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これからの季節は屋外演奏も楽しい

「アコースティックギター」10の魅力を徹底解説! プロがアコギを愛する理由


こんにちは、ギタリストの高村です。今回はアコースティックギター、いわゆる「アコギ」の魅力について語ってみようと思います。練習を重ねるほど、よりイイ音を鳴らせるようになっていくアコギ。そうやって時間をかけて磨き上げた自分だけの音色は、自分だけの生涯のパートナーとなることでしょう。そんなステキなアコギの魅力を多角的に、10のポイントに分けてご紹介します!

【アコギの魅力その1】やっぱり「音」がイイ

私が感じるアコギのいちばんの魅力は、ズバリ、その「音」です。自在に音を作り出せるエレキギターもおもしろいのですが、そのナチュラルで温かいサウンドは、アコギならではの唯一無二の魅力です。疲れて仕事から帰った夜も、アコギをポロンと鳴らせば、ホッとくつろぐことができます。嫌なことがあった日だって、アコギのサウンドがやさしく包み込んでくれます……。アコギには、そんな不思議な力があるのです。

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【アコギの魅力その2】幅広い演奏スタイルを楽しめる!

アコギを演奏したことのない方は、アコギというと「弾き語り」のような、歌の伴奏楽器というイメージを持たれるかもしれません。ところが、弾き語りはあくまでもアコギの1スタイルに過ぎません。実際はさまざまな演奏形態で楽しむことができる、オールマイティな楽器なのです。

コードをジャカジャカとかき鳴らしたり、ポロポロと爪弾きながら歌う「弾き語り」スタイルから、ピアノのようにメロディと伴奏をひとりで担当して演奏する「ソロギター」スタイルまで、演奏スタイルは多岐にわたり、幅広く楽しむことができます。

筆者が運営しているギター教室「ギターの処方箋TAKAMURA」による、アコギを使った演奏会の様子です

筆者が運営しているギター教室「ギターの処方箋TAKAMURA」による、アコギを使った演奏会の様子です

私が運営しているギター教室の生徒さんを例に出すと、弾き語りに憧れてギターを始め、上達とともに、より難易度の高いソロギターに興味を持つようになる……という流れが王道です。また、ソロギターに慣れてくると、よりトリッキーなスタイルの奏法に憧れるようになっていき、ギターを始めたころに憧れていたスタイルとはだいぶかけ離れた演奏を楽しんでいる生徒さんがたくさんいます(笑)。

ちなみに、歌の伴奏ができるようになるだけでも、人の集まりで演奏することができて、毎日がとても楽しくなると思います。みんなが知っている曲を演奏すれば、大盛りあがり間違いなしですよ!

【アコギの魅力その3】「どこでも楽しめる」というめずらしい楽器

なぜ、アコギという楽器がこれだけ人気なのか? また世界中で愛されているのかを考えることがあるのですが、多分これがひとつの答えだと思います。

それは「運搬性のよさ」です。先ほどあげた「幅広い演奏スタイル」が可能なことも人気の理由だと思いますが、さらに「簡単にどこへでも持ち運びできること」が、多くの人に選ばれる大きな理由になっているのではないでしょうか。

重量には個体差が大きく出ますが、一般的なアコギは1〜3kg程度です。仮に平均を取って2kgだとした場合、2Lのペットボトル1本の重さです。薄い木の板を組み合わせて作られたアコギは、見た目のサイズ感に反して、めちゃくちゃ軽いんです! いちばん大きなパーツであるボディが空洞ですからね。

ケースも軽くて、背負えるものが主流です

ケースも軽くて、背負えるものが主流です

この軽さなら、背負えるタイプのソフトケースに収納して、どこにだって持っていくことができます。 アパート・マンション暮らしの人が、家で大きな音を出すことが難しくても、公園などで練習することができるわけです。

そしてエレキギターのように電源がいらないので、本体だけ持ち出せば、どこでも演奏可能なのです。また、思いっきりかき鳴らしたいときなんかは、カラオケや音楽スタジオに持ち込んで、大音量で演奏を楽しむことができます。このように、場所を選ばずに楽しむことができるのが、アコギの大きな魅力だと思います。

これがピアノだとそうはいきませんよね……現実的に持ち運ぶことができませんから(汗)。仮に持ち運びのできるキーボードだとしても電源が必要になりますので、屋外で楽しむことはできません。こういった手軽さが、アコギを人気楽器に押し上げたのだと思います。

【アコギの魅力その4】比較的安価に手に入る!

