レビュー

「プルーム・テック」のたばこカプセルが使えるVAPE(電子タバコ)「vPen」

喫煙者と非喫煙者の共存は、「アイコス(IQOS)」(フィリップモリス)、「グロー(glo)」(BAT)などの高温加熱式タバコではニオイの問題が残るためまだ力不足。となると期待されるのが、ほぼ無臭の低温加熱式たばこである「プルーム・テック(Ploom TECH)」(JT)なのだが、購入には予約が必要であったり、実店舗での販売は福岡県と東京都限定であったりと、現状での入手は簡単ではない。そんな中で注目が集まっているのが、「プルーム・テック」の「たばこカプセル」も使用できる「VAPE(電子タバコ)」だ。ここでは、シンプル構造のペン型で気軽に楽しめるVAPE「vPen(ヴィーペン)」(vapeonly社)を紹介する。

「vPen」には、ドリップチップ(吸い口)が通常のものとプルーム・テック対応のものの2つが付属。充電ケーブルはおなじみのmicroUSB。正しい日本語のマニュアルもつく

【関連リンク】
・電子タバコ「VAPE(ベイプ)」って何だ? 初心者向けモデルはコレ! 「アイコス」との違いは?
・VAPEのおすすめベストバイ5機種を厳選!
・おすすめのVAPE(電子タバコ)リキッド8選! 人気の定番から変わりダネまで
・【新旧比較】新型アイコス「IQOS 2.4 Plus」はどこが変わった? どう変わった?
・「glo(グロー)」は「アイコス」の欠点を解消できる? 第3の加熱式タバコをいち早く体験した
・「プルーム・テック」と「アイコス」を徹底比較! 話題の新方式タバコどっちがいいの?
・「アイコス」「グロー」「プルーム・テック」を比較! 加熱式タバコの現状をまとめてみた

キャップをつければ万年筆!? 一服してすかさずポケットにしまえる、アイコスユーザーには夢の仕様

「vPen」はペン型のVAPEだ。ノンニコチンの電子タバコ用フレーバーリキッドを注入して楽しむのが基本で、キャップがついており、胸ポケットなどにペンのようにさすことができるのが特徴。もちろんすぐに使用を中断、再開できる。VAPEとしては、アトマイザーを取り外せるので洗浄が簡単なのもポイント。アトマイザーがガラス製のため、柑橘系やメンソールのリキッドも使用できる(樹脂製だとヒビが入りがち)。プルーム・テックユーザーにはおなじみの、吸うと電源が入るオートスイッチを搭載しており、VAPE入門者でも使いこなしやすいシンプルなモデルだ。

14(直径)×140.5(長さ)mm。重量は約33g(筆者計測)。まるで輸入文具のような高級感のあるデザイン。このモデルはシルバーだが、他にブラック、ゴールド、ピンク、ブルーの計5色が用意されている

ほかのVAPEなどとサイズを比べると、こんな感じ。VAPEのモデルは一般的な「ego AIO」。プルーム・テックよりは太いが、アイコスよりは細い

ドリップチップ(吸い口)は交換式。本体上部にリキッド残量がわかる小窓が付いている。その下にあるエアホールは、吸う時に空気を供給する重要な穴。ふさぐと吸えないので注意

下部に充電用のmicroUSBポートがある。その下の穴はLEDで、充電中に赤く光る

下部に充電用のmicroUSBポートがある。その下の穴はLEDで、充電中に赤く光る

充電はこんな感じ。ACアダプターは付属しない。PCのUSBポートでひっそり充電可能。筆者の環境はMacBookなのでアダプターをかましてあるが、USB1.1/2.0ポートがあるPCなら直接挿せる。バッテリー容量は390mAh。吸い方にもよるがフル充電で約150回吸引可能だ。ただし、リキッドを満タンにしても約100回で空になるので、バッテリーを使い切る前にリキッド補充が必要となる

パーツごとに分解した様子。リキッドを注入するタンクに当たるのがアトマイザー。コイルはそのリキッドを加熱して蒸気を発生させる心臓部となる

コイルは消耗品。2週間〜1か月で焦げ臭くなったり、味が出にくくなったら専用のものと交換する。5個セットで1,000円強で手に入る

まずは通常のVAPEとして使用してみよう!

