選び方・特集

音楽制作で使う「オーディオインターフェイス」って何? 選び方から注目機種まで徹底解説

こんにちは。ギタリストの高村尚平です。今回はレコーディングのマストアイテム「オーディオインターフェイス」とは何か? また、その活用法から選び方についても解説してみようと思います。後半では個人的に注目している機種のご紹介もしますので、オーディオインターフェイス選びの一助にしていただけたら幸いです。

オーディオインターフェイスって何?

さっそくですが「オーディオインターフェイスとは何か?」という話から始めてみようと思います。名前は聞いたことがあっても、実際何に使うものなのかを知らない人はまだまだ多いことでしょう。実際のところ、ひと昔前なら「レコーディング専用の機材」というイメージで、決して一般的なものではありませんでした。でも、現在ではレコーディング以外にも活用できるシーンが増えたため、どのようなものなのか知っておいても損はないんじゃないかと思います。

まず、その名称に「オーディオ」と付いていることからも「音を扱う製品」だということはご理解いただけると思いますが、「インターフェイス」とはどういう意味なのでしょうか。日本語にすると「仲介する」とか「接点」という意味合いだそうです。つまり、「音」を「仲介する」製品だと言えそうです。

歌にしても楽器にしても、音というのは「アナログ」なものです。昨今の音楽制作といえば、PCを使って編集作業をしているイメージをお持ちの方も多いと思いますが、アナログな素材である「音」をコンピューターで編集できるようにするためには、「デジタルデータ」に変換する必要があります。

音声を取り込むとこのような「波形」として視覚化されます。この波形を切り貼りしながら編集していきます

音声を取り込むとこのような「波形」として視覚化されます。この波形を切り貼りしながら編集していきます

この編集作業を可能にするために、アナログの音楽素材をデジタルデータに変換して取り込んでくれる機材が、オーディオインターフェイスなのです。また、デジタル化したデータを私たちに聴こえるアナログの形に変換して再生してくれるのも、オーディオインターフェイスの仕事です。要するに、音楽製作における「アナログ → デジタル → アナログ」を1台でこなしてくれる中心機材というわけです!

音楽制作以外にも使用シーンいろいろ

今までのオーディオインターフェイスは、レコーディングや音楽編集のような専門的な使い方が主でした。しかし、昨今ではリモートワークが定着してきたこともあり、使用するシーンがじわじわと増えてきています。

▼最近多いオンライン会議でも活躍

たとえば、今では一般的になった「Zoom」や「Teams」などを使ったオンライン会議。こういったオンラインでのコミュニケーションも、オーディオインターフェイスを使うことで飛躍的に進化します。接続環境としては、マイク→オーディオインターフェイス→パソコンとなります。レコーディングクオリティのオーディオインターフェイスの音声品質はPC内蔵のオーディオインターフェイスの比ではありませんから、自分の声をよりクリアに相手に届けることができます。

それに、レコーディングで使うレベルの機材ですので、本体での音声遅延はほとんど発生しません。このことにより、会話のテンポもリアルのそれに近づきます。些細なことのようですが、この部分のストレスがなくなるというのはとても大きなことだと個人的には思っています。

▼高音質音楽再生で使うオーディオユーザーも多い

また、かねてよりPCオーディオ(デスクトップオーディオ)の分野でも、オーディオインターフェイスは使われてきました。ハイサンプリングレート音源のDA(デジタル/アナログ)変換が可能なモデルを使用することで、ハイレゾなどの高音質音源を再生する使い方です。さらに、音楽だけではなくダイナミックなサウンドで映画を見るといった楽しみ方もあります。私もパソコンとオーディオインターフェイス(+アンプ/スピーカー)という環境で映画を楽しんでいますが、下手なオーディオシステムよりもよっぽど大迫力ですよ!

