さまざまなサービスサイトで会員登録をすることが増えた昨今。IDとパスワードを管理するのに便利な専用ノートを紹介します!
価格.comマガジンをご覧の皆さまの場合、ネット通販を利用する機会は、世の中の一般平均よりも多いんじゃないでしょうか。となると、通販サイトにログインする頻度も高いと思うんですが……、ログインパスワードの管理ってどうされていますか?
脅すわけじゃありませんが、最近はアカウントを乗っ取ってくるようなネット犯罪において、AIを利用した強力なパスワード解析ツールが使われています。AIツールを使えば、一般的なパスワードの51%が約1分以内(!)に突破され、英大文字/小文字/数字/記号が混在した複雑なパスワードでも、8桁程度なら7時間ほどで突破可能とのこと。AI怖すぎ。
しかも、これは他人事じゃありません。アカウントが乗っ取られて個人情報ダダ漏れになる危険性は、どこにだって転がっているわけで。じゃあどうするべきかと言うと、せめて普段からパスワードをもうちょい強固にしておこうよ、という話です。
パスワードを決めるとき、大体の人は「8文字以上のパスを登録? じゃあ8文字でいいよね」ってなりがち。しかも、「英小文字+数字」というシンプルに覚えやすいやつで、下手するとほかのサービスのパスと使い回しているなんてことも。
ぶっちゃけ、それは超危ないです。先のAI解析ツールに対抗するセキュリティー企業によると、安全性を高めるためには、パスワードは「15文字以上であること」「アルファベットの大文字と小文字/数字/記号を含めること」「3〜6か月ごとに変更すること」がまず大事。加えて「同じパスワードを使い回さないこと」というのも非常に重要です。
そこで使ってみてほしいのが、テージーから発売された「パスワードノート ケルベロス」です。ひと昔前は「パスワードを紙に書いて残すなんて言語道断!」という風潮だったのですが、最近はそれよりも上記のように“15桁以上の複雑なパスワードをこまめに変更する”ほうが重要視されています。当然ながらそんな長いパスワードを自分の記憶だけで運用するのはまず無理なので、専用のパスワード管理ノートの出番、というわけですね。
ギリシャ神話における、地獄の門を守る番犬から名を取った「パスワードノート ケルベロス」
記録ページの一例。特殊なルールにしたがって記述することで、誤読や書き間違いがかなり減らせます
パスワード管理専用ノートと普通のノートは何が違うか? と言うと、まずあげられるのが「書き間違い・読み間違いを抑制する特殊なマス目罫線」です。手書きで英大文字/小文字/数字/記号が混在したものを記入する際には、いろいろな罠が潜んでいます。たとえば、英大文字「O」(オー)と小文字「o」(オー)と数字「0」(ゼロ)。あと、英大文字「I」(アイ)と小文字「l」(エル)と数字「1」(イチ)とか。英子文字「q」(キュー)と数字「9」(キュウ)とか。簡単に間違えそうになりますが、書き間違い・読み間違い=ログイン不可になるのですから、なかなかプレッシャーは大きい……。
3段マス目罫線の使い方。大文字・小文字・数字でそれぞれ場所を分ければ間違いにくくなる、という仕組み
「ケルベロス」が採用している記録ページは、TVチャンピオン文具王・高畑正幸氏が考案したもので、パスワードは大きく3段に分かれたマス目に書き込みます。
このとき、書き込む場所を
英大文字:最上段にチェック+上段・中段
英小文字:中段
数字:中段+下段
記号:上・中・下段
というように分別することで、よく似た文字が混在してもきちんと書き分けられるし、読み返すときも間違えづらくなります。
ルールどおりなら、これが英大文字「I」(アイ)か、英小文字「l」(エル)かはハッキリ判断可能なんです
ちょっと聞いただけでは複雑に聞こえるかもしれませんが、実際に書いてみると意外とシンプル。それでいて間違う可能性は限りなくゼロに近づけられるのは優秀だと思います。また、ルールどおりにしておけば、多少の悪筆や崩しも判断しやすいのもポイント。
たとえば、上の写真のパスワード欄、左から5文字目ですが、タテ棒の上端が微妙に上段マスに突き抜けているので、大文字「I」(アイ)か小文字「l」(エル)かが判断しにくい状況。ですが、よく見ると最上段にチェック線が入っていないので、これは小文字「l」(エル)だとわかります。自分の悪筆に自覚がある人でも、これなら安心できそう!
パスを定期的に変更するなら、登録日と更新の記録が便利
最新のパスがどこに記載されているのかも、これならわかりやすいです
ページ右上には登録日と更新/終了欄があります。登録日はもちろんサービスにサインインした日付を書きます。で、パスワードを更新(3〜6か月ごとに更新しよう!)した際には、まず元ページの更新欄にチェックを入れ、新しいパスワードをどのページに記録したかも記入します。こうすることで、今見ているパスワードが最新のものか、そうでないかがわかりますし、最新の情報もすぐに探せるというわけ。解約したサービスは終了にチェックを入れておきましょう。
ノートには記録ページだけでなく、一覧性の高い目次ページも準備されています。ページナンバーと使用しているサービス名、登録日・更新/終了を記入する欄があり、記録ページの内容に合わせて書いていくことで、登録している通販サービスやサブスクがずらっと並ぶ仕組みです。
目次は加入サービスの一覧にもなるので、使っていないサブスクを思い出すにも有効です
これによって、登録してからどれぐらい更新していないかも確認できるので、「そろそろパスワード変更しなきゃなー」とか「そういえば、あのサブスクに入ってから全然使ってないかも」と思い返すことにも役立ちそう。たまにはそうやって目次をチェックすることで、むだなサブスクの出費を抑えられるかもしれません。
目次ページの冒頭には「共通ID」の欄。これを書いておくと、記録ページの記入がちょっとラクになります
いろいろ書くことが多くて面倒だなと思われるかもしれませんが、そのあたりをちょっとだけラクにする工夫も含まれています。それが「共通ID」という概念です。そもそもパスワードはこまめに変更するべきですが、一緒に必要となるIDは登録メールアドレスがそのまま転用されるケースがほとんど。それ以外には、せいぜいSNSのIDをそのまま使うソーシャルログインがあるぐらい。
つまりほとんど変えることがないので、事前に3つほど、表紙を開いてすぐの「共通ID」欄の「A」「B」「C」の場所に自分のメールアドレスやSNSのIDを記載しておきましょう。いざパスワードを記録しておく段になったら、IDの欄にある「A」「B」「C」のうち、今回使う共通IDのところに丸を付けるだけ。いちいちIDを書く必要がないわけです。
クリッと丸付けするだけで、長々とID(メールアドレス)を書く手間は必要なし
きっちりとIDとパスが記録できたら、あとはこのノートを他人に見られないようにしっかりと保管するのが重要です。とはいっても、あなたの元にスパイが忍び込んでパスワードノートを盗み見る可能性と、オンライン上でパスワード解析されてアカウントを乗っ取られる可能性を比較したら、どっちがより危ないかは考えるまでもありません。ぜひこの機会にセキュアなパスワードに変えて、それをノートで管理するという手を検討してはいかがでしょう。