絵の具や墨など筆に付着した汚れのお手入れ。筆者はこれまで何となく水洗いや石けん水で済ませてきましたが、使い込むうちに取り除けなかった汚れがたまり、筆が硬くなっていることが何となく気になっていました。もう寿命だと思って廃棄しようかと思っていた際に発見したのが今回ご紹介する商品「筆シャン」。その名のとおり、筆専用のシャンプーです。
直径4.2×高さ13cmほどのボトル入り。容量は100mlで、約250プッシュ分とのこと
筆用のシャンプーといっても、はたしてどのようなものなのか見当もつきません。パッケージには成分として、陰イオン性界面活性剤、植物酸と書かれています。この成分で墨汁や絵の具に含まれている筆を硬くする素(もと)を取り除くことができるのだとか。
陰イオン性界面活性剤とやらに秘密がありそう…
物は試しとさっそく使ってみました。使い方は、ポンプを押すと泡状の液体が噴出するので、それを筆に付けるだけ。後は毛を洗うように筆をもみ押しながら洗い、最後に水かぬるま湯ですすぎます。酸性の液体なので、アルカリ性の洗剤と混ぜたり、皮膚の弱い人はゴム手袋などでガードしたほうがよいとのことです。
息子が学校で使っている書道用具から筆を2本拝借。いい加減にしか洗っていないので、毛の部分は根元からガチガチに固まっている状態
ポンプをワンプッシュすると、泡になった筆用のシャンプーが出てきました
使ってみると、ワンプッシュの一泡程度でも筆に付いた汚れが泡に吸着されるように除去されていきました。普通に洗っただけでは取れないであろう墨がすっかり落ち、元の姿に戻って感動です。今回は、かなり手入れを怠った筆でテストしたため、少し時間がかかりましたが、こちらの商品でマメに手入れをしていればラクに筆がキレイになると思います。これさえあれば、高級な筆や愛用の筆がより長く使えそうですね。
指先に泡を取り、筆の毛の部分を揉(も)み洗い。墨が頑固に付着しすぎていて「本当に取れるのか?」と半信半疑でしたが、次第に毛が柔らかくなっていきました
シャンプー後の筆を乾かすとご覧のとおり! 元の姿に戻り、「ちゃんと毛筆だったんだ!」と感動しました
ガチガチに固まって、力を入れて押してもビクともしなかった筆が柔らかくしなるまでに見事復活!
こちらの筆シャン、洗車用の洗剤などを製造販売する広島県のリピカが、同県の筆メーカー仿古堂(ほうこどう)と共同開発した商品です。仿古堂には、筆の根元に墨が固まる「墨だまり」になった筆の修理依頼が数多く寄せられ、どうにかならないものかと洗剤メーカーのリピカと筆シャンを開発するに至ったのだそうです。広島が生んだ筆シャン、書道や絵画をたしなむ方には必需品になるかもしれませんね。
日々のムダをとにかく省くことに執念を燃やす母ライター。好きな言葉は「時短・節約・自作」。なのに非生産的な活動にも必死になることも多々。意外にアウトドア、国際派。