CAシリーズが2年半ぶりにフルモデルチェンジ

オーディオ的進化を遂げるカワイ電子ピアノ! オンキヨー共同開発の「CA98」登場

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デジタル楽器は、電子回路を持つからこそ、時代にあわせてさまざまに発展するのがおもしろい。ここでは、河合楽器製作所(以下、カワイ)の電子ピアノ“Concert Artist”シリーズに注目していこう。このたび、2年半ぶりに新モデル3機種が発表された。オーディオメーカーであるオンキヨーと共同開発することで、デジタルとアナログの両面から“オーディオ的な進化”を遂げているのがポイントだ。

新しい“Concert Artist”シリーズは、最上位機種「CA98」が380,000円、「CA78」が295,000円で2017年10月20日発売。「CA48」は195,000円で11月10日に販売される(いずれも税別)。写真はCA78(左)と、CA98(右)

カワイのハイエンド電子ピアノが2年半ぶりにフルモデルチェンジ!

“Concert Artist”シリーズは、アーティストが弾くグランドピアノの再現を追求したカワイのハイグレード機。今回発表された3機種の登場で、実に2年半ぶりのフルモデルチェンジとなる。2017年6月に発表された、同社創業90周年記念モデル「NOVUS NV10」の技術を多く応用しているのも特徴だ。まずは、高品位設計の上位機種CA98/CA78をまとめて見ていこう。特に「音質」と「操作性」にこだわって設計されている。

両モデルとも、鍵盤には、グランドピアノと同じシーソー式の「グランド・フィール・アクションII」を搭載。支点距離がグランドピアノと同等で、鍵盤の奥側をタッチした場合でも十分なストロークが確保できるようにしている。

内部には、カワイ製フルコンサートピアノ「SE-EX」を含めた多種多様なモデリング音源を搭載しており、CA98は88種類、CA78は66種類の音色を備える。さらに、新しい音源再生モードである「ピアニストモード」が追加されたのも特徴だ。これは、SK-EXの音をさまざまな位置から1音ずつマルチチャンネル収録してサンプリングした「88鍵モデリング」を採用した音源。各種の共鳴音まで忠実に表現し、グランドピアノ特有の複雑で豊かな響きの再現を狙っている。

最上位モデルのCA98

最上位モデルのCA98。詳細は後述するが、本機にのみ搭載される新開発技術も満載

CA98/CA78とも、従来モデルで評価の高かった木製鍵盤「グランド・フィール・アクションII」を引き続き搭載する

さらに、鍵盤部の左には、視認性の高い800×480ドットのカラー液晶タッチパネルを搭載する。これは高級モデルNOVUS NV10から受け継いだ仕様で、直感的なタッチ操作で音色や機能の切り替えが行える。

800×480ドットのカラー液晶タッチパネル。ちなみに右の画像は、新しく搭載された「ピアニストモード」から「リッチ」の音色を選択したところ

そのほか、機能面ではBluetooth機能にも対応。スマホ/タブレットとペアリングして、本体内蔵のスピーカーでワイヤレス音楽再生も楽しめる

オンキヨーのオーディオ技術を搭載

そして音の再生部には、NOVUS NV10のテクノロジーがもっとも多く応用されている。NOVUS NV10は、オーディオメーカーのオンキヨーと技術提携することで、出力されるピアノ音の再生品質を高めていることが特徴だったが、CA98/CA78ともその技術をそのまま継承した形だ。

具体的には、音の解像度を高める「1-bit processing」や、可聴帯域外からの混変調ノイズを抑え可聴帯域の聴こえ方を向上させる「DIDRCフィルター」といった、オンキヨーの独自技術を採用。また、音声信号の増幅回路にはオンキヨー製パワーアンプ「Premium Amps」を搭載するほか、ヘッドホン出力部にも両社共同開発のディスクリート構成のアンプモジュール「Discrete SpectraModule」を備えている。

CA98/CA78に搭載されるオーディオ再生部の内部基板

CA98/CA78に搭載されるオーディオ再生部の内部基板

オンキヨーが長年のオーディオ開発で培った高音質技術を多数投入している

オンキヨーが長年のオーディオ開発で培った高音質技術を多数投入している

最上位機CA98だけの魅力! パワーアップした響板スピーカー

さて、ここからは、最上位モデルであるCA98ならではの仕様を紹介しよう。CA98とCA78の大きな違いは、内部に搭載するスピーカーのグレードだ。下位モデルのCA78は、16cmウーハー、8×12cmフルレンジ、5cmツイーターを2基ずつ搭載する3ウェイ構成。対してCA98は、独自の「響板スピーカー」に、4基の8cmフルレンジと2基の2cmドームツイーターを組み合わせている。

