テレビショッピングの定番の1つと言えば、万能洗剤。ひと昔前に、“マルチクリーナー”として一世を風靡した懐かしい商品に偶然再会しました。この商品を盛んにテレビショッピングで目にしたのは、筆者がまだ子供だったころのことですが、大人になった今、その威力がどれほどなのかが気になり、興味本位で購入してみました。
まずはこの商品になじみのない方に、簡単な紹介を。イギリス製の本商品は、キッチン・洗面所・お風呂場・リビングの床など、マルチに使用可。世界50ヶ国で長年愛用され続けているという触れ込みで日本にも上陸しました。
今ではマルチクリーナーはそれほど珍しくありませんが、当時は画期的な商品として紹介されていたことを記憶しています。そのなかでも今回ご紹介するのは、ペーストタイプの商品。高密度精細クリームが汚れの深い部分にまで浸透し、汚れ落としはもちろん、殺菌も可能と書かれています。鍋やフライパンの焦げ落としや油汚れにも最適とのこと。
次は成分チェックを。成分表示には、シリカ、水分、脂肪酸、ケイ酸ナトリウム、グリセリン、芳香、四ホウ酸ナトリウムの順に書かれています。調べてみたところ、主成分のシリカは、アイシャドーやファンデーションなどの化粧品において湿気による固形化を防ぐ役割として使用されるほか、安定化などの目的でクリームや乳液に使用されるとのこと。また、硬度が高いため、歯磨き粉に研磨成分として用いられることもあるそうです。また、脂肪酸というのは、石油系由来の合成洗剤に対して、環境を汚さない脂肪酸洗剤というのがあることから、洗浄成分の1つと思われます。ケイ酸ナトリウム、グリセリンも油分などの分解成分として天然系の洗剤によく見られる成分です。
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成分チェック。アルカリ洗剤なので使用時は要手袋です! |
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中身はセメントのようなペースト。見た感じは少し毒々しいですが、水になじむと発泡して白くなります |
基本を押さえたところで、いよいよ実験。焼き付いて取れにくくなってしまった鍋の噴きこぼれ汚れを落としてみました。
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途中から諦めてあまり手入れをせずに汚れてしまっていた鍋。とはいえ、やっぱりキレイに甦らせたい! |
粗めのスポンジに適量の溶剤を取り、少し力を入れてゴシゴシ。粘土状だった溶剤はすぐに溶けて泡立ち始め、汚れとなじんで剥がれやすくなっていきました。そしてご覧のとおり、すっかりキレイに。
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予想以上にキレイになりました。まだ少し汚れが残っていますが、細かな部分は時間をかけて根気よく擦ればもっと見違えるはず |
ポイントは研磨剤の成分をあまり溶かしすぎないこと。あまり水を含ませてしまうと、すぐに研磨効果がなくなってしまうので、こびり付きが酷いものは乾いた状態での使用がベターです。
この洗剤の特長は、やはり水分の調整でいろいろなものに“マルチ”に使えること。家庭に1つあると便利な商品です。