大変散らかっていて恐縮ですが、私のデスク周りです。オーディオインターフェイス「Babyface Pro」を中心にシステムを組んでいます

大変散らかっていて恐縮ですが、私のデスク周りです。オーディオインターフェイス「Babyface Pro」を中心にシステムを組んでいます

▼近年増えたオンライン配信で真価を発揮する

また、在宅時間が増えたことにより、オンラインでの映像配信を考えていらっしゃる方もいるかもしれません。実はこのオーディオインターフェイス、こうした配信でも真価を発揮します。その理由は、多くのオーディオインターフェイスに搭載されている「ループバック」という機能があるからなのです。

ループバックとは、パソコンで再生した音声をBGMにしながら歌ったり、しゃべったりすることができる機能です。この機能のおかげで、わずらわしいセッティングなしで配信のすべてが完結してしまうのです! これはかなり便利な機能なので、これから配信を考えているという方はぜひループバック機能が搭載された機種を選ぶようにしてくださいね。

Babyface Proの場合、「TotalMix」というデジタル・リアルタイム・ミキサーで「ループバック・モード」を活用できます

オーディオインターフェイスとマイクとパソコンを用意すれば、オンライン配信環境が構築できます。Babyface Proの場合、「TotalMix」というデジタル・リアルタイム・ミキサーで「ループバック・モード」を活用可能

▼楽器ユーザーにはオンラインセッションもおすすめ

最後に、以前1度書かせていただいたことがあるのですが、オーディオインターフェイスを使ってのオンラインセッションもとてもおすすめです! 簡単に言うと、オンライン上で集まった仲間で同時演奏(合奏)ができるんです。それもこれもすべて、オーディオインターフェイスを使うことでレイテンシーを限りなくゼロに近づけることができるから。1度この体験を味わってしまうと病みつきになりますよ!

【関連記事】
Zoom演奏会しよう! オンラインでリアルタイムセッションする方法

オーディオインターフェイスの構造

さて、そんなオーディオインターフェイスですが、使ったことのない人にはどのようなものなのか、なかなかイメージがしづらいと思います。そこで細かく解説していこうと思うのですが、まずオーディオインターフェイスには大きく分けて2つの形状が存在します。見た目から分類すると、「横置き型」と「卓上型」です。

▼横置き型

横置き型は横長の形状で、側面に入力端子や操作用のノブが取り付けられているものです。昔の音響機材は、複数台の機材をまとめてラックに取り付けて運用するラックマウント形式が主流でした。その名残を残すオーディオインターフェイスで、この形状が今でも一般的なスタイルです。もちろん大規模なシステムを組むことが少なくなってきていますから、サイズこそ当時の半分以下までに抑えられてコンパクトになっています。

このタイプは、背面にアウトプット端子を搭載することで、普段あまり抜き差ししない出力側のケーブルを背面に隠しておくことができるというメリットがあります。ラックの中など、狭い空間に設置できるのもポイント。逆にデメリットは、設置場所が限定されやすい面もあるため、使用シーンによっては使いづらく感じるかもしれないということです。

横置き型のSteinberg「UR22mkII」。小型でフロント部分にコントロール系統が搭載されているため、狭い隙間でも設置できます

横置き型のSteinberg「UR22mkII」。小型でフロント部分にコントロール系統が搭載されているため、狭い隙間でも設置できます

UR22mkIIの背面。アウトプット系の端子はすべて背面に配置されています

UR22mkIIの背面。アウトプット系の端子はすべて背面に配置されています

狭い隙間にも設置できます。この形状ならではのメリット

狭い隙間にも設置できます。この形状ならではのメリット

▼卓上型

続きまして「卓上型」ですが、こちらは横置き型と異なり、上部にコントロール系が搭載されたモデルです。インプット/アウトプットなどの入出力の位置は製品によって異なります。

この卓上型の最大の利点は、デスクの好きな場所において作業できることです。またノブが大きいものが多く、編集時のコントロールがしやすいことも大きなメリットと言えます。デメリットとしては、上部にコントロールがあるため、上述の横置き型とは違ってラックなど狭いスペースに設置して使用するような使い方ができないということです。簡単に言うと、サイズのわりに場所を取りやすいわけです。

卓上型のRME「Babyface Pro」。大きなノブで快適操作

卓上型のRME「Babyface Pro」。大きなノブで快適操作

Babyface ProのIn/Outはこのように配置されています

Babyface ProのIn/Outはこのように配置されています

このようなことから、ご自身の使用スタイルや設置場所をよく考えたうえで、どちらのタイプを選ぶかを検討されるのがよいでしょう。なお、両タイプともに、多くのモデルでインプット×2系統、アウトプット×2系統、ヘッドホン端子×1系統以上は搭載されていますので、よほどのことがない限り、自宅使用では十分かと思います。