このように魅力的なアコギですが、なんと価格も魅力的。安いものを探せば1万円程度でも購入可能です。もちろん、使用木材の質や本体の作りは値段に比例することが多いですが、3〜4万円も出せば、最初の1本としては十分なギターが手に入ります。

演奏を続けていくうちに、音や演奏性の善し悪しがだんだんわかってきて、より高価なアコギが欲しくなるものですが、高価といっても鍵盤楽器やその他の弦楽器、管楽器と比べれば安いものです。

また、大抵持ち運び用のケースが付属するので、別途購入するものはほとんどありません。この始めやすさも、アコギが広く愛されるようになった理由なのかもしれませんね。

【アコギの魅力その5】消耗品も低コスト

ギターを演奏するようになると、「弦が切れてしまったらどうしよう……」と、恐れおののく日々を過ごすようになります(笑)。実際、私がそうでした。練習中に切れてしまったらどうしよう……と、戦々恐々としていました。

ちなみに、その日は遅かれ早かれ100%の確率でやってきます。でも、大丈夫。ギターの弦交換は案外簡単です。しかもこのご時世、動画サイトで探せば星の数ほどレクチャー動画がヒットするので、ご安心ください。2〜3回張り替えれば慣れてしまうことでしょう。

しかも、ギターの弦は安いのです! 一般的なもので500〜1,000円程度です。コーティング弦という長持ちするタイプのものでも、1,000円台が相場。まとめ買いすると安かったりするので、ひんぱんに弦交換をする場合は、そういったパックをチョイスするとよいでしょう。そして弦以外の消耗品も、弦をはじくピックくらいです。こちらも1枚100円程度ですし、かなり長持ちします。

消耗品はこれくらいです。安く押さえれば、全部で1,000円以下に抑えられちゃいます!

消耗品はこれくらいです。安く押さえれば、全部で1,000円以下に抑えられちゃいます!

このように、アコギを続けるのに必要な消耗品はあまりありません。また、維持費も安いので、安心して長く続けられる楽器と言えるのです。

【アコギの魅力その6】幅広い音域(よく比較されるウクレレとの違い)

アコギを始めてみようかなと考えたとき、比較対象としてよく名前があがるのが「ウクレレ」ではないでしょうか? そのサウンドはまさに癒やしそのもの……! しかも、ギターよりも小さく軽いので、片手でヒョイっとつかんで、どこにでもラクラク持っていくことができます。正直、ウクレレの運搬性のよさにアコギは太刀打ちできません。

上からウクレレ、アコギとしてはかなり小ぶりな「0-18」、大型のアコギ「D-28」です。ウクレレの小ささがよくわかりますね

こう書くと、「じゃあ、ウクレレのほうがいいじゃん!」となりそうですが、ちょっと待ってください。アコギにはウクレレにはない魅力がたくさんあるのです!(逆もまた然りですが……笑)

まず、ウクレレの担当する音域が比較的高域に寄っているのに対して、アコギは低音から高音まで幅広く鳴らすことができます。つまり、表現の幅が広いと言えるのです。もちろんウクレレのコロコロしたさわやかなサウンドはアコギにはないものですが、アコギの持ち味は、低く響く低音から、キラっと輝く高音までを幅広く鳴らせるダイナミックレンジにあるのです。

また、弦の本数にも違いがあります。ウクレレは4本、ギターは6本です。つまり、和音をよりダイナミックに鳴らせるわけです。また、6弦を使った複雑な表現技法の数々は、アコギならではと言えるでしょう。

【アコギの魅力その7】攻略しがいのある難易度

前述のようにアコギにはたくさんのテクニックが存在します。一般的なストローク奏法にはじまり、指で奏でるアルペジオやボサノバ、さらには最近ではギターを打楽器のようにバシバシと叩きながら演奏するスラム奏法まで、本当に多岐にわたります。

また、演奏される音楽ジャンルも多く、それぞれのジャンルでテクニックが進化していっているため、すべてのテクニックを網羅することは、一生かけても難しいと思います。多くのジャンルで愛されていることからも、それくらい表現の幅を持った楽器だということがうかがえます。ここまでジャンルの垣根を超えて愛されている楽器というのもめずらしいのではないでしょうか。

ちなみに、1つひとつのテクニックの難易度が高いのもギターの特徴です。押せば鳴るとか、叩けば鳴るという楽器ではありません。左手で弦を押さえて(押弦)、右手で発音(撥弦)させる楽器なので、まずは正しい押弦と正しい撥弦を習得するところから始めなければなりません。実際、ちゃんといい音を鳴らせるまでに時間がかかります。

その上で、左手のテクニック、右手のテクニックをひとつずつ習得していくことになります。そのため、ある程度納得のいく演奏ができるようになるまでには、それなりの時間が必要となります。

でも、新しいテクニックを習得するたびに、自分の表現の幅が増えていく喜びがありますし、攻略したという達成感も得られます。ひとつのジャンルにこだわって深掘りするのもいいですし、いろんなジャンルにチャレンジして幅を広げるのも楽しいでしょう。このように、攻略しがいがあるのも、ギターの魅力なのです。

【アコギの魅力その8】子どもの情操教育にも最高!

