レビュー
手のひらサイズの4K対応ドローン

失敗しないドローン入門モデル。DJI「Mavic Air」実機レビュー

収納時は “手のひらサイズ” になるコンパクト機でありながら、4K 30fpsの高精細映像やフルHD 120fpsのスローモーション映像が撮影でき、3軸ジンバルによる強力なブレ補正機能も備えているという強力なドローンがDJI「Mavic Air(マビック・エアー)」です。価格.comでの最安価格は104,000円(税込。2018年3月29日時点)。今回はその実機を手に入れることができたので、実際に飛行と動画撮影のテストを行なってきました。

エントリーモデルの大本命「Mavic Air」を実機レビュー

エントリーモデルの大本命「Mavic Air」を実機レビュー

DJIのラインアップにおける「Mavic Air」の位置付け

GoProやParrotといった他の大手ドローンメーカーが、ドローン事業からの撤退や縮小を発表する中、1社気を吐くDJI。民生用のドローン市場で世界シェアの70%を持つという存在感は圧倒的です。

そのDJI製ドローンの中で、今回レビューする「Mavic Air」は、入門用中位モデルに位置づけられます。現時点における実売価格は10万4000円前後で、DJIのドローンラインアップの中では、下から2番目に安い値段となっています。

なお、DJI製ドローンを価格が高いものから低いものへ順に並べたリストは以下の通りです。

※最高価格の「Inspire」 より上位のモデルとして「Matrice」シリーズなどの産業用ドローンも存在しますが、業務用を除いて購入されることは非常にまれなためリストからは省略しています。また、「Spark」よりもさらに安い「Tello」という1万円代のトイ・ドローンも発売されていますが、厳密にはDJIが製造に協力し、RIZE Roboticsが販売するモデルであるため、こちらもリストからは省略しています。

「Mavic Air」の基本情報とスペック

「Mavic Air」には、予備バッテリーや専用トラベルバッグなどが付属するセット「Fly More コンボ」がありますが、本体のみでもセット内容は豊富で予備パーツがしっかり揃っています。プロペラやコントローラーのスティックなど壊したりなくしたりしやすい部品に予備があるのはポイント高めです。

ドローン本体のほかに専用のセミ・ハードケースやプロペラ・ガード、予備プロペラ、コントローラースティックの予備などが付属

展開時のドローン本体の様子は以下の通り。「Mavic Pro」と比べると丸みを帯びたフォルムになっています。

展開時のサイズは縦168×横184×高さ64mmで、体格寸法は213 mm。離陸可能重量は430gです

展開時のサイズは縦168×横184×高さ64mmで、体格寸法は213 mm。離陸可能重量は430gです

下面中央には2375mAhのバッテリーを備えており、カタログスペック上では最長21分間の飛行が可能。上位モデルの「Mavic Pro」から大幅に小型&軽量化しつつも、最長飛行時間は「Mavic Pro」の約27分から6分しか減っていません。ただし、実際は帰還に必要な電池残量を十分に確保した状態で着陸に向かわせる必要があるため、実質的な飛行可能時間は15分前後といったところです。

機体中央、“ お腹 ” の部分にあるのがバッテリー

機体中央、“ お腹 ” の部分にあるのがバッテリー

「Mavic Ari」の見逃せない進化点のひとつは衝突回避能力の向上。APASという高度な操縦支援システムをオンにしておけば、仮に操作ミスで障害物へ向けてドローンを飛ばしてしまっても、操縦者の指示を無視して自動で回避行動をとってくれます。

前方のみならず、下方向と後方の障害物も検知可能。死角は左右と上のみ

前方のみならず、下方向と後方の障害物も検知可能。死角は左右と上のみ

アームの先、プロペラの下にある白い突起はアンテナです。ボディから離れた場所に通信用の部品を設置することで、ノイズを避けつつ安定した通信を可能にしています。

プロペラの先にある白い突起がアンテナ。最大通信可能距離は2km

プロペラの先にある白い突起がアンテナ。最大通信可能距離は2km

前方下部にあるカメラは、上と背面、左右がボディに包まれている構造のため、衝突や墜落の際に破損しづらくなっています。また、一見すると本体に直接カメラがマウントされているようですが、実際はしっかりと3軸ジンバルの先に装着されています。

搭載されるカメラは、センサーサイズが1/2.3インチで、有効画素数が1200万。RAW形式での静止画に加えて、最大3840×2160の4K 30fps(100mbps)での動画撮影にも対応。さらにフルHD(1920×1080) 120fpsのスローモーション撮影も可能と、一般的なデジカメと比べても遜色のない性能