オーディオインターフェイスの接続方法を解説

では、次にオーディオインターフェイスの接続方法について解説していこうと思います。最初に行うのは、パソコンとオーディオインターフェイスを接続すること。 主にUSB接続のものが多いので、大抵のパソコンで問題なく接続できると思いますが、なかには、Macで一般的なThunderboltやFirewire接続のものも存在しますので、この部分はよくチェックしたうえで購入してください。なお、パソコン本体から電源供給をするバスパワー駆動が採用されているものも多く、もし外出先での作業が多いようでしたら、重量のあるアダプターを運搬しなくてよいバスパワー対応モデルを選ぶと便利です。

さて、その後、ドライバーをインストールしてオーディオインターフェイスを認識させたら、次にオーディオインターフェイスにモニタースピーカーやヘッドホンなど、音を鳴らす機材を接続します。モニタースピーカーは各社より安価なモデルもたくさん発売されていますので、オーディオインターフェイスを導入する機会に1セット持っておくと便利でしょう。もちろん環境によっては音を鳴らすことができないこともあると思います。そんな場合は、ヘッドホンのみで運用することも可能です。

接続イメージの全体像はこんな感じです!

接続イメージの全体像はこんな感じです!

これで基本のセッティングは完了です。 パソコンから音声を再生してみて、モニタースピーカーやヘッドホンから音声が出力されていることを確認できれば準備完了です! これで高音質な音楽再生を楽しんだり、オンライン会議で使用する場合は、インプット端子にマイクを接続してしゃべれば、自分の声を高品位に相手に届けられるようになります。

▼楽器演奏を収録する場合

ここからは、楽器演奏を収録する場合の、インプット接続について少し解説します。入力については、インプット端子に使用する楽器やマイクを接続するだけなのですが、マイクであればXLR端子、ギターやベースではフォーン(PHONE)端子を使用します。なお、コンデンサーマイクの場合、大体のオーディオインターフェイスにはファンタム電源が用意されているので、オーディオインターフェイス側のファンタム電源をONにしておきましょう。

また、昨今、ギターのレコーディングではアンプシミュレーターというものを使うことが多く、自宅録音ではギターをダイレクトにオーディオインターフェイスに接続するケースが多くなってきました。要するにギターとオーディオインターフェイスをケーブル1本で接続するだけで準備完了するのです! 本当によい時代になったものです……(笑)。

【関連記事】※アンプシミュレーターについてはこちらを参照
無敵のギターアンプヘッド「BIAS Mini Guitar」8つの魅力を徹底解説!

もちろんマイクとギターを同時に入力することも可能で、チャンネル1にマイク、チャンネル2にギターと言った形で同時入力できます。こうすることで、弾き語りの1発録音なども簡単にできてしまいます。収録後、各チャンネルの音を個別に作り込むことができますので、スマホで1発録りをするよりも断然クオリティの高い音源が完成することでしょう!

オーディオインターフェイスに付属する音楽編集ソフト(DAW)

さて、楽器録音後の編集はどうしたらよいのでしょうか? 別途ソフトを購入しなければならないのでしょうか? ご安心ください! なんと多くのオーディオインターフェイスには、「DAW(Digital Audio Workstation)」と呼ばれる編集ソフトがバンドルされているのです。つまり、オーディオインターフェイスを購入したその日から、編集までを含めて練習を楽しむことができるわけです。続いては、このDAWソフトについてご紹介しましょう。

付属してくる DAWは製品ごとに異なりますが、メジャーなものは大体以下の3種類に大別されています。

「Cubase LE」
「Studio One Artist」
「Live Lite」

では、この3製品がどのような特徴を持っているのか少し解説します。

▼Steinberg「Cubase LE」

まずは「Cubase」(キューベース)。DAWのど定番ソフトです。どのDAWにするか迷ったらCubaseを選んでおけば安心です。少し慣れれば直感的にコントロールできますし、弱点らしい弱点のないDAWなので、初心者からベテランまで本当におすすめです。私も長く愛用しているソフトのひとつです。

▼PreSonus「Studio One Artist」

次に「Studio One」ですが、こちらは現在私がメインで使用しているDAWです。Studio Oneの最大の魅力は、その「音質」にあります。個人的な感覚ですので明言はできませんが、ほかのDAWと比べて頭ひとつ抜けた印象のサウンドです。また全体的に動作が軽いことも魅力のひとつで、後発組でありながら、ほかのソフトから乗り換えるユーザーが多いのもうなずけるクオリティです。

