レビュー
ペンの性能や静音性が向上した高性能2in1タブレットの新モデル

新しい「Surface Pro」は「4」よりも完成度が高まった!

日本マイクロソフトは、「Surface」シリーズの新モデルとして、2in1のWindowsタブレット「Surface Pro」を2017年6月15日に発売した。ここでは、CPUに第7世代の「Core i7-7660U」を搭載し、ストレージに512GBのSSDを採用するモデル「FKJ-00014」を試用して、前モデル「Surface Pro 4」から進化した点を明らかにする。

「Surface Pro」は、2015年11月に発売された「Surface Pro 4」の後継モデル。Core i7/16GB/512GBのモデル「FKJ-00014」の価格.com最安価格は254,292円(2017年6月27日時点/以下同)。本体サイズは、292.1(幅)×201.42(奥行)×8.5(高さ)mmで、重量は約786g。重量の実測値は795gだった


「Surface Pro」は、キックスタンドによる自立機構、別売の着脱式キーボード、アスペクト比3:2の12.3型液晶ディスプレイ(2736×1824)など、基本的な部分においては「Surface Pro 4」と同じ仕様を採用している。シリーズで踏襲されてきたアルミ削り出しのボディなど、デザイン面もほとんど変わっていない。メーカーいわく、細部のデザインや内部設計を刷新することで、「Surface Pro 4」に比べてパフォーマンスが約20%向上しているらしいが、特筆すべき進化ポイントは、「CPU性能」「ペン」「キックスタンド」「着脱式キーボード」「バッテリー」の5つだ。それぞれ解説していこう。

外部接続端子は従来モデルと同じで、右側(写真)にMini DisplayPortとUSB 3.0ポート×1、左側にオーディオジャック、背面のキックスタンドの内側にmicroSDカードスロットを備える。独自形状の電源コネクターや、USB充電ポートを搭載したACアダプターも従来モデルと同じ

【CPU性能】第7世代のCoreプロセッサーを採用

「Surface Pro」は、搭載するCPUの種類、メモリーとストレージの容量の違いで6機種をラインアップする。一番安い機種はCPUに「Core m3」、中位の2機種は「Core i5」、上位の3機種は「Core i7」を搭載する。いずれもインテルの最新CPUである「第7世代Coreプロセッサー」だ。メモリーは下位1機種、中位2機種、上位1機種の計4機種が8GB、上位の2機種が16GBとなる。なお、前モデル「Surface Pro 4」は第6世代のCoreプロセッサーを搭載していた。今回は、「Surface Pro」上位の3機種のうち上から2番目のモデル(Core i7/16GB/512GB)を試したが、動作は快適そのものだった。早速、ベンチマークテストの結果を見ていこう。

パソコンの総合性能を測れる定番ベンチマークソフト「PCMark 8」のスコアは3113(Home accelerated)だった。「Surface Pro 4」のCore i7/16GB/512GBのスコアが3000前後だったので、そこまで大きな向上は見られなかった。

なお、ストレージのスピードを測定する定番ベンチマークソフト「CrystalDiskMark 5.2.1」(ひよひよ氏作)の結果は下の通り。Read(読み込み)もWrite(書き込み)も非常に高速だった。

ストレージのスピードを測定する定番ベンチマークソフト「CrystalDiskMark 5.2.1」(ひよひよ氏作)の結果。ReadもWriteも高い数値だが、特にSeqQ32T1テストでWrite速度が毎秒900MBを超えているのは優秀だ

ところで、ベンチマークテスト中に驚いたのが、本機の静音性。「Surface Pro 4」は、ベンチマークテストなど負荷のかかる作業中は空冷ファンが勢いよく回ったが、「Surface Pro」は同じテスト中でもファンの風切り音がほとんど聞こえず、静音性も抜群だった。ちなみに、同機のラインアップの中では、「Core i7」搭載モデルのみ冷却ファンを搭載しているが、「Core m3」と「Core i5」搭載モデルではファンレス仕様となっている。

【ペン】ペンの追従性がアップした新「Surface ペン」

「Surface Pro」の専用ペンとして、「Surface ペン」の新モデルが2017年8月以降に別売で発売予定。「Surface Pro 4」と同時投入された前モデルは1024段階の筆圧検知に対応していたが、今回発売される「Surface ペン」は、これを上回る4096段階の筆圧検知に対応。より滑らかな入力ができるようになった。また、新たに傾き検知にも対応。ペンの傾きによって線の太さが変わるため、従来品より本物の筆記具に近い書き味が実現されている。

新「Surfaceペン」のメーカー希望価格は、12,744円(税込)。筆圧は4096段階となり、21msという低レイテンシーでペンの追従性がアップした


ちょっとした筆圧の違いで、線の太さや色の濃さが変わる

ちょっとした筆圧の違いで、線の太さや色の濃さが変わる

実際の使い心地を試すため、他社の記者発表会において、「Surface Pro」にプリインストールされるデジタルノート作成アプリ「OneNote」を使って取材内容をメモしてみた。登壇者のプレゼンテーションを聞きながら速記をしてみたのだが、筆記の認識ミスはなく文字がしっかりと入力できた。また、ペン先への追従性が高く、本物のペンで紙に文字を書いているのとほぼ変わらない感覚で使えたし、筆記の軽快さで言えば、実際の紙とペンより「Surfaceペン」のほうが上だと感じた。

取材メモの一部。筆者なりにかなり速く速記してみたが、誤字脱字はあるものの、誰でも大体読めるメモが取れていると思う。また、ペンの種類をワンタッチで赤ペンに変えられ、重要なメモをサッと強調するのも簡単だった

