「プリングルズ好きに悪い人はいない」かはわからないが、世界中で愛されているスナック菓子の定番中の定番なのは間違いない。コーラ片手にプリングルズをつまみ、映画鑑賞などしようものならこれはもう、最高と言うしかないだろう。カロリーが気になる? そんなささいなことはこの際忘れようではないか。あの破壊的なおいしさの前に我々ができることは、ただただ次の1枚を口に運び続けることだけなのだから。と、前置きはこのくらいにして、本題に入ろう。今回は、現在国内で発売されているプリングルズのフレーバーを食べ比べ、味の再現度をチェック。簡単に言えば、“利きプリングルズ”をしてみようという、夢のような企画である。
記事内に登場するプリングルズは2019年7月時点で展開されているものです。店舗によっては取扱いがない、または品切れの場合があります
プリングルズのフレーバーと言えば、「うましお味」「サワークリーム&オニオン」の印象が強いが、2019年7月現在、実は現在(掲載時点)その数が9種類も展開されていることをご存知だろうか?「うましお味」「サワークリーム&オニオン」の2大看板に、「ハラペーニョ&オニオン」が定番フレーバーとして加わったほか、地域限定フレーバーとなる「たこ焼き味」「ほたてバターしょうゆ味」も登場。そして現在は、期間限定の新味として「ナチョチーズ」「ガーリックシュリンプ」「明太子味」「クラッシュドブラックペッパー(2019年7月16日から販売予定)」が展開されているのだ。
パッケージに描かれたヒゲの紳士の名前は、「Mr.P」。9人の「Mr.P」が並ぶとなかなかの迫力だが、プリングルズ好きにはたまらない光景ではないだろうか
「ナチョチーズ」は2019年3月から春夏の期間限定フレーバーとして発売されており、メキシコ料理の「ナチョス」を再現している。53gと110gの2サイズ展開で、全国のスーパーやコンビニエンスストアで購入できる
「ガーリックシュリンプ」は、2019年6月から期間限定で販売されているシーフードフレーバーシリーズの第1弾。ネーミングの通り、ハワイ名物の「ガーリックシュリンプ」を再現している。53gの1サイズ展開
2019年7月から期間限定で販売されているシーフードフレーバーシリーズの第2弾が「明太子味」。乳製品でクリーミーさを加え、明太子スパゲッティのような味わいに仕上げている。110gの1サイズ展開
2019年7月16日から期間限定で販売予定の「クラッシュドブラックペッパー」は、2016年、2017年にも期間限定で発売され好評だったフレーバー。3年目の販売は人気の証である。53gの1サイズ展開
地域限定フレーバーは、関西限定の「たこ焼き味」と、北海道限定の「ほたてバターしょうゆ味」の2種類。空港や駅で見かけたことがある人も多いのではないだろうか。いずれのフレーバーも53g×3缶セットで販売されているので、お土産にもピッタリだ
「うましお味」「サワークリーム&オニオン」に加えて、2017年3月からは「ハラペーニョ&オニオン」も仲間入りした定番フレーバー3種。いずれも53gと110gの2サイズ展開となる
9種類のフレーバーを整理できたところで、さっそく利きプリングルズを始めるとしよう。ルールは簡単。目隠しをしてプリングルズを1枚食べ、フレーバーを当てるだけである。挑戦するのはスタッフKとスタッフNの2名で、プリングルズ歴は両名ともに「物心ついた時から」だそう。これまで食べたことのあるフレーバーは、「うましお味」「サワークリーム&オニオン」の2種類のみ。プリングルズ好きを名乗るには100年ほど早いが、味の再現度をチェックするのがこの企画の趣旨なので、初めて食べるほうが適任と言えるだろう。
ちなみに、大のプリングルズ好きである筆者はこの挑戦を辞退した。理由はシンプルに、外すわけがないからだ。たとえば、「うましお味」を食べて、「明太子味」と答える愚かな人間がどこにいるだろう? そのような残念な結果にならないことを、切に願うばかりだ。
1品目は、「クラッシュドブラックペッパー」。ポテトのおいしさを引き立てるブラックペッパーの風味が特徴だ。ちなみに、プリングルズのパッケージには擬人化したポテトチップが描かれており、フレーバーごとにイラストが異なるのがおもしろい。
「クラッシュドブラックペッパー」ではチップがミルとダンスを踊っている
「余裕でしょ」と自信満々のスタッフK。「クラッシュドブラックペッパー」を1枚口に入れ、もぐもぐもぐ。「お、お、おお? 爽やかな味。ゆず系みたいな。ゆず味ってあったかな? ないか、それなら、『クラッシュドブラックペッパー』!」。よくわからないが、正解である
