ホットコーヒーがおいしい季節ですね。自分でコーヒーをいれる方法として一般的なのは、ドリッパーにフィルターをセットし、コーヒー粉を入れ、お湯を注ぐというスタイルかと思います。もしくは手軽に、フィルター付きのドリップコーヒーを使うこともありますね。
いずれの場合も大切なのが、お湯の注ぎ方。理想は、コーヒー粉の中心に真上からやさしく注ぐことなのですが、これがなかなか難しいのです。特に筆者宅では普通のヤカンを使っているので、注ぐ位置や湯量の調節がうまくできず、雑味が混ざった味に仕上がってしまいます。
そこでついに、ドリップに最適なアイテムを取り入れてみることにしました。
下村企販の「珈琲考具 ツードリップポット Pro」。幅25.5×奥行13×高さ11cm、内径8.5(底径11.5)×深さ9.5cm。重量約325g。オールステンレスで、フタもないシンプル構造です
かなり小ぶり。適正湯量が500mlと、コーヒー約2杯分なので「ツードリップポット」という名前なのでしょうか
この「ツードリップポット」を使うと、誰でもバリスタのごとく上手にハンドドリップできるのだとか。本当なのかどうか、そしてコーヒーの味が変わるのかどうかをチェックしてみましょう。
「ツードリップポット」最大の特徴は、どんなに傾けてもお湯が真下に注げること。かつ、ドバッと出ずに一定の湯量で静かに出てくるそうです。
注目すべきはこの注ぎ口。極細のS字形状で、先端がクイッと垂れています
では、実際にお湯がどう出るのかを見てみましょう。比較対象は、自宅でもう20年ほど使っているヤカン。いずれも、マグカップがいっぱいになる程度のお湯を沸かして注いでみます。
まずはヤカンから。動画でご覧ください。お湯が放射線状に出ていて、湯量の調整も難しいです。
続いて本製品。お湯がまっすぐ真下に出ており、かなりゆっくりと注がれているのがわかります。
違いは一目瞭然ですね。ヤカンからのお湯は弧を描いて落ちていくので、狙った位置に注ぎにくいです。また、ドバッと勢いよく出てしまうため、湯量のコントロールも難しいです。
いっぽうの「ツードリップポット」はかなりゆっくり、そして一定の量でお湯が注げます。そして驚くべきことに、どんなに傾けてもお湯が真下に、垂直に落ちるのです! これなら注ぐ位置や湯量の調整も容易ですね。
ヤカンと本製品ではお湯の出方と軌跡がまったく異なります。ゆっくりと狙った位置にお湯を注ぎたい場合は本製品が圧倒的に使いやすいですね
それでは、実際にコーヒーをいれるのに使ってみましょう。
まずは市販のドリップコーヒーから。今まではヤカンを使っていたのですが、ドバッとフィルター内にお湯があふれて、満タンのフィルターからコーヒーを抽出する感じになることが多々ありました。もはやお湯を落としているような感じですよね。これではうまく抽出できず、味にも雑味がある印象でした。
「ツードリップポット」なら狙った位置にピンポイントで、ゆっくりとお湯を注げます。これは想像以上に使いやすいですね
続いて、自分で豆をひいてフィルターに入れたコーヒーを抽出してみましょう。少しお湯を入れたらちょっと蒸らして時間をおき、またゆっくりとお湯を注いでいきます。コーヒー粉の中心で「の」の字を描くように、真上から静かにお湯を注ぐという理想的な注ぎ方が簡単にできます。なんだかバリスタになったような気分を味わえますよ。
意識せずとも理想的な注ぎ方になります
飲んだ感想は、いずれの場合も雑味がなく、スッキリと飲みやすくなっていました。お湯の注ぎ方を変えただけでここまで変わるとは! S字の細長い注ぎ口により、沸騰したお湯が少し冷まされて注がれるのもいいのかもしれません。このポット専用の温度計も販売されているので、それを使うともっと正確に狙った温度で抽出できますね。
ガスの直火はもちろんIHにも対応しているので、使いどころを選びません。フタはありませんが、オールステンレスで熱伝導がいいのか、沸騰時間はかなり早く感じました。
ただ、持ち手部分までステンレスなので沸騰すると熱くなってしまいます。持つときはミトンやタオルなどを使うと安心。別売りで革製のハンドルカバーもあるみたいです。
サイズが小さいので、五徳にしっかりと乗っていることを確認してください。筆者宅ではカセットコンロにピッタリだったので、自宅ではこちらを使用しています
また、シンプルなデザインなのでお手入れも簡単です。水切れがよく、中に手を入れて洗いやすいので、ストレスがありません。
フチが外巻き加工になっていて、水切れが早いのです
口が広いのでお手入れもラクラク
最初は、お湯が真下に出ることでそんなに変わるのか?と疑問でしたが、実際に使っていれてみると本当に雑味がなくなり、コーヒー自体がスッキリとしたマイルドな味わいになるんですよね。お湯の注ぎ方を変えるだけで、そこそこ安い豆や粉でもいい方向に味が変わったのでちょっとお得な気分でしたよ。
味についてもそうですが、道具の使い勝手として、湯量の調整と位置コントロールがしっかりできるのはかなり快適でした。自分の狙ったところにお湯を注げるので、ばらつきのない抽出ができるようになりましたね。
コーヒー1〜2杯分のお湯を注ぐためだけの道具ではありますが、とことん考えられてこのシンプルな形状に至ったのだな、と作り手のこだわりを感じます。垂直にお湯が落ちる極細の注ぎ口は、体験すると手放せなくなりますよ。コーヒー好きの方はぜひ試してみてください。
すぐに沸いて便利なので、実はカップスープなどにも使っちゃっています。ダマになりやすそうな場所にピンポイントで注げますよ
趣味も仕事もゲーム漬けだった人生から脱却を図り模索中。ホビーや生活雑貨記事などを書かせていただきます。