今年の夏も暑かったですね。コーヒー好きの筆者としてはアイスコーヒーの消費量が半端じゃなかったです。特に最近人気の、水で抽出する「コールドブリュー」のアイスコーヒーにハマりました。これからは自宅でも作ってみようと思い、容器などを探していたところ、なんと水ではなくミルクで抽出する「ミルク出しコーヒー」なるものを発見! これは試さずにはいられません。
HARIO(ハリオ)の「ミルク出しコーヒーポット」です。セット内容は、500mlサイズの耐熱ガラスポットとコーヒーパック30枚
ミルク出しコーヒーとは、コーヒー粉をミルクの中に溶け込ませながら、時間をかけて抽出するアイスコーヒーのこと。水出しコーヒーと似ていますが、水ではなくミルクを使うところが最大の違いですね。その味わいはカフェオレともコーヒー牛乳とも違っていて、「大人のミルクコーヒー」と呼ばれているようで、非常に気になります。
そんなミルク出しコーヒー専用のポットがハリオから発売されていたので、購入してみました。コーヒーポットとコーヒーパックがセットになっていて、コーヒー粉とミルクは好みのものを自分で用意します。
牛柄とコーヒー豆がデザインされていてかわいいです。コンパクトなサイズながら口が広く、コーヒーパックを出し入れしやすいようになっています
付属のフタの内側にはシリコンゴムが付いており、ガラスのポットにしっかりハマる仕様
さっそく作ってみましょう。まずは豆を用意します。公式サイトを見ると、深煎りでも浅煎りでもどちらでもOKで、それぞれ違う味わいになると書かれていました。筆者は、アイスコーヒーには断然深煎りが合うと思っているのですが、深煎り以外だとどういう味わいになるのかも気になったので両方用意してみました。
深煎り・中細挽きのアイスコーヒー専用粉、中煎り・粗挽きのレギュラー用粉の2種類を用意
深煎りの粉はカルディのアイスブレンドです。酸味よりも苦みが強い粉で、ややスモーキーな味わいが好きです。もうひとつはスーパーなどでよく売っているUCCのレギュラーコーヒー粉。浅煎りと深煎りの間くらいで、酸味、苦みともにそんなに強くなく飲みやすいコーヒーです。ただアイスで試すのは初めて。
それでは、まずは深煎りでミルク出しコーヒーを作ってみましょう。
コーヒーパックにコーヒー粉を入れていきます。40gが推奨です
コーヒーパックはしっかりと包みこむようにフタができます。ここをしっかりやっておかないと、ポットの中で粉がこぼれてしまうので注意です。
上部が紐状になっているので、片側をハサミで切っておきます
ではここにミルクを注いでいきましょう。ミルクは何でもいいようですが、公式サイトなどでおすすめされていた「成分無調整」のものを選びました。
40gの粉を入れたので、めいっぱいの500ml部分まで注ぎます。そして紐状の部分を挟みつつフタを閉めます
紐状の部分をフタに挟んでおけば、パックを浮かせたまま抽出することができ、取り出すのも簡単というわけです。このコーヒーパックは30枚付属していますが、単体で別売り販売もされていますよ。
あとは冷蔵庫に入れて8時間待つだけなので、作り方はいたって簡単です。抽出の推奨時間は約8時間なので、最初はその通り試してみましょう。何度か試していくうちに、粉の量や牛乳の種類、抽出時間も好みに合わせて調整していけそうですね。
コーヒーポットはドアポケットに収納できるサイズ感です
約3時間経過。ほんのりミルクに色が付いてきました
約7時間経過。かなりミルクコーヒーの色合いになってきています。あと少し待ってみましょう
8時間経過しました。かなりコーヒー色が付きましたね。紐を引っ張ってコーヒーパックを取り出しましょう
ではいよいよ、完成したてのミルク出しコーヒーを飲んでみます。注ぎ口が付いているので、氷を入れたグラスに注いで飲んでみました。色合いといい香りといい、コーヒー牛乳っぽいのかなと思ったのですが、これがなんと予想を覆す味だったのです。
