選び方・特集

いま「コーラ」界が熱い! 超定番からレアモノまで、8種類を飲み比べ

いま日本でコーラの革命が起こっていることをご存じでしょうか。クラフトビールならぬ、世界初の「クラフトコーラ」が誕生して話題となっているのです。それが「伊良コーラ」。2018年にブランドが立ち上がり、ファーマーズマーケットや各種イベント、パートナー店舗などで提供されてきましたが、総本店が満を持して2月末にオープン。買いやすくなり、ますます注目されそうです。

そこで今回は、世界のド定番であるコカ・コーラとペプシコーラをはじめ、PBや激安系まで、さまざまなコーラの飲み比べをしてみました。味わいの評価軸とマッピング付きで、それぞれの特徴をチェックしていきます。

コーラは「コカ」や「ペプシ」だけじゃない! ディスカウントストアなどで見かけたことがある人は多いと思いますが、いろいろなコーラがあるのです

今回用意したのは、国内で比較的入手しやすいこちらの8商品。“ゼロ”や“トクホ”ではないレギュラータイプを選んでいます。

・コカ・コーラ
・サントリー ペプシコーラ
・伊良コーラ
・キリン メッツ ブラック
・サンガリア ロサンゼルスコーラ
・神戸居留地 LASコーラ
・バリューライン コーラ
・LDC コーラ

そもそもコーラって何?

「コーラ」という名前は、製造時にアフリカ原産のKola(コーラ)という植物の実のエキスを使ったことに由来しています。飲料としてのコーラは、19世紀にアメリカの薬剤師が作ったのが始まり。最初は柑橘やスパイス、そしてコーラの実のエキスを加えた、エナジードリンクのような位置付けだったようです。あの独特の黒い液色も、コーラの実の成分から出ています。

その後、コカ・コーラが登場したことにより、コーラの名前は世界的に知れ渡ります。独自の進化を遂げたコーラも次々と生まれました。そして現在では、小規模の工房にて、こだわりの原料と製法で作るクラフトコーラが脚光を浴びるなど、コーラの世界はますます盛り上がっているのです。

ということで、コカ・コーラやペプシコーラがメジャーすぎて商標名かと思うかもしれませんが、「コーラ」というのはドリンクの種類の名前。世界中の飲料メーカーが、オリジナルのコーラを販売しています。
※ちなみに、商標となっているのはコカ・コーラの愛称である「コーク」(Coke)。特にアメリカで有名ですね。

前置きが長くなってしまいましたが、いよいよ飲み比べていきましょう!

【1】コカ・コーラ

1886年、アメリカのアトランタで生まれたコカ・コーラ。以来、世界中で愛され続ける超定番商品です。個人的には「さわやかになる、ひととき」と「No Reason」のCMが忘れられません。独特の味わいと炭酸の刺激が、気分をリフレッシュしてくれます。

●内容量:500ml ●カロリー(100mlあたり):45kcal

●内容量:500ml ●カロリー(100mlあたり):45kcal

改めて飲んでみると、フレーバーのすばらしさと甘み、酸味、香味などの要素のバランスのよさがよくわかります。あまりになじみ深いので刷り込まれているだけかもしれませんが、「コーラといえばやっぱりこれ」という感じの抜群の安定感、説得力のあるおいしさです。ハンバーガーやタコスに合わせたいコーラはどれ?と聞かれたら、やっぱりコカ・コーラでと答えてしまいます。

世界のコカ・コーラのすぐれたバランスを再認識

世界のコカ・コーラのすぐれたバランスを再認識

【2】サントリー ペプシコーラ

清涼感のある青をベースにしたデザインでおなじみのペプシコーラ。今回のバージョンは、コーラ好きの日本人に合わせて作られた、塩と和柑橘フレーバーが隠し味の「ジャパンコーラ」です。

●内容量:490ml ●カロリー(100mlあたり):47kcal

●内容量:490ml ●カロリー(100mlあたり):47kcal

視覚的な印象もあるのかもしれませんが、青々としたクールな爽快感がペプシにはあると思います。柑橘感豊かな酸味というか、コカ・コーラとはまた違うフレッシュなフレーバー。どちらも甲乙つけがたいですが、とにかくこれも安定感のある味です。

