本連載は、文房具ライターのきだてたくが、「価格.comマガジン」の編集担当・マキノに、便利な文房具をリモートで必死にプレゼンする様子を実況。もし紹介された製品の中で「欲しい」と思うものがあったら、それをマキノは実際に購入!……という自腹買い企画です。
第3回は、「プラスαが有能なオープナー」をテーマに、コロナ禍の通販生活に便利なアイテムを3つプレゼン!
自分に合ったオープナーが必ず見つかるはず!
●優秀な文房具の記事はこちらから!
「文具プレゼンターKIDATE」アーカイブ
https://kakakumag.com/backnumber/?contents=164
「文具対談」アーカイブ
https://kakakumag.com/backnumber/?contents=110
きだて コロナ禍で、みんな通販を使う機会が増えたでしょ?
マキノ めっちゃ使っていますね。
きだて ウチなんかは、生鮮以外の生活物資はほとんど通販なので、毎日何らかの荷物が届く状態で……。
マキノ いや、僕はそこまでではないですが(笑)、でも服とか家電とかは通販で購入しています。
きだて ということで今回は、届いた梱包をサクッと開けられる開梱用のオープナーを紹介しようかなと思うんですよ。ちなみに、マキノさんちは何を使って開けています?
マキノ カッターナイフです。元々、ガンプラ製作用に買ったもので、鋭角刃でよく切れるんですよ。
きだて あー。カッターナイフって切れ過ぎるから、中の荷物まで切り込んじゃう危険性があるんですよ。
マキノ 確かに……。それは注意しないと、ですね。
きだて でも、ちゃんとした専用のオープナーを使えば、いちいち注意して使わなくても、安全・確実に開けられるわけで、とにかくラク。今、立て続けにおすすめできる新製品が出ているんで、今回はその辺りを買ってもらおうかな、と。
きだて まず、2021年7月5日に発売された最新アイテムから行きましょうか。カッターナイフでおなじみのオルファ「替刃式カイコーンPRO」です。
マキノ あれ、この形は以前見たことがあるような……。
プロ仕様になって、さらに使い勝手が向上した「替刃式カイコーンPRO」(上)。従来型「カイコーン」(下)と比較すると、サイズがひと回り大きくなりました
きだて 2019年に発売されたオープナーの「カイコーン」ですね。今回の「替刃式カイコーンPRO」は、それをアップグレードした、いわばプロ仕様の上級モデルって位置付けのやつ。
マキノ 思い出しました。へー、あれのプロ仕様ですか。
きだて まず見た目でわかるところで言うと、「カイコーン」本体が薄い板状のものだったのに対して、「PRO」本体はかなり分厚くなっていて、大型カッターナイフのボディぐらいに握りやすい。
マキノ グリップ感が、増していますね。確かに、プロ用然としていますね。
きだて じゃあこれで、実際に開梱してみましょうか。まずは、ボディ後端にある金属の三角形……、「スリッター」と言うんですが、これをダンボール箱の合わせ目の、テープが貼ってある部分に突き刺します。で、そのままテープを引き切ります。
サクッ、スパーッで頑丈な梱包もあっという間に開けられて快適!
マキノ おっ、意外と簡単に切れましたね。
きだて で、側面はこの「シュモクザメ」の目みたいな部分をすき間に入れて、中のカッター刃でスパッと。これで開梱完了です。
マキノ なるほど、確かにスピーディーですね。
きだて 従来モデルは、最初に使う「スリッター」が樹脂製だったんで、テープに突き刺すのに割と腕力が必要だったんです。それが金属になって、さらに先端も鋭角になったんで、体感的には半分ぐらいの力で開けられるようになりました。
マキノ それはいいですね。使いやすそう。
きだて あとは、レターパックとか厚手の封筒タイプとかの梱包の場合は、まず先端のカッターで封筒の角を切り落として、空いた穴にまた刃を入れて……ほら、スパッと開きました。
緩衝材が入った厚手の封筒も、角を切り落としてスパッと開封。うっかり中身まで切ってしまう心配もゼロです
マキノ そうそう。封筒って、開けるのが割と面倒なんですよね。これはラクでいいな。
きだて 元々「カイコーン」って、ダンボール箱以外にも使える万能性がポイントだったんですよ。それが「PRO」だと、カッター刃の性能も向上したんで、より使いやすくなったという感じ。
マキノ なるほどー。
きだて あ、いちばん大きいアップグレードの説明を忘れていた。この刃なんですけれど、従来は切れなくなったら使い捨てだったのが、替え刃式で交換できるようになりました。
スライダーを引いてロックを解除したら、先端のユニットを引き抜いて替え刃を交換。これなら常に切れ味スパスパ!