まずは「vPen」を普通のVAPEとして使ってみよう。なお、普通のVAPEとして使うにしても、プルーム・テックのたばこカプセルを使うにしても、いずれにしろ蒸気を発生させるために電子タバコ用リキッドを使用する必要があるので注意。

基本的には、VAPEとして使用する場合は電子タバコ用のリキッド、プルーム・テック互換機として使用する場合はPG(プロピレングリコール)もしくはVG(ベジタブルグリセリン)を用意しておけばよい。プルーム・テックのたばこカプセルを購入するとカプセルとともにカートリッジが入っているが、その代わりを果たすのがPGやVGなのだ。VGは粘度が高く扱いが難しいのでPGもしくはPG+VG混合液がおすすめ。また、PGはリキッドの味が濃すぎる時に薄め液として使えるし、アトマイザーの簡易洗浄や、水濡れさせられないコイルの洗浄にも使えるので、用意しておくとなにかと便利だ。

リキッドは味のよいメンソールとして定評のあるhalo社の「SubZero」を用意。プルーム・テックのたばこカプセルを使用するために必要になるPGも用意。「vPen」は細身でリキッド注入がしにくいので、先端が尖っているニードルボトル、もしくはユニコーンボトルを入手しておくと便利だ

PGおよびVGは無味無臭。また、電子タバコ用リキッドの基本成分なので、たばこカプセルと味が混ざっても構わなければ(わざと味を加えるなら)、電子タバコ用リキッドでも代用可能だ。

たとえば、
たばこカプセルレギュラー+メンソールリキッド=メンソール味
たばこカプセルメンソール+メンソールリキッド=強烈ダブルメンソール味
たばこカプセルメンソール+ピーチ風味リキッド=ピーチメンソール
という具合に、その楽しみ方は無限大である。

VAPE初心者の第1関門となるのがリキッド注入。リキッドをニードルボトルに移し替え、「vPen」のアトマイザー部分に注入する。真ん中の穴にリキッドを入れてはいけないので神経を使う。穴に入ってしまうと吸った時にリキッドを吸い上げて口に入ってしまう"ジュルり現象"が起こるので、外回り壁面に針先をくっつけるようにして少しずつ入れるのがコツ

リキッドがあふれないように小窓をチェック。小窓がリキッドでいっぱいになったらストップ

リキッドがあふれないように小窓をチェック。小窓がリキッドでいっぱいになったらストップ

コイルを取り付けたバッテリーをアトマイザーに取り付ける

コイルを取り付けたバッテリーをアトマイザーに取り付ける

これで普通のメンソールのVAPEを楽しむことができる

これで普通のメンソールのVAPEを楽しむことができる

煙の量は十分。紙巻きタバコやプルーム・テックからの移行組だと気にならないかもしれないが、こだわりのあるVAPEユーザーだと味が出にくいと感じるかもしれない。ただ「vPen」の特性は、携帯性や操作性にある。複雑なフレーバーのリキッドを使うと味の出方は確かに薄いが、刺激の強いメンソールだったらあまり不利には感じない。それなりではあるがスロートキック(喉への圧)も感じることができる。普段低タールの軽いたばこを吸っている人なら、かなりごまかされるはずだ。

いよいよプルーム・テック用たばこカプセルを吸ってみよう!

とはいえ「vPen」は通常のVAPEなので、もちろんノンニコチン。メンソールなんかでごまかされるもんか、という筆者のようなニコチン意識の高い人の救済策となるのが、プルーム・テック用たばこカプセルの装着だ。

ドリップチップをプルーム・テック対応サイズのものに変えるだけで、たばこカプセルを装着できるようになる

ドリップチップをプルーム・テック対応サイズのものに変えるだけで、たばこカプセルを装着できるようになる

たばこカプセルをはめ込むだけ。右端のプルーム・テック用のカートリッジは使わないことになる

たばこカプセルをはめ込むだけ。右端のプルーム・テック用のカートリッジは使わないことになる

プルーム・テックのたばこカプセルにもいろいろあるが、先ほど使用したリキッドはメンソールなので、レギュラーをチョイス。最近発売になったカフェモカ味のブラウンアロマを使って、ミント感のあるカフェモカというスタバ的な味わい方も可能だ

プルーム・テックよりも少し蒸気量が多くなる分、吸い込むための力(ドロー)も重くなる。紙巻きタバコ並みのドローは、喫煙者にはかえって吸いやすいだろう

普通にプルーム・テックを使用するよりも、吸い込む力が必要になるが、すぐに慣れる。何よりうれしいのは、ニコチン由来のスロートキック。メンソールのリキッドを使用することによって、かなりタバコ感は強くなる。

