これは衝撃的! “飲む”「フリスク」がデビューしました。
商品名は「FRISK SPARKLING(フリスク スパークリング)」。ダイドードリンコが、世界で初めて「FRISK(フリスク)」のライセンスを使って飲料化しました。
「フリスク スパークリング」。2024年5月27日発売。メーカー希望小売価格は1本183円(税別)
「フリスク」といえば、ミント系タブレット菓子のロングセラー。眠気解消や口臭対策として長年愛用している人も多いでしょう。そんな名作が炭酸飲料になるとは……、どんなものなのか気になります。
ということで今回は、「フリスク スパークリング」の味をレビューするとともに、本家「フリスク」を食べながら飲んで、どんな変化が生じるかもチェック。まだ本商品を飲んでいない「フリスク」ユーザーはぜひご一読を!
まずは「フリスク」の概要から。
このブランドは、1986年にベルギーの薬局で錠菓(じょうか)として誕生。商品名は、北欧で「フレッシュ」を意味する「FRISK」という言葉が由来で、日本ではカネボウフーズ(現在のクラシエ)が1992年にベルギーのフリスク社と契約して輸入販売を開始しました。
現在はさまざまなフレーバーがあり、定番は「フリスク ペパーミント」(写真下)。大粒の「フリスク ネオ」などのシリーズもラインアップされています(写真上は「フリスク ネオ ペパーミント」)
その後フリスク社は、1995年にオランダのペルフェティ・ファン・メレ社のグループ傘下に入り、今に至ります。ちなみに「チュッパチャプス」や「メントス」も同社の商品で、「フリスク」同様に日本ではクラシエが販売しています。
見るからにクールな爽快感を想起させるロゴは各国共通。なお、パッケージにはペルフェティ・ファン・メレ社のライセンス商品だということも記載されています
ただし今回の販売元は、ダイドードリンコ。その背景は、クラシエがソフトドリンクを手掛けていない(粉末飲料はあり)ことも関係しているはずです。また、ダイドードリンコは自動販売機に強いメーカーであり、炎天下の外出時に本商品が活躍するには、自動販売機での販売が適しているという側面もあったと考えられます。
ダイドードリンコのプレスリリースによると、「フリスク スパークリング」を開発した第1の理由としては、2023年の炭酸飲料市場が、人流回復と環境変化による需要増で2022年比109%と伸びたことがあげられるそうです。
また、同社の調査によれば、コロナ収束後に「日々の健康が幸せに繋がる」と感じる人が最も多く、「心身ともに健康でいる」「ストレスをためない」「疲れをためない」などの健康意識もより高まったとか。
こうしたニーズの上昇をきっかけに、リフレッシュイメージの高い「フリスク」ブランドとのコラボ飲料に機能性関与成分GABAを配合し、ストレスや疲労感を軽減するベネフィットもウリにした「フリスク スパークリング」が誕生しました。
GABAは1本(250mL当たり)28mg配合。その他、エネルギーは4kcalで糖類は0g。カフェインなどの成分は入っていないので、エナジードリンクとは異なるカテゴリーかと思われます
では、いよいよ試飲。液色もチェックするためにグラスへ注ぐと、半透明でスポーツドリンクに近いイメージの色です。そして、炭酸のガス圧は特別強いわけではなく、普通。パッケージに“強刺激”とうたわれていたので、少し意外でしたが、あくまでも刺激的なのは味ということでしょう。
強炭酸水やコーラのような、バチバチするほどのガス圧パワーはありません
香りも、ミントフレーバーは実物のミントリーフほど強くありません。近いのはモヒートシロップで、全体的に香りはおだやか。どこか、カルピスのような乳酸菌飲料のニュアンスや、レッドブルなどのエナジードリンク調の風味もかすかにします。
香りは想像以上におとなしめ。となると、ますます味が気になります!
そしてひと口……。なんと! ファーストインプレッションは、控えめな甘酸っぱさのクリアな爽快感ですが、口の中で広がったときと飲み込んだときの冷涼感がハンパない! 味は、ほんのりとしたミント風味とともに、ライムなどの柑橘を混ぜたような飲みやすいテイスト。
味のイメージだけなら、モヒートからべーススピリッツのホワイト(シルバー)ラムを抜いた感じとも言えそうな。また、炭酸ガスのキックはそこそこですが、適度なチクチク感は心地よかったです。加えて、このクールなアタックはすぐさま鼻へも広がり、実に「フリスク」らしいスースー感が味わえます。
鼻呼吸をすると、スースーとしたおなじみの刺激がよりわかりやすく感じられます。この個性的なギミックは、この商品ならではの体験と言えるでしょう
この体験は、タブレット、キャンディ、ガムといった固形物であれば珍しくないものの、ドリンクとしては斬新。商品特徴としてうたわれているGABAの効果を実感するのは難しいですが、ひんやりした味わいがリフレッシュ気分にいざなってくれることには、強く同意できます。
せっかく手元に本家「フリスク」もあるので、本家を食べてから「フリスク スパークリング」を飲むという、ブースト効果も試してみました。というのも、「フリスク」を食べてから冷たい水や炭酸水を飲むと、サディスティックにひんやりしませんか? 「フリスク」×「フリスク スパークリング」だと、一体どうなってしまうのでしょうか。
ということで、まずは定番の「フリスク ペパーミント」から。
「フリスク」は2021年に、3層構造のタブレットへとリニューアル。従来品に比べ約1.3倍の大きさにサイズアップしたほかに、3層の中間層に「緑茶抽出物」を配合し、キレイな息が30分続くようになったのだとか
「フリスク ペパーミント」は、1粒でもしっかりと口の中を爽快にしてくれます。そこに冷たい「フリスク スパークリング」を流し込むと、思ったとおりに清涼感がブーストされ、味が濃くなるとともに、炭酸ガスのチクチク感をより刺激的に感じられました!
では、大粒の「フリスク ネオ ペパーミント」ではどうでしょうか。
「フリスク ネオ」は硬いので、一気にゴリゴリかむのは注意が必要です
「フリスク ネオ ペパーミント」は粒の大きさ以上に、硬さが特徴。ゴリゴリとしたハード食感が印象的ですが、ミントの刺激は通常サイズの「フリスク ペパーミント」とそこまで変わらず。とはいえこちらも、ブースト感はしっかり。
いずれにせよ、「フリスク ペパーミント」も「フリスク ネオ ペパーミント」も、食べたあとに「フリスク スパークリング」を飲むと、特に炭酸の刺激に関しては覚醒感が高まり、眠気覚ましによさそうです。
自宅で飲む際は、くれぐれも冷たくして飲んでください。ぬるいとポテンシャルが発揮されません
「フリスク スパークリング」の味について、ちまたでは「まずい」と噂されているようですが、筆者個人の結論としては「普通」です。たとえば、ミントタブレットやミントガムは、単純に味だけで比べてしまうと、一般的にフルーツ系のタブレットやガムのほうがおいしいと感じられるはず。その感覚と同じで、「フリスク スパークリング」もフルーツジュースのような“うまさ”を感じられるわけではないですが、当初想像していたものよりは飲みやすい味に仕上がっていると思いますし、「味にも妥協したくない」「おいしいドリンクでありたい」というメーカーの意図は感じました。
何と言っても「フリスク スパークリング」は、口内や鼻をスースーさせる効果が絶大で、暑い日にはかなりおすすめできます。ただ、タブレットの「フリスク」に期待できる、息をキレイにする効果は弱そうなので、あくまでも止渇やリフレッシュ用と言えるでしょう。もし暑い日に、自販機や店で本商品と出会ったら、確実にご指名を!