また、このペンは前モデルにも搭載されていた便利な機能も踏襲。ペンをひっくり返せば、ペン尻のボタンが消しゴムになるうえに、このボタンをクリックすることで、「OneNote」を起動したり、スクリーンショットの撮影をしたりと、「Surface Pro」の機能へのショートカットが実行できる。

シングルクリック、ダブルクリック、長押しと押し方ごとにショートカット機能の割り当てができる。写真は、シングルクリックで「OneNote」を開いた様子。クリックしてから「OneNote」が起動するまでのタイムラグも少なく実用的だった

【キックスタンド】165°に開いた「スタジオモード」はペン入力に最適

「Surface」シリーズでおなじみの本体背面に搭載したキックスタンドは、本機で最大165°まで広がるようになった。この状態を「スタジオモード」と呼ぶが、画面の角度がゆるやかで筆記しやすくなり、ペン入力を多用するユーザーにとっては大きな魅力だ。

キックスタンドを約45°開いた様子。映画や動画を見るのに便利だ

キックスタンドを約45°開いた様子。映画や動画を見るのに便利だ

165°まで開いた「スタジオモード」。文字やイラストを書くのに適している。キックスタンドを開かずに本体をそのまま机の上に置いた状態よりも、少し角度がついた「スタジオモード」のほうが書きやすかった

【着脱式キーボード】アルカンターラ製のスエード調素材で高級感がアップ

「Surface Pro」の公式キーボードカバーとして、「Surface Pro Signature タイプカバー」が発売された。カラーは、プラチナ、コバルトブルー、バーガンディの3色で展開する。価格.com最安価格は、20,941円。

「Surface Pro Signature タイプカバー」のコバルトブルー

「Surface Pro Signature タイプカバー」のコバルトブルー


「Surface Pro Signature タイプカバー」は、キーボード面と外装部にイタリアの高級素材メーカー、アルカンターラ社のスエードのような生地素材「アルカンターラ」を採用。外装部はやや毛足が長くやわらかい手触り、キーボード面は毛足が短くサラサラとした手触りで、従来モデルと比べると高級感がアップした。そのほかのキーボードやタッチパッドなどの仕様は、従来モデルと同じだ。

バックライト内蔵のアイソレーションキーボードは、キーピッチが約19mmでストロークは十分深い。タッチはやや硬めな感触で、クリック感も強めのためしっかりとタイピングできる印象だった

「Surface Pro」と磁石で貼りつく部分が折れ曲がって、キーボードに入力がしやすい適度な角度がつけられる

「Surface Pro」と磁石で貼りつく部分が折れ曲がって、キーボードに入力がしやすい適度な角度がつけられる

前述の取材時に「Surface Pro」使用している様子。隣の記者のノートPCのように膝の上に置いて使うこともできた。しかし、キックスタンドが後方に広がる分、少々不安定……

結局、「Surface Pro Signature タイプカバー」を折りたたみ、タブレットモードで筆記することにした。「Surface Pro」と「Surface Pro Signature タイプカバー」を合わせた重量は、実測値で1097g。軽いと感じる重さではないが、片手で持ってもういっぽうの片手でペンを走らせることは難なくできた

【バッテリー】実測で約9時間超えの稼動を実現!

「Surface Pro」のバッテリー駆動時間の公称は、動画再生時で約13.5時間。それに対し、実際に動画配信サービス「Hulu」で本編が約2時間3分の映画を鑑賞して、鑑賞後の残りのバッテリーを計測したところ、残りは78%だった。鑑賞環境にもよると思うが、これをもとに換算すると駆動時間は約9時間20分程度と推定される。なお計測時、Windowsの省電力設定は「バランス」、バックライト輝度は50%、無線LANは有効、そして「Hulu」の画質設定は「推奨」で実施した。

「Surface Pro 4」は公称でも最大約 9 時間(動画再生時)駆動するそうなので、駆動時間は少し延びたと考えてよさそうだ。これは、第7世代Coreプロセッサーの優秀な省電力性が影響していると考えられるが、携帯して利用することが多そうな本機にはうれしい性能向上だ。

【まとめ】「Surface Pro」と「Surface Pro 4」の価格差は約15,000円

「Surface Pro」(Core i7/16GB/512GB)は、前モデル「Surface Pro 4」(Core i7/16GB/512GB)と比べると、マイナーチェンジに留まっており、新鮮味はそれほどない。「Surface ペン」の進化、バッテリー駆動時間の延長、静音性の向上、キーボードカバーの高級感アップという進化はあるものの、「Surface Pro 4」を持っているユーザーは買い替える必要はないだろう。

だが、「Surface Pro」と「Surface Pro 4」のどちらを買おうか迷っている人は、「Surface Pro」の一択だろう。基本的なスペック面は同等レベルではあるが、「Surface Pro 4」の価格.com最安価格(2017年6月27日時点)は239,544円とそれほど価格が下がっておらず、「Surface Pro」との価格差はわずかに約15,000円だからだ。少しでも完成度が高い「Surface Pro」を選ぶほうが利口だろう。

これから高性能2in1タブレットを購入しようと考えている人にとっては、ビジネス用途でもクリエイティブ用途でも十分活躍できる本機は、検討すべきモデルのひとつといえる。ちなみに、2017年秋にはLTEモデルが発売予定だ。

牧野裕幸(編集部)

牧野裕幸(編集部)

月刊アイテム情報誌の編集者を経て価格.comマガジンへ。家電のほか、ホビーやフード、文房具、スポーツアパレル、ゲーム(アナログも含む)へのアンテナは常に張り巡らしています。映画が好きで、どのジャンルもまんべんなく鑑賞するタイプです。

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