それでもまだタバコ感が物足りないというのなら、Lunar Rover社の「BLK」をリキッドに数滴たらすといい(写真中央)。また「vPen」には、左に山積みになっている各種フレーバーのリキッドがセットになっているものもある。いろいろ試してみるとおもしろい

とはいうものの、そうしたタバコ感への欲求は、「vPen」などのVAPEを使用するに従って、次第に収まってくることがほとんど。さまざまなリキッドの味わいを追求するうちにニコチンこそが雑味と感じて、ノンニコチンリキッドで満足するようになった人は少なくない。結果としてそれは禁煙につながる。

喫煙ライフスタイルが変わるほどの強烈なインパクトと使い勝手のよさ

周囲の目を気にする気配りスモーカーであり、ニコチンをカットする勇気はまだないという人に最適なのが、この「vPen」。ニコチン補給のためにたばこカプセルも使えるし、カプセルを使わずにVAPEとして使用することで節煙・減煙が可能だ。

「vPen」が素晴らしいのは、その機動力。胸ポケットに差し込んでおいて、吸いたくなったらすぐにポケットから取り出し、キャップを外してくわえれば、すぐに楽しめる。周囲の迷惑になるニオイの問題もほとんどないうえ、灰皿もいらない。プルーム・テック用のたばこカプセルは、使用後もそのままポケットに入れておいてもニオイは気にならないからだ。プルーム・テックなどの加熱式たばこにしようか、VAPEにしようか悩んでいる人のファーストチョイスとしてもよい製品ではないだろうか。

普通のペンのふり

普通のペンのふり

すっと取り出し

すっと取り出し

キャップをとって、モワッ

キャップをとって、モワッ

メンテナンスのために揃えておけば便利なもの

「vPen」はアイコスのように掃除をしないとたちまち臭くなるわけではないが、それなりにメンテナンスは行いたい。また、リキッドの風味を変える際は、味が混ざらないようにアトマイザーを洗浄するのも鉄則だ。コイル、バッテリー以外のそれぞれのパーツをぬるま湯で洗浄するといい。最後に、メンテナンスのために揃えておけば便利なものをまとめて紹介しておく。

・そのまま吸ってもいいし、薄め液や洗浄に使えるPG
・電子タバコ専用クリーナーで除菌消臭効果のある「Clew(クリュー)」
・外装などを拭く時に使いやすい無水エタノール
・アトマイザーの隙間など細かい部分の汚れを取りやすい赤ちゃん用綿棒

左から、PG、無水エタノール、「Clew(クリュー)」、「赤ちゃん綿棒 ごくぼそ」

左から、PG、無水エタノール、「Clew(クリュー)」、「赤ちゃん綿棒 ごくぼそ」

コイル、バッテリー以外は水洗い可

コイル、バッテリー以外は水洗い可

【関連リンク】
・電子タバコ「VAPE(ベイプ)」って何だ? 初心者向けモデルはコレ! 「アイコス」との違いは?
・VAPEのおすすめベストバイ5機種を厳選!
・おすすめのVAPE(電子タバコ)リキッド8選! 人気の定番から変わりダネまで
・【新旧比較】新型アイコス「IQOS 2.4 Plus」はどこが変わった? どう変わった?
・「glo(グロー)」は「アイコス」の欠点を解消できる? 第3の加熱式タバコをいち早く体験した
・「プルーム・テック」と「アイコス」を徹底比較! 話題の新方式タバコどっちがいいの?
・「アイコス」「グロー」「プルーム・テック」を比較! 加熱式タバコの現状をまとめてみた

清水りょういち
Writer
清水りょういち
嗜好品評論家。20年間、情報誌「月刊歌謡曲」編集長を務めた後、Webメディアを中心に執筆活動を開始。現在は買物情報サイト「特選街web」ディレクターとして活動している。「Forbes JAPAN」「ダイヤモンドオンライン」などへの寄稿多数。専門分野はタバコをはじめとする嗜好品、新商品・新技術、シェーバーなど。深い知識と鋭い視点で、商品の魅力や価値をわかりやすく解説する。
記事一覧へ
記事で紹介した製品・サービスなどの詳細をチェック
関連記事
SPECIAL
喫煙具のその他のカテゴリー
ページトップへ戻る
×