第二次大戦時のイギリス軍の戦いを描いた映画「ダンケルク」が絶賛公開中ですが、そこに登場する戦闘機「スピットファイア」にすっかり心を奪われてしまったのは私だけでしょうか。映画を観終わって思いました、「スピットファイア超かっけー!プラモ作りてー」って。スピットファイアに限らず、日本の零戦を筆頭に、この時代の戦闘機って、それぞれストーリーがあって胸熱。そこで、ダンケルク公開にちなみ、同時代の戦闘機プラモを作ってみることに。初心者でも簡単にできて見栄えのするモデルを探した結果、ちょうどいいシリーズがあったので紹介します。
でもこのシリーズ、肝心の「スピットファイア」が入ってないんですよね……。
2017年9月19日新発売の1/72スケール 塗装済みプラモデル 彩シリーズ(童友社)全6種。価格はいずれも2,000円(税別)。
そうなのです。今回選んだ「1/72スケール 塗装済みプラモデル 彩シリーズ」(童友社)は、第二次大戦中に活躍した人気戦闘機6種のシリーズなのですが、スピットファイアは含まれていません。残念。
でも、完全塗装済みで組み立てが簡単なので、作る喜びと完成の達成感を手軽に味わえそう。プラモデル作りの導入としてはもってこいですね。シリーズ6種を全部作ってずらりと並べたらきっとかっこいいはず!
シリーズ全6種のラインアップは、「零戦52丙型 第252海軍航空隊」「零戦52丙型 元山海軍航空隊」「F4U-4 コルセア」「F4F-3 ワイルドキャット」「P-51D マスタング」「P-47Dサンダーボルト」。零戦以外は全部アメリカの戦闘機ですね。さっそく「零戦52丙型 第252海軍航空隊」から順番に作っていきます。零戦は、言わずと知れた日本製の艦上戦闘機で、2,200kmの長大な航続距離と20mm機関砲2門の重武装などで大戦初期の日本を優勢に導きました。
全6種。1個2,000円(税別)なので、好きなモデルを選ぶもよし、シリーズ全部大人買いするもよし
零戦52丙型 第252海軍航空隊」の全パーツ。パーツ数は約25個とかなりお手軽
説明書はこの見開きのみ。工程はたった2工程。ちょろいちょろい!
道具は、接着剤、ピンセット、やすり、ニッパーの4点があれば最低限OK
さすが、“組み立て簡単”を製品名でうたっているだけあり、パーツは全部で25個程度。かつ、組立工程も挿し絵3つで完結。パーツのサイズも常識的(先日手伝いで作成した「ミレニアム・ファルコン」のプラモデルなどと比べたら)なので、箱を開けた途端に気持ちがなえることもありません。ただ、簡単に作れるものの、ニッパーでパーツを切り取ったり、プラモ用の接着剤で取り付けたりする基本的なプラモデルの作り方は同じ。工程が少なく、パーツもそこまで小さくないので、これから本格的にプラモデルを作ってみたい人の練習用として向いてそうです。
コックピットの椅子を取り付けたらいきなりそれっぽい形に
エンジン部分の取り付けはちょっとだけ苦労しました。このくらいのストレスはむしろ歓迎
両脚付けたらもうこれで半分くらい完成
燃料増槽も付けます。裏面の日の丸もリアルに再現
カウリング付けたら8割完成
接着剤をつけすぎるとキャノピーが汚れてきたなくなるので注意
プロペラを装着
もう完成!!