ポイントとなるのは、やはり「響板スピーカー」。そもそも、グランドピアノの迫力のある音は、ハンマーで叩いた弦の振動を響板に響かせることで生まれるものだ。このグランドピアノの響きを再現するため、従来“Concert Artist”シリーズの最上位モデルには、ピアノ背面に響板を配置する「響板スピーカーシステム」が採用されてきた。

今回発表されたCA98では、この響板スピーカーが刷新され、新しく2基の加振器を搭載する「TWIN DRIVE 響板スピーカー」仕様にパワーアップ。幅広い帯域を加振して音を響かせられるように「低音用」と「中高音用」の2種類の加振器が新開発された。これによりピアノとしての“響き”を進化させ、グランドピアノの音の再現性をより高めているのが大きな魅力だ。

CA98の背面。緑枠で囲った部分が響板スピーカー

CA98の背面。緑枠で囲った部分が響板スピーカー

こちらはCA78の背面。通常の板パネルとなっている

こちらはCA78の背面。通常の板パネルとなっている

CA98に響板スピーカー内部に搭載される加振器。低音用の「Vibtone-115」は大振幅できる駆動力を持ち、中高音用の「Vibtone-36」は通常のオーディオスピーカー用のものより大きめのユニットになっている

響版の内側に、それぞれの加振器が配置されている

響版の内側に、それぞれの加振器が配置されている

従来の響板スピーカーではピークディップが発生し、振動がちゃんと伝わらない部分もあったという。今回の新しい加振器によってインピーダンスが改善され、正確な振動伝達が行えるようになった

さらにCA98は、フルレンジとツイーターも、オンキヨーが開発した新しいユニットを採用する

さらにCA98は、フルレンジとツイーターも、オンキヨーが開発した新しいユニットを採用する

CA98の音声信号の流れイメージ。内部の信号処理からスピーカーユニットにいたるまで、オンキヨーのオーディオ技術により徹底的に高音質化を図っている

新開発の鍵盤を搭載する普及価格帯モデル「CA48」

もうひとつ、上述の2機種と同時発表されたCA48にも触れておこう。こちらは普及価格帯のモデルで、オンキヨーのオーディオ再生技術や、液晶タッチパネルによる操作機能などが省略されている。鍵盤には、新開発の「グランド・フィール・スタンダード・アクション」を搭載。ピアノ音は、SK-EXとEXのモデリング音源を内蔵し、13cmフルレンジと2.5cmツイーターを2基ずつ搭載するオーディオシステムで、豊かに広がる音場再現を図っている。

普及価格帯のCA48。写真はプレミアムライトオーク調のモデル

普及価格帯のCA48。写真はプレミアムライトオーク調のモデル

新開発の「グランド・フィール・スタンダード・アクション」鍵盤。こちらもグランドピアノと同じシーソー式で、従来モデルより支点を長くすることでタッチ感を向上させた

CA48は液晶タッチパネルではなく、物理キーのコントロールパネルを搭載。3桁表示パネルを採用することで、メトロノームのテンポ表示や曲選択がしやすいようになっている

【動画アリ】プロのピアニストも太鼓判!“音に表情がある”ピアノ

カワイが開催した製品発表会では、ピアニストの圓谷綾乃さんによる演奏も行われた。圓谷さんはCA98の弾き心地について、「音に表情があり、ずっと演奏していても飽きません。音場に奥行きがあり、まさにグランドピアノのようです。また、タッチ感の再現がとても忠実。乱暴なタッチで弾いたときには、よくない音がちゃんと出る。しっかりとタッチの感覚を養っていけるピアノです」とコメント。演奏の様子は、ぜひ以下の動画を参照されたい。

新しい“ピアニストモード”の中では、“リッチ”の音色モードがお気に入りという圓谷さん。「その名の通り響きがリッチで、演奏会でグランドピアノを弾いているみたい」とのこと

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杉浦 みな子(編集部)

杉浦 みな子(編集部)

オーディオ&ビジュアル専門サイトの記者/編集を経て価格.comマガジンへ。私生活はJ-POP好きで朝ドラウォッチャー、愛読書は月刊ムーで時計はセイコー5……と、なかなか趣味が一貫しないミーハーです。あ、90年代アニメも好き。

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2017.10.20 更新
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