その味わいはいかに
口当たりや喉ごしはミルクそのものなのですが、しっかり深煎りのアイスコーヒーの味がします。なんでしょうこれは……不思議な感じです。アイスコーヒーにミルクを入れたカフェオレとも違うし、“ミルクなんだけど味がアイスコーヒー”みたいな新しい感覚でした。深煎りのアイスコーヒー粉を使ったせいかもしれませんが、しっかりとアイスコーヒーの苦みを感じることができます。飲み口は水出しコーヒーに比べて少し濃厚ですが、べっとりとした感じはまったくありません。
続いてレギュラーコーヒー粉のほうでも作ってみます。中煎りなので、少し抽出時間を長めにしてみましょう。
先ほどの手順通りに作って冷蔵庫にイン。10時間後に取り出しました。色的にはアイスブレンドで作ったのとほぼ変わりません
飲んでみると、アイスブレンドの粉よりもやや味が薄く感じました。粉の種類にもよるのかもしれませんが、苦みの印象はかなりやわらいでいます。また、後味のアイスコーヒー感もちょっと薄く感じましたね。ただ飲み口はスッキリしており、香りに関してはむしろ深煎りのアイスブレンドよりも強く感じました。
今回、深煎りと中煎りの2種類で試してみましたが、深煎りはコーヒー本来の苦みとコクも感じられつつ、ミルク出しによるほんのりと爽やかな甘さが加味される感じですね。いっぽう中煎りは、苦みとコクは薄めで、酸味がやや強い印象を受けました。スッキリとした苦みを味わいたいなら深煎りがおすすめです。
今回初めてミルク出しコーヒーを飲んでみましたが、“ミルクな飲み心地で味はアイスコーヒー”という不思議な感覚で、カフェオレやカフェラテとも違うんですよね。カフェオレもミルクの甘さとコーヒーの苦みが感じられる飲み物ですが、後からミルクを足して作るので、コーヒー+ミルクの甘さ感というプラスの味わいになり、後から足すミルクの味が勝つというか、コーヒー本来の苦みやコクがやや薄く感じられるのは否めません。
しかしこのミルク出しコーヒーは水を使わず、ミルクだけを使ってコーヒーをじっくり抽出することで、コーヒー本来の苦みやコクが損なわれずにミルクの中に溶け込んで味がなじんでいきます。そのため、スッキリとした苦みと清涼感ある喉ごしで、“思ったよりも全然甘くない不思議なアイスコーヒー”ができあがるのです。ただやはりミルクで作っているので、水出しコーヒーのような口当たりのスッキリ感はちょっとなくなる感じはしますね。まさに大人のミルクコーヒーといった味わいでした。
お風呂上がりにキューっといくもよし、ミルクのやわらかい口当たりを感じながらアイスコーヒーの味を楽しむもよし。スッキリとした苦みと清涼感という、一見相容れない不思議な感覚をぜひ味わってみてください。個人的には、仕事の気分転換にちょっとだけ甘くして飲むことにハマっています。ミルクのやさしさとコーヒーの苦みを同時に楽しめて、頭もスッキリしますよ。
砂糖やガムシロップを多めに入れるとスイーツのようなミルクコーヒーを楽しめますよ。ちょっと背徳感のある味わいです
コーヒーポットは水出しコーヒーにも使えました
正直なところ、このポットがなくてもミルク出しコーヒーは作れるのですが、付属のコーヒーパックと組み合わせることでかなり便利に使えます。コーヒー粉がこぼれず、ポットの中でちょうどいい感じで浮かせて抽出できて、サッと取り出せるんですよね。
もちろん普通の水出しコーヒーにも使えます。耐熱ガラスなので、食洗機でもお手入れ可能ですよ。
不思議な味わいのミルク出しコーヒーは、少し涼しくなってきた今の季節にもぴったり。ぜひ一度試してみてください。
趣味も仕事もゲーム漬けだった人生から脱却を図り模索中。ホビーや生活雑貨記事などを書かせていただきます。