マキノ おっ、先っぽが外れましたね。刃がユニットになっていて、それをまるごと交換できるんだ。
きだて テープを切るとベタベタした粘着が刃について、すぐに切れ味が落ちちゃいます。やっぱり替え刃で交換できたほうがうれしいですよね。
きだて もうひとつ、こちらは2021年6月に発売されたばかりの新製品。プラス「ローラーケシポン 箱用オープナー」っていう、個人情報保護スタンプです。
セットで使うツールがひとつに融合したプラス「ローラーケシポン 箱用オープナー」
マキノ 個人情報保護スタンプって?
きだて え〜っとね、通販のダンボール箱に宛名ラベルが貼られているでしょ。その上からローラータイプのスタンプをコロコロ転がして、宛名を読めなくしちゃう、というものなんだけど。
マキノ あーっ、それ欲しかったやつかも! いつも宛名ラベルを剥がして捨てていたんですけど、あれ、いちいち剥がすのが超面倒くさくて。
きだて そんなの、一瞬のコロコロで解決できますよ。
マキノ うわー、もうすでに欲しい!
きだて まぁ、個人情報保護スタンプ自体は以前からあったものなんですが、今回はそこに新たにオープナーが融合しましたよ、という。
マキノ それはすばらしいなー。開梱時に必要なものがセットになっているわけですね。
本体上部に折りたたまれたオープナーは、ダンボールノコギリとしても使用可能
きだて 本体上部に、折りたたみナイフみたいな感じで金属製のオープナーが入っているんで、それを引き出して、テープをザクザク切って開梱します。
マキノ 刃の部分がノコギリみたいな感じになっているんですね。
きだて 手順としては、まず荷物を受け取ったら、宛名ラベルにスタンプを転がして読めなくしちゃいます。はい、コロコローっと。
マキノ 開ける前にですか?
きだて うん、ダンボール箱の合わせ目の上に宛名ラベルが貼られている場合があるでしょ。それを真っ二つに切っちゃうと、消しづらくなっちゃうので、最初に消したほうがラク。
知られたくない個人情報(宛名)は、上からコロコロッと1秒で消去完了
マキノ 確かにそうですね。それにしてもこのスタンプ、真っ黒に塗り潰すんじゃないんだ。なんか、アルファベットみたいなパターンが並んでいるだけなのに、これで読めなくなっちゃうのは不思議だな。
きだて 情報保護スタンプは、プラス以外のメーカーからも出ているんだけど、このパターンは各社いろいろと工夫しているポイント。人間の目の錯覚をうまく利用して、下に書かれた文字を読み取れなくするんですよ。
マキノ へー! 面白い!
きだて あと、実は今までの情報保護スタンプは感熱紙が苦手で、インクがうまくのらなかったんですよ。DMハガキの宛名シールなんかも感熱ラベルですけど、きれいに消せなかったり……。でも、この「ローラーケシポン 箱用オープナー」はインクも進化していて、感熱ラベルにもバッチリ対応というのは大きなポイントです。
マキノ そういうところも進化しているんですね。
オープナーをダンボール箱の合わせ目に入れて切っていけば、スマートに開梱できます
きだて で、あとは刃を出してザクザクと切って開梱、と。もう個人情報は消してあるから、ダンボール箱はいつ資源ゴミに出しても大丈夫。捨てる時に、いちいち消す作業が発生するのも面倒だしね。
マキノ なるほど。オープナーと情報保護スタンプって、セットで使うのが正解なんですね。だったら、合体させてひとつにしたほうが確かに合理的かも。本体の形もシンプルで、玄関にそのまま置いておけそうだし。
きだて 最後は、2020年秋に発売されたミドリ「ダンボールカッター」を紹介。
マキノ ん? これって、何年か前に「価格.comマガジン」でも紹介していませんでしたっけ?
