トレンドニュース

クリスマス商戦、久々に活気づくゲーム機市場。ただし品薄で販売機会ロスの懸念も

このエントリーをはてなブックマークに追加

任天堂「ミニファミコン」とソニー「プレステ4 Pro」の2製品が人気だが、品薄状況は続く

いよいよクリスマスまであと10日ほどになったが、この時期を年に一度のかき入れ時としている、玩具業界も、今年は例年以上の盛り上がりを見せているように感じられる。

価格.comで取り扱っているすべてのアイテムを集めた「総合人気ランキング」では、タカラトミーの電子知育玩具「うまれて! ウーモ」が首位をキープし続けているほか、同じくタカラトミーの「ベイブレードバースト B-62 デュアルサイクロンスタジアム DXセット」など、「現代版ベーゴマ」と称されるベイブレード関連製品も人気を集めている。もちろん、王道のキャラクター商品である「仮面ライダーエグゼイド 変身ベルト DXゲーマドライバー」(バンダイ)なども好調だ。

図1:「ゲーム機」カテゴリーの閲覧者数推移(過去2年間)

図1:「ゲーム機」カテゴリーの閲覧者数推移(過去2年間)

このように、おもちゃ系製品が好調ないっぽう、テレビゲーム機市場のほうも久々に活況となってきている。図1は、「価格.comトレンドサーチ」で見た、価格.comの「ゲーム機」カテゴリーの「閲覧者」(価格.comから各店舗ページへの推移数)の推移を示したものだが、ここ2年ではもっとも高い数値を示しており、しばらく低調に推移していたゲーム機市場が、今シーズンはかなり盛り上がってきていることを感じさせる。

SIE「プレイステーション4 Pro HDD 1TB ジェット・ブラック CUH-7000BB01」

SIE「プレイステーション4 Pro HDD 1TB ジェット・ブラック CUH-7000BB01」

図2:「ゲーム機」カテゴリーにおける人気5製品のアクセス推移(過去3か月)

図2:「ゲーム機」カテゴリーにおける人気5製品のアクセス推移(過去3か月)

このゲーム機市場の盛り上がりを支えているのは、以前にもお伝えしたように、ソニー(SIE)の「プレイステーション4」(以下、プレステ4)と、任天堂の「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」(以下、ミニファミコン)である。図2は、「ゲーム機」カテゴリーにおける人気5製品のアクセス推移を示したものだが、これを見ても、「ミニファミコン」をはじめとして、「プレステ4」の新モデルである「プレイステーション4 Pro HDD 1TB ジェット・ブラック CUH-7000BB01」(以下、プレステ4 Pro)が好調な推移を示しており、この2機種が市場全体を牽引していることが見て取れる。

図3:「ゲーム機」カテゴリーにおける人気5製品の売れ筋ランキング推移(過去3か月)

図3:「ゲーム機」カテゴリーにおける人気5製品の売れ筋ランキング推移(過去3か月)

ただ、この注目度がそのまま売れ行きにつながっているかと言えば、そう簡単な話ではない。図3は、「ゲーム機」カテゴリーにおける人気5製品の売れ筋ランキング推移を示したものだが、「プレステ4」および「プレステ4 Pro」のほうは比較的安定して売れ筋ランキングの1位、2位をキープし続けているのに対して、任天堂の「ミニファミコン」のほうは、かなりランクの上下が激しい。図2の注目度の高さに比例して売れているというわけではないのだが、この裏にはかなり深刻な品薄状況という問題がある。

図4:「ゲーム機」カテゴリーにおける人気5製品の最安価格推移(過去3か月)

図4:「ゲーム機」カテゴリーにおける人気5製品の最安価格推移(過去3か月)

図4は、「ゲーム機」カテゴリーにおける人気5製品の最安価格推移を示したものだ。これを見ると、一番下の「ミニファミコン」の価格がかなり大きく動いていることがわかるが、実はこれ、本機が品薄のため、一部店舗がプレミア価格での販売を行っていることが原因だ。そもそも「ミニファミコン」のメーカー希望小売価格は5,980円(税別)なのだが、2016年12月14日時点での価格.com最安価格.comは12.010円(税込)と、ほぼ倍の価格がついている。ここ数日、一時的に価格が下がってきているが、これは家電量販店などに少数が入荷したため。しかし、人気ですぐに売り切れてしまうため、6,500円前後と12,000円前後を行ったり来たりという価格推移が続いているのだ。

任天堂「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」

任天堂「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」

いっぽうのソニー「プレステ4 Pro」のほうも、実は品薄状況が続いている。図4の一番上のグラフが「プレステ4 Pro」の最安価格推移であるが、こちらも、メーカー希望小売価格44,980円(税別)のところ、品薄にともなうプレミア価格で、2016年12月14日時点での価格.com最安価格.comは54,367円(税込)と、1割前後高い価格付けがなされている。ただ、こちらのほうは「ミニファミコン」ほどの供給不足ではなく、頻繁に入荷があるため、ほぼ定価で購入できる人も多く、それだけ売れ筋という点では、安定していると言っていいだろう。なお、普及タイプの「プレステ4」のほうは、在庫も豊富なようで、最安価格も33,000〜35,000円くらいのレンジで安定している。ただし、クリスマスに近づくごとに、価格はやや上昇傾向にある。

