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覚えておくべき要素を解説

自宅で“ひとりギター”を満喫したい! アコギソロや弾き語りを極めるための基本

こんにちは、ギタリストの高村尚平です。長く続くステイホーム生活の間に、ギターなどの楽器を始めた人も多いようですね。でも、せっかくギターを始めたものの、意外と多くの人が陥るのが「ひとりで弾いているだけではちょっと物足りない……」という問題です。

楽器を演奏するうえで、「アンサンブル(合奏)」は大きな魅力です。仲間と一緒に音楽を奏でるというのは、とても心地いい体験。でもこれは、ひとつの場所に複数人が集まらないと成り立ちません。2020年〜2021年と続くコロナ禍の状況下においては、この体験を気楽に享受することができないんですよね……。

では、ひとりだとギターは本当に楽しめないのでしょうか? いいえ、実は、ギターにはひとりでも思いっきり楽しめる演奏スタイルがあります! ということで今回は、ひとりでギターを遊び切ることのできる2つの演奏スタイルと、そこで覚えておくべき必要事項を解説していこうと思います。

【解説動画付き】ギター1本で楽しむ、2つの演奏スタイル

まずここで認識しておきたいのが、ギターはメロディも伴奏もできる楽器だということです。こういう楽器は意外と少なく、メジャーどころだと、ピアノのような鍵盤楽器くらいではないでしょうか。それ以外の楽器は、基本的に単音楽器なので、メロディを演奏することに特化しています。

もちろん、これらの単音楽器も、ギターやピアノにはない多様な表現方法があって魅力的です。ただ、楽器ひとつで演奏を完結させることができるというのは、ひとりで演奏するという観点から見て、とても大きな魅力なのです。

▼弾き語り

ギターは手と指を使って演奏するスタイルですので、演奏しながら歌うこともできます! ここが吹奏楽器のように、物理的に口をふさがれてしまう楽器との大きな違いです。日本では、このスタイルを「弾き語り」と呼び、昭和の時代から広く親しまれてきています。これがひとつめです。

▼ソロギター

では、歌うことに興味がなかったり、自信がない人はギターをひとりで楽しめないかといえば、そんなことはありません。歌わなくてもひとりで完結できるスタイルが存在します。それが2つめの「ソロギター」です。ソロギターというのは、伴奏からメロディまですべてを、ギター1本で表現してしまうスタイル。10本の指を駆使して演奏するピアノとは違い、ギターは最大6音(弦の数)までしか鳴らすことができません。そういった制限の中、工夫して演奏されるソロギターの表現には、代えのきかない魅力がたっぷり詰まっています!

今回はテーマの特性上、音を聴いてもらう必要がありますので、解説動画を用意しました。「弾き語り」と「ソロギター」で必要な基本要素を、演奏を交えながら解説しています。ぜひご覧ください!

ここからは、上記の動画で解説している内容を詳しく説明していきます。動画とあわせて以下のテキストを読んでいただくと、より理解しやすいかと思います!

ちなみに、以下の過去記事では「ギターがうまくなるコツ」について解説しています。よろしければ、ぜひこちらもあわせてチェックしてみてください。

【関連記事】
初心者必見「ギターがうまくなるコツ」をプロが解説! 上達へのルーティーンとは?

1:弾き語りに必要な3つの要素とは?(※動画:03:54〜あたりから解説)

まずは弾き語りから。弾き語りをするうえで欠かせないものを3つあげてみようと思います。これらをバランスよく身につけることで、多彩な表現が可能になりますので、ぜひひとつずつじっくりと習得していっていただけたらと思います。

▼コード

まずは、コード。日本語にすると「和音」ですね。歌詞の上に書かれている「C」とか「Am」みたいなものの総称です。ギターの場合、お決まりの押さえ方がありますので、まずはそれらのフォームから覚えてしまいましょう。なお、このお決まりのフォームのことを、解放弦(オープン)を含むことから「オープンコード」と呼んでいます。

これはCのオープンコード

これはCのオープンコード

さて、こう言うと、「たくさんコードを暗記しなきゃいけないの!?」と、テンションが落ちてしまう人もいるかもしれませんが、そこはご安心ください! 100個も覚えてくださいと言っているわけではありません(笑)。まずは、有名なオープンコードを10個も覚えれば十分! 難しい英単語を10個覚えるのに比べれば、まだ簡単なはずです。

とは言え、10個のフォームを覚えるのだってそれなりに大変なことは理解しています。なので、最初のうちは、コードのダイアグラム(図)を楽譜に書き込むことをオススメします。こうすることで、何度も目に留まるようになるため、練習を続ける中で自然と覚えることができるでしょう。

覚えておいたほうがいいであろう必須オープンコードのダイアグラムを作成してみました。初心者の方はご参考ください。ここにあげた10個のコードは覚えておいて損はないはずですよ!

覚えておいたほうがいいであろう必須オープンコードのダイアグラムを作成してみました。初心者の方はご参考ください。ここにあげた10個のコードは覚えておいて損はないはずですよ!

