夏といえばカレー! 自分で作るのもいいですが、こんなに暑い中、ぐつぐつと煮込むのは大変……。そんなとき、レトルトカレーはいかがでしょう。そしてレトルトカレーといえば、やっぱり大塚食品の「ボンカレー」ですよね!! 世界初のレトルトカレーとしてあまりにも有名ですが、実は今、17種類ものラインアップがあることをご存じですか?
発売から50年以上がたつ2019年7月現在、全国で発売されているボンカレーは全7商品、17種類
ラインアップは以下のとおり。
・ボンカレーゴールド(甘口、中辛、辛口、大辛)
・ボンカレーネオ(甘口、中辛、辛口)
・The ボンカレー
・こどものためのボンカレー
・ボンカレー(沖縄限定)(あまくち、ちゅうから、からくち)
・ボンカレー50
・ボンカレー GRAN(キーマ、ビーフ、デミグラス、バターチキン)
全部ご存じですか? 筆者はレトルトカレーの中でボンカレーが一番好きというか、ボンカレー以外認めないくらいの愛を持っていますが、まだ全種類は食べたことがありませんでした。特に沖縄限定はなかなか知らないですよね。ということで今回は、ボンカレー全種類を食べ比べる企画です! 17種類全部食べて違いを調べたので、あなたにぴったりのボンカレーが見つかるはず。
食べ比べの前に、作り方についてご紹介。レトルトカレーといえば、湯煎で温めるか、中身を出してラップをかけてレンジでチン……が普通ですが、ボンカレーは違います。箱のままレンジにかけて600Wで1分40秒、つまり100秒温めるだけで完成。この楽さとスピード感はボンカレーならでは。
このスタイルでレンチンできるのがすごいところ
さらに袋も切りやすく、中身を取り出しやすいのもすばらしい
元々、湯煎して食べるレトルトカレー自体もボンカレーが生み出したものですが、常に進化を続ける姿勢もすばらしいです。
ではいよいよ食べ比べていきましょう!
1978年に発売。現在は甘口、中辛、辛口、大辛の4味がラインアップ。内容量は180g。希望小売価格は180円(税別)
元祖「ボンカレー」に香辛料やフルーツを加えたもので、今となってはこちらがベーシックになっています。店頭で一番見かけるボンカレーではないでしょうか? 2016年にはさらにリニューアルされ、具材(じゃがいも、玉ねぎ、にんじん)がすべて国産野菜になりました。保存料、合成着色料不使用なのも安心ですよね。
左上から順番に甘口、中辛、辛口、大辛です。辛くなるにつれ色合いが濃くなっていきます
定番の味ということで、ボンカレーのベースの味といえばコレですよね。レトルトのわりに大きな具材もボンカレーならでは。サラサラでもこってりでもないちょうどいい舌触りです。
・甘口:フルーツの味わいとなめらかな舌触りが特徴。やさしい甘さですね
・中辛:まさにベースの味。ちょうどいい辛みと、玉ねぎ&ビーフのコクを感じます
・辛口:ペッパーなどのスパイスの香りが加わり、舌にピリっとくる辛さ
・大辛:シリーズで唯一の大辛は、ハバネロの辛さが後から追いかけてくるのがクセになります
個人的おすすめは辛口です。中辛だとやや物足りないかなというところに、ブラックペッパーなどのスパイスの辛さが追加されて、辛さがありながらも後味スッキリ。最初のひと口からスパイシーな味わいで、ごはんが進む、進む。辛さの中にじゃがいもの甘さも際立ち、満足感がありますよ。
2009年発売。甘口、中辛、辛口の3味がラインアップ。内容量は230g。希望小売価格285円(税別)
国産のじゃがいも、にんじんを自社工場で生から調理し、ローストされた牛肉は赤ワインで仕上げるなど、素材と作り方にこだわったボンカレー。230gのボリュームもうれしいところ。
左から甘口、中辛、辛口です。やはり辛口のほうが色が濃くなります
ネオシリーズは、具材の豊富さに加えて玉ねぎの甘みがほんのりと口の中に広がるのが特徴的ですね。ゴールドよりも具材がゴロゴロ&ぎっしり入っているのがわかります。
・甘口:コクがありながらも、黒糖やさつまいもならではの甘みを感じます
・中辛:あめ色玉ねぎの甘さとスパイシーさのバランスが良好
・辛口:やはり玉ねぎがベースにありながら、唐辛子とスパイスが効いています
個人的おすすめは中辛です。スパイシーな味わいに玉ねぎの甘さがほどよくマッチしています。濃いめのカレーが好きな人ならゴールドよりネオが合うかもしれません。
2015年発売。味は1種類のみ。内容量は210g。希望小売価格は500円(税別)
ボンカレーシリーズで一番高価な商品。牛スネ肉や国産野菜などの素材はもちろん、香味野菜を炒めた後にソースを煮込む「二段仕込み製法」で、まさにプレミアムなボンカレーになっています。
この具材の多さ、そして色合い。レトルトカレーとは思えない芳醇ないい香りがするんですよ!
