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低音がリッチに鳴らせるF管になった「Alto Venova」

リコーダーっぽいのに音はサックス! ヤマハの新感覚楽器「Venova」にアルトバージョン登場

リコーダーみたいな見た目なのに、吹くとサックスのような音が鳴る! そんな新感覚で大ヒットしたヤマハの次世代管楽器「Venova」(ヴェノーヴァ)。このたび、そのアルトバージョンとなる「Alto Venova」(アルト ヴェノーヴァ)が発表された。2019年9月12日発売を予定し、想定実売価格は18,000円前後。従来のVenovaよりも低音をリッチに鳴らせるようになった、その魅力を紹介しよう。

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Venovaの手軽さそのまま! F管になった「Alto Venova」

ヤマハが2017年に発売したVenovaは、リコーダーに似た指使いでサックスのようなサウンドを鳴らせる「新しい管楽器」として大きな話題になった。マウスピースに付けたリードを震わせて音を鳴らすという、本格的なシングルリード楽器のスペックを持ちながら、本体はABS樹脂製で丸洗いでき、カジュアルに扱えるのもポイントだ(→初代Venovaの詳細は、こちらの記事をチェック!)。

そんなVenovaの手軽さはそのままに、低音の表現を広げられるのが、今回発表されたAlto Venovaである。従来のVenovaはC管で、音域はC40〜C64の2オクターブをカバーしていた。対して新しいAlto Venovaは、F管の移調楽器となり、F33〜F57の2オクターブを鳴らすことができる。リコーダーのような指使いで、シックで落ち着いた低音の表現が行える。

左側の2台が新しい「Alto Venova」(型番はYVS-120)

左側の2台が新しい「Alto Venova」(型番はYVS-120)

並べてみると、サイズ感の違いがわかりやすい。全長はAlto Venovaが590mmで、初代Venovaが460mm(マウスピース、キャップ付きの状態)。もちろんAlto Venovaも本体はABS樹脂製で、丸洗いできるから便利!

初代VenovaとAlto Venovaのスペック比較。詳細は後述する

初代VenovaとAlto Venovaのスペック比較。詳細は後述する

初代VenovaとAlto Venovaそれぞれの音域比較。Alto VenovaはF管の移調楽器となる

初代Venova(YVS-100)とAlto Venova(YVS-120)それぞれの音域比較。Alto VenovaはF管の移調楽器となる

基本構造は同じでも、細かい部分がアルト仕様に進化!

続いて、本体の構造を見ていこう。Venovaシリーズは、ヤマハ独自の「分岐管構造」により、円筒形でありながら円錐形管楽器のような音色を再現する。

さらに、主管を本体内部で蛇行させて配置することにより、音孔の間隔を狭めているのもポイント。音孔に無理なく指が届き、キイなどの部品数を最小限に抑えている。このあたりの基本構造は、Alto Venovaにも引き継がれている。

こちらが、サックスのようなサウンドを鳴らすポイント「分岐管」

こちらが、サックスのようなサウンドを鳴らすポイント「分岐管」

「分岐管構造」は、1993年に同社が発売したシンセサイザー「VL1」のモデル音源再生に用いられた「分岐管理論」のノウハウを活用している。「1本の円錐管は、2本の円筒管で近似される(!)」という原理を応用したものだ

主管を本体内部で蛇行させて配置している。Alto Venovaと初代Venovaでは音域が違うので、蛇行形状が異なっているのがわかる

ドレミの音孔には、安定性の高い合成素材のキイを配置。無理なく押さえることができるようになっている

ドレミの音孔には、安定性の高い合成素材のキイを配置。無理なく押さえることができるようになっているのもVenovaシリーズの特徴

1オクターブ上の音域を鳴らすときには、本体背面の「オクターブ・キイ」を押さえるというサックスと同じ方法を採用する

今回のAlto Venovaはアルト仕様になったことにより、大きく以下の2点が変わった。

ひとつは、ヤマハのアルトサックス用4C相当のマウスピースが付属すること。初代Venovaはヤマハのソプラノサックス用4C相当を付属していた。もうひとつは、サイズが大型化したことに合わせて、本体を分割できるようになったことだ。真ん中から2ユニットに分割して、洗えるようになっている。

樹脂製の専用リードとマウスピースが同梱されているので、すぐに吹き始めることができる。もちろん、自分の愛用品に付け替えることも可能だ

本体を2つに分割して洗うことができるのもAlto Venovaの特徴。はめ込むときも、本体のくぼみを目印にすればよいので楽チン

そのほか、細かい部分では「ファ」の音孔が少し変わった。初代Venovaでは、付属のアダプターを着脱することでジャーマン式とバロック式を切り替えることができたが、Alto Venovaではジャーマン式仕様(アダプターを装着している状態)で固定されている

【動画あり】プロがAlto Venovaを演奏!

ここからは、実際にAlto Venovaのサウンドをお聞きいただきたい。ヤマハが開催した新製品発表会では、Venovaでの演奏活動を行っているプロのサキソフォン奏者として、福井健太さん、高野猶幸さん、鈴木圭さんの3名が登場。「Venova Trio」として、Venovaシリーズのアンサンブル演奏を披露した。

まず以下の動画は、3本のAlto Venovaを使った演奏の様子だ。アルトのシックなサウンドが心地よい。

続いて以下の動画は、初代Venovaと組み合わせたアンサンブル演奏。2種類のVenovaを使用することで、低音から高音まで表現の幅が広がっているのがおわかりいただけるだろう。

Alto Venovaのほうが音を出しやすい!(気がする)

最後に、筆者も少しだけAlto Venovaの演奏を体験することができたので、その感想を簡単にお伝えしよう。初代VenovaもAlto Venovaもパッと見はカジュアルだが、リードを震わせて音を鳴らすリード楽器の特徴はそのままなので、初心者には音を出せるようになるまで多少のハードルがある(普通にリード楽器を鳴らすための肺活量が必要)。もちろんこれこそが楽器練習のおもしろさで、Venova にはその醍醐味があるとも言える。

しかし今回、2種類のVenovaシリーズを吹き比べてみて、Alto Venovaのほうが音を出しやすいように感じられた。コンパクトな楽器はコントロールがシビアになるという面もあるだろうし、またリードが大きいほうが息を吹き込みやすいというのもあるかもしれない。

つまりは大型化したAlto Venovaのほうが、少しハードルが低い印象なのだ。もちろん個人の感じた方によるかもしれないが、筆者的には初代Venovaよりも音が出しやすいような気がする。気になる方はぜひ、Alto Venovaで手軽なサックス風演奏に挑戦してみていただきたい。

杉浦 みな子(編集部)

杉浦 みな子(編集部)

オーディオ&ビジュアル専門サイトの記者/編集を経て価格.comマガジンへ。私生活はJ-POP好きで朝ドラウォッチャー、愛読書は月刊ムーで時計はセイコー5……と、なかなか趣味が一貫しないミーハーです。

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