さて、このように練習を続け、コード名を見ただけで勝手に指が動くようになればしめたものです。こうなってくると、いよいよ歌にも気を回すことができるようになってきます。こうやって演奏と歌、両方のクオリティが上がっていき、どんどん弾き語りの魅力にハマっていくことでしょう!

▼弾き方のバリエーション

次に必要な要素が、弾き方のバリエーションです。アコギの弾き語りと言えば「ストローク」が有名ですが、ストローク以外にも「アルペジオ」や「カッティング」、ピックを使わない「フィンガーピッキング」(指弾き)など、雰囲気のことなる演奏パターンが存在します。

これらのパターンを知っていればいるほど、表現に幅が出てきます。学ぶほどに異なるタイプのレパートリーが増えて、飽きることなくギターを続けられるようになっていくことでしょう。弾き方のバリエーションについては、上の動画の06:40〜あたりから実例を出して解説していますので、ぜひご覧ください。

▼リズム

必要な要素の最後は「リズム」です。正確に言うなら、リズムのレパートリーをどれくらい持っているかです。ストロークにしてもフィンガーピッキングにしても、毎回同じパターンを弾くだけでは、聴いている人も自分も飽きてしまいますよね(笑)。

たとえば、ボサノバやサンバのように、ジャンル自体がリズムのイメージを持っていたりするくらい、リズムというのはその音楽を印象付けます。ストロークやアルペジオといった演奏スタイルごとに、できるだけ多くのリズムパターンを身につけておくといいでしょう。パターンが増えていけば、演奏により豊かな表情を加えることができるようになっていきます。

<ちなみに……>
最近はインターネットを検索すれば、有名なオープンコードにしても、弾き方のバリエーションにしても、リズムパターンにしても、すべて簡単にいろいろな情報が出てきます。それらを参考にして、あとは実践(練習)あるのみです!

2:ソロギターに必要な要素とは?(※動画:10:41〜あたりから解説)

ソロギターは、歌の伴奏をする弾き語りとは異なり、伴奏からメロディまでをギター1本で担当する演奏スタイルです。

弾き語りではコードとリズムという要素で演奏できましたが、ソロギターでは、さらに「メロディ」という要素が加わります。そのため、弾き語りに比べ、演奏難易度が少し上がります。ただ、歌を歌わなくてよくなる分、ギターに集中できますので、一概に弾き語りより難しいとは言えませんが……。

▼歌心(メロディの把握)

まず重要なのが「歌心」です。歌のうまい人をイメージしてもらうとわかりやすいと思うのですが、決して棒読みで歌ったり、変なタイミングで息継ぎをしたりしないですよね? そういった、メロディを歌わせる感覚……つまり、「歌心」を、ギターでも大切にしないといけないのです。

個人的にオススメしたい方法は、すぐに楽譜どおりに弾き始めるのではなく、はやる気持ちを抑えて(笑)、メロディパートだけを演奏するという方法。このとき重要なのが、歌い手になったつもりで、感情たっぷりに演奏することです。

こうしておくことで、いざ伴奏と組み合わせて演奏する段になっても、メロディ部分が「メロディとして」しっかり耳に入ってくるようになります。逆に、これをしておかないと、弾くのに精一杯になりすぎて、どれがメロディでどれが伴奏なのか、意識することができなくなってしまいます。

そうなると、不自然にメロディが途切れたり、一本調子な演奏になってしまったりするものです。動画でも解説しましたが、こういった演奏は、かなり不自然に聴こえてしまいます。そうならないためにも、これからソロギターを始めるなら、ぜひこのことを頭に入れておいていただけたらうれしいです!

▼メジャー・スケール(音階)の把握

さて、メロディが重要なことはご理解いただけたと思いますが、そのメロディを演奏するうえで意識しておきたいことに、「メジャー・スケールの把握」というものがあります。スケールという言葉が出た途端、拒否反応を起こしてしまう人も多いと思います(笑)。「スケール=難しい」というイメージを持っている人、多そうですもんね……(苦笑)。

でも、ご安心ください! 指板上にある「ドレミファソラシ」の位置を、ある程度把握しておきましょうねというだけのことです。

メロディというのは基本的に「ドレミファソラシ」の組み合わせで作られているため、ドレミファソラシの位置を知っているだけでも、楽曲習得のスピードが格段に上がるのです。なので、長い目で見れば、とってもお得な能力なんですよ。ちなみに、これが把握できると、先々アドリブ演奏に興味を持ったときにも役に立ちますので、早い段階で覚えておいて損はないはずです!

