

スライドドアを装着した軽自動車としては、全高が1,700mmを超えるホンダ「N-BOX」、ダイハツ「タント」、スズキ「スペーシア」などの軽スーパーハイトワゴンが人気だ。しかし、ユーザーによっては天井がもう少し低くても構わないと考えることもある。そのような場合は、新型「ムーヴ」や「ムーヴキャンバス」、「ワゴンRスマイル」を乗り比べて、最適な車種を選ぶとよいだろう。

渡辺陽一郎
Writer
渡辺陽一郎
「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けるモータージャーナリスト
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桜庭智之(編集部)
Editor
桜庭智之(編集部)
自動車専門メディアで編集者として10年間勤務した後「価格.comマガジン」へ。これまで、国産を中心とした数百の新型車に試乗しており、自動車のほかカーナビやドラレコ、タイヤなどのカー用品関連も担当する。
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