本体には8GBのストレージが内蔵されており、PCやMacとUSB-Cケーブルで接続してデータの取り出しができます。もちろん、microSDカードを利用することも可能です。

専用のケースに収納すると以下の写真のようになります。当然、厚さはかなり異なるものの、フットプリントとしてはスマホと大きな差がないほどコンパクトで、「ポケットサイズ」と言っても大げさではないレベルです。

付属のセミ・ハードケースをiPhone 7 Plusと比較

付属のセミ・ハードケースをiPhone 7 Plusと比較

スマートフォンを装着して使用する「Mavic Air」のコントローラーは、DJI製ドローンの上位モデルである「Phantom」や「Inspire」シリーズのコントローラーに慣れていると「小さ過ぎる」と感じる人もいるようですが、慣れれば問題ありません。ただし、何かの拍子にiPhoneがロックされてしまうと、Touch ID用のセンサーやFace ID用カメラを使ってアンロックできないのは不便。スマホの背面に指紋センサーを備えるAndroid端末を装着するほうが相性はよさそうです。

コントローラー(プロポ)はスマートフォンを下部に装着して使用するタイプ

コントローラー(プロポ)はスマートフォンを下部に装着して使用するタイプ

持ち運びの際に折れてしまわないか不安になるコントローラーのスティックは取り外して本体内部に収納できます。

コントローラーのスティックも収納可能。コントローラーも携帯性を高めることにこだわっている

コントローラーのスティックも収納可能。コントローラーも携帯性を高めることにこだわっている

動画で見る「Mavic Air」

「Mavic Air」を飛行させている様子や実際に撮影した映像のサンプルはこちらの動画でご覧ください。なお、映像は編集時のカラーグレーディングはなしで、再生速度のみ倍速などに調整しています。動画を見ると、小型ながらも高い安定性をほこり、高精細な映像を撮影できることがよくわかると思います。

※本記事は2018年3月中旬時点の航空法およびその他ドローン利用に関わる法律に基づき飛行を行っています。ドローンの飛行ルールについては国土交通省ページをご参照ください。
・撮影協力・飛行場所提供:ルネサンス棚倉(福島県)
同施設では、事前の申し込みがあればドローン利用者向けに屋外・屋内の飛行スペースの提供を行なっています。
・参考情報:日本全国にあるドローン飛行ができる施設のリスト

「Mavic Air」実機レビューのまとめ

実際に使用して感じた「Mavic Air」のよさは、とにかく持ち運びが楽なこと。上位モデルの「Phantom」シリーズに付属するケースが小型のスーツケースくらいであるのに比べて「Mavic Air」は圧倒的にコンパクトです。満員電車で移動する場合などは「Phantom」だと取り回ししづらいことが多いですが「Mavic Air」のサイズであれば全く気になりません。もちろん、アウトドアに持っていく際にも、このコンパクトさは大きなアドバンテージになります。

今回撮影した動画を見直しても不満を感じる点はほぼなく、編集のLUT処理を前提とした「D-Log」での撮影をしたい場合などを除き、十分な性能を有しています。また、全天球パノラマ写真を可能にする「スフィアモード」や複数の被写体を同時に自動検知して追尾撮影する「アクティブトラック」、手のジェスチャーで操作する「スマートキャプチャー」といった多彩なモードも、撮影の幅を広げてくれます。

あえて欠点をあげるなら、機体が小型であるため風などにあおられやすい、飛行時間が21分と「Phantom 4 Pro」や「Mavic Pro Platinum」と比べて9分程短い、といった点はありますが、いずれも許容範囲内でしょう。

携帯性にすぐれる点やカメラ性能に加えて、ほぼ10万円というコストパーフォマンスの高さも含めれば、極めて優秀な1台であることは間違いありません。「ドローン空撮を始めたい」「失敗しない入門機が欲しい」という方は、真っ先に購入を検討するべき1台と言えるでしょう。

■Mr.TATE ( Masahira TATE )
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Mr.TATE(Masahira TATE)

Mr.TATE(Masahira TATE)

世界50カ国以上を旅したバックパッカー。週間アスキー編集部などを経て、AppBankに入社。「バイヤーたてさん」として仕入れとYouTubeを活用したコンテンツコマースに取り組み、上場時は広報として企業PRを担当。現在はフリーランスで活動中。

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