レビュー

チーターのように駆け抜けるバイク!? ヤマハ「MTシリーズ」の新モデル「MT-25/MT-03」を乗り比べ!

近年、注目が高まっているのが排気量250ccクラスのバイク。車検のいらない排気量区分なため維持費が安く、それでいて高速道路も走行できる便利さが人気のポイントだ。そんな250ccクラスに、ヤマハが新モデル「MT-25」を投入。“大都会のチーター”をコンセプトにしており、シャープで躍動感のあるスタイリングに仕上げたという。では、走行も“チーター”のように速く軽やかなのだろうか? 試乗会で体験した「MT-25」の実力と楽しさをお伝えしよう。また、「MT-25」と同日発売(10月10日)で排気量が異なる「MT-03」もラインアップされる。「MT-03」は車検が必要な320ccとなるが、車体は「MT-25」と同じ。排気量の違いで感じる乗り心地もチェックしてきたので、あわせてレポートする。

人気モデルのデザインと性能を複合

「MT-25/MT-03」の動力性能は、2014年末に発売されたフルカウルモデル「YZF-R25/YZF-R30」がベースとなっている。大きく変化した点は、カウルが装備されていないこととハンドルをやや手前上方に配置していること。ハンドルのポジションが変わったことで上体の起きたアップライトなスタイルとなり、視界が広く、開放感のあるライディングができるようになった。

動力性能的のベースとなった「YZF-R25/YZF-R30」

動力性能のベースとなった「YZF-R25/YZF-R30」

カウルで覆わないスタイルを採用した「MT-25/MT-03」。「YZF-R25/YZF-R30」よりも軽快感のあるデザインになっている

ハンドル位置が「YZF-R25/YZF-R30」より手間に約19mm、そして約39mm高くなった。上体が起きた姿勢で乗れるため前方が見やすく、あまり速度の出ない街中を走るのに適している。また、肩の力を抜きやすいので初心者でも自然なハンドリングが楽しめるだろう

エンジンは水冷直列2気筒の250cc(「MT-03」は320cc)。最高出力は、「MT-25」が27kW(36PS)、「MT-03」が31kW(42PS)

車体やエンジンは「YZF-R25/YZF-R30」を踏襲する「MT-25/MT-03」だが、デザインには大排気量モデル「MT-09」(850cc)や「MT-07」(700CC)などで人気を集める「MTシリーズ」の要素を取り込んでいる。つまり、動力性能的には評価の高い「YZF-Rシリーズ」のものを採用し、スタイルは「MTシリーズ」のイメージを継承。高性能でありながらストリートさの残るフォルムを有するのが「MT-25/MT-03」の大きな魅力と言える。

3台並んだ「MTシリーズ」。真ん中にあるのが「MT-25」で左端が排気量700ccの「MT-07」、右端が850ccの「MT-09」だが、存在感は大排気量モデルに引けをとっていない

