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パイオニア「サイバーナビ AVIC-CL900」発表会レポート

パイオニアは、2016年5月10日に、カーナビゲーションシステム「サイバーナビ」シリーズの2016年モデルを発表した。サイバーナビとしては初めて特定車種専用モデルを用意したほか、操作性の強化や、新開発のセンサーによる位置精度の向上など見どころが多い。その詳細を「カロッツェリアエクスペリエンス 2016」の様子からレポートしよう。

「カロッツェリアエクスペリエンス 2016」で発表された新しい「サイバーナビ」その発表会の様子をレポートする

操作性や位置精度などナビの本質を追及した今年の「サイバーナビ」

パイオニアは、カーナビゲーションシステム「サイバーナビ」の新製品として、「AVIC-CL900」をはじめとする製品群を発表した。いずれの製品も、カーナビとしての使い勝手のよさや、「カロッツェリア史上最高」というAV性能など、高性能ラインアップ「サイバーナビ」シリーズの特徴を継承しつつ、高速なデータ転送が行えるWi-Fi接続や、スマートフォンやタブレットで使われる静電容量式液晶タッチパネル、設置場所を選ばないBluetooth接続のリモコン「スマートコマンダー」などにより、今まで以上に軽快な操作性を実現しているのが特徴となっている。

まず、液晶ディスプレイでは、従来の感圧式タッチパネルよりも軽快に操作できる静電容量式液晶タッチパネルを全機種に採用したのがポイント。これにともない、ピンチインやピンチアウト、スワイプといった、スマートフォンやタブレットではおなじみのタッチ操作にも対応している。また、8V型液晶を搭載するラージサイズモデル「AVIC-CL900」および、10V型液晶を備えた特定車種専用モデルについては、ワイドXGA表示に対応しており、画面の大型化に対応した高精細なディスプレイにアップデートされている。

また、従来モデルより約70倍向上したという高い色階調表現により、地図の視認性も向上している。

8V型液晶を搭載する「AVIC-CL900」と、10V型液晶を搭載する特定車種専用モデルについては、ワイドXGA表示に対応するディスプレイが採用されている

静電容量式タッチパネルを作用しているため、従来の感圧式タッチパネルよりも操作は軽快だ

静電容量式タッチパネルを作用しているため、従来の感圧式タッチパネルよりも操作は軽快だ

階調表現が向上したディスプレイ。さまざまな情報を見やすく表示する

階調表現が向上したディスプレイ。さまざまな情報を見やすく表示する

また、エントリーシリーズの「楽ナビ」シリーズには採用されていたリモコン「スマートコマンダー」が、今回から「サイバーナビ」でも採用された。しかも、この「スマートコマンダー」は、従来の赤外線式からBluetooth 4.0を使った無線方式に改められ、車内であればどこでも設置・操作が可能。スマートフォンをリモコンのように使うことのできるアプリ「リアスマートコマンダーアプリ」を使えば、後席からでもナビを操作できるようになる。

Bluetooth 4.0による無線方式となった「スマートコマンダー」。従来の赤外線式より設置場所を選ばないという利点がある

スマホアプリを使った「リアスマートコマンダーアプリ」を使えば、後席からもナビを操作できる

スマホアプリを使った「リアスマートコマンダーアプリ」を使えば、後席からもナビを操作できる

自車位置精度も向上している。新開発の自車位置精度専用システム「レグルス」と「6軸3Dハイブリッドセンサー」を採用し、今までのカーナビが苦手にしていた、立体駐車場や地下駐車場でも正確な軌跡を描くことができるようになった。

ルート検索も強化されている。2016年9月に予定されているバージョンアップでは、ネットワーク機能を使い、インターネット上のサーバーでルートを検索する「スーパールート検索」機能が実装される。この「スーパールート検索」では、サイバーナビユーザーがこれまでに蓄積してきた交通情報のプローブデータ、時間、距離、通行料、効率といった複雑な条件を基に、最適なルートを見つけることができる。たとえば、ETCの時間帯別割引料金を考慮したルート検索も「スーパールート検索」では可能となる。

自車位置精度専用システム「レグルス」では、GPS、「グロナス」、「みちびき」の各衛星からもたらされる位置情報に加えて、GPSの補正データ「SBAS」の情報を駆使することで、高い自車位置情報を検出できる

従来製品(左側)と「レグルス」(右側)で、地下駐車場を走行中の軌跡を比較した様子。「レグルス」では迷走せずに走行ルートを記録していることがわかる

インターネット上のサーバーでルートを検索する「スーパールート検索」は、9月のバージョンアップで利用可能になる

通信機能も「サイバーナビ」シリーズの特徴だが、新たにWi-Fiに対応した。これを使うことで、スマートフォンのテザリング機能を使ってのインターネット接続が可能になり、より高速な通信環境を利用できるようになる。

