マネー連載
FP山崎俊輔のマネーリテラシー向上委員会

投資デビューで失敗したくない人は「つみたてNISA」でスタートしよう

ファイナンシャルプランナーの山崎です。前回は「ボーナスは使い切ってしまう前に『簡単仕分け』で予算配分してみよう」というテーマで、お金を「残す」方法について説明しました。今回は、残したお金を投資で「増やす」方法をアドバイスします。

「投資」と聞くと、投資経験がない初心者は不安になるかもしれませんが、1月から始まる「つみたてNISA」の制度を活用すれば、銀行や証券会社の営業マンに手数料が高い金融商品をすすめられるなど”カモ”にされて失敗に終わることなく、投資の楽しさ、大切さを経験できます。

「株価が上がっているから投資したい」はすでに乗り遅れ

株価が大きく上昇しました。下のグラフのように、国内の株価は、日経平均株価でいえば今年最安値であった1万8224円(4月17日)から2万3382円(11月9日)まで一気に上昇しました。米国の株価もダウ工業株30種平均(NYダウ)が史上最高値を更新するなど、世界的に株高の環境が続いています。

日経平均株価とダウ工業株30種平均の推移(月末値)

日経平均株価とダウ工業株30種平均の推移(月末値)

半年あまりで日本の株価が30%近く値上がりした、などと聞くと、投資をしてみようと思う人が増えます。株価の上昇時期は、ネット証券に口座開設の問い合わせが殺到するそうです。

しかし「株価が上がっていて、もうかりそうないまこそ投資デビューのチャンス!」と考えた人は、すでに今回の株価上昇には乗り遅れています。株価の行く末は誰にも断言できませんが、もしかするとすでにピークは過ぎていて、しばらく値下がりすることもあるかもしれません。

とはいえ、株価が下がっているときに投資デビューしたい人は少ないでしょう。未経験者が投資デビューのタイミングを狙っても、なかなかうまくいきません。

投資デビューに最適なのは「つみたてNISA」

実は2018年に投資デビューを考えている初心者におすすめの制度があります。それは「つみたてNISA」です。つみたてNISAは投資をスタートするにあたり、初心者が抱える不安のほとんどを簡単に回避できる仕組みです。

不安その1:営業マンに「あれもこれも」と投資商品をたくさん買わされない?

たとえば、金融機関の営業マンに「あれもこれも」とたくさんの投資商品を売りつけられないか、という心配なら無用です。なぜならつみたてNISAには「年40万円まで」という枠組みがあり、それ以上は押し売りされないからです。

不安その2:手数料が高い投資商品ばかりじゃない?

また、「高い手数料の投資商品を売りつけられるのでは」という不安もあると思います。つみたてNISAでは、金融庁がガイドラインを示し、手数料で金融機関がぼろもうけするような商品は販売できません。何千本もある投資信託の中から130本くらいしか販売が認められないくらい厳しいルールで、つみたてNISAの中で商品選びをすればハズレをつかむ心配はほとんどありません。特に手数料が割安というのは、個人にとって重要なメリットです。

不安その3:忙しくて買いそびれたらもうけ損?

定期的な積み立て購入を前提としているのも、つみたてNISAの特徴です。基本的には毎月1万円程度の積み立てでいいでしょう(もっと少なくてもOK)。高いときに少しだけ買い、安いときにたくさん買う、というのが積立投資のメリットです。

取り扱いは金融機関ごとのルールに従いますが、ボーナス月の増額もできると思います。株価が上がったり下がったりする中でも積み立てを続けることで、結果として株価が戻れば大きなプラスになります。仕事が忙しいときに、いまは株価が安いか高いか、買うか買わないかという判断をしなくてもいいのです。

つみたてNISAは税制優遇も受けられる

つみたてNISAをおすすめするもう1つの理由は「税制優遇」です。NISA口座を開設し、その口座を通じて投資をして得た利益は、どれだけ増えても非課税なのです。通常だと運用で得た利益には20.315%(復興特別所得税を含む)が課税されます。仮に投資で10万円増やせたとしても約2万円引かれてしまうわけです。

ところが、つみたてNISAでは特例により、この課税がありません。つまり、同じ運用成績であれば税金を引かれない分、手取りが増えることになります。

税制優遇のメリットは、運用利回りが高いほど効いてきます。仮に毎月3万円(つみたてNISAの上限に近い数字)ずつ、20年にわたり積み立てたとします。毎年4%の運用収益があったとすると、20年後は投資元本720万円に対して実際の受取額は1100万円です。

毎月3万円積み立て、年4%の運用収益があった場合の投資成果のシミュレーション(金融庁のシミュレーション機能を元に作成)

毎月3万円積み立て、年4%の運用収益があった場合の投資成果のシミュレーション(金融庁のシミュレーション機能を元に作成)

ところが、20%課税されたとすれば、運用成績は同じであるにもかかわらず、税金を引かれた分、20年後の受取額は1007万円まで下がります。この差、93万円は税金で引かれてしまった分の累積です。税制優遇のチャンスは生かさないともったいないことがよくわかります。

つみたてNISAは最大で20年間、非課税のチャンスを継続できます。ただし利益確定をして売却してしまうと、売却した資産についての非課税投資はそこで終了し、その後もっと値上がりした場合には通常の税金がかかることになります。できるだけ長く投資を続けることがおすすめです。

つみたてNISAを始めるならネット証券が便利

つみたてNISAは多くの金融機関で扱っています。銀行でも取り扱っているケースがありますが、ネット証券で口座開設をしておくと便利です。ネット証券の場合、つみたてNISAで販売できる投資信託のほとんどを取り扱っているため「(銀行や大手証券の運用子会社など)うちのグループ会社以外のところが運用している投資信託だから採用していない」ということもありません。

またNISA口座を開設する場合には、セットで証券口座も開くことになるのですが、証券会社で口座を開いておくと、投資の選択肢は一気に拡大します。今後いろいろな投資をしてみるための最初のステップがつみたてNISA口座とセットで準備されるわけです。

口座開設の手続きも、免許証とマイナンバーが用意できれば、ほとんどオンラインで完了します。本人確認が必要なのですが、免許証などの写真をコピーする必要もなく、スマートフォンで撮影してアップロードすればOKです。くわしくは各社のホームページで確認してください

つみたてNISAを始めるにあたって必要なこと

つみたてNISAを始めるときは、以下の2つのことだけ考えておきましょう。

・定期的に投資できる金額を無理なく設定すること
・興味がある投資対象(日本株でやってみたい、世界中の株を買いたいなど)を決めること

これだけ決めれば、外れくじを引く心配はほとんどありません。初心者にとって、投資を始めるための最初のハードルは、証券口座開設の手続きでしょう。ぜひ乗り越えて、2018年は投資デビューしてみてください。
(関連記事:いよいよスタート! つみたてNISAの仕組みと賢い使い方とは?

※本記事は、執筆者個人または執筆者が所属する団体等の見解です。

山崎俊輔

山崎俊輔

フィナンシャル・ウィズダム代表。FPとして、現役世代のお金と幸せのバランスについてユニークな視点でアドバイスする。連載多数。アニメもゲームも愛するオタクで、マンガの蔵書は約4,000冊。

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