いやーすごい、まさに究極のボンカレー。ちょっと別物になっている感もありますが、一度食べるとその味の深みというかコクに、レトルトカレーであることを忘れます。肉感もすごいあるんですよね。辛さの明記はないのですが、中辛以上辛口未満といった感じで、スパイスが香ります。500円という価格はボンカレー史上最も高価なのですが、逆にワンコインでこれだけ満足感があるなら文句のつけようがないなという感じでした。内容量は 210gと、ゴールドより多め。ひと口目から濃厚な満足感が得られます。プチ贅沢気分を味わえるボンカレーです。
2016年発売。甘口のみ。内容量は130g。希望小売価格は160円(税別)
10種類の野菜とカルシウム、たんぱく質などが入った栄養満点なチキンカレーです。保存料・着色料・香料・化学調味料不使用。
見た目からわかるように、サラサラっとしたカレーです
国産野菜が10種類入ったチキンカレー。甘いというよりは、スッキリとしたカレーです。筆者も初めて食べたのですが、最初は大人にはちょっと向かないかと思ったものの、ボンカレー史上最もやさしい口当たりとサラッとした感覚、そして130gという少量は朝カレーに最適ではないでしょうか。大人でも、やさしいカレーが好きな方にはぴったりだと思います。レンチン50秒という短い調理時間も魅力。
松山容子さんのパッケージが懐かしい! 味は「あまくち、ちゅうから、からくち」の3種類。内容量180g。希望小売価格160円(税別)
50年前の発売当時の味をそのまま味わえる貴重な元祖「ボンカレー」。あまくち、ちゅうから、からくちと平仮名表記で昔ながらのパッケージなのはもちろん、レンチンができず、昔ながらのお湯で温める必要があるところも昔のままです。元々は全国で販売されていましたが、「ボンカレーゴールド」のほうが人気になったため販売をやめたいっぽうで、沖縄ではこちらのほうが売れていたため、現在のように沖縄限定販売となりました。もちろんネットなら全国どこでも買えますよ。
パッケージ裏面には沖縄限定のカラフルな表記があります
昔ながらのお湯で温める調理方法
左からあまくち、ちゅうから、からくち。あまり見た目に違いがありません
玉ねぎのコクとどこか小麦粉っぽい味わい、そして口の中に残るねっとり感が、懐かしのボンカレーだなって感じがします。小さい頃、お昼によく食べてたなーと思い出しました。これは辛さによって味自体にそこまで違いはないのですが、筆者のおすすめは「ちゅうから」です。ちょっととろみのあるルーに大きめのじゃがいも、後味にちょっとだけピリっとくる辛さが、まさに当時の味わい。また全国でも常時販売してほしい。
と思ったら、あるんです。
2018年発売。味は中辛のみ。内容量は200g。希望小売価格は230円(税別)
「ボンカレー」発売50周年を記念して誕生した「ボンカレー50」。沖縄で販売されている元祖ボンカレーをベースに、具材がボリュームアップしたものです。
確かに、さきほどの「ボンカレー(沖縄限定)」と比べると一目瞭然のボリュームアップ感
味わいは元祖「ボンカレー(沖縄限定)」の「ちゅうから」と同じですが、なんといってもボリューム感。レトルトカレーの具の足りなさを指摘する人も多いのですが、この価格でこのボリュームは食べごたえ満点です。具の大きさも50ならでは。じゃがいもの食べごたえとカレーが染み込んだ味がたまりません。懐かしの味と現代のボリューム感が同時に楽しめて、子供の頃に元祖ボンカレーを食べていた人にとってはうれしい商品ではないでしょうか。
2018年発売。辛さ別ではなく、キーマ、デミグラス、ビーフ、バターチキンの4味がラインアップ。内容量は200g。希望小売価格は350円(税別)
こちらも、ボンカレー発売50周年に合わせて誕生した商品。「大人のためのプチ贅沢カレー」として、今までのボンカレーとは一線を画す、贅沢な味にこだわったシリーズで、2018年にキーマ、デミグラス、ビーフの3味、2019年にバターチキン味が発売され、現在は4種類が発売中。
左上からキーマ、デミグラス、ビーフ、バターチキン
これは同シリーズの中で辛さが違うというわけではなく、カレー自体の種類が違います。
・太陽のはぐくみキーマカレー(辛口):これだけが「辛口」表記でした。具材はズッキーニ、にんじん、赤ピーマン、鶏挽肉など。味わいは思った以上にトマトです。日向夏の爽やかな香りもあり、ボンカレーだということを忘れてしまうくらい本格派。
・森のめぐみデミグラスカレー(中辛):最も濃厚だったのがこのデミグラス。中辛ではありますが、ほのかな甘みも感じられます。ゴロゴロと入ったナッツの歯ごたえがあり、食感も楽しめました。