続いてスタッフN。CMのようにパリッと美しく食べたい、と意気込みを語る。口に入れるやいなや、「『クラッシュドブラックペッパー』。これは間違いない」。1品目は2人とも正解と、幸先がいい
2品目は、明太子独特の旨みに、ピリッとした辛味が特徴の「明太子味」。
誇らしげに明太子を掲げるチップがかわいらしい
1品目に正解し、すっかり自信をつけた様子のスタッフA。しかし今回は、「う〜ん」と悩み始め、両手で顔を覆い、天を仰ぐ。「多分、辛さがあるから『ハラペーニョ&オニオン』だと思う」。ここに愚かな人間がいた
スタッフKとは対照的に、スタッフNは慎重に味わう。「これは未知の味だ。未知との遭遇ですよ。でも待って、かすかにチーズが語りかけてきた。やさしく、そっとささやくように。『ナチョチーズ』だ」。とても残念である
3品目は、濃厚なチーズの風味がたまらないナチョチーズ。
パッケージは、チップがメキシカンハットを被ってギターを弾いている
スタッフKが「透視をする」と言い始めた。味覚ではなく、心眼に頼り始めたようだ。「はいはい、これはもう、『サワークリーム&オニオン』ですよ。はっきりわかった。間違いない」。またもや不正解。心眼に頼らず、しっかり味わってほしい
先ほど「明太子味」を「ナチョチーズ」と答えたスタッフNは、「しまった、これだ、こっちが『ナチョチーズ』だ。チーズが大声で呼んでる。こっちだよ、って」。正解。さぞかし悔しいだろう
エビの香ばしさと、ローストしたガーリックの香りが後をひくガーリックシュリンプ。
ハワイ名物ということで、チップがエビとフラダンスをしている
2品連続で間違えておきながら、「利きプリングルズ、めちゃくちゃ楽しいね」とスタッフK。次は正解してほしいところだが、「難しいけど、味が濃くなかったから『うましお味』でしょう」と、今回もハズレ
相変わらず慎重なスタッフN。「これはなかなか難しいけど、シュリンプが語りかけてきた気がするから、『ガーリックシュリンプ』」。“語りかけてくる”という表現が鼻につくが、正解である
その後も利きプリングルズを続け、いよいよ最後の1品に。ラストを飾るのは、サワークリームの酸味とオニオンの旨みが濃厚な「サワークリーム&オニオン」。
パッケージは、オニオンを巻いたチップがサワークリームにダイブしている
若干疲れも見え始め、「余裕でしょ」と息巻いていたあの頃に懐かしささえ覚える。最後は正解して有終の美を飾りたいところだが……、「よし、『ガーリックシュリンプ』!」。今後彼とどう付き合っていくか、少し考えたいと思う
「明太子味」以外は着々と正解を積み重ねてきたスタッフN。最後の1枚を食べ終わると、アイマスクを外し、カメラ目線で「『サワークリーム&オニオン』」。スタッフKの結果が結果なだけに、8品正解は大健闘と言えるだろう
ここに、スタッフK、N両名の利きプリングルズ 結果をまとめておく。
以下は、利きプリングルズで紹介しきれなかったパッケージ。大道芸を披露している「ハラペーニョ&オニオン」や、ほたてにしょうゆをかけている「ほたてバターしょうゆ味」など、それぞれに愛嬌たっぷりのチップが描かれているので、購入の際は忘れずにチェックしてみてほしい。
9品中5問正解したスタッフKと、8問正解したスタッフN。スタッフKの味覚が心配になってしまう結果ではあるが、2人とも半分以上は正解しているので、味の再現度は「比較的高い」と結論付けてもいいのではないだろうか。もちろん、不正解だったフレーバーも味はおいしく、今回のレビューを通じて、プリングルズの魅力を改めて感じることができた。
残ったプリングルズをスタッフみんなでワイワイ食べ、今回のレビューが無事終了。ちなみに、「クラッシュドブラックペッパー」や「ガーリックシュリンプ」はビールによく合い、「ナチョチーズ」はワインと合わせてもおいしい
最後に、スタッフKとスタッフN、そして筆者の3名で、「再現度が高かったランキング」と「おいしかったランキング」を決めてみた。完全なる独断と偏見によるものだが、お店の売り場でどのフレーバーにするか迷った時の参考にしてもらえれば幸いだ。
再現度が高かったランキング
1位「たこ焼き味」 2位「ハラペーニョ&オニオン」 3位「クラッシュドブラックペッパー」
おいしかったランキング
1位「サワークリーム&オニオン」 2位「ナチョチーズ」 3位「ハラペーニョ&オニオン」
編プロでの広告制作、雑誌編集を経てフリーライター/エディターに。家電をはじめ、自動車、ファッション、ビジネス関連など幅広い分野で活動。86年、秋田県出身。「大曲の花火」とグミをこよなく愛する。