▼ableton「LIVE Lite」

最後に「LIVE Lite」ですが、 こちらは上記2製品とは趣の異なるDAWソフトです。直感的な操作がウリで、即興的な制作に本領を発揮します。そのため、DJやEDMといったジャンルで使われるイメージが強いのですが、実際は一般的なDAWに搭載されている機能は大体網羅されています。そのため、直感的にDAWを操作したいというバンドマンにかなりおすすめです。

ざっくりですが、オーディオインターフェイスにバンドルされることの多い3つのDAWのご紹介でした。この中から気に入ったものを選び、そのDAWが付属しているオーディオインターフェイスを選ぶというのも、オーディオインターフェイス選びのひとつの方法かもしれませんね(もちろん別売もできます)。

高村的オーディオインターフェイスの注目機種4選!

それでは、ここからは私の注目しているオーディオインターフェイスをいくつかご紹介してみたいと思います。

▼RME「Babyface Pro FS」

まずは「Babyface Pro FS」です。今回ご紹介する中でいちばん高級な機種ですが、個人的に従来モデルのBabyface Proを愛用していることもあり、さらに性能が向上したというBabyface Pro FSは最も気になる機種です。ちなみに、現在使用中のBabyface Proには1度たりとも不満を覚えたことはありませんし、使えば使うほどどんどん好きになっていくほどです(笑)。

Babyface Proはとにかく音がよい! 輪郭のしっかりとしたクリアなサウンドでありながら、しっかり立体感のあるナチュラルさを両立していて、さすがハイエンドメーカーのRMEといった感じです。過去に何台もオーディオインターフェイスを使ってきましたが、個人的にはRME製品がいちばんしっくりきます。

音源制作の力強い味方になることはもちろん、音楽再生や映画鑑賞で使用するのもアリ。実際にBabyfaceシリーズは、オーディオ用途としても愛用者が多いインターフェイスのひとつのようです。映画の場合、登場人物の息遣いまで聴こえるほど細部までクリアに聴こえるので、没入感はかなりのもの。

なお、新しいBabyface Pro FSもBabyface Proと同じく小型かつ軽量なので、持ち運びも楽々です。製品箱がそのまま持ち運び用のケースになっていることもありがたいポイント。私はこのケースで持ち運びしています。価格はちょっとお高めですが、その価格を回収して余りあるほどBabyface Pro並びにBabyface Pro FSはお買い得だと言えます。

ただ、残念ながらDAWは付属しません。しかし、本体のDSP上で動く「TotalMix FX」というデジタル・リアルタイム・ミキサーが使えます。このミキサー、1度使ってしまうと手放せなくなるほど秀逸です。すべての入力および再生チャンネルを、同時にすべてのハードウェア出力へ、ミキシング/ルーティングすることができ、本当に自由度が高くて便利です。

▼Steinberg「UR22C」

続きまして、Steinbergの「UR22C」です。私自身、2015年に発売された「UR22mkII」という兄弟機種を所有していますが、価格からは想像できないサウンドクオリティです。私が初めてオーディオインターフェイスを購入した今から20年前には、こんなに安価で音のよい製品は皆無でしたので、これから音源制作を始める方がうらやましい限りです……。

ちなみに、UR22mkIIでも十分満足なのですが、2019年に発売されたUR22Cではさらなる進化を果たしているようです。まずはUSB Type-Cで接続できるようになった点が大きいです。現在はUSB Type-Cが主流になってきているので、これはうれしい変化。UR22mkII同様バスパワーで駆動しますので、外出時も安心です。iOSでも使用できるので、iPhoneやiPadを中核に据えた小規模モバイルシステムを構築するのもよさそうですね。

さらにUR22Cでは、高性能なDSPチップを搭載することにより、さまざまなエフェクトを使えるようになっています。その中にはギターアンプシミュレーターも入っているので、音源制作の強い味方になってくれそう。そのほかにも、対応サンプリングレートがUR22mkIIでは最大192kHz/24bitだったところを、UR22Cでは192kHz/32bitに向上していることもうれしい進化です。