・大地のみのりビーフカレー(中辛):こちらはしっかりとボンカレーの味が根底にありながら、そこにさらにビーフやバターの濃厚さがプラスされた感じでした。コクがあり、食後の満足感は半端ないです。
・スパイス香るバターチキンカレー(中辛):最近のトレンド+ボンカレーの味という組み合わせで、さらっとした食感の後にくる濃厚な味の余韻を楽しめます。
ここまでさまざまなボンカレーを紹介してきましたが、どれも基本は「家庭のカレー」がベースとなっていました。しかし「ボンカレーGRAN」は、お店で食べるようなカレーを意識しているのかなという印象を受けます。ボンカレーがこういうシリーズを出すとは思っていなかったのですが、とはいえやはりベースにはボンカレーならではの味付けがありましたよ。
17個食べ比べた結果、個人的に一番好きなのはベーシックな「ボンカレーゴールド」の中辛です。独り暮らしを始めた20代のときに、お湯で3分温めて食べていたあの時代を今でも思い出します。
バランスがとれていますし、懐かしさもあっていろいろなことを思い出す味です
もちろんそのほかのボンカレーもおいしいので、ぜひ本記事を参考にみなさんのお気に入りのボンカレーを見つけてほしいです。なかでも、こんなときに食べるならこのボンカレーがおすすめ、というものをピックアップしましょう。
・濃厚度No.1! 濃いめのカレーを味わいたい
ボンカレー GRAN 森のめぐみデミグラスカレー(中辛)
17種類の中で最も濃厚でした。ナッツも入っており、リッチなおいしさを味わえます
・ボンカレーでビーフのうまみを味わいたい
The ボンカレー
最も高価な「The ボンカレー」は、その分ビーフのうまみがすごい! ゴロゴロと入った具材を楽しめます
・朝からカレーもいいんじゃない?
ボンカレーゴールド甘口orこどものためのボンカレー
朝カレーにはやさしい甘さのボンカレーがぴったり。「こどものためのボンカレー」は、50秒でできあがるスピーディさも魅力ですね
さて最後は、ボンカレーの新たな可能性であるアレンジメニュー「ぼんごはん」に挑戦してみます。ぼんごはんの公式サイトもあり、たくさんレシピが掲載されているんですよ。今回は3つのアレンジ料理を作ってみました。
ゆでたじゃがいもを輪切りにして、グラタン皿に引き、たっぷりの挽肉の上にボンカレーゴールド(中辛)をかけ、チーズをトッピングしてオーブンで15分ほど焼いてみました。
ポテトの上に挽肉をみっちり引いて、温めたボンカレーゴールド(中辛)をかけます。そこにスライスチーズをトッピング
オーブンで15分ほど焼けば完成です
焼いたことでボンカレーの味が凝縮されて、ポテトとミートによくからみます、ウマい!
何がダブルかというと、ボンカレーゴールドの中辛と甘口の2種類を使います。まずはごはんを炒め、温めたボンカレーゴールド(中辛)を入れてしっとりめのボンカレーライスを作ります。これを卵で包んでオムライス状態に。そこにソースとしてボンカレーゴールド(甘口)をかけるのです。
ごはんと玉ねぎを炒め、ボンカレーゴールド(中辛)を入れてさらに炒めます
卵で包んでオムライスの完成。そこにボンカレーゴールド(甘口)をソースとしてかけます
中のカレーライスはしっとりめでリゾットみたいな感じ。さらに上からの甘口ソースでダブルボンカレーが楽しめます
これは簡単です。いつもの焼きそばのソースをボンカレーゴールドにするだけです。野菜を炒めるときに通常のソースを少し入れて味付けをしておき、麺を炒める際に温めたボンカレーゴールドを入れます。
麺を少し炒めた後に温めたボンカレーゴールドをin
少し水分の多いもっちりとしたカレー焼きそばになります
“ぼんごはん”を3つ作ってみましたが、これなら料理が苦手な人でも簡単にアレンジ料理が作れると思います。カレーライスとして食べるのに飽きてしまったときなどはぜひチャレンジしてみてください。
今回、筆者の愛するボンカレー全種類を食べ比べてきました。少しでもみなさまが「食べたい」と思ってくれれば、ボンカレー好きとしてうれしい限りです。
最近は、高級路線やご当地ものなど数多くのレトルトカレーが展開されておりますが、やはり原点はボンカレーだということを心に留め置いてほしいのです。1968年の発売以来51年間、変わらぬ定番のおいしさとして浸透していながらも、新たな味の開拓にも挑戦していることがおわかりいただけたのではないでしょうか。
「ボンカレーネオ」や「ボンカレーGRAN」など新しい味も登場してバリエーション豊かになったボンカレーは、これからもレトルトカレーの王道であり続けてほしいですね!
趣味も仕事もゲーム漬けだった人生から脱却を図り模索中。ホビーや生活雑貨記事などを書かせていただきます。