余韻がスっと消える感じの鋭いキレも特徴的。和柑橘の影響なのか、どことなくやさしいおしとやかなニュアンスがあって、「コーラはちょっとキツい」と感じ始めた人にはぜひ試してほしいです。「サブウェイ」をはじめとする野菜が多めのサンドイッチや、マルゲリータのようなジャンクすぎないピッツァには、コカ・コーラよりもこちらのほうが合う気がします。

鋭いキレのある味わいが、さまざまな料理に合いそう

鋭いキレのある味わいが、さまざまな料理に合いそう

【3】伊良コーラ

これですよ。東京・下落合に誕生した、世界で唯一のクラフトコーラブランド「伊良コーラ」。100年以上前のコーラのレシピに基づいて作られています。現在ではコーラの実が使われていないコーラが大半を占める中、こちらはコーラの実をぜいたくに使用。15 種類以上のスパイスと柑橘類が加えられています。

こちらは正確には「クラフトコーラ 魔法のシロップ」という商品名で、魔法のシロップ1:炭酸水3の割合で割ると、クラフトコーラができあがります。

●内容量:250ml ●カロリー(100mlあたり):割って飲むため不明。Mサイズ(250 ml)で2,950円

●内容量:250ml ●カロリー(100mlあたり):割って飲むため不明。Mサイズ(250 ml)で2,950円

飲むときは炭酸水で割ります。スイーツにかけたり、お酒と割ったりしても美味。キューバリブレのベースにすると激ウマな気がします

飲んでみると、さまざまなスパイスが入っていることがわかりますが、特にシナモン、クローブ、しょうがといった温かくて甘いニュアンスのフレーバーを強く感じます。駄菓子屋さんでよく買っていたコーラパウダーの構成要素それぞれを、もっととがらせたイメージとも言えるでしょう。情熱的でエキゾチックで大人な味は、四川麻婆豆腐やスパイスカレーに合いそうです。

クラフトコーラよりも、スパイスコーラと言ったほうが、味のイメージは伝わりやすいかもしれません。モクテル(最近日本でも人気が出てきている、アルコールの入ってないカクテル)っぽい新しさもあり、このコーラがバーで出されても違和感はないと思います。

粗挽きのホールスパイスが入っていて、飲んだ後にそれらがグラスの底に残るリアル感が楽しい

粗挽きのホールスパイスが入っていて、飲んだ後にそれらがグラスの底に残るリアル感が楽しい

【4】キリン メッツ ブラック

強炭酸の刺激でキレよく楽しめる、爽快な味わいの強炭酸コーラです。人工甘味料は不使用とのこと。ちなみにペットボトルの「キリン メッツ コーラ」は特定保健用食品(トクホ)ですが、こちらは通常の商品で、カロリーも普通です。

●内容量:350ml ●カロリー(100mlあたり):44kcal

●内容量:350ml ●カロリー(100mlあたり):44kcal

コカ・コーラともペプシコーラとも違いますが、「ああ、これはおいしいコーラだ」と思える、完成度の高い味です。コカ・コーラがパッションの爽快感、ペプシコーラがクールな爽快感なら、メッツはスマートな爽快感という印象。キレもなかなかの鋭さ。炭酸はしっかり強いけどきめ細やかで、素直で優等生。ものわかりのいい感じがします。

スッと入り込んでくる、きれいな味わいが特徴

スッと入り込んでくる、きれいな味わいが特徴

【5】サンガリア ロサンゼルスコーラ

「みっくちゅじゅーちゅ」などで知られる関西の飲料メーカー・サンガリア。こちらのコーラは、ドン・キホーテなどで買うことができます。1990年代から2005年まで発売していた商品を、ファンの声に応えてリバイバルした復刻版です。

●内容量:350ml ●カロリー(100mlあたり):17kcal

●内容量:350ml ●カロリー(100mlあたり):17kcal

いったい何が“ロサンゼルス”なのかはナゾですが、シンプルでストレートな味がアメリカンってことなのかもしれません。しっかりとしたパンチはありながら、キレは強めでクドさはありません。