では、「MTシリーズ」らしさを強調したデザインの細部を順に見ていこう。

存在感の決め手となる特徴的なデザインのフロントライト。ユニークな形状のライトの上に逆三角形のメーターバイザーを装備し、その下に目のように光るLEDを搭載している

リアカウルまわりは、コンパクトにまとめることで軽快感を演出

リアカウルまわりは、コンパクトにまとめることで軽快感を演出

「MTシリーズ」らしい角ばった複雑な造形を可能にするため、ガソリンタンクとカバーを別体としたインナータンク式を採用している

マフラーは「MTシリーズ」共通のショートタイプ。サイレンサー(消音器)は短いがよく消音されており、排気音をうるさく感じることはない

複雑な形状をしているホイールは、なかなか見栄えがいい。ブレーキは、右側だけのシングルディスクを採用

複雑な形状をしているホイールは、なかなか見栄えがいい。ブレーキは、右側だけのシングルディスクを採用

タンク下にはエンジンに空気を取り込むエアインテークが配置し、押しの強い見た目に貢献

タンク下にはエンジンに空気を取り込むエアインテークを配置し、押しの強い見た目に貢献

メーターのデザインも、「MTシリーズ」のイメージに沿ったものになっている

メーターのデザインも、「MTシリーズ」のイメージに沿ったものになっている

2人乗りの際に後ろの人が掴むタンデムバーには、うしろに向かって絞り込むデザインが施されていた

2人乗りの際にうしろの人が掴むタンデムバーには、後方に向かって絞り込むデザインが施されている

「MT-25」で走行してみた

まずは、「MT-25」を試乗。アップダウンがあり、大小のカーブが連続するコースを走行する。街乗りをイメージできるように、交差点を模したセクションや長い坂も用意されていた。

乗り始めてすぐに感じたのはフロントまわりの軽快感。一時停止から発進してすぐに右折するセクションでも、ハンドルの切り返しが軽くスムーズ。狭いカーブが連続するようなシーンでも楽しさを感じた。また、カーブで車体を傾けると、スッとフロントタイヤが切れて曲がっていく感覚は爽快

エンジンパワーも十分で、長い登り坂でもパワー不足を感じることはなかった。とくに、中回転以上での回転の伸びが気持ちいい。大排気量車のように持て余すようなパワーはないので、慣れてくればある程度エンジン回転数を高く保ってエンジンの心地いい部分だけを使って走るようなこともできそう

上体が起きたポジションは視界がよく、細かいカーブが連続するようなシーンや多くのクルマや歩行者がいる街中などではありがたい。ただ、上体が起きたポジションのためか、ある程度以上の速度が出る大きなカーブではフロントまわりの軽快感が不安感につながってしまう場面もあるかも。速度の乗るカーブでは、やや上体を前傾させたポジションを意識したほうがよさそうだ

排気量が「MT-25」より大きい「MT-03」は、どこが違う?

「MT-03」に試乗する前に、「MT-03」と「MT-25」の違いについて見ていこう。最大の相違点は、排気量だ。「MT-03」のほうが「MT-25」よりも70cc大きい排気量のエンジンを搭載。それにあわせて装着しているタイヤも異なる。

外観的には同じように見えるが、エンジンの排気量が250ccと320ccと異なる

排気量が70cc大きい「MT-03」のほうが、剛性の高いタイヤを装着している

「MT-25」との違いをチェックしたところで、「MT-03」に乗ってみよう。70ccの排気量の差は、走行感をどのように変えるのだろうか?

アクセルを開けると、車体をグッと押し出すように加速する感覚は250ccエンジンとはあきらかに違うものだ。登り坂でもちょっとアクセルを開けただけでグングン登っていく。排気量が増えた分、回転の伸びは鈍りそうだがむしろ逆で、中回転でのトルク感が増したせいか回転上昇もスムーズ。カーブを曲がっている最中にアクセルで姿勢を作る操作も、「MT-03」のほうがやりやすかった

「MT-25」と「MT-03」、どちらを選ぶべき?

わずか70ccの排気量の違いだが、その差は予想以上に明確。「MT-03」は排気量区分的に400ccクラスと同じになるので車検は必要になってしまうが、その費用よりも走る楽しさを優先する人、あるいはアクセルを使ってカーブでの姿勢制御ができるような、ある程度慣れたライダーに適していると言えそう。そこまでのテクニックに自信のない初級者や、維持費を抑えたい人は「MT-25」を選んでも、その軽快なハンドリングや中回転以上の気持ちよい加速は味わうことができる。どちらを選んでも楽しく走れることに変わりはないが、できれば両者を試乗して、その性格の違いを知った上で、自分の好みに合ったほうを選びたい。

●メインカット、走行シーン撮影:松川忍

増谷茂樹

増谷茂樹

カメラなどのデジタル・ガジェットと、クルマ・バイク・自転車などの乗り物を中心に、雑誌やWebで記事を執筆。EVなど電気で動く乗り物が好き。

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