満足度94%の醸造所見学ツアーと「新・よなよなエール」の魅力に迫る

「クラフトビール」説明できる? その日本代表「新・よなよなエール」の醸造所に潜入!

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ヤッホーブルーイングが手がけるクラフトビールのラインアップ。写真一番右の「よなよなエール」は旧タイプ(後述)

突然だが、「クラフトビール」とはどんなビールのことを指すのか皆さんは説明できるだろうか?

近年、専門店が続々とオープンしたり、スーパーマーケットやコンビニエンスストアでも缶入りタイプが並ぶなど、クラフトビールは日本人の生活に浸透してきた。

でも、その定義を問われると、はっきり説明できる人は多くないのではないだろうか。

そこで、ローソンでよく目にする缶入りクラフトビール「よなよなエール」を作っているヤッホーブルーイングに聞いてみた。同社によると……、

「クラフトビールとは、小規模な醸造所が作る、多様で個性的なビール」とのこと。

補足すると、かつて日本のビール市場は、大手ビールメーカーの寡占状態にあり、ビールの種類はラガータイプのものしかなかった。ラガータイプとは、今で言うアサヒビールの「アサヒスーパードライ」やキリンビールの「キリン 一番搾り」などだ。

しかし、1994年の酒税法改正以降、日本においても小規模な醸造所を持つビールメーカーが多く誕生。現在国内には200以上の醸造所があると言われており、そこで作られているビールを「クラフトビール」と呼ぶ。

なお、そのクラフトビールの種類は、ラガータイプよりも香りや味わいが華やかなエールビールが多い。たとえば、「よなよなエール」は、「アメリカン・ペールエール」という種類のエールビールだ。ラガーとエールの違いは追って説明しよう。

ヤッホーブルーイングによると、大手5社が牽引するビール市場全体は縮小気味だが、クラフトビール市場は年々成長しているという

そんなクラフトビール業界を牽引するヤッホーブルーイングはどんな“多様で個性的なビール”を作っているのだろうか。長野県佐久市にある同社醸造所の見学ツアーに参加させてもらったので、その模様をお届けする。

また、2017年9月7日、ヤッホーブルーイングは、「よなよなエール」のレシピを1997年の発売後初めて刷新することを発表。その新製品「新・よなよなエール」についても紹介する。

10月中旬より店頭で順次切り替え販売される「新・よなよなエール」

10月中旬より店頭で順次切り替え販売される「新・よなよなエール」

人気イベント「よなよなエール 大人の醸造所見学ツアー」に潜入!

長野県佐久市にあるヤッホーブルーイングの醸造所

長野県佐久市にあるヤッホーブルーイングの醸造所

ヤッホーブルーイングは、誰でも参加できる「よなよなエール 大人の醸造所見学ツアー」を2010年から開催している。2017年は、7月8日から10月15日の土日祝日を中心に実施しており、同社スタッフが施設内を案内しながらクラフトビールの魅力を教えてくれる。1時間ほどのツアーの最後には、同社ビールのテイスティングもあり!

ツアーの初めに、スタッフが同社で作るビールの基礎知識をプレゼンテーション。ちなみに、今回のツアーには筆者を含めて12人が参加。最終日の10月15日までに約3000人の来所が見込まれるという。なお、参加者の多くが東京などの関東圏在住者だとか

まずは、世界中にあるビールの種類をマッピングしたパネルを披露。その数は実に約100種類にも及ぶという。しかし、日本で飲まれている99%以上(出荷ベース)のビールは、ラガービール(正確には、ラガーの一種「ピルスナー」というスタイルのビール)で、これは100種類のうちの1種類でしかない。それに対し、この醸造所で作られているビールは、エールビールだ

