ラーメンとご飯を一緒に食べるラーメンライスは、昔から人気のセットメニューです。特に、濃厚な豚骨醬油スープの家系ラーメンとライスの組み合わせは最高においしいですよね。ですが、その味を自宅で再現しようと思ったとき、ふとした疑問が頭をよぎりました。一体、ラーメンライスには、どんなお米が合うのだろう? というわけで実際に食べ比べてみました。
自宅でラーメンライスを楽しむなら、カップ麺+レトルトご飯が簡単
検証で使用したのは、明星食品「明星 麺神カップ 家系豚骨醬油」。極太麺に、豚骨醬油スープ、チャーシュー、ほうれん草という、家系ラーメンのスタンダードな組み合わせです。家系ラーメンの再現度が高い一杯
今回は、濃厚な味と本格的な太麺が人気を博す「明星 麺神」シリーズから、「明星 麺神カップ 家系豚骨醬油」を使って、お米3銘柄を食べ比べてみました。食べ合わせるお米は、手軽さを重視して「サトウのごはん」をチョイス。銘柄は事前にリサーチを行い、こってり系の味に合うとされる3種類を厳選しています。食べ方は各銘柄ともに、【1】ラーメンと交互に食べる【2】ご飯をスープに浸して食べる、の2通りを試し、筆者が最終的に星5点満点で評価していきます。
パックご飯は1人前が電子レンジで簡単に作れて便利ですよね
選んだブランド米は次の3つ。「コシヒカリ」「つや姫」「あきたこまち」。「サトウのごはん」シリーズは、電子レンジで約2分チンするだけでホカホカのご飯ができあがる、パックご飯の人気ブランドです。1人前ごとにパック詰めされていて使いやすいのはもちろん、保存料が不使用ながら賞味期限が1年と長いのも魅力。忙しい社会人が常備食として買い置きするのにピッタリですね。
さっそく、「明星 麺神カップ 家系豚骨醬油」と「サトウのごはん」3銘柄を順番に食べ合わせてみます。はたして、どの銘柄が家系カップ麺に合うのでしょうか……!?
まずは「新潟県産コシヒカリ」。電子レンジで2分間加熱して完成!
日本米の代表的銘柄と言える「コシヒカリ」。日本各地で生産されていますが、なかでも新潟県産のものが有名で、「サトウのごはん」では「新潟県産コシヒカリ」という商品名で販売されています。「コシヒカリ」は米の甘味が強く、粘り気のある食感が特徴。味がはっきりしているので、こってりとした豚骨スープと相性のよさが期待できます!
麺とスープを食べながらご飯をつまみます
まずは交互に食べてみます。甘さが強くもっちりとした食感のご飯は、麺を食べた後の脂っこくなった口でも、しっかりと旨味が感じられました。また、ご飯の甘い後味によって豚骨スープの旨じょっぱさがより鮮明に。歯応えのある麺と粘り気のあるご飯という異なる食感を食べ合わせることで、何口目でも麺のおいしさが感じられるのもよかったです。
ご飯をスープに浸し、雑炊状にして味の一体感を楽しみます
次に、ご飯をスープに浸してひと口。豚骨の濃厚な味にご飯の甘味が負けておらず、お互いを引き立て合う感じ。食感がやわらかくなってしまったのが惜しいところと思いましたが、やわらかいご飯が好みの人にはおいしく感じられそう。
相性度合い:★★★☆☆
次は「つや姫」。その名のとおり、レンチンするとツヤツヤしたご飯に仕上がりました
「つや姫」は山形県が10年かけて開発した銘柄。炊くとつややかな光沢があり、粒立ちがはっきりとしているのが特徴です。粘り気が少ないため食感は比較的あっさりめ。冷めても上品な甘さが持続することと、粒立った食感のよさは、スープに浸したとき適度に食感が残り、こってり味のアクセントになるはず……!
麺とスープを食べて、「つや姫」をひと口
まずは麺をすすり、スープを飲んでから、「つや姫」を食べてみます。豚骨のこってりとした後味の中に、「つや姫」の旨味がほのかに感じられます。いわゆる、おかずの濃い味でご飯を食べ進めるのと同じ感覚ですが、2口目からは、より「つや姫」の旨味がわかるようになり、ご飯の後味が残る口に麺を運ぶと、麺の甘味とスープのコクがより際立つように感じました。
「つや姫」をスープに浸します
次に、「つや姫」をスープに浸して食べてみます。スープに浸してもご飯の粒がわかるほどの食感があり、スープの味を感じながらご飯を嚙みしめていくのが心地よいです! 交互に食べるよりもスープに浸して食べるほうが、「つや姫」とカップ麺の味がより楽しめました。
相性度合い:★★★★☆
最後は「あきたこまち」。写真ではわかりづらいですが、ご飯は小粒です
「あきたこまち」は、秋田県で誕生し、「コシヒカリ」と「奥羽292号」を交配した銘柄。そのため、甘味や旨味が強いという、「コシヒカリ」と似た特徴を持っています。米は全体的に小粒ですが、弾力があって型崩れしにくく、しっかりと食感が残ります。これはスープに浸したときの食感に期待が持てるはず。また、冷めても味が落ちにくいという特性もあり、ゆっくり食べてもおいしさが持続します。
スープを飲んだ後に「あきたこまち」をひと口
まずは麺とスープと「あきたこまち」を三角食べしてみます。麺→「あきたこまち」→スープの順に食べると、麺の甘味とスープの旨じょっぱさがうまく中和されて、麺とスープの新鮮な味わいが長く楽しめました。「あきたこまち」自体の味は比較的あっさりしているので、口をうまくリフレッシュさせる“繋ぎ”のような役割を果たしているのでしょう。豚骨の脂っこい味がご飯の甘味に押し流される感じがいいですね。
型崩れしにくいとのことで、スープにがっつり浸してみます
次に、スープに浸してみます。「あきたこまち」は粒感が魅力とのことで、がっつり浸してみましたが、口に含むとご飯の粒感がしっかりと感じられて歯応えが楽しい! ご飯はしっかりスープを吸い込んでいますが小粒なので味が濃くなりすぎず、ちょうどいい旨味に仕上がっていました。弾力ある歯応えもいい。三角食べの際は麺とスープの引き立て役になるのに対し、スープに浸して食べたときは「あきたこまち」が主役となる感じでした。
相性度合い:★★★★★
今回食べ比べてみてわかったのは、麺・スープと交互に食べる食べ方では銘柄による差はあまり出ず、スープに浸して食べるときは銘柄の個性がはっきりと出たこと。ラーメンライスはラーメンとライスを順番に食べるなら、銘柄にはこだわらなくてもよく、それよりもボリュームを重視したほうが、満足感が上がるだろうという印象です。
スープに浸して食べるときは、ある意味ご飯が主役となるため、銘柄の個性がはっきりと分かれました。お茶漬けにも向いている「あきたこまち」が強かったのは、ある意味順当な結果だったと言えるかもしれません。ただ、「コシヒカリ」の強い甘味や、「つや姫」の粒立った食感が好みという人もいるかと思います。また、カップ麺の味によっても相性が変わるはずなので、いろいろと試して、自分のベストなラーメンライスを見つけてください!