私には2歳の子どもがいるのですが、生まれたころから子守歌代わりにアコギの音を聴かせてきました。今では子どもから「○○弾いて!」とリクエストされるがまま演奏するという、人間ジュークボックスと化しています(笑)。でも、ギターが刻むリズムに合わせて、子どもが歌ったり踊ったりしている姿を見ていると、こちらもほっこりします。

うちの子が私のマネをしてギターを弾いている図(ただ鳴らしているだけです笑)

うちの子が私のマネをしてギターを弾いている図(ただ鳴らしているだけです。笑)

生演奏なので、歌いやすいようにテンポを変えることも簡単ですし、「カポタスト」という魔法のアイテムも存在するので(笑)、子どもの歌いやすいキーに簡単に変更することができます。カラオケに搭載されているキー変更の要領で、簡単にキーを変えられます。

手前のものが、最も有名なKyser製のカポタストです

手前のものが、最も有名なKyser製のカポタストです

こうやって、一緒に音楽を楽しむことで子どもの文化的な成長もうながせますし、親と子どもが一緒に演奏を楽しんで絆も深まることでしょう。しかも、自分が上達しないと子どものリクエストしてくる楽曲難易度に応えられないので、否が応でも上達を迫られるという面も(苦笑)。上達できる上に、子どもが喜んでくれるなんて……まさに一石二鳥ですね!

ちなみに、運搬性のいいアコギですから、これからの季節はキャンプなどの屋外アクティビティに持ち出して、お子さんと一緒に歌ったりするのも最高です!

【アコギの魅力その9】コミュニケーションツールとしてのギター

前項で書いたように、ギターは「コミュニケーションツール」の側面も持っています。子どもと一緒に楽しんだり、屋外アクティビティに持っていって仲間と一緒に歌ったり、コミュニケーションにも大いに役立ちます。

先述のとおり運搬性にもすぐれているので、キャンプやBBQに簡単に持っていけます。伴奏なしで歌うより伴奏ありのほうが楽しいですから、盛り上がること間違いなし! ぜひこの夏に向けてアコギの練習をして、屋外演奏デビューしちゃいませんか?

ちなみに、管楽器やその他の弦楽器も持ち運びできますが、ギターほど歌の伴奏が得意ではありません。こういった面からも、ギターは最強のコミュニケーションツールだと個人的には思っています。ギターを愛しすぎて、だいぶ贔屓目で見ている筆者でございます(笑)。

【アコギの魅力その10】インテリアとしてのアコギ(笑)

魅力その10……というか番外編です。アコギは部屋に飾っておくだけでもすぐれたインテリアになります(笑)。ドラマや映画でも、オシャレな部屋にはアコギが飾られていることが多くないですか? 弾いて楽しむだけでなく、お部屋の雰囲気も何割か増してくれるので、ぜひ飾ってみましょう(笑)。

ギターがあるだけで、ちょっとオシャレな空間を演出できます(笑)

ギターがあるだけで、ちょっとオシャレな空間を演出できます(笑)

ちなみにアコギを部屋に飾っておくと、オシャレになるだけでなく、弾きたいときにパッと手に取って練習ができるようになるのも利点。これ、意外と盲点なんです。ケースにしまっておくと、練習するたびにわざわざ「ケースから出す」というワンステップが障害になってしまうのです。

人間は元来面倒くさがりな生き物ですので(私だけ!?)、ケースから出すのが面倒で練習量が少なくなり、ギターから遠ざかってしまったという話はよく見聞きします。なので、アコギを始めたらケースにしまわず、ギタースタンドに立てかけておくようにしましょう。練習もはかどりますし、部屋もかっこよくなるので(笑)一挙両得ですよ!

まとめ

いくつかの側面からアコギの魅力をご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか? 今回の記事をきっかけにアコギに興味を持っていただけたなら、とても嬉しいです! そして、この勢いで魅力たっぷりのアコギを始めちゃいませんか? なお、ギター選びについて解説した記事がありますので、こちらもぜひ参考にしてみてください!

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それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!

高村尚平

高村尚平

藤沢市のギター教室「ギターの処方箋TAKAMURA」を運営するギタリスト兼講師。ギターと機材が三度の飯より好き。過去には機材メーカーに在籍し、全国で実演セミナーを開催していたほど。

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