随所に改良が加わったリニューアル版の「ダンボールカッター」(ミドリ)
きだて おっ、覚えていましたね。「ダンボールカッター」は、2018年に発売されたんですが、そこから機能を細かくアップさせたリニューアル版が出たんですよ。
マキノ なんか、以前もめっちゃおすすめされたんで、覚えていました(笑)。
きだて 正直、ダンボール箱の開梱に限定するなら、「カイコーンPRO」よりもこっちのほうが強力かも。で、リニューアルポイントですが、まずは開けやすくなったことがあげられます。このコインみたい本体をパカッと開くと、中から刃が出てくるんですが、従来モデルはこの開ける動きがめっちゃ硬かったんですよ。
マキノ 今、割と簡単にパカッと開きましたもんね。
本体を開いて刃を出す動作がとてもスムーズになりました。従来版を使っている人は、これだけで買い換えの価値あり
きだて 新しいモデルは内部にバネが入ったので、開ける途中からアシストが入る感じで。ジッポライターのフタを開ける感じに近いかな。
マキノ それは、純粋な改善と言えますね。
きだて で、中に小さい三角形のセラミック刃が搭載されているので、それをダンボール箱の合わせ目のテープに刺して、スパッと切って開梱します。この刃が「テープは切れるけど、ダンボールは切れない」ぐらいの最適な切れ味なので、ものすごいスムーズに開梱できるんですよ。
ダンボール箱開梱に特化した刃で、安全かつスピーディーに作業できます
マキノ そうか、以前もそういうおすすめを聞きましたよ。
きだて さらにリニューアル部分で、この刃が交換式になりました。セラミック刃は頑丈ですが、ごく稀に刃が欠けることもある。そういう場合はネジ留めしてあるカバーを外して、刃をくるっと裏返してまた固定すると、もう1回新しい刃として使えるわけです。
マキノ ひとつの刃で2回使えるんですね。お得ですね。
きだて また、これは従来モデルからそうなんですが、刃の高さが4mmというのが絶妙なんですよね。ダンボールの厚みとほぼ同じなので、刃が荷物に当たっちゃう心配がほとんどない。安全性がめっちゃ高いので、気軽にサクサク開けられちゃう。
マキノ あと、確か従来モデルは、マグネットで冷蔵庫に貼れるって言ってたじゃないですか。あれなんかも改良されたんですか?
両面にマグネットを内蔵しており、貼りやすさもアップ!
きだて よく覚えているうえに、ナイスアシスト!(笑) 実は、そこもリニューアルされています。従来モデルはコインの片面にしかマグネットが入っていなかったので、うっかりマグネットのない面を貼ろうとして落ちちゃうことがありました。新モデルは両面マグネット入りなので、どっちを貼っても大丈夫です。
マキノ それは地味に便利! とことん改良されているなー。
きだて 冷蔵庫周り、つまりはリビングやダイニングで荷物を開ける場合も便利だし、あとは玄関で荷物受け取ってすぐ開ける場合もあるでしょ。だったら、玄関ドアに貼っておいてもいい。いつも荷物を開ける場所に定位置を作って貼っておくと、オープナーを紛失しにくいんですよね。
マキノ ちなみに、今回紹介された3製品って、お値段はどれぐらいでした? 自腹買いなんで、そこも気になるんですけど。
きだて 実は3点とも、1,000円前後なんで、金額的な差はないです。なので、純粋に性能で選ぶ感じかなー。
マキノ うわ、逆に迷う!
きだて ダンボール箱を開ける機会が多いなら、やっぱり「ダンボールカッター」が最強かな。ほかのタイプの梱包も開けたいのなら「カイコーンPRO」で、個人情報保護が気になるなら「ローラーケシポン 箱用オープナー」と。
マキノ 正直、どれも欲しいんだよな……。個人情報保護スタンプって、DMとかにも使えるんですよね?
きだて そうそう。郵便物も、宛名を消してから捨てられます。シュレッダーかけるより簡単で手早いよ。
マキノ うわー、ホント悩むな。うん、ちょっと熟考します!
自宅での個人情報の取り扱いを強化すべく、「ローラーケシポン 箱用オープナー」の「ホワイト」を購入。きだてさんの言うとおり、宛名消しや開梱がセットでスムーズにできて便利でした! 一家に1台あるべき文房具ですね。しかし難点がひとつ。佐川急便やヤマト運輸などの複写式伝票の場合、表側はすべてローラースタンプで情報を隠せますが、裏面のカーボン用紙には筆跡が残っちゃいます……。捨てる前に、結局破るなり、シュレッダーにかけるなりの対処が必要です。いっぽうで、「Amazon.co.jp」などの印字のみの伝票であれば、コロコロ1回で個人情報は隠せます
●優秀な文房具の記事はこちらから!
「文具プレゼンターKIDATE」アーカイブ
https://kakakumag.com/backnumber/?contents=164
「文具対談」アーカイブ
https://kakakumag.com/backnumber/?contents=110
最新機能系から雑貨系おもちゃ文具まで、何でも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は大手文房具店の企画広報として企業ノベルティの提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。