特に個人的に気に入っている点として、UR22CやUR22mkIIを含むURシリーズは、全体的にボディがフルメタルで頑丈なことがあります。モバイルで使用することが多い機材というのは常に衝撃と隣り合わせですから、ちょっとくらい雑に扱っても壊れないというタフさはかなりポイントが高いのです。実際私のUR22mkIIもかなりヘビーな使い方をしてきましたが(笑)、購入から5年ほどの間、1度も問題が発生したことはありません。なお、付属のDAWは「Cubase AI」となります。

▼MOTU「M4」「M2」

MOTUと言えば、DAWソフト「Digital Performer」を有する老舗メーカー。私がDTMを始めたころには、同社のオーディオインターフェイスは高嶺の花だった記憶があります。当時から音質に定評があり、MOTU好きのアーティストは今でもかなり多いと思います。そんなMOTUのオーディオインターフェイスが、2〜3万円台で手に入ってしまう時代がやってきました。先ほどのSteinbergのURシリーズ同様、これから始める方にとっては本当によい時代になったものです。

さて、このM4とM2の特筆すべき点は、ピュアオーディオ機器にも採用されるESS社製のDACチップ「ESS Sabre 32 Ultra DAC」を搭載しており、ハイエンドモデルと比べて遜色のない音質クオリティを叩き出すという点です。ピュアオーディオにも匹敵する本機で音楽再生をしたらたまらないでしょうね……。

なお、2機種の違いはインプットの数となりますので、迷ったらご自身の用途に合わせてどちらを選ぶか決めるとよいでしょう。ちなみに、現状バンド録音をしない私の場合、M2で十分事足りそうです。付属のDAWはMOTU「Performer Lite」とAbleton「Live Lite」となります。2つも付いてくるなんて、何だかお得感がありますよね!

▼Focusrite「Scarlett solo 3rd Gen」

先ほどのMOTU同様、Focusrite(フォーカスライト)も人気の老舗メーカーです。なかでも「Scarlett solo 3rd Gen」は、この赤い筐体が特徴的な1台です。

さて、そんなScarlettですが、同社の30年にも及ぶ経験を元に作り上げられたマイクプリアンプを搭載していることが大きな特徴です。新しくマイク入力部に搭載された「AIR機能」により、より自然なサウンドを収録することが可能になっています。とにかくよい音でレコーディングをしたいという方は選択肢に入れてみるとよいでしょう。

私自身が所有しているわけではありませんが、私のギター教室の生徒さんでScarlettをお使いの方がいらしゃって、一緒に録音をしたことがあるのですが、録れた音はとてもクリアかつナチュラルでした。「さすがFocusrite」といった貫禄のサウンドで、1万円台という価格からは想像できないクオリティでした。

またScarlettのすごいところは、付属のソフト群が充実していることです。DAWはAbleton「Live Lite」に加えて、Avid「Pro Tools」の3か月フリートライアルまでバンドルされてきます。Pro Toolsと言えばレコーディング業界の王者。プロの現場御用達のDAWです。そんなPro Toolsが3か月間無償で使えてしまうのです。Scarlettを購入した機会に、Pro Toolsをいじり倒してみるのも面白そうですね! そのほかにもSoftube「Time and Tone Bundle」、Focusrite「Red Plug-in Suite」といったプラグインエフェクト群が、この価格の製品に付属してくるというのですから驚き。音楽制作を充実させたい方にとって、とてもよい選択肢になりそうです。

まとめ:自分が重視する機能を考えながらオーディオインターフェイスを選ぼう

ということで、オーディオインターフェイスについて解説してまいりました。現在発売されている製品はどれもハイクオリティで、どの製品を購入されても失敗することはほぼないと思います。ただ前述の通り、製品ごとに強みが異なりますので、何を重視して使うのかを考えながら製品を選ばれるとよいでしょう。もちろん見た目だけで選んでしまってもよいですけどね(笑)。

今回ピックアップした製品以外にも魅力的な製品がたくさんありますので、ぜひご自身の使用シーンをイメージしながら楽しく選んでみてください。それでは、最後までお読みくださり、ありがとうございました!

高村尚平

高村尚平

藤沢市のギター教室「ギターの処方箋TAKAMURA」を運営するギタリスト兼講師。ギターと機材が三度の飯より好き。過去には機材メーカーに在籍し、全国で実演セミナーを開催していたほど。

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