Bluetoothのほか、通信機能として新たにWi-Fiにも対応。スマートフォンのテザリング機能を使ってインターネットに高速接続できるようになった

音質の追求に加えて、状況に合った音楽をレコメンドできる

「サイバーナビ」シリーズのもうひとつの特徴であるAV性能も強化されている。ハードウェアの面では、AV機能の基板とカーナビの基板を独立させることで、AV機能においてのノイズを排除しているほか、独自の「高性能48bit デュアルコアDSP」や、ジッターを軽減するクロック回路の「サウンドマスター」などを搭載。こうしたこだわりの技術により「カロッツェリア史上最高」という音質を実現している。

コンテンツ面でも、従来から採用されていた音楽ストリーミングサービス「ミュージッククルーズチャンネル」に、日時や目的地、自車位置といった周囲の状況にマッチしたチャンネルをレコメンドする「ライブレコメンド」機能が新たに搭載された。この「ライブレコメンド」では、たとえば、県境を越えた際に、その県にゆかりの深いアーティストの楽曲がレコメンドされたり、走行中の高速道路にちなんだ曲がピックアップされるので、ドライブをより楽しく盛り上げることができるだろう。

また、スマートフォンに保存された楽曲を再生できる「MCC ライブラリーモード」も追加されている。

左は「高性能48bit デュアルコアDSP」、右は「サウンドマスター」のチップ。いずれも「サイバーナビ」の音質向上に大きく影響している

状況に合ったチャンネルをレコメンドする「ライブレコメンド」機能。こちらは9月のバージョンアップ後に搭載される

スマートフォンに保存された楽曲データを再生できる「MCC ライブラリーモード」も搭載されている

スマートフォンに保存された楽曲データを再生できる「MCC ライブラリーモード」も搭載されている

ラージサイズのメインユニット「AVIC-CL900」。XGA表示に対応した8V型液晶ディスプレイを搭載する。市場想定価格は17万円前後、発売は6月の予定だ

200mmワイド型のメインユニット「AVIC-CW900」。VGA表示に対応する7V型液晶を搭載。市場想定価格は15万円前後。発売は6月の予定

2DINサイズのメインユニット「AVIC-CZ900」。VGA表示に対応する7V型液晶を搭載。市場想定価格は15万円前後。発売は6月の予定

トヨタ「アルファード」専用の「AVIC-CE900AL」。このほか、「ヴェルファイア」専用ユニット「AVIC-E900VE」も用意される。価格はいずれも32万円前後。発売は9月の予定

こちらはトヨタ「ヴォクシー」専用の「AVIC-CE900VO」。このほか、「ノア」専用ユニット「AVIC-CE900NO」、「エスクァイア」専用ユニット「AVIC-CE900ES」も用意される。価格はいずれも31万円前後。発売は9月の予定

ホンダの「ステップワゴン」専用となる「AVIC-CE900ST」。価格は31万円前後。発売は9月の予定

ホンダの「ステップワゴン」専用となる「AVIC-CE900ST」。価格は31万円前後。発売は9月の予定

ブレーキ警告やセキュリティ告知などの運転支援を行うマルチドライブアシストユニット「MD-MA1」

別売りの「MD-MA1」は、「サイバーナビ」と連携し、カメラが検知した車間距離を基に、ブレーキの警告などの運転支援機能を追加するユニット。ドライブレコーダーとしても利用可能。オプションのフロアカメラ「ND-FLC1」と組み合わせれば、駐車中の車中の異常を検知して、映像をメールで送信する機能も備えている。市場想定価格は6万円前後。発売は9月の予定だ。なお、今回発表された各ナビゲーションユニットに「MD-MA1」とデータ通信モジュール「ND-DC2」をセットにしたパッケージも発売される予定だ。

拡張ユニットの「MD-MA1」はカメラとセット。運転支援システムを後付けできるのが魅力だ

拡張ユニットの「MD-MA1」はカメラとセット。運転支援システムを後付けできるのが魅力だ

カメラが感知した先行車量との車間距離などの情報を基に、ブレーキの警告などを行ってくれる

カメラが感知した先行車量との車間距離などの情報を基に、ブレーキの警告などを行ってくれる

フロアカメラ「ND-FLC1」と組み合わせれば、駐車中の車内の監視も可能

フロアカメラ「ND-FLC1」と組み合わせれば、駐車中の車内の監視も可能

ドライブレコーダー機能も搭載。ドライブレコーダーではユニークな2画面録画にも対応している

ドライブレコーダー機能も搭載。ドライブレコーダーではユニークな2画面録画にも対応している

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

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