ひとつ目なので、それなりに説明書とにらめっこしながら慎重に作りましたが、それでも20分程度で完成しました。ある程度プラモデル作ったことある人でしたらパーツ見ただけで勘で作れそうです。逆に完全に初心者の人の場合、説明書が簡潔な分、「本当にこれであってる?」と不安になる可能性も。もう少し説明書がていねいだとありがたいかもです。
プロペラはちゃんと回ります
ブーン
宙返り
さっさと全部作って並べなくてはいけないのに、ひとつ目を作り終わって飛ばして遊んでいたら目的を忘れそうになりました。2個目に移ります。
2つ目は「零戦52丙型 元山海軍航空隊」。「零戦52丙型 第252海軍航空隊」と何が違うのだろう?と思ったら、プロペラの鼻の部分と日の丸の色、エンジン内部の色が異なることが発覚。こういったきっかけで機体自体に詳しくなっていくのも、プラモデル作りの楽しさのひとつですね。
鼻が赤い方が「零戦52丙型 元山海軍航空隊」。個人的にはこっちの方がかわいくて好み
完成。こうして見ると零戦ってやっぱりカッコイイです
さて、3つ目はアメリカの「F4U-4 コルセア」です。パーツ数も製作過程もほぼ同じなのですが、最初に一番大きな本体パーツを持ってみてちょっとびっくりしました。なぜかって…重いんです。このコルセアさん、ボディが大きめなこともありますが、零戦のふわっとしたボディと比べるとかなりどっしりとした重量感があります。爆弾のほかにロケット弾がいくつも装備されていたり、機体のマークやプロペラ横の蛇柄など、デザイン面でもオシャレだったり、漠然と「アメリカってすげーや」と思いました。
独特の主翼の形で存在感のあるコルセアさん
爆弾2つにロケット弾8基装備。タイヤなどのパーツもよく見ると零戦に比べて作りが精密な気が……
大きなプロペラの風圧の問題で主翼の形が独特になっているそうな。プロペラの塗装もオシャレです
「18」って何? なんだかわかんないけどカッコイイ
後日メーカー担当者さんにプラモの重さと本物の機体の重量は比例しているのか聞いてみたところ、そんなことはなく、単純に零戦の主翼の薄さを再現したら軽くなったとの回答がありました。アメリカ製の戦闘機のデザインに“余裕”を感じてちょっとうらやましくなりつつ、やはりシンプルで余分な遊びのない性能勝負の零戦の漢気に惚れ直したところで、残り3機のアメリカ製戦闘機を一気に作ります。
4つ目「F4F-3 ワイルドキャット」。鮮やかなイエローの双翼とグリーンの尾翼が素敵
脚の構造が特徴的
塗装済みなのでパーツを切り取ると塗装がはげる部分あり。油性マジックでちょこっと塗るといい感じに隠せます
完成。本当に戦闘機?というレトロでキュートな色合いです
5つ目「P-51D マスタング」。だいぶ疲れた……
機体前面の両サイドにあるギザギザは何だろう?と思って調べたら、どうやらエンジンの排気口であることが判明。またひとつつ詳しくなれました
裏面のオイルクーラーがなぜか別付け
はい、完成
ここまで一気に作ってきましたが、似てると思っていた戦闘機も、キャノピーの取り付け方やエンジンの構造が異なるなど発見があり、それぞれ個性的で面白いです。それは置いておいて、さすがに疲れました。
ラスト1機!!
6つ目、ラスト!「P-47Dサンダーボルト」。ネーミングのかっこよさでは個人的ナンバーワンです
シリーズで唯一、選択可能なパーツがついています。爆弾か増槽か選べるので、爆弾をチョイス
完成!!!! 「Bic Ass Bird」のペイントがかわいい
1機あたり20分程度とはいえ、6機全部1人で作るのは結構な根気と集中力を要しました。組み立ては簡単ではあるものの、それなりに細かい作業で神経を使うので頭と手の疲労感はあり、ちょうどいい具合の達成感が味わえました。また、作りながら機体の特徴などがわかるので、1機だけではなくシリーズ全部大人買いすると、戦闘機と歴史がぐっと身近に感じられるようになり、より愛が深まると思います。
なにはともあれ完成!さっそく、シリーズコンプリート! ということで並べてみました。ご覧ください。
作ったどーーー!
それぞれデザインの特徴は覚えました。ちょっとマニアックな会話に入れそうです
アメリカの戦闘機は裏もオシャレ
「あ、その節はどうも」的な
「コルセアさんってカッコイイですよね、モテるでしょう?」「零戦さんだって世界最強とか言われてVery Coolっす」