新製品レポート
32bit対応DAW「Cubase AI」を標準で付属

384kHz/32bit Integer対応! Steinbergの最上位オーディオインターフェイス「AXR4T」

デジタル音楽制作ソフト(DAW)の開発で有名なドイツのSteinberg(スタインバーグ)社が、オーディオインターフェイスの新たなフラッグシップモデル「AXR4T」を発表した。Steinbergのハードウェアとして初の、32bit Integer録音再生に対応する製品となる。日本ではヤマハが取り扱いを行い、2019年3月1日に発売予定。その特徴を紹介していこう。

32bit Integer録音再生に対応するSteinbergの最上位機

オーディオインターフェイスとは、デジタル音楽制作(DTM)の必須機材だ。簡単に言うと、楽器やボーカルなどの音声をパソコンにデジタル録音するための機器である。そしてSteinbergは、価格.comでも売れ筋の「UR」シリーズや、ハイエンドモデル「UR-RT」シリーズなど、多くのオーディオインターフェイスを手がけているメーカーだ。

今回発表されたAXR4Tは、それらの上位に位置づけられるフラッグシップ機。1Uラックマウントに対応するフルサイズの筐体に、最大384kHz/32bitに対応したAD/DAコンバーターを搭載する。ハイレゾ録音シーンが増えている今、高品位な32bitでの録音再生が可能な1台として、プロの音楽制作現場にも対応する高スペックモデルである。

なお、32bit音源データには「Integer(整数型)」と「Float(浮動小数点型)」の2種類があるが、上述の通りAXR4TはIntegerモードでの録音再生に対応。ちなみに価格はオープンで、25万円前後での販売が見込まれる。

4系統のマイク/ライン入力や、8系統ずつのバランス入出力、XLR入力のほか、SPDIF(ADAT対応)オプティカル/SPDIFコアキシャルなどデジタル系入出力を装備。Thunderbolt 2経由で、3台までのデイジーチェーン接続によるシステムアップにも対応する

ヤマハの理念を融合したハイブリッド・マイクプリアンプ

現在、Steinbergはヤマハの傘下にあり、そのハードウェアには両社のシナジーが現れているのもポイントである。

たとえばAXR4Tは、フロントに4系統のマイク入力を装備し、それぞれに独立したマイクプリアンプを搭載している。このプリアンプが、アナログ部とデジタル部からなるハイブリッド構成になっていることに注目されたい。

このアナログ部は、ヤマハが掲げる「ナチュラルサウンドの追求」という理念に基づいて開発された。パーツの選択、構造、回路、電源、グラウンドに至るまで測定・検証を繰り返し、最終的には社内外のエンジニアが関わってサウンド調整を行ったそうだ。

いっぽうデジタル部には、Rupert Neve Designs社のトランスとSILKプロセッシングを採用しているのだが、こちらもヤマハの独自技術VCMテクノロジーでモデリングしている。ちなみにSILKプロセッシングは倍音成分をコントロールするもので、「Red」と「Blue」2種類のモードを装備。フロントのボタンから切り替え可能で、Redモードは中高域の倍音を、Blueモードは中低域の倍音を強調できるようになっている。

ハイブリッド・マイクプリアンプを搭載。フロント部のマイク/ライン入力はファンタム電源対応で、一部Hi-Z仕様

SILKプロセッシングのコントロールボタン。「Red」(左)と「Blue」(右)の2種類で各帯域の倍音を調整できる

視認性の高いフロントディスプレイを装備。SILKプロセッシングのモードなどの各種設定が確認可能

視認性の高いフロントディスプレイを装備。SILKプロセッシングのモードなどの各種設定が確認可能

28×24マトリクスミキサーや4種類のDSPエフェクトを装備

そのほか、内部にはヤマハカスタムメイドのDSPXチップを搭載。28×24マトリクスミキサーを装備する形となり、入力信号やDAWの出力をミックスバスにルーティングするなど、レイテンシーフリーのシステムが構築可能だ。

また、VCMエフェクトを含む4種類のDSPエフェクトを内蔵するのもポイント。70年代から人気のイコライザーを再現した「EQ 601」、レコーディングスタジオで使用率の高いアナログスタイルのコンプレッサーを再現した「Compressor 276」、リバーブの「REV-X」やチャンネルストリップの「Sweet Spot Morphing Channel Strip」を搭載している。

ヤマハカスタムメイドのDSPXチップ(上)を搭載し、28×24のマトリクスミキサー(下)を装備。なお、Mac用の「dspMixFx AXR」アプリを使えば、ミキサー、マトリックスミキサー、メーターなどのウィンドウで全ての設定をコントロールできる。各設定をシーンとして保存し、あとで自由に呼び出すことも

32bit Integer対応のDAW「Cubase AI」が標準付属!

ところで、いくらハードウェア側が32bitに対応しても、それを扱えるDAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)を用意しなくては32bit録音を生かした音楽制作は行えない。しかしAXR4Tには、同社の有名DAW「Cubase」シリーズのバンドル版「Cubase AI」が標準で付属する。大きなポイントは、このCubase AIが32bit Integerに対応していることだ。

つまり、AXR4Tを購入したその日から、付属のCubase AI を使って32bit Integerでの音楽制作をスタートできるのである(サンプリングレートは最大192kHzまでとなる)。また、入出力やDSPの設定まで、Cubase AIから直接AXR4Tをコントロールすることが可能だ。

実売25万円前後という価格帯で、最大384kHz/32bit Integer対応などの高スペックを実現しつつ、対応DAWも標準で付いてくるというのは、Steinberg製ハードウェアならではの強みと言えるだろう。

最新版のCubaseが付属するのは大きな強み。そのほかAXR4Tは、Core Audio規格をサポートするオーディオ編集、マスタリング、音楽制作ソフトウェアとの互換性を確保している

杉浦 みな子(編集部)

杉浦 みな子(編集部)

オーディオ&ビジュアル専門サイトの記者/編集を経て価格.comマガジンへ。私生活はJ-POP好きで朝ドラウォッチャー、愛読書は月刊ムーで時計はセイコー5……と、なかなか趣味が一貫しないミーハーです。

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