本記事用にスケール図を作成してみました

本記事用にスケール図を作成してみました。以下の説明をご参考ください

<Cメジャー・スケールやGメジャー・スケールって?>

さて、ある程度の演奏歴があると「メジャー・スケール」にもCメジャー・スケールやらGメジャー・スケールやら……いろいろあるということをご存じかもしれません。そうなんです、曲によって使われているメジャー・スケールが異なるのです。初心者の方は「???」となると思いますので、簡単に解説しましょう。まずは、以下のピアノの図をご覧ください。ちなみに、ここからは若干小難しい話になりますので、苦手な人は飛ばしていただいてかまいません(笑)。

ドレミファソラシドに聴こえるためには、音を全・全・半・全・全・全・半と並べる必要があります

ドレミファソラシドに聴こえるためには、音を全・全・半・全・全・全・半と並べる必要があります

ピアノを代表とする西洋発祥の楽器の場合、音階の最小単位が「半音」という刻みになります。そして、半音+半音のことを全音といいます。

最も有名なスケール「ドレミファソラシド」は、始点となる「ド」から「全・全・半・全・全・全・半」と並べることで得られます。ということは、始める音がドではなくても、「全・全・半・全・全・全・半」と鳴らせば、ドレミファソラシドに聴こえるんじゃないか? という疑問が浮かびませんか?

そう、その通りなのです! どの音から始めても、この並びにさえしてしまえば、ドレミファソラシドに聴こえるのです。ドから始めた場合、ドはCと言いますので「Cメジャー・スケール」ということになり、レ(D)から始めれば、「Dメジャー・スケール」ということになります。でも、どれもただの「ドレミファソラシド」に聴こえるわけです(あくまで聴こえ方)。

なお、メジャー・スケールの数は、半音を含むド〜シまでの数だけあります。つまり、鍵盤の数(ド〜シまでの間に配置されている白鍵と黒鍵を足した数)と同じ12通りあるということになります。そして、曲ごとにキーが異なりますので、どのキーが来ても対応できるようにしておかなければならないのです。

「12パターンも覚えるなんて無理〜!」ってなりますよね(笑)。でも、大丈夫です! ギターのいいところは、フレットをずらすだけで同じ演奏を別のキーで演奏できてしまうところです。

つまり、1パターンのメジャー・スケールを覚えてしまえば、フレットをずらすだけですべてのキーに対応できるということなのです! たとえば、Cメジャー・スケールしか覚えていなくても、全体をフレット2つ分、右にずらせば、簡単にDメジャー・スケールを演奏できます。なんというよくできた楽器なのでしょう! ということで、まだCメジャー・スケールが弾けないというそこのあなた! ぜひ今日から取り組んでみてくださいね!

というわけで、先ほどのスケール図をもう一回見てみましょう。この図のRという表記は「ルート」と読み、上記の便宜上のド(本来ドじゃなくても、音階的にドに聴こえる音)の場所をさします。

この図自体は、本来のド(C)にルートを設定しているので、Cメジャー・スケールということになります。

この図自体は、本来のド(C)にルートを設定しているので、Cメジャー・スケールということになります

▼コード

これは、弾き語りとまったく同じです。メロディを押さえながらコードを押さえることになるため、覚えたフォームをそのまま使うことは少ないかもしれませんが、オープンコードに少し手を加えた形はよく出てきますので、弾き語り同様、有名なオープンコードはぜひ覚えておきましょう!

慣れてくれば、楽譜を見たときに「あのコードが元になっているな!」と気付けるようになります。そうなれば、習得までのスピードがかなり速くなると思いますよ!

ステイホームの練習だからこそ!

今回はかなり実践的な内容になりましたが、1つひとつていねいに取り組んでいくことで満足のいく演奏ができるようになると思いますので、じっくり楽しく取り組んでもらえたらと思います。

とはいえ、ひとりで演奏を完結させられるようになるには、それなりの時間が必要になります。ひとりで練習をしていると、途中くじけそうになることもあるでしょう。そういうときに支えになるのが仲間の存在です。

でも大人になると、なかなかそういった支え合える仲間を見つけることが難しくなっていきます。そこで、ここからは個人的な活動のご紹介ですが、私はつい先日「オンライン軽音楽部-おとのわ-」というコミュニティを作ってみました。演奏を楽しむ者同士、オンラインでセッションをしたり、一緒に楽曲制作をしたりして盛り上がろうというものです。

まだ始まったばかりの部活動(笑)ですので、今後どうなっていくのか未知数ですが、練習を報告し合ったり、互いの健闘を称えあったり、セッション会や雑談会など楽しいイベントを催したり、参加者全員のモチベーションを高め会えるようなことをしていこうと思っています。もしご興味がありましたら、ぜひご参加くださいね!(※「ENERGEIA」というプラットフォーム内で運営しています。リンク先のENERGEIAにご登録いただいたうえで、「オンライン軽音楽部-おとのわ-」を検索ください。https://energeia.app/)

それではみなさん、家の中でも充実したギターライフを満喫していきましょう!!

高村尚平

高村尚平

藤沢市のギター教室「ギターの処方箋TAKAMURA」を運営するギタリスト兼講師。ギターと機材が三度の飯より好き。過去には機材メーカーに在籍し、全国で実演セミナーを開催していたほど。

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