ここで、ビールの作り方を解説。ビールの原材料はラガービールもエールビールも同じで、実は4つしかない。酵母、水、ホップ、モルト(麦芽)だ。

左から、酵母、水、ホップ、モルト。エールビールの中には香り付けのためにスパイスやハーブを入れるタイプもあるが、基本的にはこの4つ

大麦を一度発芽させてから乾燥したものがモルト。写真は、「よなよなエール」に使われるモルトの一種「キャラメルモルト」だ

ホップはつる性の植物で、その一部「毬花(まりはな)」と呼ばれる部分がビール作りに使われる。苦みづけのほか、ホップ香や泡持ちをよくするなどの役割を担う

ビールの作り方の基本的な流れは次の通り。とてもシンプルだ。

麦芽と水で麦汁を作り、そこにホップを加えて香りと苦味をつける。さらに酵母を入れると、麦汁中の糖分がアルコールと炭酸ガスに分解されてビールができ上がる

ひと通りビールの説明が終わると、いざ醸造所内へ。ここからは、「よなよなエール」ができるまでを、所内を歩きながら説明を受ける。

「よなよなエール」の製造工程。先ほどのビールの作り方をより詳しく説明したものだ。一連の工程を約3週間かけて「よなよなエール」は作られる

説明するスタッフの後ろにあるのが麦汁を作る釜。ここで粉砕した麦芽とお湯を混ぜ合わせて麦汁を作ったり、ホップによる香りと苦味づけが行われたりする。ちなみに、ラガービールは軟水を使うが、「よなよなエール」は硬水を使用

ここで麦汁の試飲。麦芽中のでんぷん質が糖分に変わっているため、とても甘い

ここで麦汁の試飲。麦芽中のでんぷん質が糖分に変わっているため、とても甘い

麦汁は冷やされて、この発酵タンクに送られる

麦汁は冷やされて、この発酵タンクに送られる

発酵タンクでは麦汁中の糖分をアルコールと炭酸ガスに分解するわけだが、その発酵に使われる酵母がエールビールとラガービール(ピルスナー)で異なる。これが2種類のビールの味わいを分ける一番大きな違いなのだ。

「アサヒスーパードライ」や「キリン 一番搾り」などのラガービールを作る際は、「ラガー酵母」を使う。「ラガー酵母」は、5℃くらいの低温で発酵させるのが特徴。凝集性があるため酵母同士がくっつき、タンクの下のほうに沈んで発酵するので「下面発酵酵母」と言われている。この製法により、のどごしスッキリな味わいのビールができ上がる

一方、同社が作るエールビールは「エール酵母」を使用。20℃くらいのやや高めの温度で発酵させるのが特徴で、酵母が液体の上のほうで発酵するので「上面発酵酵母」と言われている。「エール酵母」は香り成分を作るのが得意で、複雑なアロマのビールが生み出せるため、エールビールはラガービールよりも香りが華やかで味わいもしっかりしているのだ

麦汁を酵母で発酵させて作り出されたビールは、貯酒タンクに送られる。

貯酒タンクでビールを2週間ほど低温で熟成させる

貯酒タンクでビールを2週間ほど低温で熟成させる

そして最後に、ビールを缶に詰めるベルトコンベアのある部屋へ。ビール缶はその敵である空気が入らないように「巻締」という形成工程で缶にフタをする

レギュラー品から期間限定ビールまで試飲できる!

醸造所内にあるバーカウンターで試飲スタート!

醸造所内にあるバーカウンターで試飲スタート!

醸造所見学の終了後、待ちに待った試飲タイムが始まる。ここでは、試飲させてもらった同社ブランドを紹介しよう。

なお、「よなよなエール」は醸造所取材当時、まだ旧タイプが出されていたので、追って刷新版を紹介する。また、苦味度に関しては、「アサヒスーパードライ」がだいたい「25」くらいと言われている(数字が高いほど苦味が強い)ので参考にしてほしい。

働く女性が週の真ん中でくつろぐ姿をイメージ
「水曜日のネコ」
メーカー希望価格:267円(税別)
スタイル:Belgian White
色度:5
苦味度:11
アルコール:5.0%

オレンジピールとコリアンダーシードを使用。苦味は少なめで、フルーティーな香りと甘酸っぱい味わいが特徴だ。前菜やチーズに合わせて飲むのがオススメ


軽井沢エリアで限定販売
「軽井沢高原ビール シーズナル2017」
メーカー希望価格:257円(税別)
スタイル:American ESB
色度:28
苦味度:40
アルコール:5.5%

毎年味わいを変えるシーズナル製品。2017年版は「ESB=Extra Special Bitter」というスタイルだが、苦くはなくペールエールスタイルに似た味わいでさまざまな料理に合う。穏やかでやさしいモルト感と落ち着いたホップが特徴で、ゆったり飲み続けたくなる


BBQのお供に!
「軽井沢高原ビール 夏季限定」
メーカー希望価格:315円(税別)
スタイル:Session wheat IPA
色度:19
苦味度:45
アルコール:4.5%

新品種ホップ由来のトロピカルな香りが特徴。軽井沢産小麦「ゆめかおり」由来の口当たりのよさが楽しめる。スタイルは、ややアルコール度数が高く、ホップの風味が強くて苦味がある「IPA=India Pale Ale」だが、本製品はゴクゴクいける飲みやすさがある