ただ、ちょっとケミカルな余韻も感じました。これはカロリーをひかえめにしつつ、甘さを出すための甘味料のせいかもしれません。

わずかにケミカルなニュアンスを含んだ、LAチックな味わい

わずかにケミカルなニュアンスを含んだ、LAチックな味わい

【6】神戸居留地 LASコーラ

サンガリアに続き、こちらも関西から。食品卸・メーカーの富永貿易が販売している、カリフォルニアのきらめく陽光をイメージしたというコーラ。業務スーパーなどで買うことができます。ちなみに「LAS」は、「Los Angels Sunshine」の略だそうです。

●内容量:350ml ●カロリー(100mlあたり):42kcal

●内容量:350ml ●カロリー(100mlあたり):42kcal

今回の紹介した中で最もライトな印象。甘みや酸味といった要素の主張がおとなしく、爽快感ももう一歩。実際、お手頃価格で売っているんですが、悪い言い方をすれば、チープ感は否めません。ほかに比べるとぼんやりした印象もあって、飲み飽きる感じもありました。

軽い飲み味と、コスパを重視ならこの1本

軽い飲み味と、コスパを重視ならこの1本

【7】バリューライン コーラ

ローソンの100均「ローソンストア100」で販売されているPBのコーラ。「ローヤルクラウン・コーラ」という世界シェア3位のコーラ原液を使用し、日本国内の工場で製造されています。

●内容量:1000ml ●カロリー(100mlあたり):31kcal

●内容量:1000ml ●カロリー(100mlあたり):31kcal

比較的、カラメルフレーバーと甘さが豊かな印象。いっぽうで酸味はおとなしいですが、炭酸はしっかり強めで心地いい刺激を感じます。世界三大コーラの原液を使っているからか、低価格なのにチープな感じは皆無。どことなく、ラベルの色味バランスがウルトラマンをほうふつとさせるのは筆者だけでしょうか……。

コクのある甘みをしっかりと感じて、安いのにおいしいコーラ

コクのある甘みをしっかりと感じて、安いのにおいしいコーラ

【8】LDC コーラ

「ライフドリンク カンパニー(LIFEDRINK COMPANY)」という会社のオリジナル商品で、ブランド名の「LDC」はこの頭文字をとったもの。甘さひかえめ、低カロリーで、気軽に飲みやすいコーラです。

●内容量:1500ml ●カロリー(100mlあたり):8kcal

●内容量:1500ml ●カロリー(100mlあたり):8kcal

炭酸がおとなしめで、甘さはあるもののややケミカルです。キレが少し足りなくて甘ったるい感じもありますが、これはカロリーを抑えるための苦肉の策ではないかと思われます。

トータルで言えば価格が安く、ほどほどの糖分(カロリー)で、ヘルシーさとできる限りの自然な甘さを両立させている点はすごくイイと思います。

カロリーが低くて、そこそこナチュラルな甘さが特徴

カロリーが低くて、そこそこナチュラルな甘さが特徴

久しぶりに飲むとそのおいしさに驚く!

8種類のコーラを飲み比べてきました。味わいマップを作るとこんな感じになります。

伊良コーラは割って飲むドリンクのため、カロリーはセンターにしています

伊良コーラは割って飲むドリンクのため、カロリーはセンターにしています

それぞれのNo.1はこんな感じ。
・バランスNo.1:コカ・コーラ
・柑橘系爽快感No.1:ペプシコーラ
・スパイス感No.1:伊良コーラ
・コスパNo.1:ローソンストア100

社会全体で健康志向が高まっているのもあり、大人になってからコーラを飲む機会が減った人は少なくないでしょう。筆者も同じです。でもだからこそ、久しぶりに集中して飲んでみて、コーラのポテンシャルの高さに改めて気付かされました。

「ジョジョの奇妙な冒険」のセリフに「確実!そうコーラを飲んだらゲップが出るっていうくらい確実じゃッ!」とあるように、飲み比べていると何度もゲップが出ました

特に注目のクラフトコーラ「伊良コーラ」は、まさに大人のコーラ。ちまたではレモネード専門店の人気が出てきているようで、クラフトコーラも、これからさらに注目されるはずです。皆さんもこれを機に、もう一度コーラに目を向けてみてはいかがでしょうか?

中山秀明

中山秀明

食の分野に詳しいライター兼フードアナリスト。雑誌とWebメディアを中心に編集と撮影をともなう取材執筆を行うほか、TVや大手企業サイトのコメンテーターなど幅広く活動中。

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