このように、久々の好況を呈しているゲーム機市場であるが、懸念されるのは、人気モデルの供給不足による、販売機会の損失だろう。特に任天堂については、「ミニファミコン」が予想以上の人気で、深刻な供給不足となっている。メーカー希望小売価格5,980円(税別)というクリスマスプレゼントにも最適な価格帯の製品であるが、このクリスマス商戦には十分な供給が間に合いそうにない。いっぽうのソニーの「プレステ4」も、特に上位モデルの「プレステ4 Pro」がやや品薄状況にはなっているが、こちらについては、5万円近い価格の高級機であり、売り時としてもクリスマスシーズンだけではないため、さほど機会損失とはならないだろう。

ゲームソフト。プレステ4では「ファイナルファンタジーXV」、ニンテンドー3DSでは、「スーパーマリオメーカー」が一番人気

図5:「プレイステーション4 ソフト」人気5製品の売れ筋ランキング推移(過去1か月)

図5:「プレイステーション4 ソフト」人気5製品の売れ筋ランキング推移(過去1か月)

次に、ゲームソフトの側に目を向けてみよう。まず、人気の「プレステ4」用のゲームであるが、図5にあるように、11月29日に発売されたスクウェア・エニックスの「ファイナルファンタジーXV」がダントツの人気を集めている。人気のRPGタイトルである「ファイナルファンタジー」シリーズの、10年ぶりの新作(ナンバータイトルとして)ということもあり、発売前から大きな注目を集めていた本作であるが、期待に違わず、発売直後から大きな人気を獲得している。上記のゲーム機の売れ行きなどを合わせて見れば、本作の発売をきっかけに、「プレステ4」や「プレステ4 Pro」の購入を決めたという人も多そうだ。そういう意味では、今年のクリスマス商戦では、この「ファイナルファンタジーXV」の市場投入が「プレステ4」人気に火をつけたと言ってもいいだろう。

図6:「ファイナルファンタジーXV」の最安価格推移(過去1か月)

図6:「ファイナルファンタジーXV」の最安価格推移(過去1か月)

ただ、気になるのは、本作のユーザー評価だ。2016年12月14日時点での本作のユーザー評価は2.42とかなり低い。この評価の低さの理由は、おもにストーリー展開にあるようだが、ゲームシステムやバトルシステムなど、全般的に評価が低く、「プレステ4」のグラフィック機能をフルに使ったグラフィック以外は、評価できないとする声が多い。こうした声を反映してか最安価格も徐々に下がり始めており(図6)、2016年12月14日時点で6,200円まで下落している。メーカー希望小売価格は8,800円(税別)なので、約35%の下落だ。期待されたビッグタイトルだけに、やや残念な結果になってしまっている。

図7:「ニンテンドー3DS ソフト」人気5製品の売れ筋ランキング推移(過去1か月)

図7:「ニンテンドー3DS ソフト」人気5製品の売れ筋ランキング推移(過去1か月)

いっぽう、任天堂の「ニンテンドー3DS」向けのゲームとしては、11月18日に発売された定番タイトルの最新版「ポケットモンスター サン」「ポケットモンスター ムーン」が人気だが、ここへ来て12月1日に発売された「スーパーマリオメーカー for ニンテンドー3DS」(いずれも任天堂)が人気をあげてきており、2016年12月14日時点の売れ筋ランキングでは1位となっている。さらに12月15日には、定番タイトルの「妖怪ウォッチ3 スキヤキ」(レベルファイブ)も発売され、クリスマス商戦向けに、必要なタイトルはそろった感がある。ただし、図2で見たように、ゲーム機としての「ニンテンドー3DS」の人気自体には影響を与えておらず、その人気にも陰りが見えている。次期ゲーム機として発表された「ニンテンドースイッチ」のほうも、今のところ話題性は乏しく、任天堂としては厳しいクリスマス商戦となりそうだ。

図8:任天堂「Wii U PREMIUM SET shiro」の最安価格推移(過去3か月)

図8:任天堂「Wii U PREMIUM SET shiro」の最安価格推移(過去3か月)

なお、2016年11月に生産終了が伝えられた任天堂の「Wii U」に関しては、現在、品薄状態のため、価格が高騰している。図8は、「Wii U PREMIUM SET shiro」の最安価格推移を示したものだが、市場では11月の発表以前からすでに品薄状態が続いており、価格は高めのプレミア価格で推移していた。11月に生産終了がアナウンスされると、一時期38,000円台まで価格が上がり、それがしばらく続いたが、12月に入ると、一部家電量販店で入荷があり、価格が一時的に定価レベルまで下がった。しかしそれが品切れになったところで、また37,000円台まで戻している状況だ。今後はおそらく在庫限りの販売となるので、この状況はしばらく続きそうである。

鎌田 剛(編集部)

鎌田 剛(編集部)

価格.comの編集統括を務める総編集長。パソコン、家電、業界動向など、全般に詳しい。人呼んで「価格.comのご意見番」。自称「イタリア人」。

紹介した製品の最新価格・クチコミをチェックする
このエントリーをはてなブックマークに追加
関連記事
トレンドニュース最新記事
トレンドニュース記事一覧
2017.7.22 更新
ページトップへ戻る