  • 軽井沢高原ビール 夏季限定

  • 参考価格 -

  • 2017年9月15日 12:16 現在


「青鬼」のごとく強烈なホップの苦味
「インドの青鬼」
メーカー希望価格:267円(税別)
スタイル:India Pale Ale
色度:22
苦味度:62
アルコール:7.0%

ホップの強烈な苦味と高いアルコール度数にハマる人が続出する魔性のビール。カレーや餃子、麻婆豆腐と一緒に食べると、ほどよい刺激が楽しめる


珍しい日本の黒ビール
「東京ブラック」
メーカー希望価格:267円(税別)
スタイル:Robust Porter
色度:220
苦味度:37
アルコール:5.0%

ローストアロマが顕著なうえに、しっかりとしたモルト感もあり、コーヒーのような香りと味わいが特徴。チョコレートやバニラアイスなど、甘いものと合わせるのがオススメ


発売から20年目で初のリニューアルを成し遂げた、新生「よなよなエール」

最後に、1997年に発売され、日本のクラフトビール市場を牽引してきた1本「よなよなエール」を紹介しよう。同製品のコンセプトは、「家庭でも飲める手軽な本格エールビール」。ここ10年で販売量は10倍に増加した日本のトップ・オブ・クラフトビールである。それが今回、最大の特徴である香りをブラッシュアップし、ヤッホーブルーイングが思う「理想のよなよなエール」の味を実現したという。

「新・よなよなエール」
メーカー希望価格:248円(税別)
スタイル:American Pale Ale
アルコール:5.5%

左が旧「よなよなエール」で、右が「新・よなよなエール」。パッケージは、月の黄色と麦畑の緑色が明るく鮮やかにリニューアルされている

「新・よなよなエール」は、そのアイデンティティといえる柑橘類を思わせる香りを最大限に引き出すため、アロマホップ「カスケード」を増量。さらに、「カスケード」をより引き立てるために、ブレンドするホップの品種を変更した。それにより、グレープフルーツやレモンのような柑橘類のフレッシュかつ鮮やかな香りを実現している。

もうひとつの進化ポイントは、ゆったり長く続くホップ香。飲む前に鼻にグラスを近づけると感じるホップ香が、ビールを口に含みのどを通ったあとも心地よく留まり続ける。

新旧タイプを飲み比べ。もともと柑橘類のような華やかな香りが特徴だったが、それがよりフレッシュに鮮やかに表現されていた。個人的には苦味が新タイプのほうが少なく、より飲みやすくなった印象だった。そして、ホップの長い余韻がビール好きにはたまらなくイイ!

「新・よなよなエール」は、10月中旬からコンビニやスーパーマーケットの店頭で順次切り替え販売される。

【まとめ】クラフトビールへの追い風続々! 「よなよなエールの超宴」も開催

「大人の醸造所見学ツアー」は、2016年の来場者アンケートで94%という高い満足度を記録した人気ツアー。通販サイト「よなよなの里」から予約できるが、日程は残り少ないのでお早めに。参加料金は1人1,000円(税込)だ。

でも、魅力あるツアーとはいえ、場所は軽井沢。遠くて行けないという人は、10月7日に東京・神宮外苑軟式球場で行われる「よなよなエールの超宴」に参加してはどうだろうか。同社の15種類を超えるビールとこだわりのフードや音楽が楽しめるイベントで、2000〜3000人の来場が見込まれているという。こちらは事前チケット制だ。

クラフトビール業界は今後さらに伸びるとされている。2018年4月には原材料拡大によって「発泡酒」とされていた飲料が「ビール」と名づけることができるようになったり、ビール酒税が2026年までに段階的に引き下げられたりして、クラフトビールがより親しみやすくなる環境が整いつつある。増加している外国人観光客の数や、多様で個性的なビールを求める市場ニーズもクラフトビールへの追い風となるだろう。そしてその市場をこれからも牽引するのは、ヤッホーブルーイングの「新・よなよなエール」であることは間違いなさそうだ。

牧野裕幸(編集部)

牧野裕幸(編集部)

月刊アイテム情報誌の編集者を経て価格.comマガジンへ。家電のほか、ホビーやフード、文房具、スポーツアパレル、ゲーム(アナログも含む)へのアンテナは常に張り巡らしています。映画が好きで、どのジャンルもまんべんなく鑑賞するタイプです。

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2017.11.17 更新
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