今回ご紹介するのは、世にも珍しい手作りカメラ。プラモデルのように自分で組み立てるカメラ、「DIY 35mm Camera (通称LAST CAMERA)」です。しかも懐かしのフィルム式! 手作りならではの楽しさと、フィルムの独特の風合いを味わえるおもしろいカメラになっています。それではまずカメラを組み立てるところから紹介していきますね。組み立ての難易度はかなり高くなっておりますよ!
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まさにプラモデルのようにパーツが封入されています |
パッケージを開けると、まさにプラモデル! 本体は黒いプラスチックのパーツで組み立てるようになっております。このほかにレンズ、ネジ、バネなどが封入されていますが、それぞれ個別に包装されておりますので、まずは一緒にならないように分けておきましょう。組み立てには別途、ニッパーやヤスリなどを用意してください。小型のプラスドライバーが付属しておりますが、手持ちに磁石式の小型ドライバーがあればそちらを使ったほうがいいです。そして説明書なのですが、これがぶっちゃけ不親切です。公式サイトに組み立てる様子がくわしく動画付きで公開されていますので、これを見ながら作ることをオススメします。
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まずはファインダー部分を作ります。ここらへんはサクサク作れます |
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続いてはカメラのキモとなるレンズ。バネの扱いに注意 |
LAST CAMERAは、22mmと45mmの2つのレンズが交換できるようになっております。標準サイズの45mmと、広角サイズの22mmを用途に分けて取り替えることができるのですよ。今回は45mmを選択してみました。プラスチックレンズをパーツに入れて、シャッターと連動するようにバネを引っ掛けて組み立てます。このバネがまた厄介! 小さくて、組み立てに失敗して飛んでいくと見失ってしまうので、箱の中で組み立てるなどして周囲に飛ばないような注意が必要です。またネジ止めも、付属のドライバーではネジがくっつかず、イライラすることこのうえないので、お手持ちがあるなら磁石付きのドライバーを使ったほうが楽ですよ。
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続いて本体です。パーツを取り付けていきますよ |
本体はさらに注意が必要です。パーツ自体は多くなく、組み立てるのに時間はかからないのですが、フィルムを巻きとる歯車部分とシャッターボタンがきちんと連動するかどうかを、ネジ止めをする前に絶対確認しましょう。これがきちんと動かないと撮影できません! 筆者も説明書だけではまったくわからず、動画で何回も確認しました。きちんと動けば問題ないので、レンズをはめ込み、外装を組み立てれば完成です。年に数体ガンプラを組み立てる筆者で、合わせて3時間くらいかかりました。大半が説明書の確認のために動画を見ていた時間ですけど…。
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本体完成です。トイカメラっぽさもありますね |
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とてもシンプルな作りです。ちょっと懐かしい感じですよね |
カメラが完成したので、20年ぶりくらいにフィルムを購入し、セッティングしてみました。いやー、なんかすっかり忘れていてどうやってフィルムを巻き取るのかとか、戸惑ってしまいました。
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うしろからフィルムを入れてさっそく撮影です |
フィルムがきちんと入ったら、あとは撮影です。シャッターボタンは軽めなので、ちゃんと撮影できているかどうか不安でした。もちろん手ブレ防止機能やフラッシュもついていないので、慎重に撮影。24枚撮りのフィルムを撮影し終わったら、これまた十数年ぶりにカメラ屋さんに行って同時プリントを頼みました。昔はこれ当たり前だったんですけどね。今でも30分くらいでプリントしてくれたので、ちょっと感激しましたよ。
では、撮影サンプルをご覧ください。写真をそのままスキャンして加工せずにデータ化してあります。
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独特の風合いの写真になりました |
デジタルにはない、アナログな風合いの写真が撮影できました。光がある屋外での撮影は思った以上にきれいに撮影できましたよ。ちょっとボケている感が、昔のカメラでの写真を思い出しますね。ただ屋内はやはり光源が少ないのか、かなり暗い写真になりました。ここでは紹介していませんが、日中の屋内で撮影してもかなり暗い写真になっています。個人的な感想としては「写ルンです」で撮影した感じに似ていました。
LAST CAMERAは、さらにノスタルジックな撮影ができるよう、光漏れドア付きのバックドアがついており、交換することでわざと光漏れを起こした写真を撮影できるなど拡張機能が満載です。ただやはり難易度は高いので組み立ての際は、公式動画の閲覧が必須になると思います。またバネなどを紛失してしまった場合、交換パーツは現在では購入できませんのでこれも注意が必要です。それでもレンズを交換したりして、もっといろいろと試したくなるカメラですね。